プロット基礎講座(四):三幕構成とは

プロット基礎講座(四):三幕構成とは2016-11-29T09:04:53+00:00

Project Description

概要

このページでは、ストーリー構成法と、その一つである「三幕構成」について説明しています。

  • ハリウッドでも用いられている構成法「三幕構成」とは?
  • 良質な物語にできる、物語の「普遍的構成」とは?
  • 「スペシャルワールド」の扱い方とは?

構成ツールのいろいろ

これまでテーマ先行型(トップダウンアプローチ)で作ってきましたが、ここからが実際に物語そのものを構成する段階になります。

家を建てることで例えるなら、テーマが土台となり、心の成長とメタファーによって土台や柱を作り終わって、これから実際の壁や床などの部屋を作ってゆく段階です。ここから実際の物語を時系列に沿って作り込んでゆく過程になります。状況先行型(ボトムアップアプローチ)による物語構成においても、この構成ツールを用いることが非常に有効になるでしょう。

物語には「普遍的構成」がある

物語には、普遍的な構成があると言われています。代表的な物として「起承転結」というものがあります。構成ツールとは、起承転結のように普遍的な構成を元に、「こう作ってゆけば、あまり考えずともいい比率で作れますよ」というような手早く物語を作ってゆく黄金比のようなものです。

家を建てることで例えると、壁や床の板をどのように美しく耐久度を持たせて貼り合わせるか、その組み合わせ方についての王道技術(モデル)でしょうか。この技術を用いることで、より簡単に、そして美しく物語を構成することができるでしょう。

実際の普遍的構成(構成ツール)の例

実際に、世の中にはどのような構成ツールがあるのかを、以下に例として挙げてみましょう。

起承転結モデル

日本で最も有名なモデルの一つ。説明は省略。

序破急モデル

こちらも日本で有名なモデルの一つ。説明は省略。

ジョーセフ・キャンベルの神話モデル

神話学者のジョーセフ・キャンベルが提唱した、神話に存在する普遍的なモデル。

三幕構成モデル

アリストテレスが提唱した、古代から続く物語の普遍的構成のモデル。

クリストファー・ボグラーの神話の法則モデル

ハリウッドで多く用いられている、上記ジョーセフ・キャンベルのモデルを改良したモデル。

ここでは優秀な構成ツールとして、三幕構成とクリストファー・ボグラーの神話の法則モデル(以下、「神話の法則」と略します)を紹介してゆこうと思います。

しかし、人によっては他のモデルの方が分かりやすくて使いやすい場合もありますので、その場合はそれぞれ自分にあったモデルを試してみるのもいいでしょう。

「三幕構成」の紹介

ここから三幕構成と神話の法則について説明してゆきます。こちらの詳細はクリストファー・ボグラー著「夢を語る技術〈5〉神話の法則―ライターズ・ジャーニー」(🔗 )に記載されていますので、そちらをご覧下さい。ここでは、テーマ先行型(トップダウンアプローチ)の考え方に従って、どのような構成をするのかという概略を説明します。

三幕構成とは、物語全体を「第一幕(始め)」「第二幕(中)」「第三幕(終わり)」の三つに分割したという非常にシンプルな構成です。起承転結で言うならば、第一幕が起、第二幕前半が承、第二幕後半が転、第三幕が結となります。

映画にならって、一本の物語を二時間の尺とすると、大体以下のように時間軸で構成されます。

  • 第一幕:普通の世界から、特別な世界(スペシャルワールド)に入るまで。(第一幕例:映画「アルマゲドン」)隕石が地球に衝突するのを防ぐため、宇宙に行くことを決断する。
  • 第二幕:特別な世界(スペシャルワールド)での使命を果たす。(第二幕前半例:)訓練をして、宇宙に飛び立つ。

    (第二幕後半例:)隕石に降り立ち、核のセットを完了し、目的を果たす。

  • 第三幕:特別な世界から普通の世界に戻る。(第三幕例:)隕石から地球に帰ろうとする一番のクライマックス。

盛り上がり方

三幕構成の盛り上がり方は、以下のようなイメージになります。

全体で三つの盛り上がる場所があり、それらは各幕に一つずつ存在します。それらは以下のような内容になります。

第一関門

主人公が日常の世界から物語の世界(スペシャルワールド)に入る。

セントラル・クライシス

スペシャルワールドに入った目的を達成するための一番の盛り上がり。佳境。ただしクライシス(危機)であって、クライマックス(最高潮)ではないことに注意が必要。

クライマックス

物語内で最も盛り上がるところ。エンディングの直前。

三幕構成は入れ子のように構成することができ、第一幕の中も三幕で構成されていて、それらは第一.一幕、第一.二幕、第一.三幕となります。

日常の世界と特殊な世界(スペシャルワールド)

これまでも時折、「スペシャルワールド」という単語が出てきましたが、ここで詳細に説明します。ほとんどの物語では、日常の世界から特殊な世界(スペシャルワールド)に入り、そこで何かの成長を得て、再び日常の世界に戻るという構成になっています。

次のような流れで物語は進んでいきます。

スペシャルワールドの扱い方

ヒーローは、何かしら日常で問題(欠点)を持ちながら過ごしています。そこでスペシャルワールドからの誘いがあり、ヒーローはスペシャルワールドに入ります

スペシャルワールドとは、恋愛物の物語であればヒロインと恋に落ちてゆくことがスペシャルワールドになり、戦争物では戦争の中で目的を果たそうとすることがそれに当たるでしょう。探偵物であれば、依頼された事件を解決しようとすることがそれに当たるでしょう。このように、物語の中核となる、日常とは別世界のことをスペシャルワールドと言います

そして主人公は、スペシャルワールドで戦い、学びを得て成長します。そしてそれを解決して、再び日常生活に戻ります。しかし、日常世界に戻った時は、スペシャルワールドの時に学んだ成長を得ているので、それまで悩んでいた問題(欠点)は解決されて、豊かな日常を送るようになるのです。

三幕構成でスペシャルワールドを把握する

この特別な世界(スペシャルワールド)の観点を三幕構成で見ると、次のようになります。

第一幕では主人公は日常の世界にいます。そして第一幕の最後に、主人公はスペシャルワールドに入る決意をして、スペシャルワールドに入ります。そして第二幕で問題に取り組み始めて、第二幕のセントラル・クライシスでスペシャルワールド内での問題を解決します。そこから第三幕で日常の世界に戻ろうとして、クライマックスを経て日常に戻ります

まとめ

  • 三幕構成は、「第一幕」「第二幕」「第三幕」という三つで構成されている。
  • 盛り上がりは、第一幕で「第一関門」、第二幕は「セントラル・クライシス」、第三幕は「クライマックス」と呼ばれる。
  • 主人公は第一幕で日常からスペシャルワールドに入り、第三幕で再び日常に戻る。
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クレジット

http://www.flickr.com/photos/telemax/5264271777/ by Tilemahos Efthimiadis (modified by あやえも研究所)
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