ミステリーの方程式(六):ミステリーの十ステップ(第一幕)

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ミステリーの方程式(六):ミステリーの十ステップ(第一幕)2016-11-29T09:04:47+00:00

Project Description

概要

このページでは、ミステリー作りにおいて、ミステリーを物語として構築する流れについて説明しています。

  • ミステリーを作品に仕立てる「ミステリーの十ステップ」とは?
  • 「謎」にインパクトを与える方法とは?
  • 物語の導入部分をスムーズに構成するには?

「ミステリー」から「ミステリー作品」へ

ここまでで、「ミステリー」について構造と作り方を説明してきました。

今までの説明から分かるように、「ミステリー」というのは、厳密に言うと「謎を作り、それを解明する過程」でしかありません。そこには論理構造しかなく、世界観や人間関係、ドラマなどは含まれないわけですね。

物語に緊迫感を出したり、ドラマティックにするためには、「ミステリー」から「ミステリー作品」にする必要があります

ミステリーを物語に仕立てる

そこで必要になってくるのが、「サスペンス構造」もしくは「感動構造」です。サスペンスという構造の中にミステリーを入れるか、感動という構造の中にミステリーを入れるか、そのどちらかを利用する必要があります。

特にミステリーは、サスペンスという構造と非常に相性がよくて、ほとんどのミステリー作品がサスペンスを基本構造として作られています

なので、ここではサスペンス構造を元に「ミステリー作品」に仕上げる方法を説明するとしましょう。

サスペンス構造概要

それではサスペンスの基本構造を説明しましょう。

ここでは、「サスペンスの方程式」で紹介した構造を、少しだけミステリー対応するために微調整したものを用いることにします。

もはや遠い昔になって忘れているかもしれませんが、テーマを作る段階で、作品のイメージを作りました。そこで「ミステリー要素のアイデア」と「それ以外のアイデア」に分けて、前章まででミステリー部分を作り込んできました。

さて、ようやくここからが「それ以外のアイデア」を元に、物語として構築する段階です。

ミステリーの十ステップ

次のような流れに当てはめて、物語を展開するとよいでしょう。その流れを「ミステリーの十ステップ」と呼ぶことにしましょう。これは全部で十のステップで構成されていて、各ステップに必要な内容を入れてゆくだけで、簡単に物語が構築できるようになるというものです。

その流れをに示します。

その十ステップの内容は、以下のようなものになります。

  • ステップ一:場面設定:物語を始めるにあたって、必要な世界観や場面の設定をします。主人公にとっての大切なものもここで描写します。
  • ステップ二:異質な世界と謎の登場:事件が起こり、物語の舞台が展開されます。謎もここで起きます。今までとは違う異質な世界に、主人公はストレス(問題)を抱えます。
  • ステップ三:客観的解説と大切なものを失う危機:客観的な解説がされて、状況を把握します。そこで主人公は、このまま問題を放置すると大切なものを失ってしまうと知ります。
  • ステップ四:回避不能な状況:主人公を襲う問題が回避不能な状況だと分かり、この問題を解決するしか選択肢がないと受け入れなければならなくなります。
  • ステップ五:手がかりの配置:手がかりを一つずつ入手してゆきます。そして謎の起きた背景や状況を一つ一つ知ってゆきます。
  • ステップ六:真相への接近:これまで知った手がかりを元に、謎の全体像が見えてきます。
  • ステップ七:最大の手がかりへの接近:手がかりを元に、あと一歩で解決できるという状態までたどり着けるでしょう。主人公が優勢になる段階です。
  • ステップ八:敵の反撃:追い詰められた敵は、それでも最後に反撃して優位に立ちます。これにより、主人公は最大のピンチを迎えます。
  • ステップ九:「決め手」の発動:主人公によって「決め手」を発動することによって最大の危機を回避し、全てを解決します。必要であれば真実の全体像を明かします。
  • ステップ十:結末の説明:全ての問題が解決されたことを示して、物語を終了します。

「謎発生エリア」と「謎解きエリア」

図中にも示したように、ステップ二~四までは「謎発生エリア」として、ここで事件を起こしたりすることで、謎を発生させます。そしてステップ五~九までを「謎解きエリア」として、ここで謎解きをさせるようにします。

