“‘諸国大名は弓矢で殺す、糸屋の娘は目で殺す’は、詩であって、物語じゃない。じゃあ、物語って?”

「物語」と「テーマ」を知る

このページでは、シンプルなプロットを作るために、物語とは何か、テーマとは何かについて説明しています。

  • プロットでは、何を書くのか?
  • 「物語」、「テーマ」とは何か?
  • 「テーマのある物語」とは何か?

これを知ることによって、物語をシンプルに構成できるようになるでしょう。

物語とは、変化の過程を描くもの

プロットでは、変化の内容を書き出すことになります。

そのために、ここから最も基礎となる用語の説明をしておきましょう。それが、「物語(ストーリー)」「テーマ」です。

まずは物語について説明しましょう。物語とは、変化の過程を描くものです。

文学というジャンルがあるとすると、その中の一つとして物語が存在します。

物語と詩は異なるジャンル

プロットで詩は書かない

ここで注意が必要なのは、プロットで詩は書かない、ということです。

詩と物語は別物です。両者の違いは、言うなれば「一枚の写真」か「動画」かの違いです。

詩は、ある一点の状況や心情を基準に語っているものです。そこには、主人公の心情の変化はありません。

例えば「大阪本町糸屋の娘、姉は十六妹は十四、諸国大名は弓矢で殺す、糸屋の娘は目で殺す」などと言いますが、これは物語ではなく、詩です。

プロットでは、詩を書かないことに注意しましょう。

プロットでは、変化のみを記す

一方で物語は、変化を描いているものです。状況や心情は刻々と移ろいでゆき、その中で悩み、苦しみ、そして解決へと向かってゆきます。

すなわち、物語とは「糸屋の娘が若者と出会い、むつまじいほど仲良くなるが、身分の違いで泣いて別れて、身分を捨てて結ばれる」という形になります

プロットでは、そのような「物語」、すなわち変化のみを記述します

テーマとは問題のこと

次に、「テーマ」について説明しましょう。テーマとは、「主人公が抱える問題」のことです。

どの物語でも、主人公は何らかの問題を抱えているものです。「ヒロインに恋をしたけど、想いを打ち明けられない」とか、「見下されてしまい、見返してやりたいが、できない」、「命を狙われるようになってしまい、戦わなければならなくなった」などの問題があるものです。

そのような「主人公が抱える問題」が、テーマである、ということです。

「テーマのある物語」とは、「問題を解決する一連の流れ」のこと

さて、ここまでで学んだ「物語」と「テーマ」を結びつけましょう。

「テーマのある物語」とは、「問題を解決する一連の流れ」のことを指します。すなわち、プロットでは、そんな「主人公が問題を解決するために、変化してゆく一連の流れ」を作ることになります。

これは、次のような形で表現するとよいでしょう。

「○○という問題を抱えた主人公が、△△を通して、その問題を解決する物語」

これが、「テーマのある物語」において、最もシンプルなプロットの形になります。

先に触れた糸屋の娘の物語で言うと、「『身分を持つ』という問題を抱えた主人公(糸屋の娘)が、若者との恋を通して、その問題を解決する物語」とできるでしょう。

まとめ

  • 物語とは、変化の過程を描くことを指す。
  • テーマとは、主人公が抱える問題を指す。
  • プロットでは、「テーマを持つ物語」を書く。すなわち、「問題を解決する一連の流れ」を書く。

クレジット

この記事をシェア:
Share