今日は、「性質別コミュニケーション療法」の補足です。
「分かりやすいこと」が癒やしにつながるということで、2つほど補足説明しておきましょう。
他者の性質を見抜く方法
まずは1つめ、他者の性質を見抜く方法です。
「性質別コミュニケーション療法」では、自分と他者の性質を見抜くことで、適切な相手と、適切な言語でコミュニケーションして内面を癒やそう、というアプローチです。
その場合、相手が健康的かどうか、そして相手がどのタイプか分からないことがあります。
つまり、相手がこじれを持っていることで、相手のタイプが分からないことがあると。
「言っていることと、やっていること」に着目する
その場合、「言っていることと、やっていることの違い」に着目するといいでしょう。
不健康な人は、言っていることと、実際にやっていることが食い違っています。
- やっていること: これがその人の本来の性質。
- 言っていること: これがその人の持つこじれ。どのタイプにあこがれているのかが分かる。
例えば、言葉では「人に優しくしよう」と言っているのに、やっていることは奪い合いなことがあります。
その場合、「本質は低共感で、高共感な側にあこがれを持っている」と、こじれがあることが分かります。
他の例だと、「頑張らなきゃ! 勝たなきゃ! 勇気を持たなきゃ!」と言っているのに、自己否定やうつ状態に入っている人もいるでしょう。
その場合、「本質は刺激に弱いタイプなのに、低共感で競争する側にあこがれている」と、こじれがあることが分かります。
「見た目」だけでは判断しない方がいい
そしてこれは、「見た目」だけでは判断しない方がいいように思います。
というのも、見た目が最もごまかしやすいからですね。
ほら、例えば「高級レストランでも、本当にお金持ちかどうかは、靴を見れば分かる」とか、「レストランのウェイターにはぞんざいな扱いをする人は、信頼できない」とか言うじゃないですか。
それは、そういう細かいところに、その人の本質が出るからですね。
本当に配慮できるタイプだったり、細かいことまで気を遣う人なら、スーツに合わせて、靴もきれいにするものです。
もしくは本当に人に配慮できるタイプなら、レストランのウェイターにも丁寧に接します。
一方で外向型の場合、そういう「気を抜く部分」で本質が出てしまうわけですね。
「この人は、性質が分かりやすい!」という人と付き合おう
なので、「この人は性質が分かりやすいな!」、「この性格は、いっそすがすがしいな!」と感じる人と付き合うといいでしょう。
同時に私たちも、「私も分かりやすくていい。分かりやすく出そう!」と吹っ切れてみるのもいいかと思います。
すると周囲には健康的な人が集まるし、適切な言葉で接してもらえるので、「こういう反応が欲しかったんだ」と欲しているものを得られるかと思います。
簡単に言うと、「分かりやすいほど、人生はうまくいく」ということですね。
そして自分を分かりやすくした上で、分かりやすいものを追いかけるから、分かりやすく成果が出ます。
自分や他者を難しくすると、人生が難しくなる
一方で自分や他者を難しくすると、人生が難しくなります。
確かに社会で駆け引きをしたい場合なら、自分の性質を隠して見せる方がいいかもしれません。
奪い合いをする場合、自分の本性を知られることは、弱みになりますからね。
ですが新境地を開拓したい場合や、素直に生きたい場合、難しくする必要はありません。
たとえ明快で分かりやすいもの追いかけたとしても、もし自分を難しくしていると、多くの場合で自分に合わないものを得てしまいます。
また、自分を難しくして、さらに難しいものを追いかけると、もはや惑うばかりの無間(むけん)地獄です。
他者の性質を見抜く場合でも、「この人はどのタイプか、よく分からない」と感じる人は、たいていがこじれを持っています。
その場合、そういう人に接するほど、私たちの側のこじれも深まってしまいます。
なのでそういう人とは、距離を取る方がいいかなと。
だから自分も他者も、分かりやすく行くのでいいかと思います。
自分も他者も、分かりやすくやっていることに着目して、分かりやすく判断して、分かりやすい道を進むと。
とてもシンプルで、分かりやすくて、すてきでしょ(笑
ある意味これが、「性質別コミュニケーション療法」のコツのようにも思います。
「相手との共通言語のみ使う」という方法
そしてもう1つ、こじれを癒やす方法についての補足です。
「性質別コミュニケーション療法」で他者とコミュニケーションをして癒やす場合、相手との共通言語のみ使うのでいいかと思います。
