シナリオの方程式(五):ストーリー十四のステップ(第二幕)

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シナリオの方程式(五):ストーリー十四のステップ(第二幕)2016-11-29T09:04:55+00:00

Project Description

概要

このページでは、「シナリオの方程式」における、「ストーリー十四のステップ」について説明しています。

ここでは第二幕の構成について、触れています。

  • 第二幕を効果的に演出する方法とは?
  • 「最後の戦い前」に、盛り上げる方法とは?
  • 第二幕の「中だるみ」を防ぐ方法とは?

ステップ七:2-1.深化

さて、それではここから第二幕に入り、スペシャルワールドの世界を進めていきます。

この段階で、ヒーローの長所は無効化されていて、犠牲だけが残っている状態です。ヒーローは犠牲を克服することによって、スペシャルワールドでの目的(問題を解決すること)を達成しようとします。対立関係は次図のように、第二幕の対立関係を参考にします。

大きな方向変化はなく、仲間や敵を区分けしてゆく段階

ヒーローは自分の持つ犠牲を何とかするために、スペシャルワールドで戦ってゆきます

第二幕では、シャドウは長所が非常に強く、その犠牲はほとんど目に見えない状態になっています。シャドウは自身の犠牲については、全く気にしなかったり、意に介さないほどの強さを身につけているでしょう。そしてシャドウは、自分の長所を使ってヒーローの犠牲を攻撃します。
例えば姫を連れ去った竜を退治するために主人公が竜退治の旅に出たとしましょう。主人公は臆病だという犠牲を持っていた場合、それを解決しようとして、小さな戦いを繰り返して自信を持っていくことでしょう。主人公を助けてくれる人や、共に戦う仲間も得るでしょう。しかし、シャドウである竜は臆病さのかけらも持っていないわけです。竜は怖いもの知らずで他の町や人々を攻撃します。シャドウは圧倒的な力で主人公の犠牲を攻撃し、一方ヒーローはそれに対抗しようとして、その対立状態で安定しています。

ヒーローが訓練をし、能力をつけてゆく段階

この「2-1.深化」の過程は、ヒーローが少しずつ犠牲を克服しようと努力していって、小さなところから訓練を重ねて力をつけてゆき、自信をつけてゆく段階です。例えばヒーローの犠牲が「勇気がないことで、○○の状態である」というものであれば、ここで弱い敵と戦って勝つことを繰り返すことで、勇気をつける小さな訓練を積み重ねていくでしょう。

また、スペシャルワールドに入ったばかりの状態なので、スペシャルワールドで生きてゆくための準備もするでしょう。それは言い換えると、いつか来るかもしれないシャドウとの戦いに備えてのことでもあるでしょう。そのため、旅の仲間を見つけたり、道具や技術を洗練したりする過程でもあります。

ヒーローとシャドウとの関係は、基本的にずっと対立したまま安定しています。シャドウは着々とその目的を達成するために、手を伸ばしていることでしょう。「2-1.深化」の前半はシャドウと遠いところにいるためにシャドウの力は弱いでしょうが、後半になってヒーローが少しずつシャドウに近づくにつれて、次第にシャドウの力も増してゆくでしょう。シャドウに近づいてゆきますが、まだここではシャドウとの直接対決は起こりません

最も手こずりやすいステップ

実はこの「2-1.深化」のステップが、十四のステップにおいて最も手こずりがちなステップになるでしょう。それは既にシャドウとの対立関係が対立したまま安定しているので、本筋で大きな変化を起こすことができないためですね。

また、人が訓練を繰り返して力をつけてゆくにはある程度の時間が必要になりますが、それを逐一読み手に見せていたのでは、変化が少ないものを長時間見せることになり、退屈な場面になりがちです。そのため、このステップはスピーディーに処理していくのが肝心になります。映画などでは、ここでノリのいい音楽と共に、訓練のスナップショットを見せつつ、あっという間に何週間も過ぎた……などという時間を短縮した見せ方が取られることもあります。

「新たに加わる仲間」に小さな対立関係を用意する

ただしここである程度の文章量を確保するならば、小さな対立関係をいくつか新たに作ったり、それに伴うトリガーをいくつか設定する必要があるでしょう。

例えば、スペシャルワールドでの仲間を作るのに、仲間候補が最初は主人公に突っかかってくるかもしれませんし、あるいは最初は敵の手先などであるかもしれません。そして主人公と仲間候補との間に対立関係が生まれます。トリガーが起こることで戦いになり、主人公が打ち勝ち仲間候補に昇華を起こさせることで、仲間候補が主人公を認めて、仲間候補が晴れて仲間になる……などですね。また別の例として、スポーツものなどで言うと、主人公は仲間ともっと知り合うために、合宿に行くかもしれません。そこで共に汗を流して、対立して、自分との違いや相手のいい部分を互いに認識する(昇華する)ことで、チームワークを育むかもしれません。

ここで注意が必要なのは、ヒーローには昇華を起こさせないということです。仲間候補だけに昇華を起こさせるようにします。もしヒーローが昇華を起こしてしまった場合、第二幕のテーマの方も解決してしまって、それ以降が面白くなくなるという危険性があるためです。