各段階で必要なものを、「それ以外のアイデア」を元に構築してゆくことになります。

最終的に、以下のように物語が展開する順番を記述できれば十分でしょう。

テーマ:
「主人公が、殺人事件という問題(謎)を抱え、事件の手がかりを通して、その問題(謎)を解明している物語」

●ステップ一:場面設定

  • 場面は現代日本。主人公は若い青年探偵と、助手の少女。探偵の師匠から探偵事務所を受け継いだけど、主人公は若いので信頼されず、全く探偵としてはやっていけない超貧乏状態。
  • 主人公、師匠との心温まる思い出を思い出す。「立派な探偵になる」と誓う場面。
  • ある日、山奥にある山荘で、師匠のパーティーに呼ばれて参加する。

●ステップ二:異質な世界と謎の登場

  • パーティーで楽しんでいる時、師匠がいなくなる。そして師匠は無残な惨殺死体となって発見される。
  • 師匠は密室で殺されていて、犯人は「解けるものなら解いてみろ」というような手紙を残している。そして「一週間以内に解けなければ、次は他の誰かを殺す」とも。
  • 山荘は山奥にあり、脱出できる唯一の橋は壊されていて逃げられなくなる。参加者は全員パニック状態になる。

●ステップ三:客観的解説と大切なものを失う危機

  • 落ち着いて、客観的に状況説明。橋が壊れているのに外の人たちが気が付くまで、一週間かかると知る。
  • 主人公は、この問題を解けなければ、主人公が大切にしている「探偵としての資質」を失うと分かる。

●ステップ四:回避不能な状況

  • 犯人がパーティーメンバーの中にいると分かり、主人公は安全な場所に逃げようとするが、この山荘からは逃げられないと分かる。
  • 主人公は復讐心と同時に、師匠との「立派な探偵になる」という願いを叶えるためにも、事件を解決することを受け入れる。

(以下略)

それでは実際に、その十ステップの詳細を見てゆきましょう。

ステップ一:場面設定

まず最初のステップは、場面設定になります。物語の世界観、舞台、登場人物などの詳細を決めて、配置します

このステップは、謎が発生する前段階ですね。主人公が古い知己から手紙を受け取る場面から、古い洋館にたどり着き、館の人たちを紹介されて、人間関係をざっと知る程度に時間を共に過ごすまでかもしれません。

登場人物を決める

登場人物を決める際は、謎解き一覧表で配置した容疑者候補のキャラクターから先に詳細を決めるようにします。容疑者候補の一人に主人公を入れるもよし、主人公の知人や大切な人がその中に入れるもよし、ですね。

また、主人公と、主人公に関係する人が物語にいれば、それだけ物語をドラマティックにすることができるものです。この容疑者候補と被害者が主人公とどのような関係にある人たちなのか、それだけでも様々な組み合わせを作ることができるでしょう。

犯罪ものなどで被害者がいた場合、被害者は主人公の関係者になるかもしれませんし、主人公の知人の関係者かもしれません。例えば被害者は主人公の信頼する師匠だったとできるかもしれません。もしくは、師匠が真犯人の偽装によって濡れ衣を着せられて、犯人に仕立て上げられてしまうかもしれません。そして主人公も容疑者候補の一人として数えられるかもしれません。

容疑者候補の人物が設定できたら、その他必要なキャラクターを配置してゆきます。

世界観や舞台を決める

世界観や舞台を決める際には、「それ以外のアイデア」だけでなく、世界観やキャラクター設定と、手がかりの内容を元にして、それを実現するような世界観や舞台にします。

トリックや手がかりを配置しても違和感のないように、舞台設定をしましょう

主人公にとっての「大切なもの」を決める

サスペンス的に面白くさせたい場合は、この段階で「主人公にとって大切なもの」を明確にしておくとよいでしょう。恋人が犯人に仕立て上げられてしまうのであれば、恋人との大切な時間を描写することかもしれません。主人公が殺害予告されてしまう場合、生きていることで何ができるのか、その幸せを描写しておくことかもしれません。

そうすることで、主人公にとっては次のステップで起こる事件や謎の発生がより危機的なものになり、読み手を物語に引き込むことができるようになります。

このように、この段階では登場人物や舞台、世界観、大切なもの作りをして、実際に謎が発生するまでの流れを作ります。主人公が舞台に訪れるまでの経緯を読み手に示します。

場合によっては、主人公は気付かないまま既に事件の中に組み込まれているかもしれません。ですが、謎が発生していなければ(謎だと気が付いていなければ)、全てこの「ステップ一:場面設定」に含むとします。

