今日はタイトル通り、全く役に立たないお話です(笑

題して、「なぜ年頃の男の子は『中二病』になるのか」です。

一応前もって言っておくと、ろくでもない話なので、適当に読み流してください(笑

 

中二病の三つの特徴

中二病って、ありますよね。

「逃げろ! 俺の右腕が震え始めた……!」とか、ありますよね(笑

だいたいこういうのは、思春期の男の子に現れるのが特徴で、だいたい12~15歳ぐらいで出やすいものなんですよ。

女性にも「中二病」と言われることはあるにはあるんですが、その病的な加減は男の子の方が圧倒的に多いもので、かつ重度になりやすいものです(笑

じゃあ、なぜ年頃の男の子は、中二病的な世界観に惹かれてしまうのか、そのお話をしてみましょう。

 

中二病を語る前に、その三つの特徴を説明しておきましょう。

中二病になると、こういう症状が出ます。

  • 「強引な優越感」を自分に与え、保持、もしくは表現する。
  • 「裏、月、闇」といった、「影」の象徴を表現する。
  • 「日常よりも外にある世界」を知り、理解しようとする。

この三つについて、それぞれ見て行きましょう。

 

「強引な優越感」を自分に与える、という特徴

まず最初の特徴として、中二病になると「強引な優越感」という設定や解釈を自分に与え、それを表現しようとすることですね。

すっごく簡単に言うと、「俺はお前らとは違うんだぜ……」みたいな言動や、表現が多くなるものです。

「俺には隠れた力が眠ってるんだぜ」とか、「お前らや、普通の大人のようにはならない」というものです。

 

実は男の子は、成長する上で、「男性的な社会性」というものを持ってゆきます。

女の子も社会性は持っているんですが、それは「村社会」という、比較的序列がない社会性なんですよ。

よく言うでしょ、男性は縦社会で生きていて、女性は横社会で生きていると。

女性は、村という閉じられた世界の中で生きるので、序列よりも、和気あいあいと平和に過ごす方が優先度が高いわけです。

ですが男性は、昔から狩猟をやっていたので、指揮系統が重要になるんですよ。

序列(命令体系)がしっかりしていないと、獲物を捕れませんからね。

和気あいあいとするよりも、社会全体における序列の構造をしっかりと把握して、自分がどの序列のどのポジションにいるのかが重要になります

そして、有能な人ほど序列の上にいることが、獲物をしっかりと捕って、全員が生き残ることができるようになるわけです。

だから、男の子なら、「その序列の頂点に立ちたい」という欲求も持つんですよ。

少々序列作りで争いを起こしても、有能な人が上にいた方が、獲物を捕れるからですね。

 

そういう基本欲求があるから、中二病的な作品では、「序列システム」と、「その序列において、落ちこぼれが、勝ち上がって行く」という構造が、主たる構造になるわけですね。

女性が好かないような、純粋な男性向けのライトノベルでは、ほぼ間違いなくこの二つが入ってますから。

序列というのは、実際に戦うことで白黒はっきり決着をつけるようなものです。

男の子向けの作品とかだと、トーナメントとか、バトルとか、ランクとか、そういう設定大好きでしょ(笑

古い例で言うと、「聖闘士星矢」では、上からゴールドセイント、シルバーセイント、ブロンズセイントとランク付けされていて、ブロンズの主人公が勝ち進んで、ゴールドセイントを倒してゆく、という流れです。

ほら、ライトノベルでも、「劣等生」とか「落ちこぼれ」、「落第生」とかいうタイトルとか設定って、よくあるでしょ(笑

 

で、男性的な社会では、「序列が分からないこと」っていうのを嫌うんですよ。

だから、男性向けでは、戦う能力を互いに持つ場合、序列が分からないキャラ同士が出会ったら、とりあえず戦うと(笑

そして、どっちが上かが決まったら、結構すんなり握手して、仲間になったり、敵なら退散したりするわけです。

そんな風に、「序列を知りたい」、「序列で上にいたい」という、男性独自の欲求があることを、まずは把握しておきましょう。

 

「裏、月、闇」という「影」の象徴を用いる、という特徴

そして次の特徴として、「裏、月、闇」という、影となるようなモチーフや象徴が使われることですね。

これはなぜかというと、男の子が、社会には「表と裏」があることに気がつき始めるのがこの年代なんですよ。

ちなみに女の子は、もっと早くに気づくんですが、男の子は純粋で単純なので、大人になるまで気づかないんですよ(笑

男の子がそれぐらいの年頃になると、人には、いわゆる「表の顔」と「裏の顔」という二面性を、誰もが持っているんだと分かってくるわけですね。

「本音」と「建前」とも言えるかもしれません。

小学生ぐらいまでは、ずっと本音だけで生きているので、「裏」があることは分からないんですよ。

だから、小学生ぐらいの物語だと、「太陽の戦士」みたいな象徴が好まれますが、中学生ぐらいから「闇の暗殺者」みたいな象徴が好まれるようになるわけです。

 