「深化」のネタを導き出す方法

ここは第二幕の対立関係を邪魔しない限り、自由に作り込むことができる部分です。以下の観点でアイデアをいくつもリストアップして作り込んでゆくと、作りやすくなるでしょう。

スペシャルワールドで生きてゆくため(シャドウと対決するため)の必要要素をリストアップする。

例えばシャドウと戦うのに、剣士と白魔法使いと黒魔法使いが必要だとか。

必要要素を逆算して、それを得るための試練を配置する。

最初は剣士との対立。次は白魔法使い、最後に黒魔法使い、など。

それぞれの対立関係を作り込む。

ただし、シャドウとの直接対決はしない。

伏線を張るチャンス

また、この「2-1.深化」の段階では伏線を多く張ることができます。「1-1.喪失と抑圧」を知っている存在がいる場合、読み手やヒーローには分からない程度に、喪失についてほのめかすと簡単に効果的な伏線を張ることができるでしょう。

第一幕ではスペシャルワールドの説明があるため、読み手は物語について行くために忙しいことが多いでしょう。伏線は基本的にどこでも配置できますが、あまり第一幕に伏線を詰め込むと、本筋の方の理解に影響が出かねません。なので、スペシャルワールド関係のごたごたが片付いて安定したこの「2-1.深化」の段階で伏線を配置するのが安全でしょう。

なお、伏線は必要条件ではなく、「なくても大丈夫なもの」です。伏線はなくても感動を与えられます。大切なのは対立関係であり、伏線は隠し味程度だと認識しておきましょう。

✎ 作成例:深化

さて、主人公は申込書を提出することで、スペシャルワールドである戦いの場に自らの意志で参加しました。ここからは、欠点である消極性を克服していきます。

「深化」の流れを考える

ここでは「主人公が力をつけて、犠牲を克服してゆく」「シャドウとは対立したまま」「シャドウとの直接対決はまだ」さえ満たせば何をやっても大丈夫ということで、とにかくこれを満たす案を出していきましょう。

  • ミスコン本戦への準備や訓練として、事前にいくつかの予選を行って、勝ち進める流れにする。文化祭当日に本戦をさせて、予選突破した八人ぐらいの中から優勝者を選ぶようにする。最終的に主人公はその八人の中に残る。
  • 予選は三回ぐらい。予選では副会長とは戦わない。
  • 生徒会長とは次第に親密になっていく。
  • 仲間として親友に助けてもらう。
  • 他にも、予選ごとに戦った相手や副会長の手先と対立して、主人公が勝って昇華させ、味方にしてゆく。戦いの数だけ味方にする。三人ぐらい。
  • 予選・本戦の競技アイデア:演劇、料理、体力もしくはスポーツ、特技披露、着物着付け、音楽、華道、勉強。
  • たまにネックレスを出しておく。読み手に忘れさせないため。手放せないでいる。

この辺のアイデアをさらに突き詰めていきます。ここでは各予選において対立関係を作ります。

まずは逆算方式で、必要な要素から見ていきます。「普通」という欠点を持つ主人公が欲しいものは、体力と知力とお金だとしましょう。なら、体力勝負と知力勝負、お金勝負という三つを配置して、それぞれについてのキャラクターと対立関係を作ります。

最終的にできたもの

ここでは最終的に、以下のような流れにします。本来なら専門用語は使わずに表記しますが、文章量が長くなってしまうので、いくつか専門用語を使っています。

(ステップ七:深化)

