最新作の「ストーリー作家のネタ帳」第4巻ですが、2月上旬ぐらいに出せればと思っています。

2月中旬に引っ越しをするので、うまくいけば、2月5日ぐらいまでにリリースできそうです。

うまくいかなかったら、2月下旬になります(笑

早めにリリースできたらいいな~と思いつつ、チェック作業を進めています。

 

で、今日の本題です。

今日は、未来のお話で、「出版業界の未来を考えてみた」というお話をしてみましょう。

 

紙媒体の出版業界は、もはや死地の状況

一つの記事をご紹介。

出版物の生き残り策はこれしかない(アゴラ)

この記事によると、去年の出版物は全体で5%減で、過去最大の下落率らしいです。

一方で電子出版のみで言うと、31%増だとか。

 

そうなると、今や紙媒体の作家さんたちは、まさに死にものぐるいの競争に入ってるんだろうな~と予測したり。

どんどん売り上げは落ちていって、廃業している作家さんも多いんじゃないかと思います。

その一方で、私は電子書籍分野のみで動いていますが、2年前に出した過去作ですら、売り上げは確実に伸びている状態です。

 

昔の私は、やっぱり紙媒体へのあこがれはあったんですよ。

言うなれば、電子書籍はインディーズで、紙の出版はメジャー、みたいな。

でも最近の出版業界を見ていると、「立場が逆転するのは時間の問題だな」と感じます。

まあ、「逆転する」は大げさとしても、紙媒体の地位や魅力が落ちることには変わりないでしょう。

すなわち、作家さんは少しずつ「電子媒体で有名になること」にあこがれるようになって、「紙媒体で有名になること」はさほど重視しなくなるんじゃないかと思います。

 

「あこがれ」は、どんどん移り変わってゆく

たとえて言うなら、ファッションの中心地が新宿から渋谷、そして原宿に移ったようなものです。

1960年ぐらいでは、新宿はさほど発展していませんでした。

だから家賃が安く済むので、先進的なデザイナーは新宿にファッション店を構えて、売り出したんですよ。

すると新宿がファッション発信の中心地となったわけです。

 

それによって新宿に人が集まり始めて、大手のビルが建ち並ぶようになると、先進的なデザイナーたちは、さらに家賃が安い、辺境の渋谷に移りました。

そして渋谷が人気になって発展すると、もっとへんぴな原宿に移ると。

 

そんな風に、新しくて最先端な情報を発信する人というのは、大衆や大手に交わることをしないわけです。

というよりも、「大衆や大手がついてこられない先端を走っている」と言えるでしょう。

そして、大衆や大手が追随してきたら、さらに先へと進むと。

で、未開の辺境を、自分好みの新たな情報発信地にしていくと。

 

それと同じで、紙媒体というのは既に古くさくて、魅力がなくなってきたように感じます。

今の私は、完全に「電子書籍や電子媒体で、個性的で先進的な情報を発信すること」>「紙媒体で大衆狙いの本を出すこと」という価値観になってます。

「そんなアホなことを真面目にしてるのか!」、「こんなキワモノジャンルを突っ走っている人が、世の中にいるのか!」みたいな作家さんほど、輝いて見えるんですよね。

そして、応援したくなると。

 

紙媒体の「再販制度」は時代遅れなのに、もはや変えられない

現在の紙媒体では、「再販制度」という制度があるんですよ。

ほら、普通のスーパーの食品とか家電とかは、お店が自由に定価から割引をして販売するものですよね。

でも本屋さんの本って、中古を除くと割引販売をしないじゃないですか。

これは、再販制度という制度で縛りがあるから、できないわけですね。

その代わり、無条件で返品ができたりすると。

 

で、この制度がもう完全に時代遅れのものなんですよ。

これは、本を作る量が、供給の量に追いついていない場合にのみ有効になる制度です。

いわゆる、「成長期にのみ通用する制度」だということですね。

でも、今では完全に衰退期になっているので、再販制度はもはや足枷でしかなくて、むしろこの制度が書籍業界の足を引っ張っているとも言えるでしょう。

 

ただ、これはどの業界にも言えることですが、業界の衰退が始まると、既得権益を巡って内部争いが起こるようになります。

再販制度でも、それでおいしい蜜を吸っている人たちがいるわけです。

その人たちが「この既得権益を手放したくない」としているから、「業界全体なんかどうなってもいい、自分の既得権益を守りたい」と思うようになって、業界が衰退していくと。

これは出版業界だけでなく、どの業界にも、国家ですら起こる現象です。

そして、業界外部からの強い干渉がない限り、延々と内部争いを続けます。

 

だから、もはや紙媒体の出版業界が復活することはないでしょう。

私の予想では、再販制度の廃止と改革も、今後10年はおそらく実現できないと思います。

 

まとめ

すると、紙媒体はこれから落ちていくだけでしょう。

紙媒体に未来がないことは、もはや明らかなわけですね。

 

なら、作家さんはどうすればいいのか。

対策は簡単なことです。

さっさと新たな流行発信地に行けばいいわけです。

新宿にビルが建ち並ぶようになって、デザイナーが家賃を払えなくなったら、新たな流行発信地である渋谷に移ればいい、ただそれだけです。

 

そこで、「新宿スタイル」をさっさと捨てて、「渋谷スタイル」という新たなスタイルを提供していけばいいと。

同じように、「紙媒体スタイル」をさっさと捨てて、「電子媒体スタイル」という新たなスタイルで提供していけば、流行に乗ることができるでしょう。

 

もはや、「電子書籍」は「紙媒体を再現、代替する媒体」ではなくなったように思います。

新たなスタイルだということですね。

だから、「紙媒体のような表現」を電子媒体でしようとする人は、流行について行けないでしょう。

もっと詳しく言うと、紙媒体のような大衆向け、一般向けの本を電子媒体で出そうとすると、おそらく売れないでしょう。

それは、新宿スタイルが渋谷スタイルに移ったのに、渋谷で新宿スタイルを売ろうとしているようなものですからね。

 

渋谷では、渋谷のルールとスタイルがあるんだと。

ある意味、下手に紙媒体に入っていない人ほど、新たな電子媒体スタイルになじめるんじゃないかなと思います。

電子書籍や電子媒体は、まだまだ新規参入のチャンスはあると思いますよ~。

 

ということで、今日は出版業界の未来についてお話ししてみました。

今日はここまで~。

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