今日は、投資の精神的なお話です。

「損をしない」よりも「上手な損をしよう」と考えると、長期的利益が得られる、というお話です。

 

ついつい目先の利益にとらわれてしまう、という問題

私たちはよく「長期的な利益が欲しい」って思うものですよね。

でも、ついつい目先の利益に目が奪われて、長期的な収益が作れなかったりするじゃないですか。

 

例えば文章書きで言うと、1ヶ月程度かけてニッチで圧倒的に良質な電子書籍を作って、Amazonなどで不労所得の形にして売ったとしましょうか。

すると、10年近くかけて売れ続けて、トータルで見るとすごい利益になっていたりするんですよね。

だからそういうのは、「1ヶ月かけたコストに対する利益」という費用対効果を考えると、実はとんでもない率になったりするんですよ。

普通の人なら半年分や数年分の収益を、たった1ヶ月で作ったほどの、インパクトがあったりするんですから。

 

なぜ、目先の利益にとらわれるのか

それなのに、多くの人が、つい目先の利益に走ってしまいがちなんですよ。

というのも、そういうニッチなものは、最初の1ヶ月は500円とか1000円ぐらいしか収入がないんですよね。

利益の総額(費用対効果)は大きいのに、分割払い(しかも最初ほど小さい額)になってしまうわけです。

すると、多くの人が「1ヶ月必死に作って、翌月の収益が500円。その翌月は550円にしかならない。毎月もらえるとしても、生活費を考えると、そんなのやってられない」と感じてしまいます。

そして、「1ヶ月働いたなら、すぐにその分を欲しい」となって、「一括払いの報酬」を求めてしまうんですよ。

 

すなわち、「1ヶ月働いた報酬として、10年かけて(本当に得られるかどうかも分からない、不確定な)50~100万円を得る」よりも、「1ヶ月働いた報酬として、その月末に確実な10万円を得る」方を選んでしまうわけです。

でも冷静になって考えれば、費用対効果の高い前者を積み上げる方が、早く豊かになれると分かりますよね。

最初は質素に生きなければなりませんが、不労所得が積み重なっていくので、後々が楽になると。

10年後ぐらいには、全て不労所得で生活費を得られて、仕事から自由に生きられるようになるかもしれません。

完全に自由になれなくとも、それなりに不労所得があれば、仕事を減らすことだってできますからね。

でも、不労所得の積み重ねがない場合、10年後も今と同じように、毎月働かなければ収入を得られません。

 

「目先の利益」には、耐えがたい誘惑がある

アメリカの有名な実験で、マシュマロ・テストという実験があります。

それは、4歳の子どもの前にマシュマロを置いて、「15分間待てば、もう一つマシュマロをあげるよ」と我慢させる、という内容です。

15分待てば2つも食べられるのに、それを我慢できた子は1/3しかいませんでした

それだけ、「目先の利益」は誘惑がある、ということですね。

 

で、その後に追跡調査をすると、マシュマロを我慢した「長期的な利益を重視した子たち」は、大学進学適性試験(SAT)の成績が高くて、社会的にも成功していた……という結果になっています。

それは当然で、費用対効果の高いものを選んでいれば、自然と豊かになりますからね。

 

どうすれば、「目先の利益」を回避できるのか

まぁこれは人の価値観やスタイルもあるので、どちらがいいとは言えません。

ただ、10年後に豊かでいたい場合、長期的な収益をも考える方がいいようにも思います。

 

じゃあ、どうすればそういう「目先の利益」を回避できるのか

前置きがすっごく長くなりましたが、それが今日の本題である「損をしない」よりも「上手な損」をしよう、というお話です。

まぁ、「未来のイメージを持とう」とか、「誘惑から気を紛らわそう」とか、話せることはいろいろあるんですが、今日は「損失」を中心にして見てみましょう。

 

「損をしたくない」だと、行動が制限される

「損」って、したくないじゃないですか。

世の中にあるコマーシャルでも、「これを買わないと、あなたはこんなに損します!」とか、「これを買うと、こんなにもお得です!」とかいうフレーズが山ほどありますよね。

 

