ミステリーの方程式(七):ミステリーの十ステップ(第二幕)

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ミステリーの方程式(七):ミステリーの十ステップ(第二幕)2016-11-29T09:04:39+00:00

Project Description

概要

このページでは、ミステリー作りにおける、物語の流れを作る方法について説明しています。

ここでは、第二幕の流れについて触れています。

  • 物語で、謎解きを進めてゆくコツとは?
  • 事件の流れを絞り込んでゆく過程とは?
  • 真犯人を推論可能になるまでのステップとは?

ステップ五:手がかりの配置

さて、前の段階で主人公は、提示された謎を解くことを受け入れました。

ここからがついに、謎解きの始まりです。謎について一つ一つ調べてゆき、主人公は手がかりを得てゆくでしょう。

まずは多くの証言を得て、犯行をなし得る容疑者候補をリストアップして、さらに容疑者候補に重点的に証言を得ようとするでしょう。そして手がかりを得てゆくことで、人間関係や真実が次第に明らかになってゆきます

「謎解き一覧表」を使って推論をしてゆく

この段階から、「謎解き一覧表」と「読み手に見せる手がかりの順番」を使って、主人公に推論をさせてゆきます

手がかりを与えてゆくと同時に、謎解き一覧表にチェックを入れてゆきます。そうすることで、少しずつ主人公は状態を把握してゆくでしょう。

サスペンス的に盛り上げたい場合、主人公はこの段階で幾度か危機を感じることがあるかもしれません。その危機をやり過ごすことで、新たな手がかりを手に入れるということもあるでしょう。

読み手に手がかりを「真実」かどうか分からなくする手法

なお、この段階ではサスペンス的手法で手がかりが真実かどうかを惑わせることができます。例えば主人公が手がかりを得て、それが偽りであったとすぐに分かったとしましょう。それを一~二回ぐらい繰り返します。

すると主人公(読み手)は次に得た手がかりが真実のものかどうか疑わしくなり、「何を信じたらよいのか分からない」状態になります。

これによって、読み手に真実を先読みさせないということができます。

また、これと同様に、手がかりだけでなくキャラクターの動機についても同じように惑わせることができます。例えば無実そうな容疑者候補が、主人公に隠れてニヤリと笑うような仕草をしたとしましょう。これを数人、数回繰り返すだけで、誰が容疑者なのか惑わせることができるようになります。

中だるみがしやすい場所

この段階は比較的長くなりがちで、中だるみしやすい場所です。

適度に緊張感のある場面を交えつつ、推論を重ねてゆくようにしましょう。

✎ 作成例:ステップ五:手がかりの配置

この段階で、手がかりを配置してゆきます。

これは「謎解き一覧表」と「読み手に見せる手がかりの順番」を使って順番に出してゆけばよいでしょう。

サスペンス的に盛り上げたければ、例えば容疑者Aと容疑者Bが暴風雨の中、警察指揮下にあるホテルから逃げだそうとするような出来事を挿入できるかもしれません。そこで追跡劇を作ることで、アクションを生み、物語を展開させることができることも考えられます。

以下のようにできるでしょう。

● ステップ五:手がかりの配置

  • 主人公が謎解きを始めるために、今までの状況を整理して全体像を俯瞰し、既に手に入っている手がかりをまとめる。
  • 警察と共に聞き込みを開始して、容疑者を絞り込んでゆく。結果的に、容疑者A、容疑者B、乙に絞られてゆく。主人公は丙にも話を聞く。
  • 容疑者A、容疑者Bが嘘をついていると分かり、怪しい感じになってゆく。
  • 容疑者A、容疑者Bが暴風雨の中でホテルから逃げ出そうとするが、捕まえる。結果的に、容疑者AとBは甲を脅そうとしていたことが判明する。

とっても簡単に終わらせましたが、実際はここで六~七割ぐらいの手がかりを出してゆくぐらいになるでしょうから、かなり長い部分になるでしょう。

貴方が作品を作る場合は、手がかりの内容を含めて、しっかりと肉付けして作り込むようにしましょう。

ステップ六:真相への接近

ある程度の手がかりが掴めたら、主人公は事件の真相がイメージできるようになってくるでしょう。

そして主人公にとっては、事件がどのような流れで起こったのか、数パターンまで絞り込めている段階になります。容疑者も絞り込まれてきて、残り数人という段階かもしれません。

