「コミュ力」ってありますよね。

この単語を聞く度に、とても違和感を感じるんですが、今日はそのお話でもしましょうか。

「自分にコミュニケーション力があると思いますか?」と問われたら、たぶんほとんどの人が「ノー」と答えると思うんですよ。

実際私は、監督として多くのクリエイターたちと一緒に作品を作り上げてきたわけですが、おそらく客観的には意思疎通をする技術力はあるかなと思うんですよ。
というのも、クリエイターなんてみんな奇人変人ばっかりですし(笑
そういう人たちと付き合っていれば、そりゃ鍛えられるかなとも思うんですよ(笑
まぁ、私自身も十分に奇人変人の部類に入っているので、似たり寄ったりかもしれませんが(笑

で、そんな私でも、「コミュニケーション力はある?」と問われると、はっきり言って自信ないですからね。

職業での「インタビューアー」はコミュニケーション力で言うとトップクラスだと思うんですが、そんな彼らに同じように質問したとしても、「いやいや、私なんてまだまだ」と言う人がほとんどだと思います。
実際、私が知っているインタビューアーで、そんな人がいましたからね。

 

そして、「コミュニケーション力」ってそもそも何なの?ってこともありますよね。
なんか流ちょうに話せればいいのか、意思疎通ができればいいのか。

例えば実際に私が知っている人で、うちのデバッグ担当の人に、全然しゃべれない人がいたんですよ。

その昔、イベントとかでよく会っていて、飲み会とかでも一緒にいたんですが、彼はほんとしゃべれない性格か、そういう性質か、そんな人でした。

私が「~~でしょ、これとかどうですかね?」みたいに話を振っても、言葉につまりながら、
「…………………………………………………………ぅ、…………は、はぃ……」
みたいな空白があって、返答があるまで10秒とか20秒とか余裕で待つぐらいの人で(笑

メールではちゃんと書けるんですけどね、実際の会話では全然で。

じゃあ、その人はコミュニケーション力がないのかというと、私は全くそうは思わなかったんですよ。

というのも、その人は、しゃべらない(しゃべれない)けど、人の話をニコニコして聞ける人だったんですよ。

だから、飲み会とかにその人がいると、とても話がしやすくて、盛り上がるんですよ。
なぜかというと、相手が話をせずに、ニコニコしながら自分の話を聞いてくれるとか、もうすごく気持ちいいでしょ。
それにニコニコしているから雰囲気もよくて、飲み会にはほんといて欲しい人でしたね。
その人は全くしゃべれない人でしたが、たぶんとても「好かれる人」だと思います。
そういう雰囲気を持つ人でしたね。

じゃあ、コミュ力って何なの?みたいな話になりますよね。

私はこのブログで流ちょうに話を書いていたりしますが、彼の聞き上手さに比べたら、もう足元にも及ばないと思うんですよ。
実際、私は自分の悩みを人に打ち明けない人ですが、彼になら打ち明けられる……ぐらいの大きな人でしたからね。

そういう人を見ていたら、「どう話せるか」なんてほとんど関係ないなと思うんですよ。

大切なのは、「どう聞けるか」であって。

そして、聞くのはニコニコしてうなずいていればよくて、そんなの難しくないですよね。

だったら、「コミュ力」という概念自体がどうやねん、と思うんですよ。
まぁその「ニコニコしてうなずく」というのが難しいというのはあるでしょうけどね(笑
でも、その「ニコニコしてうなずく」のと、一般に言われている「コミュ力」とは、大きく乖離しているような気もするんですよね。

なので、「コミュ力」にとらわれる必要はないと思うんですよ。
全くしゃべれない彼でも、とても愛される人なので、そういう人を知っていたら、だいぶ考え方は変わるんじゃないかなと思ったりもします。

 

まぁ私は今までいろんなクセのある人と一緒にやってきたので、だいぶ「変な人」には慣れているので、一般の感覚からすると、逆にそれが「変」なのかもしれませんが(笑
それもまた面白いということで、よしとしますかね(笑

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