  • 予選その一の前:
    • 親友による、予選や本選のシステム説明。
    • 予選その一は、ルールなし千メートル走。バトルも随伴もありということで、友人のサポートを得て走ることにする。
    • 走る距離を選べるようにしておいて、副会長は短距離走を選ぶとかして、直接対決はしない。
    • 生徒会長との接点も加えておく。偶然会って、生徒会長に「絶対に勝ちます」と言うとか。まだ生徒会長との距離はある状態。
    • 予選その一の敵対者として、「敵甲」登場。対立関係は「孤独・人気型」を使う。長所は「友達がいないことで、傷つくことがない」。短所は「友達がいないことで、寂しい」。親友のいる主人公に嫉妬して、主人公だけは絶対に突き落とすと決意する。孤高で冷血なスポーツ系少女で、足は副会長に次いで速い。
  • 予選その一:千メートル長距離走。
    • 千メートル走開始。ルールなしバトルを抜け出して主人公は何とか合格ラインにいる。だけど後ろからついてきていた敵甲が、事故を見せかけて怪我をさせようとする。
    • トリガー:だけど親友が守って、親友と敵甲が共に怪我をする。
    • 昇華:主人公は親友と敵甲を共に助けようとする。親友も主人公も敵甲がやったことは分かってるけど、主人公は怪我はそれより大事だと伝えて、敵甲は自分のやったことを恥じて、それ以上に心配してくれる主人公に感激。
    • 親友は比較的軽傷だった敵甲が介護して、主人公は走り、合格。敵甲は落選したけど味方になる。以降は「味方甲」と表記する。
  • 予選の間:
    • 次は成績テスト。いわゆる校内模試。親友と味方甲と共に、勉強する。
    • 敵対者として、「敵乙」登場。学年トップクラスの成績。トップは生徒会長で次席は副会長、敵乙はいつも三番目。対立関係は「落ちこぼれ・優等生」型。長所は「落ちこぼれでいないことで、評価を得られる」。犠牲は「落ちこぼれでいないことで、好きなことができない」
    • 主人公と生徒会長の触れ合いネタ。主人公が「生徒会長のことをどうでもいいと思っていて、断られるために優勝を目指す」という建前を、敵乙が知る。そこで敵乙は主人公が片思いネックレスを持っていることを知り、参加権なんてないと問い詰める。それを生徒会長が見苦しいと助けて、互いの距離が近くなる。
    • 敵乙はそれを見て、激しく嫉妬。「主人公に勉強を教える」と偽って近寄り、前日に勉強会をして潰してやろうともくろむ。
  • 予選その二:校内模試前日と当日
    • 主人公の家に、親友、味方甲、敵乙が集まり、勉強会。
    • だけどそれでも勉強しようとしないフリーダムな主人公に、目的を忘れてキレてしまう。
    • トリガー:敵乙、前日の徹夜勉強が影響して倒れてしまう。
    • 昇華:敵乙、今まで苦労して勉強してきた苦しみを思い出し、抑圧を解放する。本当は主人公のように、好きに遊びたかったのだと知る。そして生徒会長には、恋心ではなく、ただ対抗したかっただけなのだと分かる。
    • 目が覚めると、勉強をそっちのけで世話してくれた主人公のことを知り、本当のことを明かし、謝る。味方になって、主人公もキレられて真剣になっていたので、勉強を本格的に教える。
    • 結果的に、当日の試験はうまくいく。敵乙は主人公のための連日の徹夜で倒れて、落選。以降、敵乙は「味方乙」と表記する。
  • 予選の間:
    • 予選最終戦は、「人脈のある人」を決める人気投票。決め手は男性からの浮游票をどれだけ集められるかになる。
    • 敵対者として、「敵丙」登場。政治家の娘で学園二番目(でも日本有数の)のお金持ち。一番はもちろん副会長。長所は「正直でいない(賄賂を使う)ことで、票を得られる」「正直でいない(賄賂を使うこと)で、人気がなくなる」。
    • 主人公と生徒会長の触れ合いネタ。主人公がぼんやりして足に怪我したところを、生徒会長がわざわざおんぶして連れて行ってくれる。喪失について生徒会長は覚えているので、それについて含みのあることを言う伏線。読み手や主人公には全く分からない。この段階でかなり密接になっていて、生徒会長は主人公に気があるのかもと思うぐらいにしておく。
  • 予選その三:人気投票
    • 敵丙は、バカ正直に一人一人にお願いしようとする主人公がしゃくに障る。わざと主人公を邪魔するようにお金をばらまいてパーティとか開いて、支持を得ようとする。男子生徒も敵丙になびく。でも、主人公は敵丙はこういう企画ごとをしている時は生き生きとしているのを見つける。
    • トリガー:金遣いが荒すぎて、親に小遣いを止められる。それを知ってサービスが止まったら、男子生徒たちが少しずつパーティー会場から離れて行こうとする。敵丙はずっとひとりぼっちだった過去の記憶を思い出す。
    • 昇華:主人公は影で泣いている敵丙を見つけて、いたたまれなくなって、仲間と共に着飾ったり踊ったりして自分たちでパーティを盛り上げる。そして主役を敵丙にしてあげる。敵丙は愛情を知って、素直さを知って、全ての事情(下心など)を男子生徒に明かし、謝って引き下がることを決意する。そして男子生徒に主役は主人公だと伝える。素直さという面で、主人公は男子生徒からの支持を得る。
    • 敵丙が味方になる。以降、敵丙は「味方丙」と表記する。
    • このパフォーマンスで、主人公はぎりぎり最下位で最終予選を通過することができる。得票トップはもちろん副会長。
  • 予選の後:
    • 主人公の弱点だった「生徒会長病」も治ってきて、主人公はいつの間にか前に進む力を得ていることを知る。
    • 仲間は全員、真っ直ぐな主人公を見ていたら、生徒会長のことはどうでもいいと思うようになっている。というか元々生徒会長にはこだわっていない面々。それよりも主人公を助けたい気持ちの方が強い。
    • 四人の仲間、親友(愛情)、味方甲(体力)と味方乙(知恵)と味方丙(お金)という要素が揃って、完全無欠な副会長に挑む体勢が整う。

対立関係を三つも盛り込んだので、長くなってしまいました。ちなみにこれら三つの対立関係の制作時間は、記入時間も含めて約三時間でした。慣れればこれぐらいの短時間でできるようになるでしょう。

