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さて、今日は昨日の話に続いて、統合失調のお話をしてみましょうか。

今日は、「未来への不安」と「過去の悔恨」を止める方法についてです。

 

「未来への不安」と「過去の悔恨」は全く無意味な副作用

昨日も触れましたが、「未来への不安」って、実は全く役に立たないものですよね。

というのも、未来に対する問題があるなら、それへの対処をすればいいわけです。

重要なのは対策であって、「不安を持ち続けること」には何ら意味がないんですよ。

これは、時間の概念を得た人間特有の、副作用みたいなものですね。

「未来を考える」場合、人間は「豊かになる」よりも「リスクを回避する」ことを優先するので、どうしても「未来への不安」がやってくるようになってしまうわけです。

 

例えば、「今の嫌な仕事を辞めて、もっと自分に合った仕事にしたい」と思ったとしましょう。

ですが、その後に来るのは、「でも、もしその会社がすぐにつぶれたり、実は今よりもひどい環境だったらどうしよう」みたいな不安ですよね。

そうしてありありとそんな未来を妄想して、結果「そんなリスクがあるぐらいなら、今の環境に居続ける方が安全だ」としてしまうわけです。

 

すなわち、人間は「現状維持」を基準に考えるんですよ。

「豊かになる」よりも「リスクを回避する」方を重視すると。

そして、「もし会社がつぶれたり、今よりひどい環境ならどうしよう」っていうのは、妄想でしかありませんよね。

だって、そうでない可能性もあるわけですから。

そういう可能性が5%か10%か30%か90%かに関係なく、あたかも「100%そうである」と仮定して決めているんですよ。

だって、妄想の中で「起こっている」と勘違いしているんですから。

 

こうして、人は「転職をして会社がつぶれて今よりひどい状況になる」か「現状に居続けるか」の二者択一にしてしまうわけです。

本当は、いろんなルートや可能性があるのに。

対処策だって、その途中でたくさんあるはずなのに。

すなわち、「不安を持ち続けること」が妄想を引き起こして、その妄想をリアルに体感することで「100%そうなる」と錯覚しまい、人は現状に居続けてしまうわけです。

 

「これは妄想だ」と気づけば、妄想から抜け出せる

この原理は、過去でも同じです。

例えば親から「お前は価値がない」と明にも暗にも言われたとしましょうか。

でも実際のところは、親の言葉が100%合っていることなどありえずに、本当は価値がある可能性は十分にありえますよね。

なのに、あたかも「私は100%価値がない」と、現実を決めつけているわけです。

だって、その「親の言葉を思い出している瞬間」というのは、妄想の中で「起こっていること」だからですね。

すなわち、「過去の記憶を思い出す」ことが妄想を引き起こして、その妄想をリアルに体感することで「自分には100%価値がない」と錯覚してしまい、その「価値がない現状」に居続けてしまうと。

 

統合失調とは、「妄想をあたかも現実だと錯覚する脳のメカニズム」です。

それらはただの勘違いでしかないんですが、統合失調というメカニズムが、それをあたかも「本当のこと」だと錯覚させているわけです。

こうして、人は「妄想」に支配されて、現状から動けなくなってしまうんですよ。

もしくは、その妄想を否定しようと、過剰な拒絶反応をしてしまうかのどちらかになります。

「価値がない」という妄想を持ち続ける状態で、例えば人から見下されたら、「認めて落ち込む」か「過剰に反撃する」かのどちらかになるわけですね。

妄想がなければ、「他人の戯言」とさっくりと切り離して考えられるのに、統合失調をしてしまうから、そうなってしまうわけです。

 

じゃあ、どうすればそんな妄想から逃れることができるのか。

それが、「妄想だと気づくこと」ですね。

 

こうして「妄想」から抜け出す

これは統合失調のメカニズムを考えてみると分かります。

例えば小説を読んでいるとき、ハラハラドキドキしますよね。

でも、そのときに「○○ちゃーん、晩ご飯できたよー」とかいう親の声がかかったらどうでしょう。

「もう! せっかくいいとこなのに!」と 現実に引き戻されますよね。

小説を読んでいる最中というのは、妄想を繰り広げている状態と同じです。

で、「あ、私は小説を読んでいたんだ」と、「それは現実ではない、ただの文字列を見ていただけなんだ」と気づくと、妄想から解き放たれて、一気に冷めますよね。

 

他の例で説明しましょうか。

私は小さい頃からジェットコースターが大の苦手なんですよ。

で、私が小学生の頃、ディズニーランドか何かの万博かは忘れたんですが、3Dビジョンで座席が連動して動くような、そんなアトラクションを体験したんですよ。

スクリーンにはまさにジェットコースターのような光景が3Dで映し出されて、座席が傾くので、ド迫力なわけです。

ジェットコースターが苦手な私は、それだけで「うぎゃー! やめてぇー!」と怖くてたまらなかったわけです(笑

 

で、怖くて怖くてたまらなくて、ふいにスクリーンから目をそらせて、観客席を見たんですよ。

すると、多くの観客がスクリーンを見ながら絶叫しているんですが、驚いたことに、座席って多くとも20度ぐらいしか傾いていないんですよ。

たった20度ぐらいしか傾いていないのに、視覚効果で垂直落下をしているような恐怖を味わっていたわけです。

この原理を見た瞬間、恐怖が吹っ飛んだんですよ。

「あ、目の前の恐怖は、ただの妄想だったんだ」って。

 

そりゃそうですよね。

映画を見ているまさにそのときに、脚本家が横に座って「この作品は、私が書いたんだよ。夕方、近所の喫茶店で、たらこスパゲティを食べながら書いたんだよ。はっはっは」とか言われれば、感情移入できなくなって当然でしょ。

 

「統合失調スイッチ」をオフにせよ!