✎ 作成例:ステップ一:場面設定

それでは、これまで作ってきた「ミステリー」を「ミステリー作品」に仕上げてみましょう。

世界観については、「それ以外のアイデア」や世界観と、手がかりの内容を元に作ってゆくとしましょう。

「その他のアイデア」は既に忘れていると思うので、こちらは以下のような内容になっていました。

● それ以外のアイデア
「探偵もの」「殺人事件もの」「主人公は売れない探偵」「世話になったある人からパーティーの招待状が来て、参加することになる」「舞台は田舎の山奥にあるホテル」

キャラクターと世界観を作成する

これらを元に、世界観やキャラクターを決めてゆきます。

キャラクターについては、被害者である「甲」、甲を脅そうとしていた「容疑者A」と「容疑者B」、犯人に仕立て上げられる「乙」、犯人である「丙」がいます。

主人公は探偵として、乙は主人公が探偵になるきっかけを与えてくれた大切な人だとしましょう。

甲も主人公の大切な人にするとなかなか盛り上がりそうですが、乙は甲を殺したと信じ込まなければならなくなるので、その辺の人間関係を入れるとドロドロしそうなのでやめておくとしましょう。甲は適当に、嫌味な成金ジジイとでもしておきましょう。

丙は真犯人で、トリックの関係上、職業はマジシャンですね。その場にいる誰よりも小柄な体格です。最終的に甲を殺す動機とか必要でしょうが、それは当てつけで構いません。なので動機はここでは考えなくてもよくて、終盤に適当に作って、必要に応じてこの段階にフィードバックさせればよいでしょう。

容疑者A、容疑者Bは、読み手に疑われる分かりやすいフェイク役ということで、悪そうなキャラにしておきましょう。職業はヤクザとかにしておきますか。

そして世界観は、「それ以外のアイデア」と同じようなものだとします。

主人公にとっての「大切なもの」を作る

「主人公が大切にしているもの」は、「乙との関係」としましょう。主人公は乙を尊敬していて、殺人なんかするような人じゃないと、殺人なんかして欲しくないと思っているとします。

物語としては、会場であるホテルにたどり着いて、そこから事件が起こるまでを簡単に説明するとしましょう。

場面設定を仕上げる

以上より、まとめるとこのステップは以下のようにできるでしょう。

● ステップ一:場面設定

  • 世界観、主人公の説明。探偵であること。パーティーに誘われて、田舎にある小さなホテルの宴会場まで来たこと。
  • ホテル内部の様子も記しておく。トリック絡みの説明も少しだけ。マジックショーがあるから、会場の一部は入れないようになっているとか。
  • 乙が登場。人物紹介。主人公にとって、探偵になるきっかけを与えてくれた大切な人であること。
  • そして甲も紹介して、主人公は嫌味な奴だと思う。
  • 丙も登場。タイミング悪く乙のグラスを倒してしまうが、マジックでグラスを元に戻すとか。そうするとマジシャンである方に目がゆくので、グラスを倒した不自然さがなくなるかと。
  • 容疑者A、容疑者Bもここで少しだけ出す。怪しげな雰囲気で詳しくは説明しない。
  • 立食パーティーが始まり、乙が退場し、マジックショーを開催して、マジックショー中に甲が部屋から出る。主人公はその場でマジックショーを最後まで楽しむ。

なお、謎の時系列については「謎解き一覧表」を見れば分かるので、今回は説明は省きます。トリックを実現するには、さらに細かく状況の見取り図なども作っておいた方がいいかもしれません。それも今回は省略しますが、実際は必要になる場合は作っておきましょう。

今回はトリック絡みの設定について多少触れていますが、ここは「ミステリー作品」にする方法を説明することが目的です。なので、以降ではトリックや謎解きについてはほぼ触れないぐらいに抑えておくようにします。

