“物語には、黄金比となる「普遍的なストーリー構成」がある”

物語の普遍的な構成

このページでは、物語の普遍的な構成について説明しています。

  • 物語の普遍的な構成とは?
  • ストーリーライティング業界で世界標準の構成法とは?
  • どの構成法を使えばいいのか?

これによって、プロット作りにおいて、どのような構成技法を学べばよいのかが分かるでしょう。

物語の普遍的な構成とは

物語には、普遍的な構成があると言われています。普遍的な構成とは、「こういう構造にすると、いい物語が作れる」という物語の黄金比のようなものです。

日本人が知っている有名な構造例として、「起承転結」があります。

起承転結だけでなく、世の中には様々な普遍的な構成があります。有名なものを、以下に列挙してみましょう。

  • 起承転結: 日本で最も有名な構成方法。
  • 序破急: こちらも日本で有名な、雅楽の構成法。
  • 三幕構成: アリストテレスが提唱した、物語の普遍的構成。
  • ジョーセフ・キャンベルの神話モデル: 神話学者のジョーセフ・キャンベルが提唱した、神話に存在する普遍的なモデル。
  • クリストファー・ボグラーの神話の法則: ハリウッドで多く用いられている、上記ジョーセフ・キャンベルのモデルを改良したモデル。

普遍的な構成は、全て同じものを指している

普遍的な構成は、全て同じものを指しています。違いというのは、切り口や区切る場所によって変わっている程度です。

次図で、それぞれの違いを示してみましょう。

物語の普遍的な構成一覧図

世界標準は「三幕構成」

日本では起承転結が一般的ですが、ストーリーライティングの世界では、三幕構成を用いるのが世界標準です。

また、ハリウッドを始めとして、ストーリー重視の物語では、より詳細な「クリストファー・ボグラーの神話の法則」が用いられています

物語のプロットを作る上では、この「三幕構成」と、「クリストファー・ボグラーの神話の法則」の二つを把握しておくことが、基本になります。

家を建てることで言うと、この二つが建築構造や建築材料のような、建築学の中で最も基礎となる学問分野である、ということです。

雑談コラム:「起承転結」モデルは詩の技法

日本では起承転結モデルが有名ですが、起承転結モデルは、あまりストーリーライティングには向かない傾向があります。

というのも、起承転結は厳密に言うと詩(漢詩)の技法であり、物語の技法ではありません

起承転結でよく用いられる例が、「諸国大名は弓矢で殺す、糸屋の娘は目で殺す」という構造です。ですが、これはただ単純に、オチでカメラの視点を変えただけ(言い回しを変えただけ)でしかありません。

キャラクターが抱える葛藤もなければ、成長する過程も、変化してゆく感情もありません。だから入門者の人ほどこれを勘違いして、「見せ方を変えて、驚かせればいいんだ」などと思ってしまいがちです。

一方で三幕構成は、変化を描くための、物語の構成です。そのため、物語を構成したい場合、最初から三幕構成を用いることをお勧めします。

まとめ

  • 物語には「普遍的な構成」がある。
  • 普遍的な構成は多くあるが、全て同じものを指している。
  • 世界標準である「三幕構成」と、「クリストファー・ボグラーの神話の法則」を学ぶことがプロット作りの基本となる。

クレジット

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