今日は久しぶりに、親子関係についてお話ししてみましょうか。
「子は親と言い争っても、100%勝てない理由」ということで、お話ししてみましょう。
「反論すると寝込む母親」という問題
興味深いツイート(というか新聞記事の写真)を見つけたので、ご紹介。(内容は読まなくても大丈夫です)
私もこれ思わず写真撮ってしまいました。今朝の毎日新聞。「あなたはお母さんのことが嫌いなはずです。」がマジでグッとくるよ pic.twitter.com/vi83i7Di70
— campus35 (@campus35) July 4, 2017
内容を簡単に説明すると、相談者は19歳女性の方なんですが、母親について悩んでいます。
その人の母親は、その相談者さんが口答えすると、怒るのではなく寝込むわけです。
些細なことでもそんな風に寝込まれるので、そういう母親に苦しんで、「どうしたらいいのか」と相談している訳なんですが。
で、回答も素晴らしいんですが、「家を出るのがいいですよ。母親を嫌いになってもいいんです」と促していると。
「親子関係で苦しんでいる人」の象徴のような事例
この相談者さんの状態は、親子関係で苦しんでいる人の象徴のように思います。
親からの我慢の限度を超えた要求に対して、「嫌だ」と言っても、うまく説き伏せられないわけです。
そして親のいいなりになるしかなくて、苦しんでしまうと。
で、こういう場合、私も「家を出るのが最善の策だな」と思います。
すなわち、子は親を説得することはできないわけです。
じゃあなぜ、子は親と言い争っても絶対に勝てずに、親の考え方を変えることができないのか。
今日はその原理を説明してみましょう。
親が「被害者になる」という切り札を持つ以上、子は勝てない
この原理はシンプルで、親は自分が「被害者」になることができるからですね。
この「被害者になる」という最後の切り札があるからこそ、子は絶対に勝てないことになります。
というのも、親と子で決定的に違うこととして、子は「後からその環境(家)に入ってきた、余計な侵入者である」という事実があります。
で、親は「私は元々幸せだった。なのにこの子がこの環境に入ってきてから、私は不幸になった」と、「侵入者によって幸せを奪われた被害者」になることができるわけです。
もしくは、「子が自分の望むような性質であれば、私はもっと幸せだったのに」と言います。
すると、子は自分が「加害者」にされてしまい、苦しむことになります。
人は、加害者になることで苦しむ
実は、人は被害者になることは苦しくなくて、加害者になることで苦しみます。
もちろん、何らかの事故や被害でトラウマを抱えることがありますが、それは「大切なものを失ったショックで苦しむ」のであって、「被害者になったこと」そのもので苦しむのではありません。
むしろ、被害者であることは、社会では有利な立場にあるとも言えます。
すると、親は被害者になることで、子よりも強い立場を得て、子をコントロールできると分かります。
すなわち、子をコントロールするために、怒ったり、落胆したり、罵倒したり、上記の例のように「寝込む」ことをすると。
怒ったり落胆したり罵倒したり寝込むことで、親は「私は子によって傷つけられた、被害者だ。子は加害者だ」と、有利な立場を作るわけです。
こうして子は、「自分の存在意義」を疑うようになる
すると、子は「私がいることで、他の人が苦しんでいる」と感じて、自分の存在意義を疑うようになってしまいます。
人は本来、人を傷つけたくはないものなんですよ。
それが家族であれば、なおさらです。
そして人を傷つけたくはないがために、精一杯自分を変えようとするものです。
でも、変えるには限界があるので、上記の相談者のように臨界点まで苦しむことになります。
本来の愛情ある親なら、子の性質を認めた上で、その子なりの生き方をさせてあげるものです。
失敗もさせることで、人は学び、育っていくんですからね。
でも劣等感の強い親は、子を自分のコントロール下に置くことで、自分の欲求を満たそうとします。
すなわち、子の幸せなど一切考えていなくて、「自分の欲求を満たすために子を使っている」と言えます。
