さて、今日は昨日の続きです。
簡単に昨日のまとめをすると、私たちの中には深層意識(無意識)という、私たちの意識(顕在意識)とは別の意志が存在するわけです。
その深層意識が、「何となく」で私たちの人生や行動を、決定的に動かしているわけです。
でも、深層意識と手を組めば、するするっと夢が叶ってゆくんですよ。
深層意識が「それは嫌!」っていう内容が、実現しないだけで。
じゃあ、その深層意識という名のモンスターを、どのように説得して、手なずければいいのか。
今日はその具体的な方法論を説明しましょう。
深層意識は、過去の積み重ねでできている
「深層意識は、私たちの意識とは全く別の意志を持っている」、と思っていいでしょう。
で、深層意識というモンスターは、私たちの過去の積み重ねでできています。
私たちが既に忘れたようなこともしっかり覚えていて、過去と照らし合わせて、「それをすると、だいたい嬉しいことにつながるから、是非しよう!」とか、「それをしたら、苦しむばかりだから、やめておこう」などと判断します。
私たちが「こうなれたら最高だな」、「ああなれたら最高だな」と表面上で思いますよね。
でも夢が叶わない分野においては、深層意識ではそれとは裏腹に、「だけど、こういうことが怖い。だからやだ!」、「過去に同じことで、こういう怖いことをした。だから嫌!」などと言うんですよ。
その過去の記憶や経験が、既に時代遅れになっていたとしても、そんなの関係ありません。
「過去にそうだった」からという理由だけで、モンスターは「やっちゃだめ!」と言うものなんですよ。
例えば、私は海で泳ぐのが好きですが、ずっと長い間、足の届かないほどの沖には行けなかったんですよ。
十分泳げるのに、ですよ。
それはなぜかと内面を探っていくと、幼い頃(小学生になる前)に、太平洋に泳ぎに行って、大波でおぼれそうになったっていう経験があったんですよね。
ほら、瀬戸内は波が穏やかですけど、太平洋側とか、すごいでしょ。
それで半分おぼれて死の恐怖を感じて、それ以来沖には行けなくなったと。
大人になって、十分に泳げるようになっても、過去のしょーもない記憶を元に、私たちの中にいるモンスターは、「それはだめ!」と判断して、操っていたわけです。
似たような例で有名なのが、サーカスでは、子象の時に、その足に縄をかけて杭に繋いでおくわけです。
子象は縄を引きちぎろうとしても、杭を抜こうとしても、子象の力ではできないんですよ。
そして「自分には無理だ」と思って、縄から自由になるのをあきらめます。
で、その子象が大人になっても、その細い縄と杭で結んでおけば、その象は逃げだそうとしないと。
大人の象の力を持ってすれば、十分に自力で自由になれるのに、象の深層意識に「杭と縄からは逃れられない」と刻み込まれているから、試そうともせずに、逃げ出さないわけです。
だから、私たちが大人になって、夢を持つのに、実現しないんですよ。
独立するのに十分な力を持っているのに、もっと自分に合った職種に転職すれば活躍できるのに、面白くも何ともない仕事を続けている。
それは、例えば学生時代に「おとなしく学校にいなさい。好きでないことでも我慢して、他人が言うことに従いなさい」という縄に足を結ばれて、育ったからかもしれません。
子どもの頃は、それにあらがえなかったかもしれません。
でも、大人になった今であれば、引き抜こうと思えば、簡単に引き抜けるのに。
ただ、「過去にそうだった」という理由だけで、深層意識というモンスターは、「どうせだめだよ」と言って、今までの「安心、安全な場所」に居続けようとするわけです。
私たちの意識が、「外の世界には、自由があって、幸せがある」と分かっていても、深層意識がストップをかけるわけですね。
深層意識を手なずける、3つのステップ
じゃあ、その深層意識を手なずける必要があります。
「あのときは怖かったよね。苦しかったよね。分かるよ、その気持ち。でも、今は状況が変わったんだよ。あのときはこうだったけど、今はこうだよ。ほら、やってみてごらん。できたでしょ。だからできるんだよ」