実際に作り込む場合は、ちゃんと肉付けしておきましょう。

ステップ二:異質な世界と謎の登場

次のステップが、「異質な世界と謎の登場」になります。

この段階で、初めて謎が登場します。物語が殺人事件ものであれば、人が殺されたことが発覚するかもしれません。謎解きゲームなら、差出人不明の手紙が会場に配られて、「謎を解かなければ全員を殺す」といった出題がされるかもしれません。

主人公たちはその異質な世界を目の当たりにして、今までの常識では起こらない事態を前に、混乱するでしょう。

この段階はまだ「謎解きエリア」には入っていません。そのため、主人公や読み手には、まだしっかりとした手がかりは与えません。主人公にまずは混乱させることが大切で、ここで現場にあるものが描写する程度はあったとしても、「これは手がかりになるかどうか」などとは主人公に認識させないようにしましょう。手がかりは、後ほど謎解きエリアに入ったら、正式にまとめて提示することになります。

「異質な世界」を演出する

この段階で、サスペンス的に盛り上げるのであれば、「異質な世界」を演出するとよいでしょう。「異質な世界」とは、それまでの主人公の日常では常識では考えられないような状態を作り出すことですね。

主人公が普段、普通の学生などであったりする場合、「人が殺される」「脅迫の手紙が来る」というのも十分に「異質な世界」に含まれるでしょう。

ですが、もし主人公が刑事や探偵だった場合、ただ単に「人が殺される」「脅迫の手紙が来る」というのは慣れっこになってしまっていて、目新しさがなくなってしまいます。すると、読み手にとっては「またか、新鮮みがないな」と興味を引けなくなる危険があります。

その場合、その事件特有の異質なものを目立たせることで、読み手を物語に引き込むことができます。サスペンスで多く用いられがちなのは、猟奇的にしたり、狂気的なものにするということがあるかもしれません。

サスペンスにおいては、読み手にストレスを与えられれば、読み手をより物語に引き込むことができます。なので、その事件の異常さをしっかりと明確にしておくことが、サスペンス的に盛り上げるポイントになります。

✎ 作成例:ステップ二:異質な世界と謎の登場

それでは次が、謎の登場です。甲が殺されて、乙が犯人に仕立て上げられてしまいます。

なお、今回警察に登場してもらいますが、警察の親玉は主人公と顔見知りとしておきましょう。そうすることで、主人公が調査に関与できるようになりますので。

この段階は、次のようにできるでしょう。

●ステップ二:異質な世界と謎の登場

  • マジック終了後しばらくすると、会場の外から悲鳴が上がる。
  • 主人公が駆けつけると、そこで甲が殺されている。そこで事件が発覚して、警察が呼ばれることになる。
  • すぐに警察が駆けつけるが、その警察の親玉(以下、「警察親玉」と記述)は主人公の顔見知り。
  • 警察親玉の指示によって現場が押さえられ、ホテルも警察の指揮下に入る事態になる。
  • 主人公は乙がいないことに気が付く。そして警察と共に乙の部屋に行くと、乙は返り血を浴びた服と、血のついた凶器を持って呆然としている。
  • 主人公は驚く。警察は乙を殺人容疑で逮捕しようとする。

今まででは考えられない事態が起きて、主人公は驚くばかりの段階ですね。

次のステップで、ようやく主人公は冷静になります。

ステップ三:客観的解説と大切なものを失う危機

次のステップは、「客観的解説」と「大切なものを失う危機」です。

前の段階で事件が起こり、謎が発生しました。その異質さのために、主人公たちは一時は混乱したかもしれません。

ですがこの段階では、主人公たちは少し冷静になり、客観的にこの事態を把握しようとするでしょう。

「事態の説明」をする段階

多くの場合、その道の専門家から事態の説明がなされるかもしれません。殺人事件であれば、警察や刑事かもしれません。警察や刑事を配置できないのであれば、冷静で知識のある人物が今の状況を客観的に解説するかもしれません。

これによって、主人公たちは、今自分たちが置かれている状況を知ることになります。

主人公たちは、まだ積極的に解決しようとは思わない状態

この段階で、いくつかの手がかりが与えられることもあるかもしれません。ですが、主人公はまだこの段階では自分がこの事件や問題を解決しようとは思っておらず、手がかりを積極的に利用しようとはしない段階でしょう。

というのも、人は心理的に、異常な事態が起きた場合はそこから逃れて、今までの日常に戻ろうとする働きが生まれます。そのため、事件が起きてすぐに「よし、解決するぞ!」とは心理的に動かないものです。主人公たちは、一度その事件から目を逸らして、逃げようとするのが自然な心の働きになります。

