今日は精神的なお話です。

「知らない領域まで出てみると、好奇心がわいてくる」、というお話をしてみましょう。

 

どうすれば好奇心を作れるのか

先日、こういう質問をいただいたのでご紹介。

「好奇心」を「育てる」には、どうしたら良いのでしょうか?

アンテナを立てる、とはまた違うことなのでしょうか?

 

昨日の記事で、「ビジョンに魅了されているほど、モチベーションも出るし、技術も身につく」って触れたじゃないですか。

なら、「ビジョンってどうすれば生まれるねん」って感じるんじゃないかと思ったりもします。

で、実はビジョンは、好奇心が生んでくれるんですよね。

いや、まぁビジョンと好奇心は「卵が先か、鶏が先か」というのと似たようなもので、どちらが先かは言えないものなんですが。

 

でもまぁ、クリエイターにとって、好奇心っていうのは、ビジョンと並んで最大級の原動力のように思います。

というのも、「奇なるもの」というのは、「社会で未だ評価されていないもの」ですからね。

クリエイティブになるというのは、そういう「多くの人が未だ評価していないもの」に価値を見つけ出して、それを使う、ということです。

なら、奇なるものを好む人の方が、常識外れの解決策を見つけ出せると分かります。

 

すると、冒頭の質問者さんのように、「好奇心ってどうやって育てればええねん!」と感じるかと思います。

ということで今日は、そんな「好奇心の作り方」についてお話ししてみましょう。

 

知らない領域まで出てみると、好奇心がわいてくる

もう結論から言うと、それが「知らない領域まで出てみると、好奇心がわいてくる」ということです。

とりあえず方向を決めて、知らない場所まで出てみましょうと。

すると、ワクワクが出てきます。

 

これを実感する一番簡単な方法が、自転車で日常エリアの外まで出てみることです。

まぁ車でも電車でも何でもいいんですが、適当に方向を決めて、進んでみましょう。

普段の生活エリアから出ると、普段とは違う、見慣れない新しい光景が広がります。

すると、少しの不安と同時に、「もう少し先に行ってみたい」と感じるようになるんですよ。

 

旅でもそうですが、見知らぬ路地に入ったり、見知らぬ駅で下車したら、なんかすっごいすっきりすることがありますよね。

新鮮な感覚になって、思考がクリアになるというか。

で、「少し散策してみよう」という気持ちになるものです。

そして「へぇ、ここにはこういうものがあるんだ」とか感じたり、珍しいものを見つけて驚いたり、いい景色の場所を見つけて興奮したり、ちょっとした冒険気分を味わえますよね。

 

好奇心を持てないのは、普段の生活エリアに閉じこもっているから

その「もう少し先に行ってみたい」、「散策してみたい」という気持ちが、好奇心です。

そこには、「今までの領域」にはない、新しいものがあります。

「うわ、ここに住んだら気持ちよさそう」とか、「ここに住んでいる人のように、お店を開いて生きることもできるんだ」と知るかもしれません。

私たちにとって、それが新しい可能性になるわけです。

 

逆を言うと、私たちが好奇心を持てないのは、普段の生活エリアに閉じこもっているからなんですよね。

予想できることまでしかやらないから、好奇心がなくなるわけです。

例えば絵でも、今まで描いたような同じ絵ばかり描いていると、飽きちゃうものです。

「次はこういうのを描きたい」、「その次はこういうのも描きたい!」と、どんどん新たなものを描くから、楽しいわけで。

 

好奇心は、不安と隣り合わせ

で、そういう好奇心は、不安と隣り合わせです。

まぁそれは当然で、完全に理解したら日常になって、不安はなくなりますからね。

完全に理解していない世界だからこそ、不安が訪れるわけです。

 