すると、深層意識も「あ、そうなんだ」と気づいて、私たちの味方になってくれます。
じゃあ、その深層意識を書き換える3つのステップを、以下で見てみましょう。
- 深層意識の好み、趣向を知る。
- 深層意識が、そんな好みを持つようになったきっかけとなる出来事を知る。
- 深層意識に、「できる」という新しい現実を示す。
ステップ1:深層意識の好み、趣向を知る
まず最初に必要なのが、深層意識の好み、趣向を知ることですね。
自分の中で、願いが比較的叶いやすい分野と、そうでない分野があるかと思います。
例えば私の場合、ビジネス面とか、体重、健康面では、スムーズに夢を叶えられるんですよ。
でも、人間関係では、劣等感が強かったので、願いが叶いにくかったわけです。
すると、私の中には、ビジネス面は「いいね!」と乗り気になって、何でもどんどん実現してゆきます。
でも逆に、人間関係を深めようとすると「嫌だ!」と言う、そういう性格のモンスターがいたわけですね。
人によっては、「趣味のアニメや声優を、お金を使って楽しむのは際限なくできる」のに、「ビジネスで独立したいと思っても、お金を受け取ることが全然できない」という人もいるでしょう。
そういう場合は、内側にいるモンスターは、「趣味が大好き。お金を使うのも大好き。でも、お金を受け取るのは嫌い。独立も嫌い」という性格のモンスターなわけですね。
動物を手なずけるのと同じような感じだと思うと、分かりやすいでしょう。
そのために、まずは最初に、そのモンスターの好みを知ることが必要になります。
ステップ2:深層意識が、そんな好みを持つようになったきっかけとなる出来事を知る
次に、そのモンスターが、なぜそんな好みを持つようになったのか、そのきっかけを見つけ出す必要があります。
これができれば、モンスターを手なずけることができるようになります。
ただ、ちょっと事情が複雑なので、まずは深層意識と顕在意識の関係から見てゆくことにしましょう。
先にも説明したように、深層意識というモンスターは、過去の集合体でできています。
私たちが忘れているようなしょーもない過去でも、鮮烈に覚えているものです。
そのモンスターとは、生まれた時から一緒にいるんですからね。
いわば、私たちの片割れみたいなものです。
そこで、「なぜ貴方は、それをそんなにも怖がっているの?」とモンスターに問いかけて、答えてもらう必要があります。
深層意識というのは、私たちが意識できない領域です。
それに問いかけることで、答えを受け取る必要があるわけです。
でも、深層意識は、これはもう一つの立派な「別人格」と言ってもいいでしょう。
全くの別人だと思えばいいでしょう。
だから、「なぜなの、言いなさい!」なーんて言ったところで、素直に答えるような奴じゃありません。
言いたくないことは答えませんし、責められるとおびえて意識(貴方)を攻撃し、牙をむくこともあります。
もちろん、モンスターは私たち自身よりも力があって、私たちを操作できる力を持つので、私たち(意識)の声に従う必要なんてさらさらないわけです。
だから、「教えてください」と懇願したとしても、なだめすかしても、脅迫しても、答えません。
モンスターが答えたくないというのは、おびえているからなんですよ。
その出来事を私たち(意識)に渡すと、 意識がそれに対して評価を下したり、「だめじゃないか」と罰したりする危険があると、怖くて言えないでしょ。
私たちだって、自分の過去を誰かに告白する場合、自分を責めるような人には、過去を言いたくないでしょ。
でも逆に、「そっか、それは怖かったね」とか、「大丈夫だよ」と言ってくれて、私たちを裁かずに、暖かく包み込んでくれる人になら、過去の苦しかったこととかも、素直に伝えられますよね。
それと全く同じで、モンスターは、「意識が深層意識の完全な味方である」と知った時に、初めて過去のきっかけを教えてくれます。
それを判断するために、モンスターは意識に対して嫌な思いをさせるでしょう。
でも、「それでもいいんだよ」とモンスターを受け入れると、すんなりと答えてくれます。
昨日も言いましたが、ナウシカのペット、「テト」みたいなものですね。
