“さあ、キャラクターの配役方法について学ぼう”
配役を作るキャラクター・アーキタイプ
このページでは、キャラクターの配役を決める、「キャラクター・アーキタイプ」について説明しています。
これによって、キャラクターの配役を効果的に行うことができて、最低限の登場人物で物語を実現することができるようになるでしょう。
物語に登場する「役割」
キャラクターの配役を決める場合、どのように決めるとよいのでしょうか。
もちろん「明るい性格」、「冷たい性格」、「優しい性格」などの性格的なバランスで配役してもよいのですが、それだけでは役者が揃わない場合があります。
そこで、効果的なキャラクターの配役方法が必要になります。
キャラクター・アーキタイプという配役方法
ここでは、ハリウッドで用いられている効果的な配役方法を紹介しましょう。
それが、「キャラクター・アーキタイプ(原型)」と呼ばれる配役方法です。これは以下の7つのタイプとして分類されています。
- ヒーロー(英雄)
- シャドウ(影)
- メンター(賢者)
- シュレッショルド・ガーディアン(門番)
- ヘラルド(使者)
- シェイプシフター(変化する者)
- トリックスター(いたずら者)
以下で、それぞれについて説明します。
キャラクター・アーキタイプの詳細
ヒーロー(英雄)
ヒーロー(英雄)は物語を通して、成長する役割を持つ人物のことです。多くのヒーローは読み手と一体になり、悩みながらも行動を起こし、読み手と共に成長してゆきます。ヒーローは何らかの欠点を持ち、その欠点を克服し、成長してゆく存在です。
主人公がヒーローになることもありますし、主人公以外のキャラがヒーローになることもあります。
シャドウ(影)
シャドウ(影)はヒーローと対立する存在になります。シャドウはヒーローを攻撃し、ヒーローを絶体絶命の状態に追いやるでしょう。
シャドウとヒーローは、同一人物になることもあります。また、「社会」や「一般の人々」、「世界」などのように、形を持たない場合もありえます。
ただし、できるだけ主人公とは別の人物として当てはめる方が、読み手にとっては分かりやすくなります。
メンター(賢者)
メンター(賢者)はヒーローを助けたり、訓練したり、力を与えたりする存在です。ヒーローよりも高次元に存在するものです。
ヒーローは基本的にスペシャルワールドについては無知であるため、一人では成長できません。ヒーローが成長するためには、スペシャルワールドの法則を説明したり、力を与えたりする存在が必要になります。それがメンターです。
シュレッショルド・ガーディアン(門番)
シュレッショルド・ガーディアン(門番)は、ヒーローがスペシャルワールドに入るために、主人公に試練を与える存在です。
第一幕の第一関門で、主人公の前に立ちふさがります。第一関門の通過後には、仲間になることが多いものです。
ヘラルド(使者)
ヘラルド(使者)は、第一幕で主人公をスペシャルワールドや冒険に誘う役割を持ちます。日常の世界にいる主人公を冒険に誘ったり、変化のきっかけを与える存在になります。
ヒーローが、スペシャルワールドを知るきっかけになる人物です。
シェイプシフター(変化する者)
シェイプシフター(変化する者)は、よく姿形や立場を変える、つかみ所のない存在のことです。敵か味方か分からない。ヒーローを間違った方向に進ませたり、困っているのを傍観したりと、ヒーローの精神的なバランスを試すために登場します。
例えるなら、ルパン三世の峰不二子のような存在ですね。この役割の人物は、第二幕から活躍することが多いでしょう。
トリックスター(いたずら者)
トリックスター(いたずら者)は、ヒーローに変化を与え、主人公が成長して変わっていくきっかけを与える役割を持つ人物になります。
物語中では、ヒーローとシャドウが拮抗した状態で、平行線をたどることがあります。そのままでは物語の進行が止まってしまうので、そこでトリックスターによってヒーローとシャドウに変化の波紋を投げかけます。それをきっかけとして、物語が動いてゆきます。
配役方法
キャラクターを作る場合、上記の役割で登場人物を割り当てるとよいでしょう。
なお、全てのアーキタイプを揃える必要はありません。
ヒーローとシャドウのみ登場する物語もありますし、ヘラルドやメンター、シェイプシフターなどが登場しない場合もあります。
また、これらのアーキタイプは、いわば「名札」みたいなもので、登場人物がずっと一つのアーキタイプを続ける必要もありません。例えば主人公の青年がヒーローになることもあれば、同一の物語でメンターに変わるということもありえます。他にも、例えばヘラルドとメンターが兼任する、などの場合もあります。
そのようにして配役を決めると、バランスがよく、最低限の人数で物語を実現できるようになるでしょう。