さあ、仲間は揃って、戦いの準備は整いました。次はいよいよシャドウである副会長との直接対決に繋がっていきます。盛り上がりに向かって突き進んでいきましょう。

ステップ八:2-2.根本問題(テーマ)への接近

さて、「2-1.深化」の段階で、シャドウと戦う準備が整いました。ここからの「2-2.根本問題(テーマ)への接近」で、ついにシャドウとの直接対決に移っていきます

タイトル通り、「2-1.深化」までは根本問題であるテーマには触れていません。ここでようやく根本問題に近づいてゆきます

決戦前の、最後の晩餐

ヒーローは犠牲を何とかカバーするだけの新たな力を得ているでしょう。しかしシャドウはそれ以上に強い長所を持っていて、同時にシャドウの犠牲はほとんど見えない状態になっています。

戦いの準備を済ませたヒーローたちは、シャドウとの戦いを前にしてしばしの休息を取ることもあります。それは最後の晩餐という形で表現されるかもしれません。己の全てを賭けた戦いを前に、大切な人達と別れを済ませておく必要もあるかもしれません。やり残したことを済ませておく、最後の幸せな時間となるかもしれません。愛する人と、戦いが終わった後の幸せな未来を約束するかもしれません。

決戦への最終確認と、戦いへの旅立ち

そして決戦の時がやってきます。選ばれたヒーローたちは一つずつ装備を確認し、戦いの準備を整えるでしょう。一つ一つの装備をしてゆく間に、ヒーローたちは一つずつ戦いへ向けて気持ちを鼓舞してゆきます。そして前を向いて、勇敢に出発するでしょう。

例えば映画「アルマゲドン」ではこの場面がとてもうまく演出されています。「地球に落ちてくる隕石を爆破する」という使命を持った主人公たちは、準備を整えて壮大な音楽と共にスペースシャトルに向かって歩いてゆきます。その姿は、地球を救う、選ばれた英雄たちとして勇敢な姿を演出しています。

テーマとの接触

この段階で、根本問題(テーマ)を初めて明確に示すことが多いでしょう。第一幕から第二幕の「2-1.深化」が終わるまでは、読み手にテーマが何かを明解に示さないことが多くあります。というのも、構造的にこの段階までテーマに触れることはできないためですね。

そのため、この段階で象徴的なテーマの問いかけを行うことがあります。例えば、ヒーローが「2-1.深化」の段階で勇気を得るために訓練をしていたとしましょう。すると、ここで初めて「『勇気』って、いったい何なんだろう」と問いかけます。そのような明解なテーマに触れることで、この後に続くシャドウとの戦いに対して、立場や関係を明解に示すことができます。

別の形としては、メンターが主人公に諭すという形になるかもしれません。強大なシャドウに対して、ヒーローは「僕は、本当は怖いんだ」と本音を漏らします。その時にメンターが「勇気とは、誰かを救いたいと思う心のことだ」と諭す場面であるかもしれません。もちろん、喪失を思い出していないヒーローには現段階では理解不能なことですが。

このように、「この作品が訴えたいこと」を明解にできていれば、より作品が引き締まることでしょう。

シャドウとの対決は避ける

なお、この段階ではシャドウとの直接対決は避けた方がいいでしょう。というのも、ここで一度戦わせると、対立関係は同じなので次の段階で再び同じ事を繰り返すことになり、このステップは盛り上がっても、次のステップが盛り上がらなくなるためですね。

もしシャドウの強さを読み手に見せつけておきたい場合、直接ヒーローと戦うのではなく、ヒーローと同レベルの他の存在に圧倒的な力を見せつけて、打ちのめすようにしておくとよいでしょう。

✎ 作成例:根本問題(テーマ)への接近

さて、ここでは副会長との戦いを前にして、盛り上げていく場面です。

文化祭の準備が着実に進んでいき、学園内では飾り付けや屋台の準備、各学級の催し物などが準備されて、決戦の時が近いことを知らせるでしょう。

できればこの際なので、生徒会長と主人公を相思相愛状態にして、くっつけておきたいところです。

一度ぐらいシャドウの力を直接主人公に見せつけたいところですが、ここでは我慢して、直接ではなく間接的にしておきます。

第一幕で、「私が優勝しますから、安心して断って下さい」という別の対立関係も少し入れておきましょう。別の対立関係になってしまうので、説明上本筋以外は省きたいところでもありますが、第一幕のラストの影響で少し本筋に絡んできてしまっている対立関係なので入れておくことにします。

(ステップ八:2-2.根本問題(テーマ)への接近)

