いろいろ寄り道が多いですが、「性質別コミュニケーション療法」の本題に戻りましょう。

今回は、高共感タイプが自分軸を求めてしまう、こじれのメカニズムについて説明してみることにしましょう。

 

「自分軸を作らなきゃ、独自性を作らなきゃ」という強迫観念

このブログを読んでいる人には少数派でしょうが、本当はあまり自分軸がない性質なのに、「自分軸を作らなきゃ、独自性を作らなきゃ」と頑張ってしまうことがあります。

特にクリエイター志望の人には、そういう「独自なものを作らなきゃ」と強迫観念を持ってしまう人は多いように思います。

 

なら、なぜそういう現象が起きてしまうのか、今日はそのメカニズムを説明してみましょう。

ついでに、「高共感タイプは、独自なものを作る必要はない。地味に着実に積み重ねる道が合う」ということも触れておきます。

 

ちなみに今まで「性質別コミュニケーション療法」ということで、いろいろとこじれが生まれる原理を説明してきました。(HSPタイプの場合境地開拓タイプの場合

そして今回は、「高共感だけど、自分軸がなく、社会で生きられるタイプ」(高共感タイプ)の代表的なこじれパターンになります。

これが分かると、だいたい「性質別コミュニケーション療法」のこじれパターンは理解できるかと思います。

 

いつもの性質分類

そのために、いつもの4つの性質分類(外向型と、3つの内向型タイプ)を用います。

↑ もはや毎日のように出てきている、これです(笑

 

  • 外向型: 個性がなく競争できるので、「権威者から『君はここで頑張れ』と言われた領域で、頑張って地道に学んで、競争する」が合いやすい。
  • 高共感タイプ: 個性がないが共感性があるので、「権威者から『君はここで頑張れ』と言われた領域で、頑張って地道に学んで、弱った人のために力を使う」が合いやすい。
  • 境地開拓タイプ: 個性があり競争できるので、「自分に合う領域を自分で見つけて、工夫で独創的なことで競争する」が合いやすい。
  • HSPタイプ: 個性と共感性があるので、「自分に合う領域を自分で見つけて、工夫で独創的なことで、弱った人のために力を使う」が合いやすい。

 

で、今回は高共感タイプに着目します。

 

高共感タイプは、社会の歯車になれる

まずは、高共感タイプに合う生き方を説明しておきましょう。

高共感タイプだけでなく、社会維持型(外向型と高共感タイプ)は、その性質が強いほど個性がなくなり、工夫も苦手になります。

これは言い換えると、「比較的どの歯車にもなれる」ということを意味します。

 

だから進路でも、学校の先生から「君の成績なら、こういう進路がいいだろう」と言う内容に従うのが効率的でしょう。

というのも、先生という権威者から、成績で大まかな方向性を決めてもらう方が、個性がない人にとっては合いやすいからですね。

 

まぁ「必ず合う」とは言いませんが、社会維持型は新境地以外であれば比較的どこでも生きられます。

なので成績からある程度の適性を見てもらって、「この辺が合いそう」とアバウトに決めてもらえれば、それで十分なんですよね。

 

そして、配置された場所で「教科書」とか「先人の技術や知識」があると思うので、そこで頑張って地道に学ぶことになります。

それによってより優れた歯車になることで、社会に貢献して、喜んでもらうと。

なので個性のある人とは真逆で、それなりに学校や社会の「社会の歯車を作る教育システム」が恩恵になりやすいタイプだと言えます。

 

高共感タイプは「弱者や弱った人を助ける」が合う

ちなみに高共感タイプは、その共感性から「戦って競争に勝つ」よりも、「弱者や弱った人を助ける」という方が向いています。

なので高共感タイプほど、「専門的なことを地道に継続して学んで、その知識や技術を社会に分かち合い、喜んでもらう」という形が合いやすいでしょう。

 

というのも、「専門的なこと」というのは、「他の人が悩んでいることを補うこと」になりやすいからですね。

競争ではなく、弱者を助ける形になりやすいと。

 

だから、高共感タイプほど、「専門家」が合うように思います。

SNSでも「私はこれの専門家です」とアカウント名や自己紹介欄に書いている人は、だいたいが高共感タイプになるかと思います。

 

ちなみに工夫できるタイプは、自分で自分を「専門家」とはあまり言わないように感じます。

どちらかというと、その「専門家の専門とする既存領域を壊して、新たな領域を切り開きたい」というタイプかなと(笑

 

