プロの作家になるには

プロの作家になるには2016-11-29T09:05:02+00:00

Project Description

概要

このページでは、「プロの小説家や作家になりたい!」という方向けに、プロになるための考え方や、そのノウハウについて説明しています。

  • 先天的な才能がない場合、どうすればいいのか。
  • 貴方が持つ「圧倒的な魅力」の発掘方法とは?
  • 楽に、楽しくプロになる「上昇スパイラル」とは?

今は趣味程度の作家でも、プロになれる!

こんにちは、管理人の中村あやえもんと申します。

簡単に自己紹介をさせていただくと、私は過去にノベルゲーム制作チームを立ち上げ、監督として独立しました。おかげさまでその活動していた約四年間で、合計六人のアマチュア作家を担当しましたが、その中の四人もの人がすぐにプロに移行することができました。

私のチームで作家としてデビューした人のプロ移行率は、計算してみると六六.六%(三人に二人の割合)もあり、驚くほどの成果を出すことができました。いわば、「アマチュア作家をプロに橋渡しをする領域で、圧倒的成果を出してしまった」という状態です。

私のチームに入ってきた段階ではほとんど趣味程度でしか物語を書いたことがなかった人たちが、実際に私のチームでシナリオを書いて成果を出して、次々とプロになっていくんですよ。私自身もここまですごい率でプロ移行者を出せるとは予想すらしておらず、おそらくこんな高い率でプロを輩出しているチームは、他を探してもほとんどないのではないでしょうか。

大好きなことを仕事にするには、そのノウハウを学びさえすればいい

恵まれたことに、私はそのようなチームの代表として、多くの作家さん志望の方や、スタッフさん方、仲間たちを含めて、多くの成功例失敗例を間近に見ることができました。そして結果として多くのプロの作家を輩出できて、私自身も多くの方から支持や応援を頂けて、今では嫌な仕事はせず、好きなことをして、毎日を楽しみながら生きていけるという豊かな状態になれました。

そんな経験をしていくうちに、大好きなことをして生きていく状態になるためには、そしてプロの作家になるためには必要な考え方があり、そのなり方にはきちんとしたノウハウがあることが分かってきました。そしてそれらのほとんどは、先天的な才能ではなく、学んで身につけられるものだったんですよね。

プロになるための「非常識」なノウハウ

しかし、今までほとんどそんなノウハウを表に出すことはありませんでした。このノウハウを教えるのは、自分のチームの作家さんにだけでした。というのも、私の考え方は、シナリオ業界においてはほとんど触れられていない非常識な内容だからです。

世の中にはいくつものシナリオ教育センターみたいなのがありますよね。また、小説やシナリオ指南書なども、本として多く出版されています。でもそのほとんどが、「文章の書き方」レベルのものなんですよ。作家を目指すのだから文章を改善するのは当たり前だと思うかもしれませんが、私には全くそうは思えなかったんですよ。

文章ももちろん大切ですが、私の感覚では「文章の書き方」は大切なことの全体における一割にも満たない程度の重要度でしかなく、もっと大切な要素やノウハウがあるんですよ。

多くの人が見逃している、「プロになる究極のコツ」とは?

例えば、その人が持つ「圧倒的な魅力」を発掘しない限り、いくら文章技術を磨いてもだめなんですよね。シナリオ技術を教えて伸びて輝く人というのは、そういう圧倒的な魅力を見つけている人だけです。だから、多くの人が「小説やシナリオの書き方」といった教材で学んでも、表面的な文章はよくなったとしても、プロとして通用するような「圧倒的なパワー」を引き出すことができないんですよ。

また、プロになるためには考え方や精神面が非常に重要になります。目標は形だけのプロになることではありません「幸せであること」が前提であり、その上で「専業でお金を稼いでゆけること」が重要です。大好きなことができる自由、心の平穏があってワクワクする毎日、信頼できる仲間や戦友、心から応援してくれるファンの存在。これらのうちどれもかけがえのない幸せをもたらしてくれる大切なものなのに、それらについて体系的にまとめている教材はほとんどありませんでした。だから、例えば賞といった地位に固執したり、知名度やお金さえあればいいと思ったりして、幸せから遠ざかっているのではないかと思います。

そんな精神論だけでなく、実際にプロになるにはどういう道筋があるのかとか、体系的な発想論や設計論、そしてストーリーライティングを本業とするビジネススキルなども必要になるでしょう。

ですが、世の中ではなぜそれらを教えないのだろうかと、ずっとシナリオを教える側に対してそんな不思議と不満を抱えていました。

貴方も、学べば作家としてお金を稼げる!

