今日は、作家向けのお話です。

恋愛物語の王道プロット「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」について、紹介してみましょう。

 

「高嶺と花」という少女漫画の王道展開

たまたまツタヤで「高嶺と花」という少女漫画を借りて見てみたんですよ。

第1話はこちらで閲覧できます。(右上にある「第1話試し読み」から見ることができます)

で、「ああ、これはほんと基本に忠実で、うまくまとまってるな~」と感じたり。

 

内容はというと、主人公の「花」は、普通の女子高生。

そんな花は、ある日ひょんなことから、大財閥出身でエリートでイケメンな青年「高嶺」と出会います。

だけど、高嶺は唯我独尊で俺様系な、少々難のある性格で。

でもなぜか花は高嶺から見初められてしまい、高嶺の横暴に振り回されつつも、二人は恋をしてゆく……という流れです。

何というか、女の子の夢が詰まりまくったような設定なんですが(笑

 

恋愛物語の王道展開「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」

恋愛物語ではいろんな王道プロットがありますが、今回紹介するのはその中でも特に普遍的な王道展開になります。

それが、「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」という流れです。

これは分かりやすくて、構成しやすい普遍的な構成なので、恋愛物語を作りたい場合はこのパターンを知っておくと便利でしょう。

 

これは簡単に言うと、次のような構成になります。
  • 第一幕: 二人が出会う
  • 第二幕前半: 二人が仲良くなる
  • 第二幕後半: 二人が別れる
  • 第三幕: 二人が再会する
シンプルでしょ(笑

 

もうちょい分かりやすく言うと、こうなります。
  • 第一幕: 二人が出会い、初めて打ち解け合うまで
  • 第二幕前半: 互いによく知らない状態から、二人が親しくなるまで
  • 第二幕後半: 二人の関係が壊れ始め、別れるまで
  • 第三幕: 二人が別れてから、再会するまで
ちなみに、「別れ」は物理的な別れだけではなくて、心理的な別れになる場合もあります。

 

実際に、いろんな恋愛物語をこれに当てはめてみるといいでしょう。

もうね、ほとんどの恋愛物語で、これが当てはまりますから。

それぐらい、これは普遍的な構成になります。

 

「高嶺と花」の構成

じゃあこれに従って、今回の「高嶺と花」の構成を見てみることにしましょう。

(王道プロットになるように、展開を少し調整しています)
  • 第一幕: 二人が出会い、初めて打ち解け合うまで
    • (日常) 主人公の少女は、普通の高校生。
    • (冒険への誘い) 主人公はある日、家族の都合で、大財閥の御曹司でもある青年(恋人役)と見合いをしなければならなくなってしまう。
    • (拒絶) 見合いの場で、主人公は青年のひねくれた性格を知り、「こんな人、ありえない!」と拒絶する。だけど主人公は、なぜか青年から「気に入った!」と見初められてしまう。
    • (メンター) 主人公は青年から無理矢理誘い出されて、連れ回される。それを通して、青年の横暴さや、唯我独尊の正確さを嫌と言うほど味わう。主人公は、青年に対して対抗心を募らせてゆく。
    • (第一関門) 主人公は、実は青年が主人公を誘い出したのは、「見合いの場では、ごめん」と謝りたかったからだと知る。そんな青年の本心を知り、主人公は初めて青年と打ち解け合い、仲良くなり始める。
  • 第二幕前半: 互いによく知らない状態から、二人が親しくなるまで
    • 主人公は、まだ青年のことを何も知らない。そこで二人は様々な時間を共に過ごすことで、互いを知ってゆく。
    • 主人公が落ち込んだら青年が助けて、青年も遠回しに主人公を気遣ってゆく。
    • そして二人は、少しずつ互いの本心を知り、絆を深めてゆく。
  • 第二幕後半: 二人の関係が壊れ始め、別れるまで
    • (ターニングポイント) 主人公は青年と一緒にいる必要がなくなってしまう。青年は本来、主人公とではなく、主人公の姉と見合いをすることになっていたこと。そして姉が見合いに乗り気になったことが示される。
    • 姉は主人公よりも、外見も素養も、全てが青年にふさわしい女性。だから、主人公は青年と別れなければならないと知る。
    • (最後の晩餐) 主人公は青年と、最後の時間を共に過ごす。主人公は青年の優しさに触れて、青年が幸せになることを願って、自分は引き下がることを決める。
    • (中盤の盛り上がり) そしてついに、その日が訪れる。青年との約束の場には姉を向かわせて、自分は友達と過ごすことにする。
    • (報酬) 主人公は友人と共に過ごしながら、自分と青年との関係が終わってしまったと知る。そこで初めて、「自分は青年との関係を大切に思っていた」と気づく。だけど、もはや取り返しがつかない状況になったと分かり、涙を流す。
  • 第三幕: 二人が別れてから、再会するまで
    • (帰路) 青年は、約束の場に姉が来ることで、全ての事情を知る。そして姉を突っぱねて、怒って「妹はどこにいる?」と問いただす。
    • その事実を知った主人公は、まだ自分と青年の関係が終わっておらずに、関係を元に戻すまでには一刻の猶予があると知る。
    • (クライマックス) 青年は怒ったまま、主人公の元へと現れる。いやがる主人公を強引に引っ張り出して、ディナークルーズへと乗り込む。
    • 主人公は「自分よりも姉の方がふさわしい」と思い込んでいるため、青年と気持ちがすれ違ったまま、今までのようには接することができなくなる。そしてついにはケンカをしてしまう。
    • だけど、船が揺れて青年が少女を助けたことをきっかけに、青年は「他の誰かじゃなくて、お前がいいんだ」と打ち明ける。
    • (エンディング) 結果として主人公は自分の思いに素直になって、青年にキスをして、ハッピーエンド。
……と、こんな構成になってます。

