昨日に引き続き、心とお金について、ちょっとお話してみましょうか。
今回は、「お金がなければ、褒めることで喜んでもらえばいい」というお話です。
「お金を与える」も「褒められる」も、脳内では同じ処理をする
この本を読んでいて、その中で面白い研究結果があったので、ご紹介してみようかと。
お金をもらった時と、他人に褒められた時っていうのは、脳の同じ部分(線条体)が反応して、活発になっていたっていうんですよ。
それによってドーパミンが出ることで、人は快楽を感じると。
つまり、「お金を与える」という金銭的報酬と、「褒める」という社会的報酬は、脳内では同じように働いていると。
なので、「お金を与える」の代わりに「褒める」で代替することもできますし、その逆の「褒める」を「お金を与える」で代替することもできるということです。
実際、褒められたら嬉しいものですよね。
大好きな人とか尊敬する人に褒められたら、お金がなかったとしても、「やってよかった」と思えるものですよね。
また、本当に喜んでくれる人であれば、無償でも何かしてあげたくなりますよね。
褒めて喜んでもらうと、金銭的報酬が少しでも喜んで担当してもらえる
私は昔から小規模チームで低予算開発をしていたので、これが本当に分かるんですよ。
とにかく褒めると、スタッフさんはやる気を出してくれるものなんですよね。
うちでシナリオを担当した人なら分かると思うんですが、もうベタ褒めですから(笑
それで気持ちよくなってもらって、最後まで勢いで書いてもらって、それでお小遣い程度の謝礼にもかかわらず喜んでもらえていたんですよ。
もちろん、シナリオ技術とか、経験や実績を積めることもあったでしょうし、プロになるためのステップアップになれたことはあるでしょうが、それは書き上げた後の話ですしね。
その人の天職の領域については、褒めると伸びるんですよ。
逆に天職でない領域については、叱る方が伸びるものです。
クリエイティブな分野では、ほぼ天職の人が携わっているので、褒めて褒めて褒めまくると、短期間ですっごい成長するものなんですよね。
だからうちから、どんどん飛躍した人が出たんだと思っていたりしますが。
褒めるコツを身につけると、思うがままに喜んで動いてもらえる
そういうこともあって、褒めるのには力があるんですよ。
もちろんほめ方にもコツがあって、ピンポイントで具体的に「ここがいい」と指摘したり、「これが好き」と客観的な尺度ではなく主観的な尺度で指摘したり、いろいろあるんですけどね。
これは、私が昔絵を描いていた頃に、絵描きさん同士で見せ合って褒め合っていたことがあったんですよ。
そのときに、相手が喜ぶ感想の書き方をすっごい鍛えた経験があったからなんですが。
そして、「褒めると相手を変えられない」と思う人がいますよね。
「叱らなきゃ、相手の悪い点を直せない」と。
でも実は、そうではないんですよ。
「褒めることで、相手の悪い点を、相手がそれを悪い点だとは気づかないうちに、気持ちよく修正してもらう」という褒めテクニックもあります(笑
私がスタッフさんに悪い点を修正させたい場合、叱らずに褒めて修正する方が、はっきり言って効果あるんですよね。
効果あるどころか、効果抜群ぐらいの勢いで。
ここでバラすとスタッフさんから「私たちを褒めて、それで陰から操ってたのねっ!?」とか言われそうですが(笑
まぁ気持ちよくできてるからいいですよね(笑
悪い点でも、自分が気づかないうちに自然と直っている方が、本人のためにもいいかなと思うんですよ。
そういう配慮もあって、私は「褒めて伸ばす」スタイルでやっていたりします。
まとめ:お金がなければ、褒めて喜んでもらおう!
まぁそんな風に、お金がなければ褒めることで、モチベーション高く、スタッフさんに活動してもらうことができます。
もちろんこれにはある程度の限界はあって、そのスタッフさんが第一線で活躍し始めたら使えなくなるものではありますが。
というのも、第一線に出るようになったら、超一流の人からでないと褒める効果が出なくなるからですね。
ですが、特にプロを目指すような夢を強く持っている人に対しては、絶大な影響力を与えられるんですよ。
そういう人は、お金よりも、やっぱりスキルやマインド的な報酬の方が喜ばれるものですしね。
褒めるのは、ほんとお金に替わる価値を作り出せるんですよね。
それが、小規模チームをずっとやってきた私の実感でもあります。
ということで、今日は「お金がなければ、褒めることで喜んでもらえばいい」というお話でした。
いつか、褒め方のテクニックも書ければと思います(笑
今日はここまで~。