そこでふと、思いついたんですよ。私の持っている非常識な知恵やノウハウが、ひょっとすると役に立つこともあるんじゃないかと。ストーリーライティング業界の常識から考えると、私のような考え方はとても遠回りで無意味なことのように思われるかもしれません。ですが、私にとってはこれこそが最大の近道だと思っています。メジャーな考え方に従っても芽が出なかった人にとっては、成果を出すきっかけになるんじゃないかと。

そこで、このような考え方やノウハウを体系として世に送り出すことにしました。

この教材を見ているということは、貴方は学び好きな人だと思います。他でも多くの教材などで学んだことがあるかもしれません。もしまだ貴方の芽が出ていないのであれば、このサイトにある内容は、ひょっとすると貴方にとって人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

貴方にとって、この体系が少しでも糧になる部分があれば幸いです。そしてこの体系が貴方の夢を叶える一助になれば、私にとってこれ以上嬉しいことはありません。

最短距離でプロになる方法

さて、それではプロの作家になることを目標として、そのために必要なステップを説明していきましょう。そこで、最初はちょっと大きな視点からプロになる過程を見ていきましょう。

こでは、主にプロになるためのステップと、そのために必要な精神面について説明します。人によっては「どうやったら自分の文章がよくなるのか、早くその具体的な文章技法を教えて!」ともどかしくなるかもしれません。ですが、まずはより大きな視点から見ることができるかどうかが大切です。なので、ここでじっくりと、プロになるために必要なステップと、考え方について一つずつ見ていくことにしましょう。

貴方がプロになるのに、何が必要なのか

プロになるためには、自分の力がどれぐらいなのかをしっかりと把握して、その実力に合った課題をクリアしていく必要があります

例えて言うなら、プロ野球選手になりたいという人がいたとしましょう。すると、プロになるまでには少年野球時代やシニアを経験したり、高校野球で活躍したり、そしてプロ野球に入団するといった流れがありますよね。入門したばかりの人がいきなりプロ野球レベルのトレーニングをしても、体がついて行かなくて自信をなくしたり、身体を壊してしまう場合があるでしょう。逆に、プロになれるレベルの人がいつまでも少年野球マインドでプレイしていてはだめですよね。

このように、作家にはそれぞれの段階で重点的にやらなければならないことが変わってきます。ただ文章を添削してもらえばプロになれるというわけではなく、精神面、技術面、基礎体力面、管理面、そういった力の配分をどのようにしてゆくのかも考慮する必要があるでしょう。

こうしてプロの階段を上がってゆけばいい

では、実際にプロになるまでにどのようなステップがあるのか、以下に分類してみます。

入門時期(少年野球時代)

初めて小説やシナリオに触れる段階です。野球で言うなら少年野球時代になり、入門したてで、必要なルールを全て学んでゆきます。そして草野球(簡単な小説執筆など)で経験をつけていきます。この段階では、何よりもストーリーライティングの楽しさを知り、情熱を作ることが大切です。

成長時期(高校野球時代)

野球にも慣れ、自分のポジションを見つけて必要な基礎力を身につけていく段階です。とにかくトレーニングを繰り返すことで力を伸ばし、試合(作品)で成果を出します。頭角を現せば、プロのスカウトなどからも目をつけられる存在になります。

発展時期(プロに入団~一流になってゆく時期)

実際にプロとして入団して、一流になっていきます。自分だけの専門性を磨いて、そのポジションで一流になってゆきます。ストーリーライティングでは選手寿命などありませんから、一生をかけて世界一の技術を磨いてゆきます。

それでは以下では、それぞれのステップの特徴と、何をすればいいのかを説明しましょう。

入門時期:ルールを知り、楽しさを味わう

入門時期では、基礎的なルールを学びます。ストーリーライティングに必要な表記法や体裁、文法などのルールを全て学びます。野球で言うと、野球のルールを学びながらプレイすることですね。小説、テレビ用の脚本、ゲーム用のシナリオなど、分野によってルールは異なります。なので、自分の分野に応じたルールを身につけておく必要があります。

ただし勉強として学ぶだけではなく、面白さを味わいながら書くことが最も大切です。ルールさえ守っていれば、後はのびのびと楽しみながらプレイすることが最高の能力を引き出すことになります。