おびえていて、最初はかみつくけど、それでも「大丈夫だよ、おびえているだけなんだよね」と優しくすると、素直になってくれる、という感じです。
で、この過去のきっかけが理解できた瞬間、縄を引きちぎることができます。
「あ、私が今、サーカスで苦しんでいるのは、幼い頃にずっと縄で繋がれていたからなんだ」
この過去の出来事に意識が気がつくことができた瞬間、深層意識も、過去のしがらみから解放されます。
つまり、深層意識が素直になって、「もう隠さないでいいんだ」と安心するわけですね。
深層意識は、意識に対して恨みを持っている
というのも、深層意識というモンスターは、完璧でもなくて、強くもないんですよ。
むしろ、臆病な性格です。
特に夢が叶わない分野に関しては、とっても臆病で、おびえているものです。
「自由になるんだ」と意識が言ったとしても、モンスターは過去に何度も何度も、縄を引きちぎろうとしてできなかった、そんな過去に苦しんでいるわけですね。
でも、意識はそれを忘れて、気楽に生きています。
一方で、モンスターは、ずっとその過去を押しつけられて、忘れることなどできません。
モンスターからすると、私たち意識と一緒に生まれてきた分身みたいなものなのに、意識は苦しい出来事だけをモンスターに押しつけて、自分(意識)は忘れて、気楽に生きているわけです。
すると、意識を恨んで当然でしょ。
「自分だけ忘れて、気楽になりやがって。俺(モンスター)にだけ、苦しみを押しつけやがって」
そう思って当然なわけです。
このメカニズムを、心理学用語で「抑圧」と言います。
だから、モンスターは自分(深層意識)を苦しめる、そんな過去の記憶と結びつくような出来事が起きようとすると、体を操作して、そうさせないようにするわけですね。
意識が縄を引きちぎろうとすると、「そんなことさせない」と、全力で阻むわけです。
意識は、過去のつらい出来事を忘れて、気楽に生きているから。
深層意識のモンスターは、つらかった過去を押しつけられ、今も苦しみ続けているから。
ある意味、「意識に対する復讐」と言ってもいいかもしれません。
「俺(深層意識)がこんなにも苦しんでいるんだから、お前(意識)も苦しんで、俺の苦しみを理解しろ」
そういう気持ちを、モンスターが持っているんですよ。
だから、私たちが「こうなりたい」と思っていても、それが実現しないわけです。
そこで、モンスターを癒す必要があるわけですね。
モンスターを癒すのは簡単で、意識がその苦しみを分かち合ってあげればいいんですよ。
「君にだけ押しつけて、自分は忘れちゃって、ごめん」と謝ればいいんですよ。
すると、深層意識は癒されて、意識に対して反対したり、復讐することをやめます。
たったこれだけです。
たったこれだけと言いつつ、ここが一番タフな過程になるものです。
自分の中にいる、もう一人の別人格と和解するってことですから。
いわゆる、「私たちに対して敵視する、別人格と打ち解けよう」ってことですから。
私たちからすると、自分の苦しみを押しつけて、自分だけが楽をして生きてきたわけですね。
本当の温もりで接しないと、相手は素直にならないものです。
なにせ一心同体ですからね。
モンスターは、誰よりも意識のことを知っている奴ですから。
また、深層意識は意識できないので、コミュニケーションにもちょっとしたコツがいります。
自分の内面に対して問いかけると、ちゃんと何らかの形で答えてくれます。
「これを実現したいんだけど、なんでそんなに嫌うの?」と問いかけてみるわけですね。
すると、深層意識は、記憶であったり、言葉の断片であったり、情動や感情であったり、そういうものを返してくれます。
ほんと、動物とコミュニケーションをするような感じで、自分の内面が伝えようとしていることを、理解してゆくわけですね。
で、そのモンスターを癒せば、モンスターは私たちの味方になります。
いわゆる、「手なずけられる」、ということです。
ステップ3:深層意識に、「できる」という新しい現実を示す
で、最後は実際に、深層意識に「できるんだよ」と教えることです。
