今日は、クリエイティブで精神的なお話です。
「嫌なこと徹底的にやらない方が、うまくいく」という発想もあるよ、というお話です。
同人誌で背景は必要?
興味深いツイートがあったので、ご紹介。
こないだ友達に「背景がなくて読む人に過度の想像力を強いる本を出してしまったしにたい」とぼやいたら「ハァ?同人誌なんか萌えるか萌えないかが全てだろ?オメー萌えた本の背景良かった~って後で語り合ったりすんの?」って言われてしねーわ!?って思ったから今後背景くんとは割り切った交際をする
— ヤブ@8/11金曜日*東カ01b (@yablive) June 13, 2017
これ、とても本質を突いていますよね。
(キャラクター系の)同人誌なんて、萌えるか萌えないかが全てなんだと。
なら、背景は重要ではなくなるから、割り切ってばっさりカットでも全然かまわないし、むしろその方が萌えに集中できる、ということです。
「ちゃんとする」ばかりだと、突破口が開けなくなるという問題
私たちは幼い頃から、「ちゃんとやりなさい。しっかりしなさい」って教わりましたよね。
忘れ物をしたら怒られて、宿題をしなかったら立たされて、みたいな。
だから、「ちゃんとしなきゃ、しっかりやらなきゃダメだ」と、強迫観念のように感じてしまうものなんですが。
でも、そういう「ちゃんとする」ばかりを考えていると、突破口が開けなくなるんですよ。
というのも、「ちゃんとする」とは「みんなが評価する軸(他人軸)に合わせる」というものです。
一方で私たちは、「大好きなことでお金を稼いで、生きていきたい」とか、「大好きなことをして、豊かになりたい」という風に、「自分軸を中心にして、豊かに生きたい」という欲求を持っているわけです。
すなわち、これ以上ちゃんとすることが嫌だから「大好きなことで生きていきたい」と思っているのに、さらにちゃんとしてそれを実現しようなんて、できるわけがないんですよ。
なら、「ちゃんとせずにうまくいかせる」という発想が必要になります。
じゃあどうすれば、そういう発想や思考ができるのか。
ということで今日は、そんな「嫌なこと徹底的にやらない方が、うまくいく」という発想について語ってみましょう。
どうすれば、犠牲を最小限に攻略できるか
何かをする場合、本質を見極められるかどうかはとても重要になります。
例えば要塞を攻めるにしても、「ここを落としさえすればいい」という要所(本質)が分かっていれば、他の不要な戦いを回避できますよね。
すると、犠牲も少なく、最大限の効率で要塞を攻め落とすことができます。
すなわち、費用対効果が高く、自分の利益にできるわけです。
もし誰もが同種の性質を持つのであれば、「教科書通りの正攻法」(=ちゃんとすること)が役に立つことでしょう。
そしてその正攻法を一番見事にこなせる人が、最も優れた人だとみなされて、栄誉を得られます。
だから、多くの人がそういう正攻法で競争しているわけなんですが。
でも、私たちは「そういう正攻法では圧倒的に通用しない」という、何らかのハンディキャップを持っています。
背景が苦手だったり、ストーリーが苦手だったり、文章が苦手だったり、絵が下手だったり、お金や時間がなかったり、才能や人脈、実績や名誉がなかったりと、いろいろあるものです。
すると、正攻法にこだわることは、むしろ私たちの足を引っ張ることだと分かります。
「苦手な部分や状況では絶対に戦わない」という発想
なら、私たちは「今の自分」という限られた資源だけで、正攻法を使っている人たち以上の成果を出す必要があります。
すなわち、要所を見極めた上で、どう優位性を保って戦うのか、ということが重要になるわけですね。
これを突き詰めて考えると、自然と「苦手な部分や状況では絶対に戦わない」ということを徹底する必要があると分かります。
例えば要塞を攻める場合、自分に与えられた武器が遠距離武器なら、近距離では絶対に戦ってはいけません。
そんな戦いは、犠牲を作るだけですからね。
逆に近距離武器を持つ場合、遠距離での戦いを徹底的に避ける工夫が必要になります。
そんな風に、戦う時に重要なのは、いかに不利な戦いを避けるか、ということです。
勝利をする人は、戦う前から勝っている状況を作る
孫子が言うように、勝利をする人というのは、戦う前から勝っている状況を作ろうとします。
すなわち、不利な戦いを避けた上で戦いに参戦する、ということです。
一方で、だいたい負ける人っていうのは、戦いを始めてから勝とうとするわけですね。
例えば同人誌の売り上げ勝負で言うと、売り上げは即売会が始まる前から決まっている、ということです。
勝てる人は、即売会が始まる前からクオリティのある作品を作って、固定客を作って、売る準備をしています。
でも、負ける人ほど、即売会で売ろうとしたり、ファンを作ろうとして、「買ってくださいー!」と声を張り上げると。
もっと言うと、その売り上げは、制作前から決まっています。
勝てる人は要所を見極めて、そこに資源を投下します。
一方で、負ける人ほど「頑張って作らなきゃ」、「ちゃんと作らなきゃ」と言うわけです。
負ける人は、「要所を攻める」という発想がないから、集中できないんですよね。
要所を絞り込んでいく発想
そうやって、戦わない場所を決めて、とにかくそこでは戦わないようにします。
そして、要所についても、要所中の要所を考えていき、そこだけで戦うようにします。
ストーリーの要所とは何か、キャラクター造形の要所とは何か、演出の要所とは何かを考えると。
例えば、「この萌え系同人誌を売るには、絵がうまいことと、ストーリーがいいことだ」と要所を絞ったとしましょうか。
なら、「絵がうまい」って、どういうことなんでしょう?