というのも、この段階では「楽しさ」を魂に教える段階でもあるからです。この楽しさは一生続くものです。もし楽しさを魂から感じることができていれば、どんな困難も楽しみに変換することができて、ストレスもなくスムーズにスキルアップすることができるようになります。

途中でダメになる人の共通点

しかし、ここで楽しさを知っていなければ、後々の厳しさに耐えられなくなります。どんな分野でも、一流になろうとするのであれば、それなりに厳しい試練も多くあります。その試練を苦しいと感じるか、やりがいがあると感じるか、「楽しみ」とはそれを分ける重要な意味を持ちます。もし楽しみがなくプロになった場合、途中で精神的に力尽きて、ストーリーライティングが苦痛でしかなくなります。その結果、悲劇的な結末を迎えることも多くあります。歴史的にも、そのように悲劇的な終焉を迎えてしまった作家の実例が多くあることを、貴方も知っているかもしれません。

なので、「プロになる」だけではなく、「幸せである」ために、まずはのびのびと楽しむ必要があります。これは将来を支える何よりも重要な土台になります。

この段階では技術面には時間を割く必要はありません。ルールを守ることさえできていれば、魂の赴くまま書くのでいいでしょう。

成長時期:基本技術を繰り返し練習して身につけ、成果を出す

成長時期では、自分のポジションを見極めて、基礎技術を繰り返し練習することで実力を高めていきます。また、実力を高めると同時に、成果を形(作品など)として出します。野球で言うと、高校野球時代にあたります。

この段階では、技術力を磨くために以下の要素を知ることが必要になります。

  • 自分は何の分野で圧倒的な成果を出せるのか
  • その力を発揮するために必要な技術は何か
  • 技術をどのような形で身につけるのか
  • 自分の力量や成果をどのように他者に知ってもらうのか

貴方にも、必ず才能は眠っている!

私は、全ての人には、その人だけが持つ天才性が眠っていると思っています。その天才性、いわば貴方自身の「圧倒的な魅力」を発掘することが、実力を伸ばす上で最も大切なことだと思っています。ですが、多くの人が自分の天才性を知ることなく、それとは関係ない分野で戦おうとしています。そして才能を出せずに諦めてゆく場合が何と多いことかと思います。

例えば小柄で俊敏性があるけど、遠投力がない選手は二塁手や遊撃手に向いてるわけです。そのポジションに着けば圧倒的な才能を開花できるのに、「ピッチャーの需要が多いし、それに目立つし、社会的に賞賛されるから」といった見栄などの理由でピッチャーに固執して、才能を発揮できずに沈んでゆく人を本当に多く見かけます。

自分に合ったトレーニングをすれば、能力は一気に花開く

そのためにも、自分の性質を適切に把握して、その性質に合うトレーニングをすることが大切です。自分の性質に合ったトレーニングをすれば、めきめきと実力を伸ばしてゆくでしょう。「圧倒的な魅力」を見つけた人は、内側から溢れるパワーを感じることでしょう。いいスパイラルに入ることができれば、書くことが楽しくて、自分を最大限発揮できるシナリオを作ることができ、そして毎日自分が向上しているのを実感できるようになります。他人から見ると厳しい練習をしているように見えるかもしれませんが、当人はとても心地よいワクワクの中で実力を伸ばすことができるのです。

「貴方に眠る力」を発揮できれば、作品を出せば出すほどファンが増えていく!

そして、実力を身につけて、作品を通して成果を出していきます。「貴方に眠る力」を発揮できれば、読んでもらえる人やファンが次々と増え、「こういうシナリオを書かせたら、やっぱりこの人はすごい」という頭角を現します。まだ一流とは言えないかもしれませんが、多くのファンにとって期待の存在になるでしょう。

同時に評価も得て、「また読みたい」と言ってもらえることが多くなるでしょう。もし同人などで売り出すことができれば、プロほどとはいかずとも、十分な小遣い程度にはお金が入ってくるかもしれません。

ある日、貴方が世の中に認められる日がやってくる

このようにいいスパイラルの中で実力を伸ばしてゆくと、ある日、ついに実力が認められる日がやってきます

それはどこかの開発チームと契約して所属することかもしれませんし、小説家やフリーのライターのような自営業としてやっていくだけの十分な収入を得ることかもしれません。リーダー的素質がある人は、チームを作って独立することかもしれません。その結果、貴方の望みに合ったスタイルで仕事ができるようになるでしょう。

