今日は、クリエイティブなお話です。

「ジョークとしてパフォーマンスすると、周囲が使い道を考えてくれる」、というお話をしてみましょう。

 

「ミュージアムの女」が正式に漫画になっていた!

以前「ミュージアムの女」という、岐阜県美術館スタッフさんの4コマ漫画を紹介しましたよね。

実はこの漫画、この半年の間に、正式にウェブ漫画として連載されるようになっていたという(笑

 

この作者さん、美術が好きで、休日にも他の美術館に行くぐらいだったりするんですよ。

で、美術館勤務の職員なのに、さらに「漫画を描くのも好き」という性質を持っていたと。

この「美術館勤務」と「漫画を描く」のは、一見相反する、相容れない性質のように見えますよね。

だって、美術館のようなお堅いものと、漫画のような俗っぽいものなんて、普通は融合できるとは思わないんですから。

でも、この人はその「美術館で働きながら、漫画を描ける環境をも作った」という、とてもクリエイティブな実例になります。

 

「今の環境で、この能力を発揮したい」という場合、どう実現するか

こういう風に「今の環境で、自分が持つ別の能力も発揮したい」と思うこともあるんじゃないかと思います。

「IT会社に勤めているけど、漫画の才能を発揮したい」とか、「小売店に勤めているけど、音楽の才能を使いたい」とか。

でも、普通はIT会社で漫画の才能とか、小売店で歌の才能とか、全然必要ないじゃないですか。

だから普通の発想では、本気で世の中に役立てるものを目指すなら、「漫画家になればいい」とか、「歌手になるしかない」となってしまうんですが。

 

ただ、もし「それら全く受け入れられない両者」を融合できたら、すごいことですよね。

美術館勤務でも、全く受け入れられない「漫画」を描けるようになれたら、それはすごいクリエイティビティーだと言えます。

ちなみに私の提案する戦略は、そういう「身近な豊かさを利用しよう」ってことですからね。

そういう身近な場所から、チャンスを見つけたいわけです。

 

じゃあどうすれば、そういう身近な環境で、自分の能力をうまく使えるようになるのか。

それが今日私が提案する、「ジョークとしてパフォーマンスすると、周囲が使い道を考えてくれる」、ということです。

こうすることで、身近な場所から能力を発揮して、より可能性を広げられるかと思います。

 

最初からジョークとしてパフォーマンスする、という考え方

私たちは、自分の能力を何かに役立てたいと思いますよね。

そういう場合、多くの人が「その能力の使って成功している人」のようになろうとしてしまいます。

漫画が好きな人は漫画家になろうとしたり、音楽が好きな人は音楽家になろうとしてしまうと。

 

でも、今の自分は美術館に勤めていたり、IT会社にいたり、小売店で働いていたりするわけです。

そこでは、そんな能力なんて全く必要ありませんし、求められてすらいません。

美術館に漫画なんか置かないし、IT会社で少女漫画なんか見ないし、小売店で歌を歌う必要なんかないと。

 

それは、「必要性」とか「有効な使い道」を考えるから、限界が来るんですよ。

そうではなくて、最初からジョークとしてパフォーマンスしましょうよ、ということです。

すると、周囲が勝手に使い道を考えてくれます。

 

本気でジョーク作品を作ってみよう

例えばIT会社に勤めていて、少女漫画を描くのが好きだったとしましょうか。

なら、例えばその会社の製品とかサービスを組み込んだ、「ジョークの少女漫画」を作るわけです。

それは1ページでも2ページでも、16ページでも32ページでもかまいません。

 

でも、ストーリーや作画のクオリティとしては、本気中の本気で作ります。

ただ、内容がジョークという、ウケ狙いなだけで(笑

具体的に言うと、例えば普通の女子高生がクラスメイトのイケメン男子と仲良くなって、恋心を打ち明けられないかもしれません。

そんなとき、その会社の数千万円もするような製品やサービスを購入することで、恋心を打ち明けて恋を成就させて、「この製品があってよかった」と感激するとか。

 

これは完全にジョークなので、突っ込みどころ満載の方がいいんですよ。

「なんで普通の女子高生が、数千万円を小遣いに使えるねん」とか、「なんで教室に、しれっと顧客のサーバ群があるねん」とか、「なんでこの主人公、エンジニアでも難しいテクニックを知ってるねん」とか、身内でウケればウケるほどよくなります。

