実録:普通の人がこうしてプロ作家になった

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実録:普通の人がこうしてプロ作家になった2016-11-29T09:05:02+00:00

Project Description

概要

このページでは、普通のアマチュア作家が、どのようにしてプロの作家になったのか、管理人の経験から説明しています。

  • 普通のアマチュア作家が、どのようにしてプロの作家になったのか?
  • プロ作家として入った企業がブラックだった! その実態。
  • ブラックな環境から、どのようにして飛躍したのか。

普通の人が、プロの作家になるまでの実録

作家を目指す人は、「できるだけ大きな出版社がいい」とか「知名度の高い雑誌や出版社がいい」と思っている人も多いと思います。

ですが、そういう場所では競争率が高くて、飛躍しにくい場合もあります。

実はチャンスは大きな場所だけでなく、小さい場所にもあるものです。特に小さい場所では、頑張った分だけ飛躍的に成果が見えることもあります。

うちからプロの作家になった人も、大抵は最初はサブとか助っ人みたいな形で会社に入った人がほとんどだったりします。でも、そこで、相手にとって期待以上のもので応えた時、チャンスが来るものなんです。

それでは私が担当した作家さんが、どのようにしてプロで活躍していったか、その流れを説明してみようかと思います。

悲惨、入った企業がブラックだった!

うちからプロの作家になった人の多くが似たような経緯で成果を出して、立派になっていきました。

これから、その過程を見ていってみましょう。

多く具体例があるので、彼らを平均的にまとめた人を、仮に「須田府(すたふ)さん」と呼ぶことにします。

須田府さんは私のチームでゲームシナリオを書いて実績を出し、そこで晴れて、あるゲーム制作会社のシナリオライターとして入社することになりました。その会社はそこそこ実績もあり、売れ筋タイトルも持つそこそこ有名な会社でもありました。

作家なれたと思ったのに……希望を打ち砕いた「現実」

ですが、須田府さんが入社してすぐに、会社のとんでもない現実を目の当たりにしてしまいます。

その会社は新作のマスターアップ二ヶ月前という締切直前にもかかわらず、未だにシナリオができていないという修羅場のような状態でした。一部ができていないのではなく、「一キャラルートまるまる着手すらしていない」ほどの惨状です。

さらに須田府さんが驚いたことは、「プロット(物語の全体的な設計図)すらない!」ということでした。

シナリオライター三~四人が、ろくな打ち合わせもなくめいめい勝手に自分の担当分を作って、それを一つにするという状態なわけです。

なので、「君、このキャラのルートを作って」と今まで書いたシナリオをどばっと渡されて、それで書けと言われる有様です。

「あの、どういう展開にすればいいんでしょうか。キャラ設定の資料とかもないんですか? CGとか、どういうシチュエーションで……」と尋ねても、「書き上がっているシナリオを読んで違和感がないように、あとはまあ適当に」という、全くの白紙状態でした。

さらには、違う人が書いたシナリオ部分では、キャラクターの性格が違っていたりと、既に致命的に破綻している部分さえあるのです

入ったチームが、超ブラックな会社だった

私のチームでは、「シナリオは全体が破綻しないように設計図を作り込め」としっかりと教えていたので、資料も揃え、シナリオも作りやすくしていました。

「それぐらい作り込むのが当たり前」な状態だと思っていたわけです。私のチームでもそれぐらいやっているので、知名度のある制作会社ではもっと高いレベルを要求されると思っていたのでしょう。

ですが、この現場での、あまりのシナリオ環境の悪さに唖然としてしまいます

考えてもみて下さい。同人上がりで、すぐに会社に入れるわけです。それは見方を変えると、「少々実力が劣っていてもいいから、とりあえず入れておきたい」というような、「作家がすぐに逃げ出したくなるようなブラックな会社」である危険があるのは当然です。入れ替わりが激しいから、入れた、という流れだったとしても、何も不思議ではありません。

その場所ではシナリオライターは複数いるのに、全然会話もされていない。互いが責任をなすりつけ合って、「俺の割り当ては書いたから、後は知らねっと」と、投げ捨てるように書いています。新しく入った須田府さんが質問しても、誰も「担当じゃないから知らないなぁ」とか、シナリオチーフですら「適当に」とか言って流してしまいます。

どこから手をつけたらいいのか分からず、誰に訊いても、答えてくれない。手元には、もう破綻した物語の数々。
そう、須田府さんが入ったのは、まさにシナリオライターにとってはブラックなチームだったのです。

ブラックな環境で、どうやって這い上がるか

まさに孤立無援な状態で、「ひどい会社に入ってしまった」、そう思うものです。

そこで須田府さんは考えます。いったい、どうしたらいいのだろう。

「こんな会社やめとこう」と、他の会社を探すのも手です。こんなひどい環境で、チャンスなんかあるとは思えない。

でも、須田府さんは逃げる道を選びませんでした。正面切って戦う道を選びます

というのも、長い間、作家になるのは夢だったわけです。だから、彼にとってはそこは「チャンスの場所」にしか見えなかったわけです。

なら、彼はどうしたのか。

「やるなら徹底的にやろう」と覚悟を決めました

逆転劇のはじまり

私のチームでしっかりとプロット(物語の設計図)から作る事をたたき込まれている須田府さんは、忙しい中でも全体的な物語の設計図を簡単にまとめて、そして自分の担当分の設計図をプロットとしてまとめます。