そして、そういう「裏(本音)を理解したい」という欲求が生まれる時期でもあります。

全ての人が、本音と建前を持っているわけで、相手の本音を見抜けるようになりたいと。

でも、その「本音と建前」を見分けるということは、世の中には「綺麗なことと醜いこと」の二つがあることを受け入れなければなりません

小学生だった今までは「本音」だけの世界だったのに、実は「綺麗な顔をして、どす黒いことを考えている人がいる」、そういう現実を、生まれて初めて目の当たりにしてしまうわけです。

警察官も、政治家も、リーダーも、実は全員に「裏の顔」がある。

すると、当然その子にしては、世の中が信じられなくなるでしょ。

全ての人に、「本音と建前」があるって気づくんですから。

そして、それを象徴するのが、「表と裏」であり、「太陽と月」であり、「昼と夜」、「光と闇」、そういったものなわけです。

 

で、重要なのが、「裏の本音が、表の建前を操っている」という事実を知ることです。

すなわち、「表は、裏によって支配されている」と解釈してゆくわけですね。

だから、その年代になると、男の子は「裏の世界」を知ろうとしたり、行こうとして、その裏の世界のメカニズムを知りたくなるんですよ。

裏を知ることが、理解不能な表を理解する方法なんですから。

それは個人レベルでも、社会レベルでも、その人やその社会での「裏」を知ることで、世界の成り立ちを理解できるようになる、ということですね。

ライトノベルとかでも、主人公が属するようになる組織って、「表向きの顔」と「裏の顔」がありますよね。

「表向きはまっとうな魔法学校だけど、裏では敵組織と対抗するための先鋭集団」みたいな。

 

そんな風に、男の子は、その「裏」を知ることができたら、ようやく安心できるわけです。

逆を言うと、裏が分からないから、不安定になって、自分から裏に飛び込もうとするわけですね。

そういう「裏の顔を知りたい」という欲求が芽生える、ということです。

 

「日常よりも外にある世界」を理解したい、という特徴

最後の特徴として、「日常よりも外にある世界」を知り、理解しようとすることです。

これも先に説明したように、男の子は「全世界の序列」というものを知ろうとします。

ほら、男性的な文化では、例えば神話の神様とか天使にも、しっかりと序列がありますよね。

で、男の子は、「今所属している社会」や「この日常世界」ではなくて、「『全』世界の序列を知りたい」と思うわけです。

 

男の子は、その年頃になると、自分が今いる「日常」よりも、必ず「外の世界」があると知るわけですね。

今までは、日本という閉ざされた世界で生きていたわけです。

ですが、実は世の中には全く肌の色が違う人がいたり、しゃべる言葉が違う人がいたり、文化が違っていたり、理解不能な技術を持っている人たちがいたりするものです。

すると、「自分がいる日常」というのは、世界の中ではちっぽけな一部分でしかないと気づくわけです。

だったら、「日常より外」を知りたくなるものなんですよ。男の子は。

 

だから、今いる日常と比べても、「非日常的」であったり、「非現実的」な世界観が好まれます

それは妖怪が住む世界であったり、影の支配者が魔法を使って支配していたり、超能力を持つ一部の人たちが世界を動かしていたり、神々が何かしていたり……そんな「日常よりも外の世界」ですね。

そういうこともあって、現実ではありえないような世界観であっても、問題ないんですよ。

「日常の常識をはるかに超えた世界」であれば、魔法だろうが、呪術だろうが、剣や銃器、超能力とか、もう何だっていいんですから。

もし「裏は日常とほとんど同じですよ」と言われても、そんなことを言う人は信じられないでしょ。

むしろ、常識をはるかに超えている方が、納得できますよね。

だから、超常的な世界観だったり、とんでもない世界観が普通に用いられるようになるわけです。

 

まとめ

そんな風に、男の子は思春期の頃になると、社会性を持ち始めて、次のような欲求を持つようになるわけです。

  • 「自分がいる社会の仕組みを知りたい」
  • 「裏側を含めた、社会の全ての仕組みを知りたい」
  • 「その中で、自分の序列を知りたい」
  • 「その序列を上がっていきたい」

こういう、男性的な欲求が芽生え始めます。

だから、非現実的な世界観に触れて、「裏の世界」を知ろうとして、序列を知り、自分の立ち位置や武器、特徴などを知り、その上で師やメンターを持ち、戦って勝ち上がってゆく……そんな物語が、思春期の男の子に好かれるわけです。

中二病というのは、その一つの形態である、ということですね。

 

そういうこともあって、「大人を信じられない」であったり、「自分には秘められた力がある」、「周囲の人が知らないような、裏の原理も知っている」、「裏の序列を上げる」という行動を引き起こしやすいと。

そう考えると、中二病っていうのは、すごくまっとうな現象ですよね。

子どもが大人になってゆく、その過程で多くの人が経て行く、一つのステップなわけです。

昔の人たちは、これをファンタジーで補っていました。

神話とか、そういうものですね。

まあ、もちろん今でも、神話は重要なモチーフとして使われていますが。

 

そう考えると、中二病の行動原理が理解できるんじゃないかと思います。

ってことで、今日は中二病についてお話してみました。

今日はここまで~。

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