  • 文化祭の準備が整っていくことの描写。ミスコンの内容も発表される。競技内容は「自己紹介と特技披露」「水着審査」「演劇対決」。演劇の内容は公開されないのでぶっつけ本番。
  • 軽く、副会長のすごさを主人公と対比して見せつけておく。仕事の能率、人脈の広さ、それでも成績は落ちないとか。一方主人公はだめだめ状態。
  • 文化祭を前にして、生徒会長と初デートをする。きっかけは、副会長を含めてほぼ全ての人が生徒会長に頼らざるを得なくなり、優しい性格の生徒会長は全てを引き受けて、体も心も疲れ果ててぼろぼろな状態。だけどぼろぼろな状態には主人公以外気が付かない。
  • 文化祭前日は休日。準備ができてないクラスだけやる日。仲間たちが策略を巡らせて、生徒会長と主人公を遊園地に誘い出す。味方丙のお金と人脈で偽バスに乗らせてしまうとか。学校には生徒会長は倒れたという偽の情報を流して、万事OK。
  • 主人公と生徒会長は最初はとがめるが、諦めて仲間たちと共に遊ぶことにする。
  • 盛り上がってきたところで、仲間たちは退散。二人きりになる。お互いの日常を知ったり、話をして親密になってゆく。最近知り合ったばかりだとは思えないほど。
  • 夕方、人気もなくなった頃に、何となく魔法にかかったかのように、雰囲気で互いにキスしようとする……けど寸前で邪魔が入って、お互い正気に戻る。
  • そこで解散。主人公は別れ際、勝つことを宣言する。本当は好きだと言って欲しいけど、でも「だから安心して断って下さい」と言わざるを得ない。片思いのネックレスを象徴として使うといいかも。
  • 文化祭は二日間開催。文化祭の一日目は順調に過ぎる。
  • ついに決戦の二日目がやってくる。仲間たちは再度協力を確認して、舞台袖で準備を完了して緊張感を高める。絶対に負けられない戦い。そしてついに、ミスコン開会式。司会の開始宣言と共に、告白権をかけたミスコンが始まる。

デート関連の整合性で説明が長くなりましたが、基本は最後の晩餐をして、そしてシャドウである副会長との戦いの準備をするという二つのステップですね。生徒会長と主人公を既に恋人に近いぐらいにしておいた方がよくて、それがずっと足りなかったので、ここで補強しています。

準備の過程や内容は、重複を避けるため(本戦で初出にして面白く見せるため)に見せません。主人公たちはどうするかは知っていますが、読み手は知らない方がいいですので。

さて、次はいよいよシャドウとの戦いになります。

ステップ九:2-3.根本問題(テーマ)との対峙

戦いの時がやってきました。この「2-3.根本問題(テーマ)との対峙」のステップで、ついにシャドウと雌雄を決する直接対決になります。に、「2-3.根本問題(テーマ)との対峙」と「2-4.抑圧の受け入れ・解放」で用いる第二幕の対立関係を示します。

まずは計画通りに進めて、シャドウの「本気」を出させる

直接対決の流れはどんな方法でも大丈夫ですが、ここでは典型的な流れを説明してみましょう。

ヒーローは「2-1.深化」で培ってきた方法に従って、戦ってゆくでしょう。仲間と力を合わせて、計画通り事を進めてゆくでしょう。最初は主人公はこれでいけると思うかもしれません。

シャドウは強力な力を手にしたヒーローを前に、予想外の深手を負うかもしれません。そしてシャドウは、ついにヒーローを最大の敵と見なして、全力を持ってヒーローと戦い始めるでしょう。

ここからはヒーローたちとシャドウの、全てを賭けた総力戦になってゆくことが多いでしょう。

「用意していた最後の手段」が失敗に終わり、絶体絶命に陥る

いくつかの逆転劇を経て、そして主人公は、用意していた最後の手段までも使って、シャドウを討伐にかかります。しかしシャドウはぎりぎりのところで致命傷を免れます。

ヒーローは既に万策尽くしていて、決定打も使い尽くしているでしょう。逆にシャドウは、ここから少しずつ底力を見せつけ始めて、ヒーローを少しずつ打ち砕いてゆきます

形勢は逆転して、ヒーローはシャドウの力に恐れおののきます。万策尽きたヒーローは、今まで克服しようとしていた犠牲が急激に強くなり、抑えきれなくなるでしょう。ヒーローは自分の持つ犠牲を「本当の意味」では克服できていないのです。次々に仲間が倒れていくかもしれません。

トリガーと、ヒーローの覚醒

そして最後はたった一人と一人の戦い、「思想対思想」になるでしょう。シャドウはヒーローの犠牲を強く責めます。ヒーローは仲間の力を借りることもできなくなり、倒れ、絶体絶命の状態に陥るでしょう。

もうだめだと思ったその時、トリガーが発動します。それは希望を失いかけたヒーローにとっては衝撃的かもしれませんが、目を覚まさせるには十分な出来事でしょう。

そのトリガーを目の当たりにしたヒーローは、本当に大切なことが何なのかを求め始めるでしょう。そしてついに、自らが根本の部分から変わらなければならない時が来たことを悟ります

シャドウとの戦いの流れ

基本的に、ヒーローはシャドウといつの間にか実力が拮抗していますが、次第にシャドウに押されていく流れになります。

重要なのは、この段階では主人公はずっと「2-1.深化」の過程で培ってきた方法に固執するということですね。

まとめると、典型的な流れは以下のようになります。

  • 戦いの開幕。
  • 計画に従い、ヒーロー優位。
  • 決め手の手段を使うが、シャドウに致命傷を与えられない。
  • シャドウはヒーローを好敵手とみなして、全力で反撃。(もしくは逆転を何回か繰り返す)
  • ついに万策尽きたヒーローは劣勢化。
  • 絶体絶命まで追い込まれた時に、トリガー発動。

