今日は、ちょっと社会的なお話をしてみましょうか。

「働くのが大好き」というタイプの人って、一定の割合でいますよね、というお話です。

 

ほとんどのアリは、働いていない

ちょっとした記事があったので、ご紹介。

ほとんどの働きアリは働いてないことが判明(Gizmodo)

 

「よくもまあ、アリの個体をそれだけトレーシング(追跡)できたものだな」、と思ったりもしますが(笑

簡単に内容をまとめると、あるアリ集団を観察して、働くアリとそうでないアリの比率をまとめたものです。

  • 3%が、常に働くアリ
  • 72%が、少しだけ働くアリ
  • 25%が、一度たりとも働かなかったアリ

こういう結果が出たらしいです。

 

比率の違いこそあれ、アリも人間も同じですよね。

人間だって、「働くのが大好き」みたいな人が一定の割合でいて、逆に「だらけていたい」という人も一定の割合でいるものです。

 

生命は、「種の発展と繁栄」のために生きる

生命は、「種の発展と繁栄」のために生きます

「働くために生きる」ではありません

まあ、言うなれば「働く」の定義が、「種の発展と繁栄」である、ということですね。

 

だから、例えば子供を産んで、育てるのも「種の発展と繁栄」になります。

で、「エサの確保」だけでなく、「個体数(社会)の維持」というのも、「種の発展と繁栄」に含まれるんですよ。

 

私は人間には、次のような、3つの大まかな役割があるように思います。

  • 社会を維持する役割
  • 社会で積極的に働く役割
  • 境地を切り開く役割

そして、人はこの中のどれかに当てはまっているように思います。

この3つのタイプについて、これから説明してみましょう。

 

人間が持つ「3つの役割タイプ」

一番最初の「社会を維持する役割」の人というのは、いわゆる「だらだらするのが幸せ」というタイプの人ですね。

こういうタイプの人は、「現状維持」が最も幸せになります。

目標も持たずに、「自分軸」も持ちません。

働くのが大嫌いで、常にダラダラしていたい、という人たちです。

私の感覚では、世の中の70%ぐらいの人が、このタイプかと思います。

 

一般的な価値観から見ると、何にも役に立たない人たちのように見えますが、実はこういう人たちにも重要な役割があるんですよ。

それが、「社会を維持する」ということですね。

子どもを作り、育てて、種を維持してゆくと。

「生命が広がる」というのは、「個体数を維持すること」と「個体数を増やすこと」の二つにあります。

で、こういうタイプの人たちが、「個体数を維持する」という役割を持っているわけですね。

 

そして、二番目の「社会で積極的に働く役割」の人は、楽しんで働くタイプです。

仕事が大好きで、楽しくて、どんどん活躍するタイプです。

ただ、「自分軸」を持っているわけではありません。

だから、サラリーマン的に、与えられた仕事をどんどんこなしてゆくタイプの人になります。

起業したとしても、それは「既存の業界をひっくり返すため」というスタンスです。

 

いわば、「積極的に競争を仕掛けて、勝つことが快感」という人たちですね。

スポーツ選手とか、サラリーマンから社長になる人とかがこのタイプです。

将棋の羽生選手とか、野球のイチローとか、起業家でもヴァージン・グループのリチャード・ブランソンみたいな人がこのタイプです。

私の感覚では、このタイプが全体の10~20%ぐらいいるような気がします。

 

最後の「境地を切り開く役割」の人は、社会から出て、新しいことをし始めるタイプです。

このタイプは自分軸を持っているので、いわゆる「我が道を行く」という人たちです。

今まで誰もやったことがないようなことをして、誰も切り開いていない場所を切り開くことが大好き、というタイプですね。

 

こういう人たちは、「作ったもの」には興味がありません。

「自分がこれから何をするのか」に興味があるんですよ。

だから、自分の目標設定が大切で、どういう自分の軸を持つか、すなわち「何を新たに生み出せるか」が重要な価値観になります。

これは、研究家や発明家、アーティストに多いタイプですね。

ビル・ゲイツだとか、ウォーレン・バフェット、エジソン、アインシュタインみたいな人たちです。

この人たちも、全体の10~20%ぐらいいるように思います。

 

