ここんとこ自信をつける方法についての話題が出てきているので、今日もそういう精神的なお話です。
「能力が低い人たちに分かち合うと、自信が得られる」、というお話です。
「自信がない」を、どう対処すればよいのか
最近、とある漫画家志望の方とやりとりをしているんですが、その人はすっごい自信がない状態なんですよ。
頑張って40ページの漫画を描いたけれども、出版社に持ち込みするのも怖いし、pixivで公開するのも怖い、みたいな。
こういう状態の人って、結構いるように思います。
好きなことをしてお金を得ていきたいのに、「自信がない」とか、「勇気が出せない」、「お金にならない」、「充実感がない」、「面白くない」、という感じで。
実はこの問題は、根っこでは全部つながっているんですよ。
セルフイメージが低いのも、見栄を張るのも、お金にならないのも、ちょっとした悪循環に入っているのが問題です。
その悪循環をどこかで断てば、うまくいくようになります。
悪循環はどこで対処してもいいんですが、今日はその一つの方法をお伝えしましょう。
それが、昨日も少し触れた、「能力が高い場で戦うのではなく、能力が低い人たちに分かち合う」ということですね。
自信とは、「上を見るか、下を見るか」の違いでしかない
自信を得ることもセルフイメージを上げることも、簡単に言うと「今の、ありのままの自分を受け入れること」です。
ありのままの自分を受け入れられるほど、「今の自分でいいんだ!」と感じて、良好な自信とセルフイメージが得られます。
そして、今の自分にできることで、周囲を喜ばせてゆけるようになります。
頑張らなくても、無理をしなくても、ありのままの自分で喜んでもらえる、ということです。
ならそれは結局、上を見るか、下を見るかという違いでしかないんですよ。
例えば少女漫画を描いていて、それで生きていきたかったとしましょうか。
なら、いったい何のために、誰のために漫画を描いているのか、ということですね。
「出版社の編集者に受け入れられるため」だったり、「pixivで目の肥えた人たちに受け入れられるため」なんでしょうか?
そういう人たちに見せると、そりゃもう「お前のレベルは低い」、「価値がない」と裁かれやすいので、自信を失って当然じゃないかと思います。
本当は、誰にそれを与えたいのか?
そこで少し、考えてみましょう。
「本当は、誰にその作品を見せたいのでしょうか?」ってことです。
すると、少女漫画は、「女の子に見せたいもの」だと分かります。
だったら、編集者に見せるよりも、pixivで大勢の人に見てもらうよりも、その前に見せるのに適した人がいると分かります。
なら、「姪っ子に、小学生の女の子がいる」とか、「近所の知り合いに、こういう小さな女の子がいて、よく挨拶をする」と気づくでしょう。
そういう身近な女の子に見せられると分かります。
だったら、無理をして40ページもの漫画を描く必要なんかないと分かります。
だって、40ページも読むのって時間がかかりますし、実際に手渡しで見てもらう状況を考えると、小さな子がそこまで集中力が持つかは疑わしいですからね。
すると、最初は2~4ページ程度でいいと分かります。
で、本格的に原稿用紙で作る必要もなくて、むしろ自由帳のように持ち運びやすく、開きやすい媒体の方がいいと分かります。
なら、トーンだって必要なくて、鉛筆仕上げでよいので、制作費もかからずに、かなり簡素な状態でよくなります。
すると、作る側は気楽に、そして負担が少ない状態で作れます。
負担が少なくて、好きな部分だけを描けるので、密度の高い、面白い部分だけを投下した作品ができやすくなります。
そして読む側の女の子も、短いものを気軽に、しかも密度が高いものを楽しめるので、「面白い!」、「もっと見たい!」と感じやすくなります。
だいたい、印刷物での漫画と、自由帳に描かれた手書きの漫画とは、次元が違いますからね。
40ページも描けるぐらいなら、それなりの画力や能力を持っているかと思います。
なら、普通の女の子なら、自由帳の漫画を見るだけで「すごい!」と感じます。
場合によっては、「私も描きたい!」とか、「友達にも見せてあげたい!」と言い出すかもしれません。
で、そういうダイレクトな反応が、「私の漫画って、面白いんだ!」、「楽しみにしてくれる人がいるんだ!」、「楽しませることができるんだ!」という感動を与えてくれます。
すると、自信が持てて、「もっと喜ばせてあげたい」と思うようになりますよね。
そして、そこから少しずつ、喜びと共に能力を上げていくことができます。
もっと漫画を見せることもできるでしょうし、漫画の描き方を教えてあげることもできるでしょう。
そうやって、小さなところから自信を積み上げていく、ということですね。
それは心から楽しく、充実した時間です。
お金なんてもらえなくても、最高の精神的報酬を得られます。
すると、気がついたら能力も身についていて、何冊も描いていて、学校のクラス中の女の子に回し読みしてもらっていたりするんですよ。