そして次の段階で、ヒーローは抑圧を解放することになります。

✎ 作成例:根本問題(テーマ)との対峙

ついに中核になるシャドウとの戦いがやってきました。

以前作った第二幕の対立関係を次に示します。ここで用いるのは、長所と犠牲と、そしてトリガーになります。

戦いの流れを考える

ここでもいくつか、戦いの流れを考える必要があるでしょう。今回はミスコン本戦で戦うということで、戦いの内容や流れについてアイデアも練る必要もあります。

いったん主人公が逆転して、そこから副会長が本気になって、圧倒的な力を見せつけるような流れにするとしましょう。副会長との対立を盛り上げる流れにするために、決勝戦では始めは主人公優位な状態になり、そこから主人公を危機に立たせてゆくのもいいかもしれません。

メインはシャドウとの戦いなので、あんまり間延びしないように、まずは本戦(準々決勝・準決勝)は二回ほどスピーディーに戦って人数を絞り込んで、残る決勝の演劇対決で時間をかけて雌雄を決するようにするとしましょう。

二回の本戦は適当に作っても大丈夫でしょうが、最後の演劇対決ではしっかりと作り込みたいところです。

なお、直前のステップ「2-2.根本問題(テーマ)への接近」で本戦の内容を明かしていましたが、制作過程の流れで言うと、前のステップでは空欄のまま進めて、このステップでいろいろと案を出して作り込んで、結果的に前のステップに当てはめています。このように、未考慮事項は空白のまま進めて、決まった段階で前のステップに戻って修正すればいいでしょう。

実際に戦いを仕上げる

(ステップ九:2-3.根本問題(テーマ)との対峙)

  • ファイナリスト(本戦進出者)八人の紹介。本命は副会長。生徒会長は審査員の一人だけど、優しいからたぶん全員十点満点。
  • 準々決勝:自己紹介と特技披露
    • 副会長は主人公よりも先にして、すごい高評価。剣の舞とかしてもいいかも。
    • 主人公の順番は副会長より後。主人公は驚くことに副会長に対抗するかのような、優雅な舞を披露する。しかもなぜか完璧にやり遂げ、観客は魔法にかかったかのようにうっとりする。結果、副会長と同点をつける。
    • 裏事情を簡単に説明。親友と味方甲乙丙の親が、それぞれメイクアップアーティスト、武道家、舞台監督、お金持ち(着物や効果の準備)。猛練習したことと、舞の技術は見せかけでも素人にはそこまで分からないので、総合演出でカバーして得点を勝ち取る。
    • 決勝までせずとも、次の水着審査で点差をつけて決着をつけるという主人公たちの意気込み。
  • 準決勝:水着審査
    • 残り四人。順番は副会長を最後から二番目にして、最後に主人公。
    • 副会長は、協力者のミス(水着のほつれ)によって少しだけ点数を落としてしまう。それがマイナスになる。
    • 主人公は、メイクが趣味な親友と、味方甲のダイエット&トレーニング法、味方乙の演出、味方丙の準備したすごい水着によって、副会長を抜いてダントツトップに躍り出る。主人公は今まで化粧とか美に興味がなかったから光らなかっただけで、本当はすごい光る原石だったと知る。
    • でも、点差は決定打にはならずに終わる。副会長、主人公を最大のライバルと見なして本気になる。
    • 一方主人公は優位に見えて、実はここまでしか準備できていない。万策は使い果たした状態で、不安になり始める。というか、敗北感すら漂い始めている。ここからは仲間たちの事前準備がないという崖っぷち。今までは「作り物」の主人公で、ここからは「素」の主人公が出てしまうため。
  • 決勝:演劇対決
    • 演劇部協力の下、主人公と副会長の演劇対決。題目は「ロミオとジュリエット」。だけど、ジュリエットが二人いるという設定。アドリブで進めていく。
    • ちなみにロミオは生徒会長が担当。これには生徒会長もびっくりだけど、しぶしぶ協力する。
    • 演劇が始まる。副会長はすごくいい感じだけど、主人公は何をやってもうまくいかない。というか副会長がすごすぎる。いつの間にか主人公は副会長から「偽ジュリエット」に仕立てられている。
    • 味方の協力者たちも役者として舞台に飛び出して、話の流れを変えようと力を尽くすけど、やっぱり準備なしの付け焼き刃ではほとんど通用しない。そしてジュリエット(副会長)は積極的にロミオに近づいてゆく。そしていい雰囲気を作り上げてゆき、観客までも乗せるので、生徒会長も流れに乗らざるを得ない。
    • 機転を利かせた生徒会長は、自分が逆に毒を飲んで仮死状態になることを選ぶ。そして最終的に、ジュリエットと偽ジュリエットの剣と剣での抗争になる。観客がいるから、不自然な行動は取れない。だから舞台で「死んだ」という演出に持ち込まれると、それで終わってしまうということ。血のりもあって本格的。
    • 副会長による、自分の長所の主張と、主人公の犠牲を責める。自分は幼い頃から自分を磨いてきた。失敗も多くして傷ついたけど、それだけ積極的になって耐えたと。だからロミオにふさわしい女性。ロミオも、どんな手段を使っても自分の力で奪い取ると。だけど主人公は失敗を恐れて何もせずに、怠けているだけだと責める。
    • 主人公は反論できずに、自分は生徒会長にふさわしくないと正論を突きつけられ、崩れ始める。そして味方が一人、また一人とやられてゆく。味方は差し違えていくので、敵も一人ずつ減っていく。
    • 最終的に副会長と主人公が残る。そして副会長が力を見せつけて、主人公を地に伏せ、剣を突きつける。絶体絶命。
  • トリガー:舞台の一部が崩れて、生徒会長に直撃してしまう。見ると、生徒会長は血まみれで苦しんでいる。主人公は混乱して、いったいこんなところで何をしているのか、分からなくなる。