おめでとうございます。その境界線を乗り越えた瞬間、貴方はプロになり、ストーリーライティングを専業としてやっていけるようになるのです。

全身全霊をかけて打ち込める仕事、ワクワクする毎日、応援と共に支えてくれる多くのファン、そして好きなことをして生きていけるだけの収入。それらを手に入れる日が来るのです。

発展時期:専門を一流にする

発展時期では、自分の持つ専門分野を極めていき、一流になり、世界的な第一人者になっていく過程です。貴方の持つ力を最大限発揮して、多くの人に喜んでもらえる作品を作り出してゆきます。

専門分野を一流にしてゆく段階では、一流のコーチ(編集者など)から学ぶことが必要になるでしょう。

さらに道を究めてゆけば、誰もが踏み込んだことのない領域までたどり着くでしょう。もはや誰から学ぶのではなく、自らが新しい領域を開拓する存在になるのです。

うまくいくコツは、いい上昇気流に入ること

私の印象では、うまくいく人は、それぞれの段階で必要なことをこなして着実にステップアップしています。例えて言うなら、目の前の段を上ることに集中して、階段を一段一段上っているわけです。でも、うまくいかない人というのは、まだたどり着いてもいない階段を上ろうとしているんですよ。目の前の段を上らないといけないのに、十も先の段を上ろうとしていたり。

格闘技でもそうですよね。まずはある程度基礎体力をつけないと、大技をやろうとしてもできるわけがなく、形だけ真似ても無様に終わってしまうわけです。

先ほどチェックした今いるステップのチェックでも、もし入門時期などの基礎部分をすっ飛ばしていた場合、応用なんてできるわけがないんですよね。土台がないから、その上に建つ家も貧弱なものになってしまうわけです。

プロの表面ばかり真似るのは、土台がない状態で家の建て方を学ぶようなものです。なら、対策は簡単なことですよね。ちゃんと土台さえ作ってしまえば、後は建て放題なんですから。

楽に成長できる秘訣とは!?

実はいいスパイラルに入ると、とても気分的に楽に成長していくことができます。それはなぜかというと、大好きなストーリーライティングをできて、自分の才能を発揮できるようになるためです。自分の作品を通して、周囲の人に喜んでもらえるようになります。喜んでもらって評価してもらえると、もうそれが嬉しくて嬉しくて、どんどん次の作品を書くエネルギーに繋がっていくわけですね。そんなワクワクな毎日が、辛いわけがないじゃないですか!
他の人からは「よくそんなに自分を追い詰めて書きまくれるな」と言われるかもしれません。でも当人にとってはシナリオを思い描いて書くこと、そして読んでもらえることが楽しくてたまらないのです。なので、本当はとてもヘビーな作業なのに、当人は楽に感じられるんですよね。

いいスパイラルを作れば、勝手にプロになれる

普通ではスキルアップのためには「いい文章を書こうとすること」が大切だと思うでしょう。ですが私の観点で言うと、「いいスパイラルに持ち込むこと」の方がはるかに大切だと思っています。いいスパイラルに入ると、読んでもらえるという喜びが得られて、そして学ぶ原動力にもなり、新しく学んだ力を発揮して、さらに読み手に喜んでもらえる……と、必然的に能力は向上するわけですね。しかも楽しく。

これが、うまくいくコツなんですよね。

「長所伸展」と「短所是正」どっちがいいの?

人の原動力には二つあります。一つは「快楽のため」で、もう一つは「苦痛から逃れるため」です。

先に「いいスパイラルに持ち込む」のが大切だと述べましたが、これは「楽しい」という力を利用して学んだり向上するエネルギーを生み出す方法です。

苦痛から逃れるためにエネルギーを生み出す方法もありますが、こちらは常に不安や恐怖といったものがその人につきまといます。これは使い方によっては急激なパワーを生むことはできますが、基本的に「幸せ感」からはほど遠いものになってしまいます。だって、不安を背中に感じながら幸せになれるはずがないんですから。

だから、苦痛から逃れるためのパワーというのは、たまに起こるピンチの時には必要ですが、常に使い続けるものではありません。なので、基本は快楽ベースで続けた方がうまくいきます

長所を伸ばせば、貴方の「本当の魅力」が光り始める

それに伴って、貴方の力を伸ばす「基本姿勢」が重要になります。

能力を伸ばすためには、「長所伸展」と「短所是正」、貴方はどちらが重要だと思いますか?
もちろんどちらも大切ですが、「長所伸展」をメインにした方が圧倒的にうまくいきます

