今日は、クリエイティブなお話をしてみましょう。

「好きなこと」が通用しない場合、どう対処するのか、というお話です。

 

「好きなことをすると、独りよがりになる」という錯覚

ナツメグ先生が興味深い内容に触れていたので、ご紹介。

「自分の好きなものを描け」の裏側ってこういうことなのかな?という話。(香辛料のカラクリ記)

内容はというと、ナツメグ先生は今まで漫画家の大御所に「どうすればヒット作を作れますか? どうすれば長く続けられるんですか?」と聞いてきた、って言うんですよ。

で、多かった答えが「好きなものを描け」だったと。

そこで、ナツメグ先生は当初「好きなものを描くと、独りよがりの作品になるんじゃないの?」と感じるわけです。

でも実はそうではなくて、「好きなことだから、継続的によくしてゆけるんだ」と気づいた、という内容です。

 

言われてみると、確かにそうですよね。

このブログを見ている方なら、「大好きなことをして、お金を稼いでいきたい」という思いを持っている人は多いかと思います。

ただし同時に、「でも、好きなことをすると、独りよがりになって、周囲は楽しめなくなりそう」と感じている人も多いんじゃないかと思います。

好きなことをして周囲に伝えても、周囲は全然反応しないわけです。

むしろ、「これいいよ!」と渡しても、嫌な顔をされたり拒絶された経験がある人は多いかと思います。

 

「好きなことを洗練させることで、受け入れてもらう」という発想

ここで私たちは、次のような二つのアプローチを取ることができます。

一つは、「自分の好きなことを削って、周囲が喜ぶ要素を追加する」という道。

もう一つは、「自分の好きなことをさらに洗練させて、周囲が喜ぶ形に昇華していく」という道です。

 

で、多くの人が、前者を選んでしまうんですよ。

そもそも、後者の道があることすら知らないことも多いでしょう。

「好きなことを手放すのではなく、好きなことをもっと深めて完成度を高めることで、受け入れてもらう」という発想ですね。

 

だいたいやり始めた当初って、実力レベルは低いことがほとんどなんですよ。

漫画とか小説を書き始めたとしても、最初はへたっぴーでしょ。

自分の表現したい世界を、なかなかうまく伝えられないわけです。

 

一方で、周囲の人たちは、メジャーが一流スタッフや大資本を投下して作ったような、映画とか漫画とか小説に触れているわけです。

そこで自分が好きなことを表現しても、周囲の軸は「メジャーの超一流作品」にあるから、理解できないんですよ。

そして、「周囲には、自分に共感してくれる感性を持つ人がいない」と錯覚してしまうんですよね。

だから、「自分の好きなことは、誰にも受け入れられない。周囲が好むものを作らなきゃいけない」と思い込むようになると。

 

実際は、「スキルがまだ下手だから、共鳴できる形で伝えきれていない」だけ

でも実際は、「スキルがまだ下手だから、共鳴できる形で伝えきれていない」だけなんですよね。

それは自分の感性が問題なのではなくて、単純にスキルの問題なんだと。

「共感できる形に仕上げるスキル」を身につければ、十分に解決できることです。

 

共感できる形に洗練させることができれば、多くの人が受け入れてくれます。

だいたい、私たちは結構いろんな感性に共鳴することができるものです。

私は物語で言うと好みの幅は相当狭い人ですが、それでもいろんなジャンルの作品を楽しみます。

少女漫画も楽しみますし、最近はサスペンスの「亜人」にはまって、バトルものの「文豪ストレイドッグス」にはまって、ミステリーも楽しみます。

普通の人だって、恋愛映画を見たり、サスペンスドラマを見たり、テレビでホラー特集を見たりしますよね。

人の好み(感性)なんて、いくらでも変化するものです。

 

問題なのは感性ではなくて、「楽しめる形に洗練できているかどうか」です。

これが分かれば、「好きなことを削る」よりも、「好きなことを極める」方が、楽しめる形に洗練しやすいことが分かります。

自分が好きだからこそ、積極的に他の作品を学んだり研究して、「そっか、こういう風にすると、共感できる形にできるんだ」と身につけてゆけるからですね。

 

自分の感性は、そのままでいい

好きなことを持つ人にとっては、「感性の問題」なんてものはありません。

自分の感性は、まるまるそのままでいいんだ、ということです。

ただ単純に、スキルの問題ですよと。

で、スキルは学んだり研究すれば身につくので、学んだり研究すればいいだけです。

 

まあ確かに、メジャーで売れているもの(=はやっているもの)ほど、「楽しめる形」や「洗練させる方法」は分かりやすいことが多いでしょう。

でも、だからといって、自分の感性を伝えられないわけではないと。

スキルは身につけられるんですからね。

「自分の感性はこれでいいんだ。今の自分のスキルレベルが低いだけなんだ」と分かれば、方向性はしっかりと定まることでしょう。

 

うちの作家向け教材とかは、特にそういう「感性をうまく伝えるスキル」を提供しているものです。

これは好きなことを削るのではなくて、好きなことをうまく表現するためのツールとして利用するものだ、ということですね。

 

まとめ

そういう風に考えることで、大好きなことを周囲に伝えてゆけるかと思います。

感性は問題ではなくて、単純にスキルの問題ですよと。

で、スキルは学べばいいですし、いい教材がなかったり、学んでも自分に合わなければ研究すればいい、ということです。

 

ちなみに私がストーリープロット能力をどうやって身につけたのかというと、最初はとにかくAmazonで教材本を買って学びまくりました。

で、最近では私が進むプロット専門の教材はなかなかないので、自分で研究し始めた、という流れですね。

 

好きなことなら楽しく学べますし、研究するのも楽しいと。

そうやって、大好きなことを楽しみつつ、周囲に喜んでもらって、続けられているように思います。

 

ということで、今日は「好きなこと」が通用しない場合、どう対処するのか、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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