次は、ついに「喪失」を見つめることで、主人公に昇華が起きます。中盤の一番の盛り上がりを見ていきましょう。

ステップ十:2-4.抑圧の受け入れ・解放

中盤の最大の盛り上がり、「2-4.抑圧の受け入れ・解放」のステップです。

前の「2-3.根本問題(テーマ)との対峙」において、第二幕対立関係のトリガーが引かれました。それによって、ここからはヒーローは昇華を起こし、自らの長所と犠牲を消滅させます

喪失の再現と、昇華を起こす

ここでは、場合によっては、過去に起こった喪失と抑圧を初めて認識する(思い出す)こともあるでしょう。その場合は過去の喪失を思い出し、癒されなかった傷を思い出し、今までその傷に操られていたのだと知ります。そうすることによって、こだわり(長所と犠牲)を捨てます。

実際に過去を思い出さなかったとしても、自らを客観的に見つめることで、長所と犠牲を捨て去ります

つまり、ヒーローが昇華することによって持つ新しい思想は、「長所を保つ必要性」「犠牲を克服する必要性」さえも否定するものになります。今までしがみついていた「○○するには○○でなければならない」という思いを捨てて、人間として一回り大きな存在になり、今自分が何をすべきなのかを見つけるでしょう。

例えば、それまで「生き延びるために、○○でなければならない」という長所と犠牲があった場合、別に生き延びる必要性すら消えてしまっています。「一人でいることで、○○の状態になる」というものの場合、一人でいようが大勢でいようが関係ない心理状態になっています。それよりも大切なことを見つけている状態に変化します。

ヒーローの覚醒

この過程を通して、ヒーローは、己が持つ本当の力を覚醒させます。その力は無限に沸き出してくる強大な力であり、今までとは次元が違う力をヒーローに与えるでしょう。

ヒーローは象徴的に生まれ変わることもあるでしょう。戦隊物では真の力を発揮して、変身するなどして、外観が変わることなどがあるでしょう。本当の武器を手に入れるという象徴であるかもしれません。

ヒーローはついに、シャドウに打ち勝つ真の力を手に入れたのです。

ヒーローの一時的な敗北による、喪失の再現と昇華

ヒーローは、このステップで勝利を得るとは限りませんヒーローがシャドウに敗北する場合も多くあります

この場合、ヒーローは一時的な敗北を経験することで喪失の再現を行い、昇華を起こすことになります。

ヒーローは戦うでしょうが、シャドウの卑劣な罠によって勝利を逃す場合もあるでしょう。そしてヒーローは願っていたものを手に入れることができず、苦しみます。

それによってヒーローは自分の内面を見つめざるを得なくなり、自分が本当に欲していたものに気がつくのです。つまり、昇華を起こすのです。

注意が必要なのは、ここではヒーローは「完全敗北」ではなく「一時的な敗北」になることです。第三幕で逆転勝利をする場合には、ここで一度敗北することによって、ヒーローは第三幕のクライマックスで逆転勝利へと導かれるのです。恋愛もので言うと、「再会のための別れ」として演出されるでしょう。

✎ 作成例:抑圧の受け入れ・解放

第二幕のトリガーが引かれました。生徒会長が傷つき、主人公は自分が何をしているのか分からなくなります。そして、ここで喪失と抑圧を思い出します。

喪失を思い出させずに昇華させる場合はきっかけを作る必要があるでしょうけど、ここでは「抑圧と喪失」の内容を思い出させます。喪失と抑圧は思い出すだけで昇華を導き出せる特性がありますので、過去を見せるだけで十分に繋がっていくでしょう。

主人公はここで敵に一時的に敗北して、第三幕で奪い返すような展開にしてもよいのですが、ここでは勝利を収める流れにしましょう。

(ステップ十:2-4.抑圧の受け入れ・解放)