高共感タイプが自分軸にあこがれるパターン

で、そういう「高共感タイプが自分軸にあこがれる、こじれパターン」を、今回は説明してみようかと思います。

高共感タイプなのに、「自分軸を持たなきゃ。工夫できなきゃ」と思い込んでしまうことがあります。

 

これは過去でも説明してきたように、親や周囲が境地開拓タイプの場合だったり、境地側に生まれてしまった場合、「工夫をしなきゃいけない」と思い込んでしまいます

例えば親や周囲が境地開拓タイプの場合、次図のように「工夫しろ! 自分軸を持て! 独自性を発揮しろ!」と言われるわけです。

↑ こういう風に、主張されるわけですね。

 

そして、個性がないことを許されないような抑圧環境であることで、「工夫しなきゃいけない」と感じるようになります。

親が境地開拓タイプでなかったとしても、親が同じ高共感タイプで、こじれが遺伝することもあります。

すると高共感タイプが工夫を求めることで、「HSPタイプにあこがれてしまう」という現象が起きます。

 

なお、この「自分軸を持て!」を「主張しろ!」に置き換えると、「高共感タイプなのに、主張できる外向型にあこがれる」となります。

同じメカニズムなので、置き換えると別パターンが理解できるでしょう。

 

クリエイティブな環境では、こじれを持ちやすくなる

そして高共感タイプの場合、単純に環境から影響されることもあります。

高共感タイプが「自分軸への羨望」を持ちやすい環境として、クリエイティブな環境があるでしょう。

 

共感性が高い人は、その共感性から「感情を伝えたい。感情を表現したい」という欲求を持ちやすい傾向にあります。

ですがその場合、その「表現したい」という分野は、クリエイティブなジャンルになりやすいと。

この場合、共感性が高い人は「独自性を持たないといけない」と、こじれを持ちやすくなります。

 

というのも、クリエイティブな分野では、「権威者と多数派」が一般社会とは違う形になるからですね。

普通の社会では、「多数派が素晴らしい」、「多数派の中でも優れた人が、権威者になる」というシステムです。

だから高共感タイプは、多数派の中にいることで、安心して自分の性質を発揮できます。

ある意味、平等な評価軸があることで、「安心して地道に頑張る」ことができるわけです。

 

「多数派が素晴らしい」が通じない世界

ですがクリエイティブな分野では、「少数派が目立ち、権威者になりうる」わけです。

しかも、その少数派は地道に頑張ることもなく、「ひらめき」とか「工夫」みたいに、言うなれば努力以外の抜け道で有名になってしまうと(笑

 

すると、社会で通用する「多数派にいることが素晴らしい」というスタイルが通用しなくなります。

また、「地道に頑張る」という安心が失われてしまいます。

つまり、「地道に頑張っても無駄だ」という思いが芽生えてしまい、どうすればいいのか分からなくなってしまうわけですね。

 

また、この場合、高共感タイプの「権威者に道を決めてもらう」という性質が苦しみを作りやすくなります。

だいたいクリエイティブなジャンルでの「権威者」は、工夫できるタイプになりやすいんですよね。

すると、高共感タイプは権威者に従ってしまう性質なので、権威者の声に影響されて、「成功するには、個性がなきゃいけないのかな」と誤解してしまうと。

 

高共感タイプは、よき師(メンター)を持つこと

こういう高共感タイプの場合、「同じタイプのよき師(メンター)を持つ」というのが効果的でしょう。

工夫できるタイプではなく、同じ高共感タイプのメンターから学ぶことです。

 

すると自分の土俵が理解できて、「地道な努力を積み重ねて、それが正当に認められる世界」で着実に成果を出してゆけるでしょう。

そしてその方が、高共感タイプの性質に合っているでしょう。

 

あと、ここで明快に伝えておきますが、高共感タイプの場合、私をメンターにすると苦しくなるだけです。

このブログでは工夫ができるタイプ、つまりHSPタイプに向けて、特に工夫を重視して語っています。

 

なので私のアドバイスに触れるのは、高共感タイプにとっては人格否定になります。

だって、自分軸がなくて工夫ができない性質なのに、「自分軸を頼って、工夫をしろ」と言われるのは、人格否定でしょ。

 

だから、高共感タイプの人は、私のブログを見ないことを強くおすすめします。

それは、こじれを深めるだけだからですね。

 