こんな風に、「あ、これはこういう仕掛けで動く、ただの妄想だったんだ」って気づくことで、どんな未来への不安も、どんな過去への悔恨も、一瞬で消し去ることができて、冷静になれるんですよ。

これが、「統合失調のスイッチ」をオフにする、ということです。

妄想を一切なくせば、「今」しかありませんよね。

すなわち、「妄想をリアルに体験する回路」を切り捨てることで、「今」を冷静に考えることができるようになるわけです。

 

なら、簡単なことです。

未来を考える場合、統合失調スイッチをオフにして考えればいいんですよ。

統合失調スイッチをオフにしていれば、妄想が出てきても、「あー、映像が出てきた出てきた、メカニズム通りやな」と、アトラクションの座席を冷静に眺められます。

すると、スクリーンに映し出されている「恐怖の未来」や「過去の悔恨」は、「映像だなぁ」と自分と切り離して考えることができます。

こうすることで、恐怖を切り離した上で、未来への判断を冷静にできるわけです。

 

すると、「あのスクリーンになる可能性はどれぐらいあるだろう?」と考えたり、別の回り道や妥協ポイントを探すことだってできるでしょう。

なら、「お金は『最もやりたくないこと』から使いなさい」でも書いたように、「最もやりたくないこと」から冷静にお金を分配して、自由を確保することだってできるわけです。

 

「転職したい」と思ったら、脳内で「次の会社がすぐにつぶれたり、今よりひどい環境ならどうしよう」という映像が出てくるでしょう。

そのときに、統合失調スイッチをオフにしていれば、「それはワーストケースだよね」と理解できます。

すると、「少なくとも10年ぐらい会社が持てばいい。それまでに次のキャリアに移るようにしよう」とか、「あと5年いられればいい。それまでに成果を出して、独立する。ダメならまた転職すればええわ」とか、いろんなルートを考えられるわけです。

 

過去の悔恨が襲ってきても同じです。

「あんたに生きている価値なんてない」と言われたのを思い出したら、そこで統合失調スイッチをオフにするわけです。

すると、「ああ、統合失調メカニズムでスクリーンに映像が出てるだけだな」と、座席を見ることができます。

そうして、自分と他者の言葉を切り離して考えることができるようになるんですよ。

すなわち、「妄想を現実のように考える回路」を、一時的に切り離すと。

 

「統合失調スイッチ」を常に持つと、今を生きられるようになる

重要なのは、スクリーンに熱中しないことです(笑

統合失調スイッチを持っていることすら忘れちゃったら、どうしようもありませんからね(笑

条件反射的に、座席を見るようにすると。

そういう選択肢を最初に持つことですね。

 

これの欠点は、映画を見ても、漫画を見ても、あまり感情移入できなくなることです。

私は少し前からこれを無意識にやっていたんですが、見てる最中でも、どうしても「座席」が見えてしまうわけです(笑

そういう選択肢を常に持つということは、今までのように物語にどっぷり浸かることができなくなると。

 

これはある意味「人生の面白さを失う」ことでもありますが、私はそれはそれで幸せだと思うんですよ。

というのも、幸せというのは、今を精一杯生きることだからですね。

他の主人公に感情移入するぐらいなら、自分が「自分の人生」という物語の主人公になればいいわけです。

それに、自分の人生の主人公になっていれば、「違う境遇」の物語には感情移入しにくくなりますが、「同じ境遇」の主人公には、どっぷりと世界観に浸かり、感動することができます。

 

だから、統合失調スイッチを持つというのは、感情移入はあまりできなくなりますが、人生の満足度は上がるかと思います。

同時に、「お金は、最もやりたくない~」みたいなノウハウと組み合わせることで、「今を満たしつつ、未来をも考えていることになる」という、理想的な思考回路を実現できるようになるでしょう。

 

 

まとめ

そういう風に、統合失調スイッチを持つことで、妄想が起こっても、強制的に「今」に引き戻すことができます。

そうすることで、冷静な判断ができるようになるでしょう。

私はこれを、最近は知らずに実践していたんですが、これはかなり強力な手法で、冷静に考えられるようになっていました。

 

統合失調スイッチをオフにしても、無謀なことはしません。

というよりも、妄想をしている方が、そのイメージに操られて、無謀なことをしているようにも思えます。

その顕著な例が、現状維持と、妄想を否定するために、極端な逆方向に走ることですね。

例えば親から「価値がない」と言われたら、妄想を持ち続けると、「価値がないんだ」と認めて生きるか、逆に「価値を証明してやる」と躍起になって否定しようとするかのどちらかになると。

これはどちらも不自然で、苦しい生き方ですよね。

統合失調スイッチをオフにすれば、「私は私の生き方をするよ。親の意見は親の意見だね」と切り離して考えることができるようになります。

 

そのための、統合失調スイッチだということです。

結構便利でしょ、これ。

重度な統合失調についてはこれでは難しいかもしれませんが、軽度なものなら効果があるかと思います。

というか、私には実際に効果がありました。

そして、こういう選択肢を常に持つことで、妄想から解放されて、現状維持から抜け出せるんじゃないかと思います。

 

ということで、今日は「未来への不安」と「過去の悔恨」を止める方法についてお話ししてみました。

今日はここまで~。

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