  • 血まみれでうめく生徒会長の姿に、過去を思い出す。
  • 喪失と抑圧の記憶:幼い頃、名前も知らないけど、好きな男の子がいたこと。お互いが大好きだったこと。お守りとして、当時主人公が持っていた「片思いクラブ」ネックレスをプレゼントしたこと。だけど男の子は病で、主人公の目の前で倒れてしまったこと。倒れた時は、吐血とかで血まみれの姿。入院して、そして引っ越してしまい、連絡もなかったこと。死んでしまったという確信。癒されずに、ただ震えるだけの幼い主人公。
  • 昇華:あの出来事以来、好きになるということにとても臆病になったこと。だから生徒会長にも近づけなかったことを把握する。
  • 現実に戻って、目の前で血まみれの生徒会長が苦しんでいて、過去の再現。今自分にすべき、本当に大切なことが分かる。それは副会長と戦うことではない。優勝をすることでもない。自分の力を見せつけることでもない。
  • 覚醒した主人公は、満身創痍の状態だけど、ゆっくりと立ち上がる。

設計時点では「(3-L)因果」を作っていましたが、ここでは結果として使わないことにしました。なくても機能しますし、逆にこの状況では無駄な説明になってしまいますので。

さて、それでは次のステップで、ついに根本問題(テーマ)を解決させます。

ステップ十一:2-5.根本問題(テーマ)の解決

第二幕最後のステップは、「2-5.根本問題(テーマ)の解決」です。

前回のステップでヒーローは昇華を起こし、シャドウに打ち勝つ力を得ました。その力を発揮することでついにシャドウを討ち果たし、勝利を自分のものにします。

それと同時に、テーマであった第二幕の対立関係を解決し、問題の根源を打ち消します

激しい戦いに勝利したヒーローは、一時的に仲間たちと勝利に酔いしれる場合もあるでしょう。そしてその報酬である宝を得ることもあるでしょう。

さらわれた姫を助けることかもしれませんし、村の宝を取り戻すことかもしれません。

とにかくヒーローは、シャドウとの戦いに勝ったのです。

ヒーローの一時的な敗北による、「喪失したもの」

ヒーローがシャドウに一時的に敗北した場合、ここでヒーローは最も大切なものを失ってしまうことでしょう。場合によっては、シャドウに奪われてしまうかもしれません。

それによってヒーローは、自分にとって何が大切なのかに目を向けざるを得なくなります。その行為こそが、ここでの報酬になる場合もあります。

好きだったヒロインと別れてしまうこともあるでしょうし、大切な宝を失ってしまうこともあるでしょう。それを経ることで、自分にとって何が大切なのかを知るのです。

そして第三幕で、残りの問題を解決して、失ったものを取り戻してゆくことになります。

✎ 作成例:根本問題(テーマ)の解決

後は、決勝戦に終止符を打つだけです。トリガーと昇華がしっかりと出来ていれば、ここからは勢いで作れるでしょう。

(ステップ十一:2-5.抑圧の受け入れ・解放)

  • 演劇は続いている。だけど事故なのか演出なのか、誰にも分からない状態。だから誰にも止められない。
  • もう失わないように、生徒会長の元へと行こうとする主人公。だけどそれを阻止するために、副会長が斬りかかる。
  • 主人公は斬られて傷つくけど、もう演劇で勝つことは捨てている。勝ち負けなんか関係ないから、(演劇上の)致命傷を負う。この時点で主人公は負けが確定している。副会長は勝利を確信する。
  • だけど主人公は、傷ついた生徒会長の元へとたどり着き、愛を伝える。「ロミオよ、ずっと好きでした」と。ロミオはその愛を受ける。
  • 副会長がなぜ自分ではないのかと叫ぶ。主人公もしくは味方が解説する。副会長は「自分を見せつけるために力をつけた」ので、それは愛ではないと。本当に愛しているなら、自分の命よりも生徒会長を気遣うものだと。力で体は奪えても、心までは奪えない。副会長はそれに気が付き、自分が敗北したことを知って崩れ落ちる。
  • 共に致命傷を負ったロミオとジュリエットは、生まれ変わったら結ばれようと誓って、共に息絶える。副会長は引き立て役として終わる。そして終劇。
  • 最高に盛り上がる観客。そして出演者全員に大拍手。
  • 生徒会長は無事。血のりで演技だったことを明かす。主人公も満身創痍だけど大丈夫。
  • 優勝者は満場一致で、主人公に決定する。仲間たちから歓喜の渦に巻き込まれる主人公たち。

できることなら、演劇は二人が結ばれてハッピーエンドにしたかったんですが、流れの関係で悲劇ということで終わらせました。でも、「ロミオとジュリエット」にかぶせることも出来ましたし、次に繋げられるということで、逆にいい演出になったかと思います。

この辺の肉付けの仕方で結構印象が変わるので、しっかりと作り込みたいところです。

さあ、これで第二幕が完了しました。ついに残るは第三幕だけですね。最後までしっかりと作っていきましょう。

まとめ

  • 第二幕前半では、ヒーローが少しずつ犠牲を克服しようと努力してゆく。
  • ヒーローたちは、最後の晩餐をし、「選ばれた英雄」として最終決戦へと旅立つ。
  • ヒーローはシャドウと戦い、一時的な勝利、もしくは一時的な敗北を得る。
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クレジット

http://www.flickr.com/photos/lucabove/9619954917/ by Luca Bove (modified by あやえも研究所)
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