お休み期間中ですが、今のうちに話しておきたいことがあるので、今日は人間心理のお話です。

制作がうまくいかない時は、「制作から一度完全に離れると、アイデアが浮かぶ」という、ひらめきのメカニズムについてお話ししてみましょう。

 

行き詰まりをどう打開するか

制作で行き詰まることって、ありますよね。

まぁ制作だけでなく、スキルアップだとか、未来への打開策、生き方でも同じで、行き詰まりを持つことって、あるかと思います。

 

そういう場合、条件を整えた上で「制作から一度完全に離れると、アイデアが浮かぶ」という方法論もいいように思います。

すると新たなアイデアや打開策が得やすくなるかもしれません。

 

なので今日は、そういう「ひらめきのメカニズム」を説明してみましょう。

 

ネガティブ療法の応用で、ひらめきを得られる

結論から言うと、これはネガティブ療法の応用です。

行き詰まりを感じた場合、以下の条件を整えて、ネガティブになるといいでしょう。

  • 抑圧源から完全に離れる
  • 新たな風景や感覚に触れる
  • 一人になる
  • ネガティブになる(静かにしている)

 

すると、自分の価値観が出てきて、「自分の中にある何を使えばいいのか」が分かって、それがひらめきを生むと分かります。

 

ネガティブになることで、深層意識に入れる

ネガティブ療法では、次図のような深層意識構造を提案しています。

 

簡単に言うと、「深層意識側に入れると、自分の価値観や抑圧に気づける」ということです。

自分の価値観に気づくことで、より「やりたいこと、やりたくなかったこと」に気づけます。

また、抑圧を解放できれば、「無理に得る必要がなくなった社会的評価」を手放せます。

 

そしてネガティブになることで、そういう深層意識側に入れる、ということですね。

ちなみに「行き詰まりを感じている」という時点で、すでに第2層に入って活動量が低下している状態かと思います。

だから、そこからさらにネガティブになれば、すぐに第3層から下に入れるでしょう。

 

ひらめきが得られる流れ

例えば昨日の記事でも触れましたが、私はここ最近、「批判や中傷を得る」という行き詰まりを持っていました。

その場合、以下のようにすることで、深層意識から打開策がぽーんと出てきた流れになります。

 

  • 抑圧源から完全に離れる → 「1週間ブログを休む」としたこと
  • 新たな風景や感覚に触れる → 「ブログを休んで、珍しく手持ち無沙汰な日常」に触れたこと
  • 一人になる → 一人で昼食を食べる状態
  • ネガティブになる(静かにしている) → スマホやテレビなどは見ずに、静かに昼食を食べている状態

 

すると、ふいに「英語圏に逃げる」と、アイデアが出てきたわけです。

 

ひょっとすると、その直前には、「英語」というキーワードが出てきたのかもしれません。

ただしその辺は、私の表層意識では認識不能な領域でした。

もうその辺は、私たちの意識では関知できないぐらいの、瞬間的か、もしくは瞑想的な「ぼーっとして、意識が混濁している状態」になるのかもしれません。

 

アイデアの連鎖は、表層意識で起こる

そしてその後は、出てきたキーワードを元に、表層意識で「そうか、こうすればいいんだ!」と、いくつものアイデアが連鎖してつながっていく流れになります。

いわゆる、「ひらめき」で起きる、アイデアの連鎖ですね。

ここでようやく、私たちはアイデアのよさを理解できて、ぐっと興奮してくることになります。

 

で、例えば私の場合、「英語圏に逃げればいい」とひらめいたわけです。

すると、「自分は英語が好きだし、理解できる」、「そこまで私の文章が好きで、工夫ができるファンなら、対応できる」、「好きなことを無料で提供できる」、「これも満たせる」、「あれも満たせる」みたいに連鎖が広がってゆきます。

そうして、興奮してくるわけですね。

 