既に味方になっているので、深層意識は意識の言葉を素直に受け入れます。
ここで初めて、アファメーションが有効になるわけですね。
「やればできる」とか、「私は○○になる」とかいう自分への説得の言葉が、効果を発揮し始めるようになります。
昨日も冒頭で言いましたが、「自信が先で、結果は後からついてくる」とか「未来の夢に確信を持てば、それが実現する」というのは、この段階になって初めて機能するものです。
いや、本当は繰り返しアファメーションをして説得することで、モンスターを洗脳することもできるんですよ。
でも、モンスターという人格を考えた場合、ちょっと可愛そうでしょ。
力ずくで洗脳するか、和解して手を取り合うのか。
アメリカンスタイルで、「戦って屈服させよ」か、私好みな「和解して手を取り合え」か。
これは好みによるでしょうけど、私は力ずくは好まないので、こういうアプローチを提案しています。
なので、ちょっとやそっとの意志力では、一人でアファメーションをやろうとしても、うまくいかないのは予想できるでしょ。
だって、意識が「私はできる」とか繰り返し言おうとしても、深層意識はそれを嫌うわけです。
だったら、モンスターからすると、「アファメーション自体をさせないようにしよう」と、アファメーションをあきらめさせる方が楽でしょ。
だから、一人でやっても、アファメーションは根気よく続かないんですよ。
ただ、そういうセミナーに何度も参加して、外部からの力を借りて強制的にアファメーションをして、深層意識を書き換えるのであれば、文句なく効果はあるでしょう。
そういう点では、「アファメーションはセミナーに参加して、人の力を借りて何度もやると、十分に効果がある」と言えるかもしれません。
私はそういったセミナーには全く参加しないタイプなので、一人でやるなら、深層意識と和解するのが一番でしょう。
まとめ
そうして深層意識と和解すると、その分野において、夢がどんどん叶うようになってゆきます。
独立したい人は、次第にお金になるチャンスを見つけてゆけるようになります。
やせたい人は、どんどん体重を落としてゆけます。
パートナーを見つけたい人は、パートナーを見つけることができて、しかも良好な関係を築くことができるようになります。
人に愛され、お金にも愛されて、内面が豊かに生きることができるようになる、ということですね。
この深層意識と顕在意識のメカニズムを把握できて、深層意識を手なずけることができれば、簡単に夢を実現させてゆけるわけですね。
そして、こういう過程を経ることが、「自分の内面と対話する」ということです。
私たちの中には、全く別人格の、私たち意識を敵視する人格がいます。
その、いわば私たちの片割れと、手を取り合ってゆく。
それができたとき、私たちは、本当の心の平穏を味わえるんですよね。
同時に、夢を実現してゆける、大きな力を得ることができるわけです。
人間関係の問題も、お金の問題も、仕事の問題も、全部、「外部」にあるんじゃないんですよ。
私たちの中にある、深層意識と顕在意識との確執が、外に投影されているだけなんですから。
そして、私たちの内面を解決すると、外部の問題は、驚くほど簡単に、しかも自然に解決してゆきます。
こういう心理的なメカニズムが、私たちの「現実」を作り出してしまっているわけですね。
さてさて、今回は二回に分けて、深層意識についてお話ししてみましたが、いかがでしたでしょうか。
私がアファメーションのセミナーCDでも作って、高額で販売したら、「これだけお金を払ったんだから、やらなきゃ」っていう動機で、一人でもできるかも。
私がそういうの作ったら、買う人いますかね?(笑
途中であきらめたり、効果がなかったら、全額返金で。
アホほど高い教材とかありますが、あれは内容がいいんじゃなくて、「お金をはらったんだから、やらなきゃ」という動機の掛け金みたいなものなんですよね。
だから、安くしちゃ意味がないと。
そういう心理的な意味も、あるんですよね~。
まぁそんなことを思いつつ、深層意識についてのお話でした。
質問があったら、またメールでもしてくださいませ。
このお話は、ここまでっ。