すると、「普通の女子高生(恋物語)」と「IT製品やサービス」という両者がかけ離れているほど、ジョークとして面白くなると分かります。

 

「無関連なほど、価値が高まる」という裏技

他にも、小売店で勤めていながら、歌を歌うのが好きだったとしましょうか。

なら、その小売店が売ろうとしている商品の、ちょっとした替え歌でも作れるかもしれません。

当然ジョークなので、突っ込みどころ満載に仕上げます。

エナジードリンクをあえて哀しい曲調にして、ジョークとして笑えるような歌詞にして仕上げるとか。

風邪薬を、あえて明るい曲調にして、うざすぎるように笑えるようにするとか。

でも、本気の歌声で、それを実現すると。

 

なら、その両者がかけ離れていればいるほど、ミスマッチの面白さが出てきます

すなわち、「無関連なほど、価値が高まる」という裏技を使えるわけです。

普通は「関連するほど、価値が高まる」ですよね。

でも、無関連なものに価値を作れると、可能性は一気に広がると分かります。

 

その無関連な両者を結びつけられるのが、「ジョーク」です。

「そんな無駄なことに、ここまで本気を出すの!?」っていうものって、面白いじゃないですか。

無関連だからこそ、価値を高められることもできるわけです。

 

能力の使い道は、周囲が考えてくれる

ならば、例えばIT会社内で、ジョークとしてその「IT機器女子高生の少女漫画」を社内で見せると。

なら、周囲の同僚や上司から、ぷっと笑ってもらえますよね。

「すっごいうまい少女漫画なのに、なぜこのネタなんだ!」、「この製品を知っているごくわずかな人にしかウケないのに、こんなに全力を出すのか!?」みたいな。

そしてそれは、少女漫画が苦手な人でも、ジョークとしてなら結構楽しめたりするんですよ。

 

すると、周囲から「あの人は、少女漫画が描ける」と覚えてもらいます。

で、後は、周囲がその才能の使い道を考えてくれるんですよ。

「こういうイラストが欲しい」と思ったら、相談されるようになるかもしれません。

構図やデザインについても、相談されるかもしれません。

能力をパフォーマンスできたからこそ、その能力を覚えていてくれて、頼りにされることができると。

 

実はウケ次第では、その少女漫画そのものを販促物として使われることも多いんですよね。

ほら、時々すっごいミスマッチな組み合わせで、目を引く宣伝とかありますよね。

スーパーの豆腐でよくある男前豆腐店とか、最近だと「どん兵衛×ベルばら」も、おそらくそういうジョークから生まれたんじゃないかと思います。

「お前らフランス人なのに、なんでそんなにどん兵衛に詳しいねん!」とか、突っ込みたくなりますよね(笑

だからこそ面白くて、使い道があるんだと。

 

まとめ

そんな風に、自分の才能をパフォーマンスしたい場合、役立てようとするだけが全てではありません。

ジョークにすると、全く役に立たないところに、価値を作り出すことができます。

むしろ、役に立たなければ立たないほど、無駄に超本気クオリティであるほど、ジョークの価値は高まります。

すると、そこから使い道が生まれたり、価値が生まれたりするんですよ。

 

場違いな場所でパフォーマンスする場合、「役立ててもらいたいから」と本気になって考えるから、痛々しくなるんですよね。

そうじゃなくて、最初からジョークとして吹っ切れて、パフォーマンスしましょうと。

 

すると、「自分のやりたいこと」と「今いる環境が求めているもの」が無関係であればあるほど、面白くなります。

そして周囲が面白がって、「その場にふさわしい、その能力の使い道」を考えてくれます。

なら、その環境にいながらも、自分の才能を発揮できるようになって、「自分しか進めない道」が見えてくるようになるわけです。

 

こういうのも、クリエイティブですよね。

「無関係」からでも、価値を作り出すことができるんだと。

 

「役立つ」ばかりではなく、ちょっとした遊び心があるぐらいの方が、うまくいきやすいと。

冒頭で説明した「ミュージアムの女」も、そういう風に身内に楽しんでもらっていたら、いつの間にか公式になって、売れるようになったんじゃないかと思います。

是非、岐阜県美術館の公式キャラになって欲しいものです(笑

 

ということで、今日は「ジョークとしてパフォーマンスすると、周囲が使い道を考えてくれる」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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