そういうタイプに私がおすすめするのは、本田健氏とか、本田晃一氏、浅見帆帆子氏、古い人だと稲盛和夫氏、松下幸之助氏などですね。

私のブログではなく、こういう方々の感性に触れると、より整うかと思います。

 

感情言語で語ってみる

まぁ高共感タイプには論理で語っても通じないので、感情言語で語ってみましょう。

↑ この上側の、感情言語ですね。

私はHSPタイプなので、これなら私の言葉でも伝わるかな、ということで、一応書いておきます。

 

過去の自分を見て、そこで頑張っている自分を感じてみましょう。

高共感タイプの人ほど、きっとそういう環境で、苦しんでいたんじゃないかと思います。

 

頑張って自分を変えようとして、なのに変えられなくて、苦しくてやるせなくて。

だけど、その苦しさを飲み込んで、泣きたいのをこらえて、頑張り続けて。

それで、自分の力のなさに自信を失ったり、絶望したりして。

 

そういう「頑張って挫折した過去の自分」を見ると、「頑張ったね。もういいよ」と言って、抱きしめてあげたくなるんじゃないかと思います。

だって、限界まで苦しんで頑張ったんですから。

それで十分じゃないですか。

 

なら、その頑張って強がろうとしている自分を抱きしめてあげて、一緒に泣いてあげましょう。

「大丈夫、ここは安全だよ」、「私は君の味方だよ」と言って、過去の自分を落ち着かせてあげましょう。

そうやって十分に感情を出せて泣けたとき、自分にとって大切なことが理解できているんじゃないかと思います。

 

そして、過去の自分に「もう中村あやえもんのブログは見る必要はないよ。工夫を求めるのをやめて、本田健さんとか、本田晃一さん、浅見帆帆子さんのブログを見よう」と教えてあげましょう。

すると、過去の自分もほっとできて、肩の力を抜けるんじゃないかと思います。

 

社会で生きられる人ほど、多数派に属する方が安心できるし、安定します

多くの高共感タイプのクリエイターは、地道に努力して積み重ねて、クリエイティブな仕事をして活躍しています。

なので「工夫やアイデアで突破しようとしている人」ではなく、そういう「地味でも着実に活動している専門家たち」に多く囲まれると、うまく心を保って活動を続けられるかと思います。

 

高共感タイプが持つ、愛情の喪失感

ちなみに高共感タイプの場合、親が境地開拓タイプで「高共感に偽装をする」ことで、「愛情の喪失感」的なこじれを持つことがあります。(次図)

↑ こんな風に、親は本当は低共感な境地開拓タイプなのに、高共感のように振る舞ってしまうことがあります。

 

この場合、「どんなに自分の感情を伝えても、感情を理解してもらえない」という孤独感や、愛情の喪失感を持つことが多いでしょう。

そして「感情表現をしにくい」という問題を抱えているかと思います。

 

こういう場合、「同じ高共感側」、つまり健康的な高共感タイプ、もしくは健康的なHSPタイプと会話すると、「こういう反応が欲しかったんだ」と解決しやすいでしょう。

まぁ、健康的かどうかは分からないことが多いので、正式な精神科医やカウンセラーからカウンセリングを受けるのがいいかと思います。

自分軸がある人は「これが合う」と感覚で分かりますが、そうでない人は「免許や資格で、社会的に認められている人」を頼る方が安全です。

 

まとめ

まぁそんな風に、高共感タイプのこじれについて語ってみました。

 

とりあえず、今回の内容で「性質別コミュニケーション療法」での「こじれの原因」はだいたい理解できるんじゃないかと思います。

外向型のこじれは、似たようなものなので省略します。

 

高共感タイプの生き方は、同じ高共感タイプを参考にする方がいいかと思います。

そして、もし感情言語に問題を持っている場合、健康的な高共感タイプ、もしくは健康的なHSPタイプとコミュニケーションをするのもいいでしょう。

 

ちなみに私は、最近になってようやく感情言語を使い始めた程度なので、不適切です(笑

私の感情言語は、よちよち歩きの赤ん坊レベルですからね(笑

 

なのでその場合、他の健康的な高共感タイプ、もしくは健康的なHSPタイプを頼るといいでしょう。

まぁ高共感タイプの場合、正式な精神科医かカウンセラーがいいかと思います。

 

ということで今日は、高共感タイプが自分軸を求めてしまう、こじれのメカニズムについて説明してみました。

今日はここまで~。

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