今日も、ビジネスにつながる精神的なお話をしてみましょう。
「大きくするだけが価値じゃない」、というお話です。
苦手なことは、しなくていい?
「大好きなことでお金を稼ぎたい」とか、「大好きなことでプロになりたい」とか、ありますよね。
でも、多くの場合で、「でも、これが苦手でうまくできない」って要素があるんじゃないかと思います。
漫画家になりたい場合でも、「絵は好きなのに、ちゃんとしたストーリーが作れない」とか、「物語の流れがうまく作れない」みたいな。
絵が好きな場合でも、「女の子キャラは好きなのに、男性キャラは超苦手」とか、「人物は好きなのに、背景は大の苦手」とか。
そういう場合、どう考えればいいのか、というお話です。
とある漫画家さんが、いいツイートをしていたのでご紹介。
昔全くネームが進まなくて、ほんとに困り果てて担当さんに言ったら『段取りが描きたくないんでしょ?全部いらない』と言われ、『でもここ描かないと読者さんにわからないんじゃ…』『いらない、描きたくないものは描かなくていい』と言われびっくりした。今でも悩んだら思い出す宝物の言葉です。
— 種村有菜 (@arinacchi) August 26, 2016
まさにこれが、クリエイティブな発想だと思うんですよ。
「やりたくないものは、やらない」、これですね。
「嫌なことをやる」のではなくて、「どうやったらやりたいことだけで、ひとまとまりの作品を仕上げられるか」という発想への切り替えですね。
大きくても、小さくても売れる時代
私たちが持っている価値観には、結構いろんな尺度があります。
「こうでなきゃ売れない」と思っていたとしても、実は正反対の形でも売れることが多いんですよ。
例えば「大きくなきゃ売れない」ってことの反対に、「小さくても売れる」という発想があるわけです。
車で言うと、アメリカでは「アメ車」と通称されるほどの、アホほど大きい車が大人気でした。
でも日本では、できるだけ小さくて、だけど機能性を盛り込んだコンパクトカーが売れるわけです。
エンジンだって、「パワーがあって、排気量が大きい方がいい」という価値観と、「パワーは少なくていいから、燃費がいい方がいい」という価値観だってあるものです。
別の例で言うと、人形やフィギュアでも、「大きな人形がいい!」という価値観と、「小さく精巧な人形がいい」っていう価値観がありますよね。
「これでなきゃ売れない」という発想は、もはや時代遅れ
それと同じで、これだけ価値観が多様化した時代で、「これでなきゃ売れない」と売れるテンプレートに合わせようとするのは、もはや時代遅れのように感じます。
これは最近よく言っていますが、インターネットが登場する前ぐらいまでは、漫画でも長編漫画が比較的売れていたかもしれません。
ですが、今のように価値観が多様化した時代では、4コマだろうがコミックエッセイだろうが2コマだろうが1コマ日記だろうが、何でも一定数のお客がいます。
そして、SNSによって、作者はその客層につながることができるようになりました。
なら、自分にとっての得意となる土俵で戦う方が、有利になると分かるでしょう。
好きなことだけをして、独自の作品形態や世界観を作る
これはある意味、「好きなことだけを組み合わせて、独自の作品形態や世界観を作る」とも言えるでしょう。
例えば、次のような「前後の段取りがない、漫画のワンシーン」みたいなものでも十分に通用するものです。
描く予定の無い漫画の1シーン。 pic.twitter.com/1M3N7nbtt3
— てわるさ (@tewarusaer) October 12, 2016
これだけでも、バトル開始前の緊張感が伝わってきて、「なんか面白い!」って感じますよね。
登場人物の出生とか、事情とか、敵との因果関係とか、そんなのなくてもいいんですよ。
で、もしバトルを描くのが好きなら、純粋にバトルだけを描くのでもいいわけです。
読み手は勝手に脳内補完したり、関係を予想したりして楽しんでくれます。
ピンポイントのシチュエーションだけでもいい
他にも、次のような漫画だって、「こういうシチュエーションが好き!」っていうワンポイントでしかありません。(思いっきりレズ系の漫画ですが)
ビアンバーでキレイなお姉さんとであった けど pic.twitter.com/GWsMYTOucq
— たまむし☆4コマ単行本発売中 (@tama_64) July 18, 2016
でも、「こういうギャップ、なんかいいかも」って感じますよね。
この作者さんは、だいたいこういうワンポイントのネタをメインに作品を作っているので、そういうスタイルもアリなわけで。
他にも、例えばYouTubeで「最終回の泣ける演出特集」みたいな動画があったら、見てみたくなるでしょ(笑
あれだって、段取りとか因果関係とかをぶっ飛ばして、「こういう状況でこういう音楽を流されたら、そりゃ泣くわ」みたいな演出を楽しんでいるわけです。
見たことがない作品だったとしても、ちゃんと泣けるんですよ。
まとめ
そんな風に、「これが苦手だけど、それをしないといけない」という場合でも、今ではそれをしない道も十分にある、ということです。
変な段取りなんかいらなくて、そこはぶっ飛ばしてもいいんですよ。
周囲が「大きいものじゃなきゃ売れないよ」、「大きくしないとダメだよ」と言うかもしれません。
でも、自分は小さなのが好きだと。
そこで、よくよく考えてみると、「小さくても、精巧なものにすれば売れる」と見えてきます。
そういう反対の価値観も、常にあるわけです。
すると、自分が最も力を発揮できる場所が見えてくるかと思います。
今の時代、無理に「これができるようにならなきゃ」と努力をする必要はありませんし、足りない能力を無理に補完する必要もありません。
それよりも、どうやって自分の能力を圧倒的なクオリティに仕上げるかが大切なわけですね。
「自分の能力を圧倒的にする」という場合、「できないものをできるようにする」なんて方法論は非効率的です。
好きなことや得意なことをうまく組み合わせて圧倒的にする方が、はるかに効率的です。
「嫌なことをやる」ではなくて、「どうやったらやりたいことだけで、ひとまとまりの作品を仕上げられるか」という発想への切り替えが大切だと。
そう考えると、短期間で成果を出せるんじゃないかと思います。
ということで、今日は「大きくするだけが価値じゃない」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。