「パズルのピースが一気につながる瞬間」のメカニズム

私たちも、こういう「数多くのパズルのピースが一気につながる瞬間」というのを実感したことがあるかと思います。

それって表現するならば、雷に撃たれたような、そんな背筋がしびれるような連鎖が生まれるものです。

 

だけどその「多くのピースがつながる連鎖の瞬間」は、表層意識で起きているだけです。

言うなれば、これはもう「ひらめきの後のおまけ」でしかなく、成り行きに任せていればいいだけの次元です。

大切なのは、その連鎖が起きる前の、「深層意識から、中核となるアイデアが出てくる」という部分です。

 

深層意識を開く条件

そのために、ネガティブ療法で使っている、深層意識を開く条件を整えます。

 

1つめは、抑圧源から完全に離れることです。

私の場合、抑圧源が「ブログの更新」だったので、ブログ更新を休止することで、抑圧源から離れられたことになります。

だから、もし制作で行き詰まってアイデアが欲しい場合、抑圧源である「制作そのもの」から離れる必要があります。

 

2つめが、新たな風景や感覚に触れることですね。

これはいまだに必須かどうかは分からなくて、1つめの「抑圧源から離れること」に含めてもいいようにも思います。

抑圧源から離れる時点で、「日常でも、新たな感覚になる」と言えますからね。

 

ただ、新たな風景や感覚を味わうことで、深層意識が開きやすくなるのは確かなように感じます。

私の場合、「ブログを休んで、手持ち無沙汰になったな」という状態で昼食を取っていて、いつもと違う開放的な感覚を味わってました。

 

3つめが、一人になると。

これは「誰かとコミュニケーションをしていない」、「周囲から特に注目されていない」という意味で、社会性を手放せて、一人自分の内面に向き合えている状態です。

 

4つめが、ネガティブになることです。

これは、ポジティブに活動をしない、ということですね。

スマホやテレビを見ずに、静かに自分の内面に身をゆだねている状態です。

ある意味、瞑想状態だと言えるかもしれません。

 

すると、ぽーんとアイデアが流れ出てくる、という流れです。

 

いろんな「ひらめきが出てきた状況」の例

ほら、例えば「制作で行き詰まって、もうやけくそになって旅行に出たら、その行きの電車の中でアイデアがひらめいた」とかあるんじゃないかと思います。

私の場合、過去には「制作で行き詰まっている時に、友人に誘われて遊びに出て、車の助手席で静かに流れる風景を見ていると、アイデアが止まらなくなった」ということもありました。

 

これらは、まさに上記の条件を満たしていると分かります。

旅行で言うと、やけくそになって旅行をすることで、「制作」という抑圧源から離れられます。

 

そして電車の中で、車窓から今まで触れなかったような景色を見ることで、新鮮な環境と空気を味わいます。

電車はいろんな人がいますが、「注目はされていない。誰も自分を知らない」という状態なので、一人きりの状態になれます。

そういう中で、一人ぼーっとしていることで、深層意識が開いた、ということですね。

 

友人に遊びに誘われた場合でも、無理矢理「車であの観光地に行ってみようぜ」と誘われて、制作という抑圧源から引きはがされます。

で、私は友人の車の助手席で、友人好みの新しいBGMに触れつつ、新しい風景を味わいます。

そして気心知れた仲なので、さして会話もしない時間もあって、ぼーっと風景を眺めていると、ふいにアイデアが止まらなくなった、という流れです。

 

「アイデアや打開策を得るために休む」としないこと

これで注意が必要なのは、「アイデアや打開策を得るために休む」としないことだろうと思います。

というのも、そうしてしまうと、それが制作の一環で、ポジティブな行動になってしまうからですね。

必要なのは、ネガティブになることです。

 

だから、もしアイデアが欲しい場合、「明らかに過剰な休み」を取るといいでしょう。

それはきっと、「その期間休むのは、きっついな!」と感じるぐらいのものになるでしょう。

 