「お前が勝手に産んだんだろう!」という反論は、通用しない
親は、「あんたなんか産むんじゃなかった」、「こんな子だと分かっていれば、育てるんじゃなかった」と言えるので、一方的に子を加害者にすることができます。
一方で子は、売り言葉に買い言葉でよく「お前が勝手に産んだんだろう!」と「親こそが真の加害者だ」と反論するんですが、この論理は通用しません。
というのも、これは相手に「自己責任」を問うものです。
相手に自己責任を負わせる以上、自分自身も自己責任を負わなければならなくなります。
すると結局、「親の言う通りにできない自分にも責任がある」となってしまい、論理で説き伏せることはできなくなってしまいます。
だから、親が「私は元々この環境にいて幸せだった」という優位性を持つ限り、子は「母親による被害者」にはなれません。
そして子は、その優位性を無効化できる方法はありません。
「自分は親よりも先に、この環境(家)に入ってきた」ことを証明する手段なんてありませんからね。
結果として、(論理の上では)子は親に100%勝てないことになります。
「その環境から出ること」に集中する方がよさそう
これに対処するには、「その環境から出る」ことが一番だろうと思います。
反論することにエネルギーを使っても無駄で、出ることに集中する方がよさそうに思います。
もし論理を越えて勝とうとするなら、暴力や破壊かで「相手を支配する」、もしくは相手をカウンセリングすることで「安心させる」などの方法があるかもしれません。
でもほとんどの場合、子は自我を持ち始めた段階から、いろんな試行錯誤をしているものです。
例えば上記のような19歳の女性なら、3歳で自我を持ち始めたとして、16年間もずっと親の「子をコントロールして、自分だけを満たす」という性質を変えようとして、結果として徒労に終わっているわけです。
16年努力してダメなら、もう十分にあきらめていいんじゃないかと思います。
それはもう、十分に頑張ったと言えます。
すなわち「もはや救いようのない親だ」、「これは自分にとって、負の資産だ」と、自分の人生から損切りするので、いいかと思います。
そもそも、相手は「子を加害者にする」という、一方的な加害者です。
子は「一方的な加害者にされた、被害者」とも言えます。(ややこしいですが(笑
これ以上そんな「加害者にされる被害」に遭わないためには、その環境から出るのが一番かと思います。
その環境から出る場合、やはりいろんな障害があります。
一番の問題はお金の問題があるでしょうし、今まで親や他者に頼っていたものを、自力でできるようにならなければなりません。
このブログの「独立する方法」は、ここでも使える
そういう場合、このブログの方法論がぴったり合うんじゃないかと思います。
最近言っていることで言うと、まずはできるだけ生活をスリムにすることで、お金を使わずに満足できるスタイルを作りましょうと。
とにかく基礎的なものだけで、シンプルに生きられる環境を作るわけです。
すると、いろんなクリエイティビティーを発揮できるようになるので、「身近にありふれた、安価なもの」ばかりから自分を満たせるものを作れるようになります。
人間に必要なのは、安全に寝られる場所、食事、衣服と生活道具、お金の稼ぎ方と娯楽、後は他の人に喜んでもらうこと、その程度です。
そういう最低限の要所に絞り込んで、攻略してゆくわけです。
すると、「意外と自分の周囲には、安価に使えるものがある」と分かります。
それに気づきさえすれば、「今の環境から出る」ことは、結構簡単にできます。
まとめ
そんな風に、子が親を変えようとしても、無駄なんですよね。
親が「被害者」になれる限り、子は絶対に勝てないんだと。
そんな「被害者になることで、子を操っている親」に苦しんでいる場合、親の魔の手が届かない場所まで、早めに逃げることです。
これ以上、「加害者という名の被害」を受け続けないためにも。
それを実現するためにも、このブログの方法論はいろいろ使えるんじゃないかな、と思います。
ということで、今日は「子は親と言い争っても、100%勝てない理由」ということで、お話ししてみました。
今日はここまで~。