例えばプロ野球選手でピッチャーがいたとしましょうか。そのピッチャー、打撃はとても苦手なんですよ。なら、練習時間の全てを使って打撃練習をしたらうまくいくでしょうか。うまくいくわけがないですよね。ピッチャーは投げる力を伸ばさないといけないわけです。

学校では「間違わない人が優秀」、社会では「よい点がある人が優秀」

学校では、「どれだけ間違わないか」が重要でした。そして「間違いを犯さない人ほど優秀」という評価を受けます。

ですが社会では、「どれだけ飛び抜けてよい力を作るか」が重要になります。つまり、「飛び抜けてよい点がある人ほど優秀」という評価を受けます。

学校生活の「洗脳」に染まってしまった人で、プロになりたい人は、よく「批評してください」「問題点を指摘してください」と言うんですが、それでは優秀になれません。まずはよい点をうんと伸ばすことが大切です。

学校で勉強ができた人ほど、この罠に引っかかってしまうことが多いように思います。むしろ、勉強など全然できなくて、遊びほうけていた人の方がスムーズにプロになれている印象があるのも、こういう理由からかなと思います。

入門者ほど、これに気をつければうまくいく!

これは入門者において特に重要で、入門者は一〇〇%長所伸展の考え方でいいと思います。こうすれば楽しむこともできますし、いいスパイラルに持っていくことができます。

例えば車のレースで考えてみましょう。作家は車だとしましょう。長所伸展というのは、情熱を高めて車のエンジンを大きくするようなものです。短所是正というのは、適切なラインを通るようにハンドリングを微調整するようなものです。入門者は、どちらも力は弱いです。

ハンドリングをいろいろ調整しても、せいぜいコンマ数秒程度しか変わらないものです。ですが、エンジンが少し大きくなっただけで、結果は何秒も変わってしまうものです。特に入門者は、情熱の量によっていとも簡単に成果が変わってしまうものです。なので、入門者は特に長所伸展で行く方が、圧倒的に成果がよくなります。まずはおおざっぱでもいいので、情熱のエンジンを大きくしましょう。ハンドリングといった精密な部分は後でいくらでも調整できるでしょうが、エンジンが大きくないといくらハンドリングを学んでもたいした差は出ません。

欠点探しが、貴方の輝きを失わせる

入門者は自分から欠点を探さないようにしましょう。他の人に、「何が悪いの?」「何が足りないの?」と訊かないようにしましょう。関係ない部分まで指摘され、時間も情熱も失われてしまいます。それよりも、自分の長所ややりたいことは何だろうと考えて、他の人には「こういうのを書きたいけど、その力を伸ばすためにはどうしたらいいの?」と訊くようにしましょう。そのちょっとした差が、今後の成果を大きく変えることになります。

そのため、変に小説家志望者同士での批評サイトに投稿して、「批評してください」という行為はオススメしません。特に、上記の入門時期(少年野球時代)の段階で批評されるのは、致命傷になりえます。

もちろん、成長に従って短所是正的な考え方も必要になります。特にプロになって成長が頭打ちになった時、短所是正の考え方は大きく役立つこともあります。ですがここでは入門者向けの内容を説明しているので、それについてはいつか別に説明しましょう。

頑張らずに成長する

これまでの説明で、漠然とでも私の教えているスタンスが分かったんじゃないかと思います。プロになるのにまず最も基礎として大切なのは、情熱だということです。文章を書くことだけじゃないんですよね。

そのために、「大好きなことをする」というのは特に大切になってきます。特に入門時期では、大好きなことだけをやるようにしましょう

実際に上手くいった具体例

例えば私の場合、学生時代に初めてゲームを作った時は、シナリオからCG、音楽、プログラムまでこなしてたった一人で四ヶ月ぐらいかけて作りました。それなりの物量を一人でこなして、多くの人から「すごく大変だったでしょう」と言われるんですが、私にとっては全然大変ではなかったんですよ。私は頑張ってもいないし、努力もしていませんでした。でも、周囲の人には驚かれるほどの作業量をこなすことができました。
なぜなら、私は大好きなことだけしかやらなかったからです。私はシナリオも絵も音楽もプログラムも大好きだったんですよ。「毎日夢中になって作っていたら、いつの間にかできていた」という感覚でした。