主人公はこのまま手がかりを得てゆけば、必ず真犯人を見つけ出せるだろうと思っているかもしれません。

初めて主人公が犯人よりも優勢になる場所

サスペンス的に盛り上げたければ、物語において、初めて主人公が犯人よりも優勢にするとよいでしょう。これまでずっと犯人のトリックや偽装に悩まされてきたでしょうが、ここでついに真実を見つけ出すために積極的に攻撃に移すのです。

そうすることで犯人(もしくは真実)と主人公の間に駆け引きが生まれ、緊迫感のある展開にすることができるようになります。

✎ 作成例:ステップ六:真相への接近

手がかりがほとんど出てきて、主人公は事件の全体像が理解できるぐらいまでになる段階になります。

この物語では、この段階で容疑者Aと容疑者Bの真実を重点的に明かしてゆくとしましょう。

それによって、容疑者Aと容疑者Bは無実だったという手がかりを出し尽くし、読み手にとっては誰が犯人なのか分からない状態とします。

この段階では、以下のようにできるでしょう。

● ステップ六:真相への接近

  • 容疑者Aと容疑者Bが重要人物として、調査を進めていく。
  • 結果的に、容疑者Aと容疑者Bの手がかりが出尽くして、真実が推論できるようにする。(読み手に推論結果を示す必要はない)

今回の物語では、フェイクは容疑者Aと容疑者Bのみなので、これだけでいいでしょう。

それでは次で、ついに主人公は推論を披露することになります。

ステップ七:最大の手がかりへの接近

この段階で、ついに残る手がかりがあと一つか二つという、限りなく真実に近づいた状態になります

残るのは「決定的な手がかり」のみかもしれませんし、場合によっては「決定的な手がかり」をも手にするかもしれません。

既に主人公(読み手ではない)にとっては、真相はどのような形になっているのか、真犯人は誰なのかがほぼ見当がついている段階になります。

これによって主人公は勝利を確信して、事件の全貌を明らかにしようとするでしょう。

主人公が、自分の推論を披露してゆく

そのため、主人公は自分の推論を披露することも多いでしょう。それはほぼ真実に基づいたもので、犯人がトリックを元に「できない理由」を重ねたとしても、主人公は次々とトリックを見破ってゆくのです。そして犯人は、用意していたトリックがことごとく明かされてゆき、窮地に立つでしょう。

サスペンス的に盛り上げたければ、勝利を前にして主人公の気がゆるむかもしれません。場合によっては、証拠が完全に揃っていないのに、推論だけで犯人を特定してしまうかもしれません。

そうすることによって、次のステップの「敵の反撃」をより劇的なものにすることができるでしょう。

✎ 作成例:ステップ七:最大の手がかりへの接近

ついに謎解きも終盤にさしかかりました。

この段階で主人公は「決定的な手がかり」以外の全ての手がかりを手にして、それを元に推論をしてゆくようにします。

ここではタイムリミット設定をしているので、その関係で主人公は焦って推論をしてしまうようにしましょう。

この段階では、以下のようにできるでしょう。

● ステップ七:最大の手がかりへの接近

  • 「決定的な手がかり」以外の手がかりを全て手に入れ、主人公は真実をほぼ手にする。
  • 明け方に近付き、ついにタイムリミットが迫ってくる。警察の応援が来るという連絡が入り、主人公は時間がないことを悟り、やるしかないと決断。「犯人が分かった」と関係者を集める。
  • そしてマジシャンである丙が犯人だとして、推論を披露してゆく。
  • 丙はトリックを元に反論するが、主人公は次々とトリックを明かして丙に打ち勝つ。
  • 全ての推論を説明する。

さあ、次がいよいよ最大の盛り上がりになるでしょう。

最後の敵の反撃です。

まとめ

  • 第二幕では、「謎解き一覧表」と「読み手に見せる手がかりの順番」を使って、主人公に推論をさせてゆこう。
  • 「ステップ六:真相への接近」で、事件の流れが絞り込まれる。
  • 「ステップ七:最大の手がかりへの接近」で、真犯人が決定的に絞り込まれる。
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クレジット

http://www.flickr.com/photos/95443147@N00/2321628609/ by grahamc99 (modified by あやえも研究所)
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