“‘苦い設定’をそのままにしていないかい?”

設定から「苦さ」を取り除く手法

このページでは、シュガー・コート(糖衣)という技法について説明しています。

  • 多くの人に受け入れられる設定にする技法とは?
  • 「苦い設定」を物語から取り払う方法とは?

これによって、設定から苦みを取り除き、多くの人が味わえる、口当たりのよい設定を作れるでしょう。

「苦みを生む設定」は、時に隠す方がよい

場合によっては、何らかの設定が、読み手にとって苦痛に感じることがあります

例えば、心に傷を負ったヒロインを描きたかったとしましょう。そこでヒロインが「レイプを受けた」という設定にすると、描写が痛々しくなってしまう危険があります。また、幼い子向けの物語で「人が人を殺す」という内容があると、生々しくなりすぎる危険もあります。

大人向けでは、苦みがあったとしてもいいでしょう。しかし子ども向けであったり、より幅広い年齢層向けにしたい場合、痛々しい設定は忌避されがちです。

では、そのような「苦みを生む設定」は、どのように対処すればよいのでしょうか。

シュガー・コート(糖衣)

そこで、シュガー・コート(糖衣)という技術を用います。

シュガー・コートとはまさに薬の上に甘い糖衣をかぶせることで、口当たりを柔らかくするけれども、薬の効き目はそのままというものです。

この技法を用いることで、苦い薬も口当たりよく味わうことができ、薬と同じ効果を発揮できます。

シュガー・コートの具体例

例えば、「ヒロインがレイプを受けた」のではなく、「ヒロインの身体に大きな火傷の痕があり、それがコンプレックスになっている」という設定にすることができます。そうすることで、リアルな「痛い」部分を取り除きながらも、核心となる「心の傷」はしっかりと描けます。

他にも、「主人公が悪人を殺す」のではなく、「悪い妖怪を退治する」という設定にもできるでしょう。このようにすることで、「主人公は人殺し」という痛い部分を取り除きながらも、懲悪勧善の内容を作り出すことができます。

それによって「痛々しい設定」を覆い隠し、口当たりをよくできます。そして、より多くの人に受け入れられる設定にすることができるのです。

まとめ

  • 「苦みを生む設定」は、対象者によっては合わないこともある。
  • シュガー・コート(糖衣)を施すことで、口当たりのよい設定にできる。
  • 口当たりのよい設定にすることで、より多くの人に受け入れられる設定にできる。

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