人は心から好きだったり楽しいことをやっていると、「頑張る」ことや「努力する」ことが消えます。大好きなことなら、進んでレベルアップしちゃうんですよ。そして、手も抜きません。むしろ自分から進んで手をかけて、より自分に厳しくなるんですよね。どうすれば効率的にできるかを真剣に考えて、できる限りの手段を自分から取るようになります。そして胸からは溢れるほどのエネルギーがわいてきます。困難にもくじけず、粘り強く対処してゆきます。

これが、ダメになっていく人の典型パターン

しかし、人によっては「辛いことをしなければ、成長はできない」と思い込んでいる場合があります。小説を書き始めて間もないのに、いきなり「プロになりたいんです。厳しく批評して下さい」というタイプの人がそうですね。

私の経験では、こういう自分に厳しいスタイルの人は、本当に早くモチベーションが落ちて、書くのをやめてしまいます。作家に限らず、声優志望、音楽志望、絵描き志望、全てにおいてこの傾向は顕著でした。

「苦労は買ってでもしろ」とよく言われたりしますよね。「忍耐が大切だ」とか。しかし、本当に強靱な忍耐力とは、大好きなことを楽しくやるからこそ生まれるのです。プロになりたいのであれば、まずは能力を高めるよりも前に、自分が楽しむことが大切です。楽しんでいれば、能力は自然に高まります。でも楽しまなければ、どんなに使命感や義務感があったとしても、次第にモチベーションが落ちて成長が鈍化し、やる気がなくなって苦痛に変わっていきます。

これが、スムーズにプロになっていく人の典型パターン

するするっと不思議なほどスムーズにプロに移行する人がいます。そういう人はほとんど、こういういいスパイラルの中にいるように感じられます。これまで第一線で活躍する人の多くのケースを見てきましたが、「大好きなことを熱中してやっていたら、いつの間にかプロになっていた」という感覚の人がとても多いことに驚かされます。実際に億万長者と低所得者層を対象にした社会的な統計でも、「大好きなことをする」という要素は高い重要性を持っていることが判明しています。

大好きなことを中核にしていると、その周辺にあるちょっとした嫌いなことでも、エネルギーがあるので乗り越えられます。プロを目指す段階でも、プロになってからでも、人生には多くの困難があります。失敗、批判、別れ、様々な苦しみがあるものです。それは否が応でも襲いかかってきます。そんな苦難を乗り越えるには、高いエネルギーが必要です

まずは大好きなことを中核にして、「楽しむ」ことに意識を向けましょう。「力を伸ばす」ことには、最初は全く重要ではないのです。これは楽しく幸せを味わうだけでなく、能力を高める基礎体力になり、かつこれから起こる困難を乗り越えるための最高の危機対策でもあるのです。

成果を積み上げることで、成長する

例えばプロになるまでに、高さ三十メートルまで上らないといけないとしましょう。どんなにジャンプしても、三十メートルまで跳べる人はいないでしょう。多くの人がこの現実を知って諦めています。ですが、階段を百段ぐらい作って、一歩一歩上ってゆけば、誰だってスムーズにたどり着けるわけです。

「プロになるにはどうしますか?」と問いかけると、「小説を書いて、そして新人賞に応募する」ぐらいしか答えられない場合、三十メートルをたった二ステップで上ろうとしているようなものです。できなくて当然ですよね。でも、小さな階段を一歩一歩上ってゆけば、いつかは頂上にたどり着きます

こうすれば、確実にステップアップできる!

では、「目の前に小さな階段を一つ作って上る」というのは、どういうことでしょうか。

それは、「成果を出す」ことです。成果を出すことで、成長の階段を一つ上がることができます。しかし成果にしなければ、階段を上ることができません。

例えば小説を途中まで書いたけど、それ以上書けなくなって断念したとしましょうか。貴方は、これを成果にできますか、それとも成果にできませんか?
これができるかどうかが、いいスパイラルに入る大きなきっかけを握っています。

大きな成果をもたらす、こんな小さな考え方

いいスパイラルに入ることができるのは、どんなことでも成果にできるタイプの人です。「半分しか書けなかった」ではなく、「半分書けた!」と把握するわけですね。これは、自分のスキルを適切に把握できていることになります。だから「前半はできたから、次は後半も書けるように対策しなきゃ」と反省できて、「前半はできた」という階段を一歩上ることができます。ただ、全部書けなかったということに対しては失敗になってしまうので、それを受け入れるのに少し心が痛む場合もあるかもしれません。

