今日は、心理的なお話をしてみましょう。
「なぜ、高い価値を提供する人ほど、『おかげさま』と言うのか」というお話です。
なぜ、高い価値を提供する人ほど「おかげさま」と言うのか
よく「実るほど、頭をたれる稲穂」とか言いますよね。
ビジネス本とか自己啓発本でも、「優れた人になればなるほど、周囲に感謝できるようになる」みたいなことを言っているものです。
「なら、なぜそう感じるようになるの?」というお話です。
だって、高い価値を提供する人って、他の人よりも能力的に優れているわけじゃないですか。
普通の思考では、「その人に能力があるから、高い価値を提供できる」と思いますよね。
でも、高い価値を提供している本人からすると、そうは感じていないわけです。
それはなぜなのか。
最近、ようやくこの答えが実感できるようになったんですよ。
なら、なぜ高い価値を提供する人ほど、「おかげさま」と感じるようになるのか。
もう結論から言いましょう。
この原理はとてもシンプルで、「ないものを得ようとするよりも、既にあるものを最大限有効利用する方が、高い価値を提供できるから」です。
「既にあるもの」を最大限利用する方が、高い価値を提供できる
まあ普通に考えたら分かると思いますが、「これがあったらなぁ」と無い物ねだりをするよりも、「これが使えそう!」とあるものを最大限利用する方が、生産的ですし、願いを実現しやすいですよね。
ないものは使えないんですから、使えるものに意識をフォーカスする方が、可能性は広がるわけです。
で、そんな「自分の周囲にある使えそうなもの」って、突き詰めて言うと、「自分が作ったものではないもの」なんですよ。
まあ、日頃触れているものは、自分が工夫して作ったものもあるかもしれません。
例えばPCでも、自作PCを作ったかもしれません。
でも、新たに「これが利用できる」って気づくことは、「今まで自分の手に触れていなかったもの」ですよね。
「ネットにつなげば、全世界に向けてビジネスができる」とか、「Amazonで電子書籍を売れば、初期費用がほぼ無料で本を出版できる」とか気づくと。
他にも、「このソフトを使えば、無料で電子書籍を作れる」、「このソフトを使えば、楽に表紙画像を作れる」とか、いろいろあるでしょう。
こういう「新たに発見した可能性」ってのは、大抵のものが「他人が作ったもの」ですよね。
その上で、初めて「自分はこれを利用すれば、本を出版できる」と気づくんですから。
すなわち、可能性が広がれば広がるほど、「他の人が作ったものを、より多く利用させてもらう」ということになります。
だから、高い価値を提供する人ほど、「他の人がいるおかげで、自分はこうできるようになった」と感じるようになるわけですね。
自分の能力にフォーカスするのではなくて、「既にある豊かさ」にフォーカスする
そういうこともあって、高い価値を提供するためには、自分の能力にフォーカスするのではなくて、「既にある豊かさ」にフォーカスすることが重要かなと思います。
「会社を1社ほど経営している社長は、能力が高い人が多い。でも会社を10社を所有している富豪は、さほど能力がなくて、だけど感謝ができる人が多い」とか言いますよね。
これはまさに、1社の社長は「自分が優れること(自分の能力)」にフォーカスをしていて、10社の富豪は「自分の周囲にある、価値のあるもの(周囲にある価値)」にフォーカスをしているからだろうと思います。
そもそも私たちは、「自分で作ったもの」というのは、どれほどあるでしょう。
PCやスマホだって他の人が作ったものですし、ネットだってそう、食べ物にしても、私たちの命にしても、自分が作ったわけではないんですよね。
私はクリエイティブな人で、作るのが大好きな人ですが、作れば作るほど、そして可能性を見つければ見つけるほど、「世の中に自分が手がけたことなんて、ちっぽけなものなんだな」と思うようになりました。
昔の私は「自分が作った」と胸を張っていたんですよ。
でも、世の中の広さを知れば知るほど、可能性を知れば知るほど、「自分が作る領域というのは、とても小さなものだな」と感じるようになってきました。
だから、「世の中の可能性を知るほど、自分以外の価値に頼ることができて、高い価値を提供できるようになる」ということです。
ちょっと仮想的に言うと、「無能になるほど、高い価値を提供できるようになる」ということです。
普通は「有能になるほど、高い価値を提供できる」と思いますよね。
それは1社の社長レベルでは当てはまるんですが、それよりさらに上に突き抜けようとした場合、「無能になる」というアプローチが必要になると。
まとめ
「優れた人になろう」という考え方では、高い価値は提供できないとは言いませんが、もっといい方法がありますよ、ということです。
それが、「周囲にある価値に、気づきましょう」ということですね。
で、「既に周囲にある価値」に気づけば気づくほど、「自分がしたことって、ちっぽけなものだな」と実感できるようになります。
だから、自然と「おかげさま」という気持ちが芽生える、というメカニズムになります。
これは、「おかげさま」という気持ちを先に持ってきても、高い価値を提供できるようになります。
「おかげさま」と言うと、自分の周囲にある価値にフォーカスできますよね。
すると、既にあるものに目を向けることができるので、高い価値を提供できるようになる、ということです。
こういうメカニズムがあったんですね。
なので、運をよくしたい場合、「おかげさまで」とか「ありがたいことに」という口癖を作れば、どんどんいいことが見えてくるようになるかと思います。
ということで、今日は「なぜ、高い価値を提供する人ほど、『おかげさま』と言うのか」というお話をしてみました。
今日はここまで~。