さて、大晦日ということで、何か仏教のお話でもしましょうか。

今回はのお話でも。

「禅」ってのは、よく聴きますよね。
フランスでも一時すっごい流行ったようで。
仏教では「座禅」とかやりますし。

禅ってのは仏教にある一つのスタイルで、「あんまり考え込まずに、毎日を着実に生きていこう」みたいな生き方なんですよ。

仏教そのものが「とらわれずに、自由に生きていこう」みたいなスタイルなので、禅はその中でも一番シンプルで、分かりやすくて、実践しやすいものだと思うんですよね。

 

さて、ここから少し禅から離れて、脳のお話をします。

人には、前頭葉と頭頂葉という二つの脳があって、前頭葉は「思考の脳」、頭頂葉は「感覚の脳」と思えばいいでしょう。
何かを考えている時は「思考の脳」を、何か作業をしている時は「感覚の脳」を使っています。

で、この二つの脳はトレードオフの関係にあって、片方の脳を使っていれば、もう片方の脳は沈静化されるという仕組みになっているんですよ。

だから、例えば「落ち込んで悩み始めたら、何も手につかなくなる」ってなりますよね。
これは、「思考の脳」が活性化されて、「感覚の脳」が沈静化された状態になっているわけです。

一方で、「部屋の掃除でもしてたら、なんか気分がすっきりした」ってなるのも、これは「感覚の脳」が活性化されたので、「思考の脳」が穏やかになったと。

ほら、「悩み始めた人は、陶芸にはまる」とか言いますよね。
陶芸は、ものすごい指先に神経を集中させる作業なんですよ。
だから陶芸をやると、思考が極端に抑制されるので、悩みが消えて、すっごいすっきりした気分になれるんですよね。

同じように、スポーツも同じような効果があるんですよ。
これも、「感覚の脳」を使うからですね。

 

そして実は、感覚の脳を鍛えると、思考の脳を制御できるようになるんですよ。

これはどういうことかというと、「悩みが暴走する」「いつまでも感情を引きずる」というのは、「思考の脳を抑えられない」ということでもあります。
でも、感覚の脳を鍛えると、自分の意志で感覚の脳を活性化できるようになるので、思考の活動を抑制できるわけです。

だから、体育会系の人とか、頭にまで筋肉があるような人は、悩まないわけですね(笑
「うーん、なんか頭がごちゃごちゃしてきたから、ちょっと走ってくる!」で悩みを止められるわけです。
そしてその後、冷静な判断ができると。

実は悩み続ける体質というのは、幼い頃からの運動量でも決まるものなんですよ。

悩み続ける体質というのは、幼い頃から運動をしていなくて、「感覚の脳」が発達していないとも言えます。

だから、幼い頃から塾に通ってばかりで運動しない子とか、閉じこもってゲームばかりの子は、大人になるとうつになりやすかったり、悩みがちな体質になると。
逆に、幼い頃に田舎で思いっきり走り回って育った子は、大人になってもうつにはなりにくいと。
最近私が特に懸念しているのは、福島の子が外で運動をしなくなって、将来的に大きな心理的影響が出てしまいそうなことですね。

でも、その「感覚の脳」は大人になっても鍛えることができます。
しかも、わざわざスポーツとか陶芸をしなくても、日常的にできることで「感覚の脳」鍛えられる体系があるんですよ。

 

それが、禅なわけですね。

禅ってのは、「日常生活で、感覚の脳をしっかり使いなさい。すると実践を重ねるにつれて心穏やかになれて、冷静な判断ができるようになりますよ」というものです。
悩みが大きな人には、いいこと多そうでしょ。

なので、禅では「考えること」よりも「作業をすること」を重要視します。

以下で、簡単で誰でもできる、実践的な禅を3つほどご紹介してみましょうか。

 

1.料理をする

特に料理は多くの「感覚の脳」を使い、日常で一番いいトレーニングになるようです。
禅の中でも料理をする人のことを「典座(てんぞ)」と呼び、最も重要視されてる作業だったりします。

 

2.掃除をする

やっぱり掃除はいいですよね。
部屋が綺麗になると、心も綺麗になりますからね。
試験前とか、やたらはかどりますよね(笑

 

3.呼吸を意識する

瞑想をはじめとする呼吸法ですね。
深呼吸とかすると、心が落ち着きますよね。
思考が暴走したとき、鼻から息を大きく吸って、口から大きく吐き出してみましょう。
それをさらに広くイメージして、体全体の声に耳を傾けて、体全体の感覚を感じるようにするわけです。
すると、思考の脳は沈静化されて、冷静になれると。

 

他にも、ウォーキングをするとか、軽いスポーツや運動、作業をするとか、もちろん陶芸もいいでしょう。
とにかく体の感覚を使うことが、悩みや感情の引きずりを抑えることになるわけですね。

ま、そんな風に、心穏やかに生きるメカニズムとコツを、禅からいくつか紹介してみました。

 

さて、今年のブログはここまでということで、今年も一年ありがとうございました。

来年もさらに、いろんなクリエイティブな生き方を実践できるような、そんな知識や技術、ノウハウを公開してゆければと思っています。

また来年、お会いしましょう。

それではみなさん、よいお年を。(*´д`)ノ

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