逆に成果にできないタイプの人は、「半分しか書けなかった。こんなはずじゃない」と、受け入れることができません。本当は半分しか書けない実力なのに、「俺の力はこんなはずじゃない」と過大評価してしまっているわけですね。こういう人は、「自分が自分で願っているほどの実力がない」ことを認めることを極端に恐れています。だから成果にできず、反省もできず、階段を上ることができなくなります。言い換えると、目の前の階段を上ろうとせず、数段先のはるかに高い階段まで一気にジャンプして上ろうとしているわけですね。そして届かずに、いつまでも同じ段に居続けるのです。

最大の敵は「自分は現状のままで、天才であって欲しい」という願望

どんな失敗でも、成果に結びつけてしまいましょう。人生は「積み重ね」です。うまくいかなかったことは、自分の実力を知るいい機会でもあります

焦りは禁物です。例えば同年代の人が小説家として活躍し始めていたりした場合、「自分も早く追いつかなきゃ」という強迫観念に駆られて、一気にジャンプしようとする人もいます。周囲と比較する必要はありません。自分なりの速度で進んでいくことが大切です。

人によっては、「自分が何も学ばなくても、努力しなくても、今の状態のままで天才であって欲しい」という願いがあるかもしれません。ですが、それを手放す勇気も必要です。その勇気が、いいスパイラルに入るきっかけを与えてくれるでしょう。

また、スランプだったり、成果が出ない時も、この心理状態に陥っていないかを確認するといいでしょう。実力は筋力と同じで、使わなければ落ちることもあります。しっかりと自分を見つめる勇気を持つことが、突破の糸口になることもあるでしょう。

小さくても着実に階段を上り続ける限り、いつかは頂上にたどり着きます。焦らずに、着実に階段を上ってゆく勇気が必要になるのです。

うまくいかない時の対処法

プロになろうとしている時だけでなく、プロになった後でも、うまくいかなくなる場合はあるものです。

うまくいかない時というのは、大抵が上昇のスパイラルから外れてしまった場合です。変な荷物を背負ってしまったり、変な見栄を張ってしまったりすることで、スパイラルから外れてしまうことがあります。また、自分自身の変化によっても今までのスパイラルでは収まり切らなくなる場合もあります。

こういう場合、再び自分にとってのいいスパイラルに持ち込むことで、うまくいくリズムを取り戻すことができるでしょう。

以下にそのヒントを挙げてみます。

  • 細かく成果を確定する。
  • 短期決戦の連続にする。
  • 「今の自分」にとって楽しい部分だけで終わらせる。

このような対処で、自分の今の力量を適切に把握できて、いいスパイラルに持って行けるでしょう。

人は人生のステージごとに、楽しめるものが変わってゆく

また、人は人生のステージで変わっていく場合もあります。子どもの頃には鬼ごっこで楽しめましたが、大人になるにつれてその程度の簡単なルールでは楽しめなくなるものです。

例えば、私の知っている人で恋愛ものをメインで描いていた漫画家さんがいますが、結婚を機に恋愛に興味がなくなってしまったという人がいました。その人は今は、アート方面に興味を見いだして、新しい分野で今までのスキルをベースに向上しつつあります。

こんな風に、大なり小なり、人は少しずつ変わっていくものだと知っておきましょう。その場合、自分の心に訊いてみて、何が楽しいのかを見つけるようにしましょう。それが、新しい上昇スパイラルを生むきっかけになるでしょう。

ありのままの自分になることが、最大の戦略

これまで自分の大好きなことを中核にすることが大切だと述べました。ですが、一方で周囲の希望や要望を受け入れることも大切になります。この両者のバランスが取れないと、あまりにこだわりすぎて誰にも理解してもらえなくなったり、逆に自分が好きなことができずにモチベーションが落ちたりします。

自分の希望と他者の希望、この両者のバランスをうまく取るために、次図のように自分のこだわる部分と、そうでない部分の境界を意識しておくとよいでしょう。

自分にとっての核とは、「これが大好き」という部分になります。言い換えると「こだわる部分」で、この領域は周囲の声を聞かないようにする必要があります。この部分こそが貴方らしさの部分になるのですから。

一方で、貴方にとってどうでもいい、こだわらない部分については、積極的に環境に合わせたり、他者の希望を取り入れていくようにしましょう。こうすることで、より多くの人に楽しんでもらうことができるようになります。