役割分担をする方が、種が発展できる

これは、人間という種を維持して発展するためには、こういうバランスがいいんじゃないかと思っています。

人間がサルから分化した後の数百万年前では、人口は世界で100万人もいない状態でした。

これは、山手線の内側に、人間が数百人ぐらいしかいないような状況なんですよ。

そこでは今とは違って、人間を襲うような肉食獣もいますし、危険な場所です。

そんな環境で、みんながてんでバラバラに動いていたら、すぐに絶滅してしまうでしょう。

 

すると、人間は自分たちの種を守るために、ある程度の集団を作って、子供を作り、天敵から身を守るわけです。

そして、力のある個体がエサをとってくると。

そういう風に、種として役割分担をすることで、人間という種が維持できて、さらには発展してきたわけですね。

 

だから、「みんなが同じように動く」というのは、リスクが高いんですよ。

「みんなが社会の中にいる」というのは、外部のエサが取れないのでダメですよね。

「みんながエサをとる」というのも、子育てとか個体数維持ができなくなるのでダメなわけで。

「新たな境地を探す」のをなくすと、もし今の場所でエサが取れなくなったら、すぐに絶滅してしまうわけで。

 

だから、人間でも、社会の中で個体数を維持するための役割の人(だらだらするだけの人)もいたり、社会の中で積極的に働く人がいたり、新たな境地に出て行くタイプの人がいたりするわけですね。

「6割ぐらいが社会の中で個体数を維持して、2割ぐらいが積極的にエサをとってきて、2割ぐらいが新たによさげな住環境を探しに出る」

人間は今まではこれぐらいの比率で役割分担をしていて、種としてうまくいっていたのでしょう。

 

時と状況で、働くタイプの比率が変わる

ただし、この比率は時と状況で変わるでしょう。

アリでも、その社会がいる周囲でエサが取れなくなるような大きな環境変動があった場合、全然動かないアリは働き出すことでしょう。

そして、エサを探したり、境地を見つけることで、個体数を維持しようとすると。

 

じゃあ人間はなぜ、今のように、のべつまくなしに「働け、働け」と言うようになったのか。

実は今は、人間という種にとっては、「エサが取れなくなったという、大きな環境変動」に取り込まれてしまって、混乱している時期だと言えます。

これは5年10年というスパンではなく、1万年ぐらいのスケールでの話になります。

 

実は、1万年前にその「エサが取れなくなる」という大きな環境変動があったんですよね。

そこで、人間は狩猟採集を捨てて、農耕を始めることになります。

この農耕という文化で生命を維持しようとしたんですが、これではみんなが食べられるほどのエサが、十分に作れなかったんですよ。

 

だから、「とにかく農耕をしろ!」という、「働かざる者、食うべからず」という文化が生まれたわけです。

すなわち、「働かないタイプ」の人間にも、働くように強制し始めたと。

それによって、人々はちょっと無理をしながら生きている状態だということですね。

 

でも、産業革命と情報革命で、ようやく農耕をしつつ、日本などの先進国、豊かな地域では少しずつエサの確保ができるようになりました。

もう少し技術が発展して豊かになってゆけば、豊かな先進国から次第に「働け、働け」と強制する文化は、下火になってゆくことでしょう。

今はそういう過渡期だということですね。

 

ただ、やっぱり世界中で見ると、まだまだ貧困(食料を十分に確保できない環境)は多いものです。

そういう地域では、「働け、働け」という緊急事態は、もう少し続くんじゃないかなと思います。

 

まとめ

そんな風に、役割の違いがあるわけですね。

そう考えると、「あの人は社会維持タイプだな」、「あの人は積極的に働くタイプだな」、「あの人は境地開拓タイプだな」と分かって、人の行動が理解できるようになるでしょう。

 

ちなみに私は、境地開拓タイプです。

社会の中はあんまり好まずに、競争は好きではなくて、人が少ない場所で、新たな道を造りたい、という性格ですね。

新しい豊かさを見つけ出す、そういう研究開発みたいな役割になります。

「作ったもの」には興味がなくて、「これから何を作るのか」ばかりを考えると(笑

 

そんな風に、自分のタイプに合った生き方をすると、幸せを感じられるものです。

逆を言うと、苦しみを生むのは、自分とは違うタイプのことをしようとするからかなと思います。

なので、自分のタイプを知って、自分にとって幸せを感じられる場所に身を移すのがいいんじゃないかと思います。

 

ということで、今日は「働くのが大好き」というタイプの人って、一定の割合でいますよね、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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