「人生で、本当は何をやって生きていきたいの?」
そう問われても、答えられない人がいる。
なぜかというと、自分の本当の気持ちに嘘をつき続けていると、次第に自分の本心や、本当にやりたいことが分からなくなるからだ。
他人や自分に対する「嘘」というものは、ほぼ間違いなく、自分を守るためにつかざるを得なかったものなんだ。
親から「どうしてそんなことをしたの」と言われた時、親との信頼関係がある人は、本当のことを伝えて、親が困っていたら謝る。
しかし、親との間に信頼関係がない場合、嘘をついて自分を守らざるを得なくなる。
でなければ、見捨てられる危険性があったからだ。
親から愛されなかった子は、必然的に、自分を守るために嘘をつかざるを得なくなる。
愛されなければ愛されなかったほど、嘘を重ねてゆく。
「嘘」とはあたかも、魂にぺたり、ぺたりと薄皮を貼ってゆくようなもの。
少し、また少しと嘘を重ねると、次第に自分の中にある「魂の輝き」が消えてゆく。
その輝きが見えなくなると、自分が本当にやりたいことが分からなくなり、迷った時にどっちに行けばいいのかも分からなくなる。
そして、「貴方の中に、とても尊い輝きがあるのですよ」と言われても、信じられなくなる。
自分自身で、自分の輝きが見えなくなってしまっているからだ。
自分の内なる輝きに気づくには、「自分への嘘」をやめてゆけばよい。
そのために重要なのは、「ひとりになること」と、「自分を楽しませるための、ひとり遊びのルールを考えること」、だ。
ひとりでいれば、他人の目を気にすることはない。
寂しいからと群れていたら、永遠に嘘をつき続けるだけだ。
「ひとりでいると、コミュニケーション能力が」、「見捨てられるのでは」などと心配する必要はない。
自分との対話ができないから、他の人との対話ができないのだ。
自分との対話が素直にできるようになったら、他人との対話や付き合いもスムーズにゆくようになる。
そして、もうひとつは自分を楽しませる、ひとり遊びのゲームルールを考えることだ。
自分で自分を楽しませる、そんな遊びを作ってみよう。
世の中の面白さは、「遊びを作り出す能力」に比例する。
どんなことでも遊びにできる人は、何でも楽しめる。
その根本は、「自分が楽しめるゲームを作ること」なんだ。
例えば、「手を一切使わずに、○○をする」とか、「これとこれだけを使って、○○をする」など、上手くルール(制約)を作って楽しんでみよう。
難しすぎても、簡単すぎても楽しめない。
そのちょうどいい「楽しい」と感じるルール(制約)を考えて、身近にあるものいいので利用して、ゲームを作ってみよう。
そういう時間を確保してゆくと、次第に自分への嘘をつかない時間ができてくる。
すると、「嘘」がぺらり、ぺらりとはがれてゆき、自分の内なる輝きに、少しずつ気づいてゆくだろう。
その輝きを知った時、「ああ、自分はこんなにも優しい部分があったのか」と、自分の温かさを知ることだろう。