「こだわり」はこうして見つけてゆけばいい

ここで大切なのは、自分にとっての核を少しずつ把握してゆくということです。入門者の場合はこれがあやふやで、特に始めたばかりの人はこれがどの部分かさっぱり分からないでしょう。ですが作品を少しずつ作っていくことで、だんだんと境界線が分かってくるでしょう。

最初は他者と比較しないことが大切です。みんながやっているからとか、みんなに認めてもらえるからといった理由で始めるのはお勧めしません。というのも、外部へのウケ狙いでやり始めると、自分の中の核となる部分がいつまでも分からないからですね。みんなに喜んでもらったのはいいけど、自分はいったい何をしたいのかが分からなくなり、次第に自分がピエロのような感じがしてきます。

また、最初は万人ウケするものを狙わないことです。まずは自分にとって最高に楽しめるものを追及していきましょう。貴方の感性に合う人は、ひょっとすると百人に一人ぐらいしかいないかもしれません。ですが、日本では一億人いたとすると、百万人も貴方と感性が合う人がいるのです。その人たちが、貴方の熱狂的なファンになるのです。

「こだわり」を持たずに書くと、「サービス」になる

自分を持たずに何かを作るというのは、クリエイティブではなく、どちらかというとサービスになります。相手に主導権を握られるわけですね。もちろんサービスに向いている人もいますが、ストーリーライティングを好む人はほとんどクリエイティブなタイプなので、最初はよくても次第に自分の必要性に対して苦しんでゆくものです。

自分をしっかり持つためにも、最初は自分の楽しみのために作るといいでしょう。

「こだわりすぎ」にも要注意!

ですが、逆に個性にこだわりすぎるのも問題になります。「自分はこういう人間なんだ」と決めつけてかかると、せっかくの発展的なチャンスを見逃してしまいます。例えば私の場合、最初は絵が好きでした。ですが、シナリオもやってみたいという興味がわいてきたんですよ。ここで私が「自分は絵が好きだから、シナリオなんてやるもんじゃない。絵のスキルアップには全然役に立たないんだから」と決めつけてかかった場合、そこから新たな展開がないわけです。私は絵も好きで、シナリオも音楽もプログラムも好き、だからさらに上の「監督」という新たな展開があったのですから。

なので、最初は「自分の楽しみ」に忠実になるようにしましょう。自分が今、何に対して楽しいと感じるのか、ワクワク感を感じるのか、その「ワクワク感性」を鍛えるようにしましょう。

自分の「天職」を知っていくことが一番の王道

この教材では基本的にプロの作家への方向性を示すことが目的ですが、私が本当に伝えたいのは、その人を「天職」に導くことです。

「天職」とは、その人が最も輝ける分野で、それをやっているだけで楽しく、充実して、幸せで、かつその分野でワンアンドオンリー(オンリーワンでありナンバーワン)になって、お金にもなるという分野です。

誰もが最初は自分の天職は何か、全然分かりません。ですが、少なくとも「プロの作家になりたい」という一つの方向性を持っているわけですね。

その先に、いろんな可能性があります。例えば、文章を突き詰めることが好きなら小説家が天職かもしれませんし、視覚的な効果も設計するのが好きなら映画脚本を書くことが天職かもしれません。人に教えることが好きならシナリオの教師が天職かもしれませんし、最新小説を読むのが大好きで、紹介するのも大好きなら、雑誌などで新刊紹介記事を書くのが天職かもしれません。

成果を出してゆくと、「天職」が見つかる

こんな風に、成果を出して、何が好きなのかを知ってゆき、自分を知っていけばいくほど自分の道が分かってきます。今、「小説家になりたい」と思っているかもしれませんが、ひょっとすると自分に向いているのは少し違う形であるかもしれない……ということを知っておくことが大切です。

なら、どのようにしたらその方向が分かるのかというと、それは貴方の感性にヒントが隠されています。貴方がワクワクする方向に進んでいけば、貴方の天職に近づいてゆくでしょう。

まとめ

  • 先天的な才能がなくても、プロの作家になれる。
  • 貴方の「よい点」に着目して力を伸ばすと、成果が出る。
  • プロになるまでには、三つのステップがある。その時々に応じた対策が大切。
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クレジット

http://www.flickr.com/photos/novecentino/2339687721/ by Giorgio Montersino (modified by あやえも研究所)
…is licensed under a Creative Commons license: http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/deed.en