これも、「分かりやすく、ストレートに言葉を出そう」とするといいでしょう。
「性質別コミュニケーション療法」では、次図のような4つの言語がありました。
↑ この4つの言語(社会言語、感情言語、論理言語、主張言語の4つ)ですね。
で、私たちはこれらの言語で、2~4つほど使えるものです。
平均的な人は4つの言語をそこそこ使えますが、一方で個性がある人ほど、2つぐらいに強く偏(かたよ)ることがあります。
その上で、さらに「苦手意識を持つ言語」を持つこともあります。
例えば強めのHSPタイプの場合、本来なら「感情言語」と「論理言語」の2つの言語を使えます。
ですが、幼い頃からの環境で、感情言語を苦手としてしまうことがあります。
その場合、健康的な高共感タイプと、感情言語でコミュニケーションすることで、感情言語をうまく使えるようになります。
相手との共通言語のみで会話する
そしてその場合、重要なのは「相手との共通言語のみで会話しましょう」ということです。
言い換えると、「相手が理解できない言語は、無視していい」と言えます。
そしてその方が、癒やされます。
例えばHSPタイプで感情言語が苦手な場合、「感情言語のみで、健康的な高共感タイプとコミュニケーションする」となります。
これは言い換えると、「論理言語を使わない」ということだし、その方が癒やされます。
というのも、そういう「論理言語を使う」というのは、論理で「自分の感情が正当である」と正当化しやすいからですね。
簡単に言うと、論理は言い訳と同じです。
感情を出そうとしても、「こういう状況があって、私はこういう状況で、こういう背景があって」と言い訳しなければ、感情を出せないということです。
そして今まで論理だけで生きてきた人は、そういう「感情を出すときの、言い訳的な論理」が息を吸うように出ちゃうんですよ(笑
「ストレートに、感情のみを出す」だけでいい
そうではなくて、論理は破綻していてかまいません。
「ストレートに、感情のみを出す」だけでOKです。
むしろそっちの方が、欲しいものを得やすくなります。
というのも、相手が健康的な高共感タイプの場合、それで十分に「そっか、そう感じたのね」と受け入れてくれます。
そもそも高共感タイプほど、論理は通じないし、論理やメカニズムなんて関係ありません。
すると、「論理による言い訳や正当化を抜きに、感情だけを受け入れてくれる」というのは、まさに「感情を封じられたHSPタイプ」が欲しかったものだと分かります。
そしてそれが、「ありのままを受け入れてくれる。ありのままの感情を出していい」という実感になって、癒やしにつながるかと思います。
だから、感情を封じられたHSPタイプが高共感タイプとコミュニケーションする場合、「なぜだか分からないけど、私はこういう感情になった」だけでかまいません。
論理で言い訳をする必要はありません。
そしてそれが、「感情言語のみでコミュニケーションする」ということです。
「分かりやすく、ストレートに言葉を出そう」ということですね。
ちなみにこれは自分内での対話でも同じで、論理を抜きに感情言語を使うと、その感情を受け入れられて、安定するかと思います。
まとめ
そんな風に、「性質別コミュニケーション療法」では、「分かりやすいこと」を重視するのがいいかと思います。
難しくするから、自分や他者の性質を錯覚するし、苦しくなるんだと。
他者と接する場合、分かりやすい人と接するといいでしょう。
すると「こう生きていいんだ」と、すがすがしくなれます。
その上で、自分の内面と向き合う段階になると、分かりやすく自分の性質と接するといいでしょう。
すると、「こう生きればいい」と、分かりやすく決断できます。
なら、その決断した生き方をすると、分かりやすい成果が得られるでしょう。
もちろん、時には道を間違うこともあります。
ですがその場合でも、分かりやすい「これは合う、合わない」というフィードバックが得られるので、分かりやすく軌道修正できます。
するとすっきりすがすがしく、自分の生き方を模索できるかと思います。
そしてこれができると、こじれもなくなって、自分に合わないあこがれも手放せて、抑圧も解放できて、より気楽に生きられるかもしれません。
さて、今回で「性質別コミュニケーション療法」は最終回です。
後は「性質別コミュニケーション療法」の簡易まとめ記事を作って、このブログの日本語版を閉じようかと思います。
ということで今日は、「分かりやすいこと」が癒やしにつながる、ということで2つほど補足説明してみました。
今日はここまで~。