 

ちゃんと、「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」って流れになってますよね。

だから、この「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」というパターンに当てはめるだけで、多くの恋愛物語は、自然な流れにすることができます。

 

「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」の詳細構成

この「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」の流れをもうちょい普遍的に詳しく説明すると、次のような構成になります。

 
  • 第一幕: 二人が出会い、初めて打ち解け合うまで
    • (日常) 主人公と、恋人役の日常。第二幕後半で用いる「二人を引き離す、外的な力」の前振りもここで説明しておく。
    • (冒険への誘い) 主人公が、恋人役と出会う。二人が既知の場合、「恋人役と恋をする」ことを初めて意識する。
    • (拒絶) 主人公は、恋人役と恋をすることを拒絶する。釣り合わないのかもしれないし、相手の表面だけを見て嫌がることもある。(主人公ではなく、恋人役が拒絶する流れでも可)
    • (メンター) なぜ主人公は、恋人役と恋をしてはいけないのか、その理由が説明される。しかし周囲の圧力によって、主人公は恋人役との恋をしなければならない状況から抜け出せない。
    • (第一関門) 何らかのきっかけがあることで、主人公は恋人役の本心を知る。それによって主人公は初めて恋人役と心から打ち解け合い、仲良くなり始める。
  • 第二幕前半: 互いによく知らない状態から、二人が親しくなるまで
    • 主人公が恋人役と一緒にいるようになった、そんな新たな日常が描かれる。
    • ここで、何らかの外的な要因が加わることで、二人はさらに多くの接点を持つことになる。それによって、二人は一緒に時間を過ごすことになる。
    • 二人は時間を共に過ごすことで、互いを知ってゆく。
    • 互いに支え合い、二人は少しずつ互いのことを知り、絆を深めてゆく。
  • 第二幕後半: 二人の関係が壊れ始め、別れるまで
    • (ターニングポイント) 何らかの「二人を引き離す、外的な力」が加わり、主人公は恋人役と一緒にいることができなくなると分かる。
    • 主人公は別れを回避しようとするが、できずに終わる。
    • (最後の晩餐) 主人公は恋人役と、最後の時間を共に過ごす。それによって、主人公は「恋人役と別れる。その方がいい」と決意する。
    • (中盤の盛り上がり) ついに、別れの日が訪れる。何らかの期限やきっかけがあることで、主人公は別れを切り出して、二人は別れる。
    • (報酬) 主人公は恋人役との関係が終わってしまったと知って、そこで初めて「自分は恋人役との関係を大切に思っていた」と気づく。だけど、もはや取り返しがつかない状況になったと分かり、涙を流す。
  • 第三幕: 二人が別れてから、再会するまで
    • (帰路) 別れた二人だが、まだ関係を元に戻すための、一刻の猶予があると知る。
    • そして第二幕後半で加わっていた「二人を引き離す、外的な力」への対処法があると知る。
    • 二人は別れた状態で、再会へと向けて動き始める。
    • (クライマックス)二人が再会へと近づいてゆく。
    • そして何らかのきっかけがあることで、二人は「二人を引き離す、外的な力」を無効化する。それに前後するように二人は再会して、互いの気持ちを打ち明ける。
    • (エンディング)二人は結ばれて、新たな日常を送るところでハッピーエンド。
 

……こんな流れになります。

 

ここでは「二人を引き離す、外的な力」をしっかりとできると、魅力的なプロットになるかと思います。

「高嶺と花」では、それが「姉の身代わりとして、主人公が見合いに出る」ということになっています。

他にも、誤解やすれ違いの場合もありますし、何らかの別れなければならない事情になるかもしれません。

ただ単純に、見栄とか強がりの場合もあります。

あんまり外部に変な設定を作らずに、「本心を打ち明けるのは怖いから」みたいな精神的な設定にすると、解決しやすい物語になります。

 

既に何らかのアイデアがある場合、「この物語における『二人を引き離す、外的な力』は何だろう?」と考えてみるといいでしょう。

すると、このストーリー展開に持ち込めるので、構成が楽になるかと思います。

 

まとめ

これは本当にどこでも見られる王道展開なので、恋愛物語を作りたい人はマスターしておくといいでしょう。

「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」という4つのパターンで、それぞれが各幕に該当しているので、覚えやすいですしね。

 

ということで、今日は恋愛物語の王道プロット「出会い、仲良くなり、別れ、再会する」について、紹介してみました。

今日はここまで~。