そのため、この段階ではまだ主人公たちは、事件解決に対しては乗り気でないことを意識しておきましょう。

「悪意」の存在

サスペンス的に盛り上げるならば、謎は多くの場合、主人公に対する「悪意」となって現れるでしょう。それは先の段階で設定した「主人公にとって大切なもの」が脅かされるものです。

例えば、主人公の大切な友人や恋人が容疑者にされてしまうかもしれません。もしくは、事件を解かなければ主人公の命が危ないということかもしれません。

このように、ここは「客観的解説」と「大切なものを失う危機」に立たされる段階になります。

✎ 作成例:ステップ三:客観的解説と大切なものを失う危機

さて、前のステップでは主人公は考えられない事態に遭遇してしまい、混乱します。

ですがこの段階で客観的な解説が加えられ、主人公は自分の大切なものが危機的状況にあることを知ります。

ここでは、冷静な警察親玉から客観的解説をしてもらうようにしましょう。

以下のようにできるでしょう。

● ステップ三:客観的解説と大切なものを失う危機

  • 警察親玉による、客観的な解説。警察親玉の冷静さから主人公も冷静さを取り戻し、事態を把握し始める。乙の犯行はかなり可能性大。
  • 甲の死亡推定時刻や死んでいる状態、乙の状態などを説明。乙も「自分がやったかもしれない」と意味不明なことを供述。
  • しかし主人公は、乙のボタンが掛け違えていて返り血の模様に連続性がないこと、返り血が服以外にはないことを指摘。乙ははめられたのではないかと。
  • 主人公は、乙との関係を大切にしていることを再度読み手に説明。乙が犯人であって欲しくない。
  • 警察親玉も納得し、これは謎を含む事件だとする。

こんな感じでしょう。

では、次のステップで、主人公は謎の解決を受け入れるようにします。

ステップ四:回避不能な状況

客観的解説が示されたら、次は主人公が、自分がこの事件や問題に対して回避不可能な状況にいると知って、その問題対応を受け入れるようになる段階です。

このとき、主人公は事件から逃げられないことを知るでしょう。それは「絶海の孤島で、しかも台風が来ていて逃げられない」といった物理的な場合もあるでしょうし、「恋人が容疑者のままでは黙っていられない」といった精神的な場合もあるでしょう。

「逃げ道」を全てふさいでおく必要性

この段階で大切なのは、主人公たちがその謎を受け入れさせるために、逃げ道を全てふさいでおくことです。

そのように、精神的もしくは物理的に逃げられないことを知り、謎を解決しなければならないと受け入れます。

これによって、次のステップからいよいよ謎解きが始まるわけですね。

✎ 作成例:ステップ四:回避不能な状況

それではこのステップで、主人公が謎の究明を受け入れるようにします。

ここではタイミング悪く嵐がやってきて、田舎なので応援もなく、朝まで他の刑事もやってこられない状況で、外出するのもできない状況だとしましょう。

なので、朝までに猶予が持たれると同時に、朝が来て嵐が過ぎ去るまでに謎を解決しなければ、乙は犯人として警察に連行されてしまうとしておきましょう。

それではこのステップでは、以下のようにできるでしょう。

●ステップ四:回避不能な状況

  • 警察は乙を逮捕して連行しようとするが、嵐が強くなり危険でホテルから出られない状況になる。
  • 田舎なので朝まで応援も来ず、道も悪いので、朝まで猶予が持たれる。
  • 主人公は警察親玉に打診されて、それまでに謎の解明を促す。
  • 主人公は逃げられないと分かり、乙を救うためにも、朝までに謎を解くことを決意する。

これでようやく謎解きが開始できます。次のステップから、謎解きをしてゆくことになります。

まとめ

  • 主人公が「大切にしているもの」を決めると、より危機感を増すことができる。
  • 事件の異常さを盛り上げたい場合、「異質な世界」を演出するとよい。
  • 第一幕では、主人公は事件から逃げられないことを知ることで、積極的に事件解決に挑む流れになる。
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クレジット

http://www.flickr.com/photos/oiyou/263378323/ by Andy Davison (modified by あやえも研究所)
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