だから、好奇心が最大限になる場所というのは、「この先に行ったら、帰れなくなるかもしれない」という場所です。

自転車で一つの方向にずっと向かったら、日常から出て、「こういう場所もあったんだ」と新鮮さを感じます。

で、さらに進むと、「そろそろ帰らなきゃ、夕飯が食べられなくなる」とか、「そろそろ帰らないと、暗くなっちゃう」みたいなところまで来るわけです。

すると、「うわーっ、もっと先を見てみたい! でも明日もあるから帰らないといけない! どうしよう!?」と、悶絶することになります。

 

「これをしたいのに、普段の生活があるからこれ以上できない!」なんて、もう好奇心が炸裂してる状態でしょ(笑

これは思いっきり、楽しいことを見つけた人の反応です。

 

それが、私たちにビジョンを与えてくれます。

「あの先に行ってみたい」というのが、ビジョンですよね。

すると、自転車を改良したり、生活スタイルを変えたり、いろんな変革ができるようになります。

そしてそれに関連する技術も身につくようになります。

で、面白くなって、さらに好奇心を持って、「こう改造すればよさそう」と、より細かいビジョンを持つようになる……みたいに、好奇心と細かいビジョンがうまく回り始めると。

 

好奇心とビジョンがあれば、アンテナは自然と立つ

なので、私の場合、「アンテナを立てよう」とする必要はないようにも思います。

というのも、強い好奇心やビジョンがあれば、アンテナは自然と立つからですね。

「あの先に行ってみたい」と思えば、自然と自転車の整備の仕方とか、時間の組み立て方とか、休憩の取り方とか、いろいろ必要になって、情報が引っかかるようになります。

 

裏を返すと、ずっと日常にいながらアンテナを立てたとしても、無意味です。

だって、好奇心やビジョンがない状態で百科事典とかWikipediaを見たって、情報が入ってこないんですから。

でも、好奇心やビジョンを持つ状態でそれらを見てみると、意外といろんな場所で「これ、使えるぞ」、「自分の分野でも応用できる考え方だぞ」と分かるものです。

このブログでも、世界経済を自分の生き方に応用したり、歴史の流れをビジネスに応用したり、投資を生き方に応用したりと、別ジャンルからいろいろ発想を取り込んでますよね。

それは、「もっと自由な方向に行きたい」というビジョンがあるから、全く関連性のないジャンルにも類似性を見つけて、さらに好奇心を作ることができるんだと。

 

「帰れなくなるライン」をまたぐ瞬間

そうして「向こう側の世界」に魅了されて何度も通っていると、あるとき、「向こう側の世界でも、生きられそうだ」と分かる時が来ます。

すなわち、今までは「この先に行ったら、帰れなくなるかもしれない」というラインを引き延ばすことばかりを考えていたものです。

でも、それが「向こうの世界に引っ越そう」と決めることで、「帰れなくなるライン」をまたぐわけですね。

 

その「帰れなくなるライン」を越える瞬間というのは、もう最大級の興奮ですから。

それは、今までの世界との別れでもあり、新たな生き方の始まりでもあります。

今までの場所に感謝すると同時に、ちょっとのさみしさと、名残惜しさと、それなりの不安と、新たな可能性へのワクワクとが入り交じっている、そういうポイントですね。

 

まとめ

そういう風にして、好奇心が作られてゆくように思います。

すなわち、「知らない領域まで出てみると、好奇心がわいてくる」、ということですね。

 

自転車の旅だけでなく、生き方でも同じです。

例えば私の場合、このブログでも、今まで語ったことがないようなことまで踏み込んでみたり、Twitterで新たなアプローチを語ったりする時、大きな興奮を得るんですよ。

それは、不安と同時に、新たな可能性を見つけられるからですね。

もちろん全く反響がないことも多いんですが、私にとっては十分に、精神的な報酬を得ているんですよ。

だって、「新たな世界に踏み出した」という興奮が、既に手に入っているんですから。

 

そういう「帰れなくなるライン」を、いろいろ越えてみるのもいいでしょう。

この冒険心に火がつくと、好奇心は炸裂するんじゃないかな、と思います。

 

ということで、今日は「知らない領域まで出てみると、好奇心がわいてくる」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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