例えば私の場合でも、「1週間ブログ更新を休むのは、きっついな!」と、明らかに痛みを感じるほどの決断が必要でした。

まぁこれは当然で、「痛くない休暇」というのは、「抑圧源から離れられていない、抑圧環境の内部」ですからね。

それは制作の一環でしかないので、アイデアは出にくくなります。

 

「制作が一部崩壊していい」という覚悟

だから「制作が一部崩壊する」という次元まで離れることで、抑圧源から離れられて、アイデアやひらめきが出やすくなります。

言い換えると、その「制作の一部が崩壊してもいい」と受け入れられた時、新たなアイデアが出てくる、ということです。

 

これは自然な立ち位置から考えても、当然だと分かります。

今までのこだわりを手放すんですから、その分すっきりして、「壊れる部分があるのはしょうがない。ならどうしよう」と真っ白な状態から再計画できます。

そうすることで、深層意識が開いて、より深い領域から判断できるわけです。

 

ひらめきを得ようとすると、ひらめきは得られなくなる

ついでに言うと、「いいひらめきを得るぞー!」とすると、逆にアイデアは出なくなります。

なんだか禅問答みたいですが(笑

 

というのも、それは抑圧源の内側での欲求で、ポジティブなことだからですね。

例えば「自分探しの旅」で自分が見つからないのは、それがポジティブな行動だからです。

 

むしろ、「哀しさを味わう」とすると、結果としてネガティブになれて、深層意識に入れるように思います。

だから普段からネガティブがちな人ほど、ひらめきとかアイデアは得やすいように思います。

 

あまり活動的にならないこと

後は、休みを取っても、あまり活動的にならないことですね。

多くの人が、休暇を取ってはしゃいで遊ぶから、憂さ晴らしの次元になってしまって、アイデアが生まれないわけです。

必要なのは、静かにネガティブになることです。

動くにしても、ウォーキングみたいな軽い運動で、心地よく瞑想状態に入れる程度がいいでしょう。

 

なので例えば移動でも、慣れない車を自分で運転したり、友人知人と思いっきりコミュニケーションをしたりすると、深層意識は開かなくなります。

むしろ一人で行動する方がいいし、電車とか、飛行機とか、バスとか、そういう静かな移動手段がいいでしょう。

あまり表層意識を使わなくてすんで、そして疲れにくい時間と手段がいいでしょう。

 

自転車や歩きでも、ぼーっと瞑想状態に入れれば問題ありません。

ただ、疲れるほど自転車をこいだり、歩いたりすると、深層意識には入れなくなるので注意しましょう。

 

その上で、もし可能であれば、今まで聴いたことのないような音楽とか、BGMを流すと、より新鮮さが出て効果的かもしれません。

 

まとめ

こういう深層意識のメカニズムを理解できると、アイデアやひらめきをうまく出せそうに思います。

裏を返すと、なぜ今までアイデアが出なかったのか、その理由が分かるかなと。

 

ちなみにネガティブ療法では、「第4層の抑圧領域に入るのは、条件が必要」と言っていましたが、「第3層の自分の価値観」レベルでも、上記の条件が必要かもしれません。

↑ この図で言うと、第3層より下に入るのに、条件を満たす必要があるかもしれない、ということですね。

 

まだその辺の条件や領域の細かい部分は、明快にできていない状態です。

 

ですが、このネガティブ療法の心理メカニズムを理解できると、多くの心理現象を解明できそうに思います。

ネガティブ療法は、そういう心理メカニズムの基礎理論にできるかもしれません。

 

ということで今日は、制作がうまくいかない時は、「制作から一度完全に離れると、アイデアが浮かぶ」という、ひらめきのメカニズムについてお話ししてみました。

明日とあさっては、今度は素直に更新のお休みをいただきます。

わーい、久しぶりのお休みだーっ!

 

ってことで、今日はここまで~。

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