ちょっと話はそれますが、よくよく考えると、「買わないと損」とか「買えば得する」っていう言い回しは、なんかおかしいですよね。

だって、ビジネスでのセオリーは「買うと損する(お金を失う)」、「売ると得する(お金を得られる)」、でしょ(笑

当たり前ですよね(笑

それなのに、その商品を買わせるために、他の支出(多くの場合、それは買う側が払う必要がない支出)などの数字を持ち出してきて、「買えばお得ですよ~」と論理をねじ曲げているわけです。

そんな論理が日常でまかり通るぐらい、私たちは「損をしたくない」、「得をしたい」と思っているわけなんですが。

 

でも、そういう「損をしたくない」というマインドだと、行動が制限されてしまうんですよね。

だって、可能性とか利益は、必ずリスクの中にあるんですから。

リスクを取れない人には、利益は得られないと。

だから、結果として「失敗をしない人は、人生で何もできずに、人生そのものを失敗する」となってしまうわけです。

 

「上手に損をする」という発想

じゃあどうすればいいのかというと、「上手に損をしましょうよ」ということです。

損(損失)を、あらかじめ必要コストとして計上しましょうよ、という発想ですね。

すると、目先の利益を手放せて、長期的な利益を確保できるようになるかと思います。

特にこれは、以前に語った「投資をする」という発想と組み合わせると、効果を発揮します。

 

これは、ブーム(流行)で考えてみると分かりやすいでしょう。

うまくブームに乗れば、私たちは利益にすることができるとします。

なので私たちはブームに乗りたいわけですが、次に何のブームが来るか、分からないじゃないですか。

 

そういう場合、「損をしたくない」というマインドだと、ブームの後追いをしてしまうんですよ。

例えば「今年はこの映画がはやった」とか「今年はこの食べ物がはやった」と分かった段階で、「じゃあ、似たような映画を作ろう」、「似たような食べ物を売ろう」とするわけです。

 

ブームだと判明した時点で参入しても、既に遅い

でも、そんな「これがブームになった」と分かった段階で参入しても、既に遅いんですよね。

というのも、その時点で既に、多くの人が2匹目のドジョウ、3匹目のドジョウを狙って参入しているんですから。

すると、参入した時点で既に競争率が高くなっていて、利益にならなくなると。

それどころか、お客側も、欲しいと思う人よりもやめる人の方が多くなるので、品薄だったものが次第に余るようになり、価値は失われていきます。

 

すると、「損をしたくないと思う」→「ブームの後追いをする(ブームが明快になってから参入する)」→「競争率が高い状態(価値が高い状態、費用対効果が悪い状態)で買ってしまう」→「価値が失われていく」となってしまうと。

後はもう、知恵を使わない人のおきまりフレーズ「業界での生き残りをかけて戦う」です。

市場には「導入期、成長期、成熟期、衰退期」という流れがありますが、うまくいく人は成長期(ブームの前)に参入して、ダメな人ほど成熟期(ブームのさなか)以降に参入するわけです。

 

損失をあらかじめ受け入れる、という発想

そうではなくて、損失をあらかじめ受け入れておきましょうよ、ということです。

単純に、確率の問題にするわけです。

例えば「今年はこれとこれとこれの中からブームが来そう」と予測できれば、事前に準備ができます。

なら、「これだ!」と思ったときに、必要なものを選び、他を捨てることで、早期参入できますよね。

 

ただし、その中には必ず「ブームにならないもの」もあることになります。

「損をしたくない」、「失敗したくない」だと、その損失を許せないんですよね。

これは、「全てを成功させなきゃいけない」、「百発百中で予測を当てなければならない」という思い込みにも通じるかもしれません。

でも、「損をしていい」、「損失は必要コストだ」と思えていれば、すぐにそれを手放して、当たったものに集中できるようになります。

これが、「上手な損」です。

 

まとめ

なので、「損をしない」よりも「上手な損をしよう」と考えると、長期的利益が得られるようになります。

「損をしないようにしよう」とすると、間違えることにおびえて、目先の利益ばかりになってしまうんですよね。

でも、「上手に損をしよう」と考えると、目先の利益を手放すことも「これもコストだ」と考えられるので、納得して長期的なことができるようになると。

 

どんなものにも、損失になるリスクはあります。

でも、「損失はコストだ」と考えれば、事前に可能性をいろいろ試すことができます。

そう考えると、より長期的に判断できるんじゃないかな、と思います。

 

ということで、今日は「損をしない」よりも「上手な損をしよう」と考えると、長期的利益が得られる、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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