こうして、自然と自分なりの道が開けてゆく、ということです。
「いったい、誰のためにそれをしようとしているのか?」
これは少女漫画だけでなく、多くの「好きなこと」で当てはまります。
「いったい、誰のためにそれをしようとしているのか?」ということです。
編集者のためなのか、「判定を下す多くの人たち」のためなのか、権威ある人のためなのか。
それとも、目の前で喜んでくれる一人の女の子、一人のファンのためなのか。
上から認められようとすると、「今の自分ではダメだ」と感じるから、いきなりすごいものを作ろうとしてしまいます。
で、いきなり大きな予算をかけて、本格的な道具や環境をそろえて、背伸びをしてしまいます。
すると、多くの時間や労力、お金を犠牲にするので、次第に失敗することが怖くなります。
そんな実力以上のものを否定されたら、それこそお先真っ暗ですからね。
そして自信を失ってゆき、恐怖を埋めるかのように「もっとすごいものを作らなきゃ」と思うようになり、壁にぶち当たって動けなくなると。
逆に、下に分かち合おうとすると、気楽に始められます。
まずはちょっとしたものを分かち合うことで、相手が喜ぶかどうかを見極めることができます。
ちょっとしたものを与えるので、別に受け入れられなくてもさほど気になりません。
でも、その「ちょっとしたもの」を大喜びする人が出てくるんですよ。
むしろ、「ちょっとしたものだから、受け取りやすくて、喜びやすい」とも言えます。
するとそういう人に対して、もう少し手の込んだものを与えると、もっと喜んでくれるものです。
そして「私が作った、ちょっとしたものでも喜んでくれる」と感じて、「ほんの少し分かち合うだけでも、喜んでくれるんだ」と余裕が生まれます。
こうして、「今の自分でいい」、「自分の全部を犠牲にしなくても、少しだけ分かち合う程度でもいい」と、ありのままの自分を受け入れられるようになります。
また、人は、価値を受け取ると、お返しをしたくなるんですよ。
すると、与えた価値に応じて、ちゃんと感謝という形で謝礼が戻ってきます。
謝礼はいろんな形を取りうるでしょうが、その中の一つに、お金もあります。
だから、与えれば与えるほど、喜ばせれば喜ばせるほど、それに応じたお金も入ってくるわけですね。
自分が持つ能力を、何のために使うのか
これは見方を変えると、その能力を、いったい誰のために使うのか、ということです。
せっかくの能力を、喜びもしない人たちのために使うのか。
それともその能力を、喜んでくれる人たちのために使うのか。
もし運命を左右する神様がいるとしたら、そりゃー後者の人を、幸せにさせたくなるでしょう。
ならば、「自分よりもレベルが低い環境」を、見下す対象としてとらえるのか、それとも「私が手助けできる対象」としてとらえるのか、という違いになります。
競争タイプの人は、そういう「自分よりも弱い人」を見下して、「そんな場所には入りたくないな」と感じます。
そして、「栄光があり、所属するだけで人から尊敬されるような、すごい環境」を求めるようになります。
こうして競争の世界にどっぷりつかっていきます。
勝てば嬉しいですが、負ければ奪われるので、永遠に競争から抜け出せなくなります。
一方で分かち合いタイプの人は、「自分よりも弱い人」を見ると、「彼らを助けられる、貢献できる」と感じます。
そして、「今の自分の実力でも、人々を喜ばせられる環境」を求めるようになります。
すると、自然と多くの人に喜ばれるようになって、楽しみながら分かち合えるようになります。
自信も得て、ファンも得て、お金も得て、充実感も得て、喜びや感謝も得て、全てがうまく回ってゆきます。
別にどちらを選んでもかまいません。
世の中の8割ぐらいの人は、競争する方を選んでいますからね。
でも、私は競争するのは苦手で、戦うのも好きではないと。
だから、私は分かち合う流れでうまくこなしている、ということです。
まとめ
クリエイターの人は、どちらかというと分かち合いタイプの方が、うまくいく人が多いように思います。
自信を持てずに行動できないというのは、だいたいがこの悪循環にはまっているんですよね。
上を目指すんじゃなくて、下を見てみましょうと。
すると、小さなことから始められて、小さなことを喜んでもらえます。
ちょっとしたことなのに喜んでもらえたら、それはもうすごい安心感が得られますからね。
そして、もう少し大きなものを分かち合うと、もっと喜んでくれますから。
そうやって、少しずつ成長していくのが、健康的な道じゃないかなと思います。
臆病でも、自信がなくても、無理をせずに、楽しく成長して、そして喜んでもらって、お金になる道があります。
そういう道をたどれば、自信やセルフイメージの高さを与えてくれるわけですね。
控えめでおとなしいクリエイタータイプの人ほど、こういう分かち合い形式で行く方が、うまくいくかと思います。
ってことで、今日は「能力が低い人たちに分かち合うと、自信が得られる」というお話をしてみました。
今日はここまで~。