今日は、劣等感についてお話していましょうか。
これは以前も似たようなことをお話したことがあるんですが、もう一度、言い直してみましょうかね。
劣等感があると、やっぱり苦しいですよね。
人と比べたり、落ち込んだり、苦しむのは、ほとんどが劣等感によって引き起こされるものです。
というのも、例えば何かに失敗したとしても、「失敗」イコール「自分はダメな奴だ」と、自分の価値に結びつけてしまうから、苦しくなるわけです。
ですが、劣等感のない人は、たとえ失敗したとしても、「それで自分の価値が失われることはない」と分かっているわけですね。
だから、もちろん反省はしますが、それ以上に、無駄に自分を責めることはしないわけです。
ということで、今日はそんな、「失敗にいちいち落ち込まないための考え方」というお話をしてみましょうか。
劣等感の強い人は、周囲の出来事を「自分の価値」と結びつけてしまう
なぜ失敗に苦しむのかというと、先に言ったように、自分の周囲で起こる出来事を、「自分の価値」と結びつけてしまうわけですね。
劣等感の強い人というのは、やたらめったら、「自分の価値」と結びつけて考えてしまって、それで反発したり、落ち込んだりするわけです。
例えば、学歴がなかったとしましょうか。
すると、「大学卒」という人を見たら、その時点で「自分は大学卒ではない」と思ってしまい、「自分の価値が危ない」と身の危険や社会的立場の危険を感じてしまうわけです。
なので、「大学卒の奴なんて」と、見下したり、反発したりするわけですね。
そして、大学の教授が引き起こしたスキャンダルとか、もう大好きで飛びつくわけです。
お金がなかったら、「自分はお金がない」と思ってしまい、「お金がないと、自分には価値がない」と思い込んでしまうわけです。
そして、お金が欲しいのにお金がある人を見下して、嫉妬して、そういう人の失敗やスキャンダルを喜ぶわけですね。
逆に、身近な人が成功すると、それをねたむと。
比較することは、いくらでも見つかる
他にも、いろんなことがあるでしょう。
英語がしゃべれないのであれば、英語がしゃべれる人を見たら、苦しんで反発でしょう。
友達がいないと思っているのであれば、友達がいる人を見たら、苦しんで反発するでしょう。
恋人や彼氏彼女がいなければ、そういう人を見たら、そういう人を攻撃するでしょう。
そのほか、何らかの能力があったり、外見的な魅力とか、性格とか、スタイルとか、もう何でもかんでも自分と比較しなければ気が済まないわけですね。
見方によっては、比較する軸なんて、無限に見つかるわけです。
そして、無限に「自分は劣っている」という評価軸を見つけ出してしまうと。
そして、自分より劣っている人であれば、見下して、自分より優れている人であれば、嫉妬してスキャンダルを求めると。
ツイッターとかでも、SNSでも、やたら人のスキャンダルやら悪口ばかりを言っている人とか、いるものですよね。
彼らは、ただ単純に、「自分の価値に結びつけて考えている」だけなんですよ。
劣等感を持つ人の、こんな例
早稲田大学に加藤諦三氏という名誉教授がいますが、この人の話で、こういうのがあったんですよ。
とある会社では、会社の入社初日に、いきなり「これを売ってこい」と商品を持たせて、新入社員に何も教えずに放り出したと。
で、それが金曜日のことで、8人ぐらいいた新入社員は誰もが、一つも売ることができなかったんですよ。
ある新入社員は、「入社初日に、教育もなく売りに出させて、売れるわけないやろ」とも思っていたかもしれません。
なので、「ひどい会社だ」とか言いながら、喫茶店で彼女でも呼んで、話して楽しんでいたかもしれないと。
自殺した、一人の社員の考え方
でも、月曜日、その新入社員の一人が、電車に飛び込んで自殺したわけです。
彼は、「売れなかったこと」を「自分の価値」と結びつけて考えてしまったわけですね。
売れなかったということは、自分が劣っていることだ。
劣っているということは、価値がないということだ。
そういえば、あのときも、自分は失敗した。劣っていた。
あのときも、自分は劣っていた。
ああ、やっぱり自分には、価値がない。
こんなにも、価値がないことばかりではないか。
価値がない自分は、 生きている価値がない。
だから、価値がない人間は、死ぬべきだ。
そんな風に思って、雪だるまのように「価値のない自分」を積み重ねてしまっているわけです。
重要なのは、これは反省ではないんですよ。
ただ単に、「自分の価値」に勝手に結びつけてしまったから、自殺してしまったわけです。
まとめ:自分の価値と結びつけてしまっていることに気づくと、劣等感から逃れられる
だから、落ち込んだ時には、「自分の価値」と結びつけないことですね。
「あ、今、自分の価値と結びつけちゃってる」と気づくことです。
すると、早めにリカバリーできるかと思います。
「失敗と、自分の価値とは、関係ない」と知ることですね。
反省をすることと、自分を苦しめることとは違う、ということです。
「次からはしないぞ」と思えれば、それでOKなんですよ。
自分を必要以上に苦しめる必要なんて、一切ないと。
そう考えると、比較してばかりの生き方から解放されて、自分らしい生き方ができるんじゃないかなと思います。
ってことで、今日は「失敗にいちいち落ち込まないための考え方」についてお話してみました。
今日はここまで~。