実写のように描いたとしても、たぶん売れないと思うんですよ。
「そういううまさじゃない」って分かりますからね。
ならば、「萌え系の絵のうまさ」の要所は、いったい何なのでしょうか?
ストーリーでも同じです。
「いいストーリーが素晴らしい」とか言いますが、そもそもその「いいストーリー」とは何なんでしょう?
萌え系同人誌と、サスペンス系テレビドラマとでは、「いいストーリー」は全然違いますよね。
なら、「萌え同人誌にとっての、いいストーリー」とは何なんでしょうか?
何を満たせば、どこを攻略しさえすれば、効率的にその「ストーリー」という要塞を落とせるのでしょうか。
要所が分かれば、それ以外は捨てられる
こういう風に、要所を考えていくわけです。
これは、結構ヤマカンのような、「この辺かな?」という予測が重要になるでしょう。
そうやって攻めてみるわけですね。
で、例えばキャラクター系同人誌の要所が、「萌えるか萌えないか」だとしましょうか。
なら、さらに「自分にとって萌える要所」を、絞り込んでいきます。
「こういうシチュエーション」、「キャラクターのこの表情」、「こういう関係」みたいに、要所を絞り込んでみるわけですね。
要所が分かれば、それ以外をばっさり切り捨てられます。
背景なんて切り捨ててもいいし、最低限必要なものは素材とか写真加工にして、後はグラデーションとか明暗でコントラストを取るので十分だと分かります。
コマ割りが重要でないなら、定型4コマでまとめるのもいいでしょう。
壮大なストーリーが必要ないなら、ワンシーンだけ作るのでもいいでしょう。
それでも十分に要所をついていれば、無駄なく最大限に自分の表現したいクオリティを提供することができます。
要所が見えれば、攻略する対象はごくわずかでいいと分かる
そういう風にシンプルに考えると、実は「必要な資源」というのは、とても少なくても実現できると分かります。
すなわち、要所が見えれば、攻略する対象はごくわずかでいいと分かると。
だって、「これさえ実現すればいい」という要素がきわめて限られるので、そこだけクオリティを確保すればいいからですね。
お金がなくても、時間がなくても、才能がなくても、要所だけをピンポイントで精密射撃するわけです。
すると、高い費用対効果が得られることになります。
それを、私たちの人生でも当てはめるわけですね。
「こういう欲求が欲しい」という場合、その要所を見極めて、そこをうまく攻略すると。
だったら、「ジュースが飲みたいから、億万長者になりたい」なんて、とても遠回りなことだと分かります。
それに、そもそも「億万長者になりたい」という欲求を、億万長者になることで解決しなきゃいけない、なんて理由はありませんからね。
クリエイティビティーというのは、それと等価なものを、身近な恵まれたことで実現する、ということです。
まとめ
そういう風に考えると、効果的に願いを実現できて、人生の満足度を飛躍的に高めることができると分かります。
そういう費用対効果が高いものに集中していれば、どんどん楽に、自分の欲求を実現できるようになります。
嫌なことというのは、自分の性質に合わない苦手な部分です。
戦略とは、そういう「苦手な戦い」を徹底的に回避して、自分にとって勝ちやすい状況を作って勝つ、ということです。
そういう発想が持てれば、どんどん割り切って、自分のスタイルを作ることができるでしょう。
すると、嫌なことを取り除きつつも勝てるようになる、ということですね。
ということで、今日は「嫌なこと徹底的にやらない方が、うまくいく」という発想もあるよ、というお話をしてみました。
今日はここまで~。