“意味のある設定は、どうすれば作れる?”
世界観とキャラクターに、メタファーを与えよう
このページでは、世界観とキャラクターの設定を魅力的にする方法について説明しています。
これによって、より意味のある、魅力的な世界観やキャラクター設定を作れるようになるでしょう。
メタファーの作り方
世界観やキャラクターなどの設定に意味を持たせることで、魅力的な設定を作ることができます。では、どうすれば意味のある設定を作れるのでしょうか。
それが、「テーマ(問題)を象徴するものは何か」を導き出すことです。
世界観であれば、「この問題を象徴する世界(状況や場)は何か」を導き出します。キャラクターであれば、「この問題を抱えている人(職業や地位)は何か」を導き出します。
これによって、意味のある、効果的な設定を作り出すことができます。
世界観における、メタファーの作り方
世界観設定を作る場合、テーマを元に、その世界や場を決めるようにしましょう。
それは、以下のような問いかけで考えるとよいでしょう。
● その問題は、どの世界や社会に象徴されるか。
● その問題は、どの場所に象徴されるか。
● その問題は、どの文化に象徴されるか。
● その問題は、どの時間に象徴されるか。
● その問題は、どんな環境として象徴されるか。
キャラクターにおける、メタファーの作り方
キャラクター設定を作る場合も同様に、以下のような内容を考えましょう。
● その問題は、どんな性格に象徴されるか。
● その問題は、どんな職業、地位に象徴されるか。
● その問題は、どんな持ち物、容姿、武器に象徴されるか。
● その問題は、どんな行動、癖、趣味趣向、特殊能力として象徴されるか。
メタファーを作る例:世界観設定を作る例
例えば、テーマが「臆病さを抱える主人公の少女が、青年との恋を通して、その問題を解決する物語」という物語があったとしましょう。ならば、そこでどのような世界観とキャラクターを作るのか、ということになります。
世界観設定で言うと、「臆病さを抱える」という問題は、どのような世界で象徴されるでしょうか。「臆病である」のにふさわしい世界や場、文化や時間は何でしょうか?
世界や状況で言うと、強い勢力と弱い勢力とがあり、主人公は圧倒的に弱い側に属しているかもしれません。場で言うと、ぐらぐらと不安定で、今にも崩れ落ちそうな場かもしれません。文化で言うと、常に迫害されていて、戦わずに逃げることを最善とする文化かもしれません。時間で言うと、昼間は安心できるけれども、夜や暗闇を恐れるかもしれません。
メタファーを作る例:キャラクター設定を作る例
同じように、キャラクター設定でも考えましょう。
「臆病さを抱える」という問題は、どのような人物で象徴されるでしょうか。「臆病である」のにふさわしい性格や職業、地位、持ち物、行動や癖、趣味や能力は何でしょうか。
性格で言うと、引っ込み思案かもしれません。職業や地位で言うと、その社会でも地味で、危険を冒さない人がなる、安全でもつまらないものかもしれません。持ち物で言うと、安全対策のものを多く持つかもしれませんし、過剰な武器防具を持つかもしれません。行動では、いつも戦うことから回避する選択肢を選ぶかもしれませんし、それを象徴する癖があるかもしれません。また、そんな自分を正常に保つために、特殊な趣味を持つかもしれません。
そのように考えることで、意味のある設定群を作り込んでゆくのです。
雑談コラム:設定作りとは、「意味作り」
「テーマとは問題である」と言いましたが、もう少し分かりやすく言うと「その作品の意味や意義」だと言えます。「何のために、その作品がこの世界に存在するのか?」という、存在意義、存在価値のことです。
意味がない作品ほど、文字通り無意味な作品になります。なんかよく分からないけど、主人公の青年が少女と出会った。なんかよく分からないけど、恋をして、結ばれた。そんな無意味なものであればあるほど、つまらなくなります。すなわち、「意味のない設定」や「意味のない物語」になる、ということです。
人は、意味があることほど、重要視します。一方で、意味がないことほど、「無駄だった」と感じます。たとえナンセンス作品だったとしても、ナンセンス作品は「ナンセンスで笑って欲しい」という、明快な存在意義を持つことになります。
設定を作るとは、「作品の意義を持たせる」ことだと思いましょう。それを実現するための、テーマとメタファーなのです。
まとめ
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