これを上司に提出して「これで進めようと思いますが、いかがでしょうか」と相談します。

すると、上司は驚きます全シナリオの全体像が簡潔にまとめられている設計図なんて、その上司は今まで見たことすらないのですから。その設計図では全体が見事に把握されていて、そして須田府さんのシナリオも簡単に見渡せるものでした。

こんな設計図を作るなんて思ってもいなかった上司は、須田府さんの持つ圧倒的な「物語の設計クオリティ」に驚きます

こうして、普通の人が成功した

そして制作を進めるうちに、上司は自然と「何かシナリオで問題があったら須田府に訊け」と言うようになります。というのも須田府さんは、全体を把握できている唯一のシナリオスタッフなのですから。

すると、次第に須田府さんがシナリオライターの中で中心的な、とりまとめ的な立場の人物になっていきます。臨時で入った程度の人が、たった数週間で中心的人物になるのです。

そしてそのゲームが完成して、リリースされます。ゲーム全体の評価はそれほどではなかったとしても、須田府さんが担当した分に限っては、設計図のおかげでしっかり構築できていたので、読み手からは評価を得ることができてほっとします。

するとその後に、須田府さんは上司から呼び出されます。

「何か問題になることでもしたかな……」そう不安を感じながら上司のところへ行くと、こう打診されました。

「次の作品は、君がメインのシナリオライターとしてやってくれ」
臨時で入ったぺーぺーの新人が、いきなりの大抜擢ですよ!

たった数ヶ月で、脚光を浴びる立場に

メインのシナリオライターになるというのは、制作会社ではとても重要なことになります。なぜかというと、ゲームの企画から参加できるので、「自分の好きな作品、作りたい作品」を作る事ができるのですから。

お金をもらいながら、絵師やプログラマー、音楽担当などの大規模で強力なバックアップを得て、自分の好きな、作りたい物語を作れるのです。

これは作家にとって、最高の環境でしょう。しかも、シナリオライターの部下までできるので、面倒なことは部下にさせることだってできるのです。

そして、会社を背負って立つ作家に

このようにして、須田府さんは臨時で入ったような小さなチャンスを自らの力で切り開くことで、継続して安定した収入を得ることができるようになりました。

さらには自分の作りたい物語を作ることもできるようになったということです。「入社できたからいいや」というだけでは、ここまでできなかったでしょう。

そうして彼らは、会社の看板を背負って立つような作家になっていったのです。

チャンスはどんな場所でもある

さて、もう一度考えてみましょう。

最悪だった(ように見えた)環境は、本当に最悪で、チャンスのない環境なのか。

今置かれている環境は、本当にチャンスがないのか

例えば、第一志望がだめで、第三志望ぐらいの場所に入ることになった。それは本当に、チャンスが失われたことになるのか。

思っているほど自分に実力がなかった。それは、チャンスが失われたことになるのか。

「誰もしようとしないこと」ほどチャンスは見つけやすい

経営コンサルタントの千田琢哉氏は、「つまらない仕事ほど、圧倒的成果を出しやすい」と言います。

お茶くみのような、一般的に「つまらない」と思われている仕事でも、「昨日はあの上司は遅くまで残業してたようだから、疲れに効くハーブティーでも出そう」とか「朝は濃いめで、昼は薄めで工夫して行こう」とか、「日替わりでオススメのお茶を選べるようにしよう」とか、いろいろ工夫ができるものです。

すると、周囲はそんな人を放ってはおくことは絶対にしません必ずその人に、チャンスが巡って来ます

「それだけできる奴を、どうしてお茶くみなんかさせているんだ!」となり、その人に光が当たり、次第にその人が望む環境を手に入れてゆくのです。

須田府さんは、そうして「ひどい環境」を、自力で「最高の環境」に作り替えたのです。

貴方に成功という光が当たる時

今回はプロになったシナリオライターについて説明しましたが、これは小説家であろうが脚本家であろうが同じです。

逆境では、時には「とことん戦ってみる」っていうのも一つのチャンスになることもあります。

「こんな小さな出版社でデビューしたって、売れないよ」、「こんな小さな会社に入っても、華々しくデビューできないよ」、「大きな会社じゃなきゃ、だめだよ」、「有名人がいるところじゃないと、成功できないよ」、「出版部数や売り上げが多い会社じゃなきゃ、売れないよ」なんて思っていませんか?
「自分がこの会社を、この上司を売れるようにする」これぐらいの覚悟と意気込みで取りかかれば、少々の困難も乗り越える力がわいてきて、実際に短期間で急激に上昇できるものです。

「他人に成功させてもらおう」という甘えを断ち切り、「自分が実力で這い上がるんだ」と覚悟を決めた時、その瞬間から貴方に成功という光が当たります

多くの人が「誰か他の人が飾ってくれた、華々しい新人賞を取って、その場に立つんだ」と思っています。ですが、「華々しくない場所でも、貴方自身が一つ一つ華々しく飾り付けて、その場に自分で立ち、多くの人に脚光を浴びる」こともできます。そして実は、そちらの方が楽しくて、確実に実現できる道でもあるのです。

すると、貴方自身も驚くほどの短期間……ほんの数ヶ月程度で、貴方は夢を叶えている最高の環境を手に入れることもできるのです。

まとめ

  • チャンスは大きな場所だけでなく、小さい場所にもある。
  • 「自分が実力で這い上がるんだ」と覚悟を決めた時、短期間で飛躍できる。
  • チャンスは貴方の周囲に必ずある。
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