最近はちまちまと「波」とか「陰と陽」について語っていますが、今日もそんなお話です。
波に心地よく乗るコツを語ってみることにしましょう。
上昇と下落の違いって何?
「上昇したい」、「上昇の波に乗りたい」って人は多いですよね。
そして普通の感覚では、下落の波には乗りたくないもので。
まぁそれは当然で、下落の波に「ヒャッハー!」と乗って、真っ逆さまに人生転落してゆくというのは、あまりいいイメージではないわけで(笑
でも、私の中では、上昇も下落も大差ないと思うんですよ。
そもそも「上昇、下落」とは何かというと、「今の価値観でのポジティブ、ネガティブ」でしかありません。
そして視点を変えると、「ネガティブ側がポジティブ」という人もいるんですよね。
例えば「働くことがポジティブだ!」と言う人がいたら、「南国ビーチでバカンスを味わうこと」はネガティブになります。
だけど、世の中にはそういう「南国ビーチでバカンスがポジティブ。毎日働かされるのはネガティブ」という価値観の人もいるわけで。
他の例だと、「工夫や制作がポジティブ。消費はネガティブ」という人もいるかもしれません。
一方で、その反対の「消費して楽しむのがポジティブ。工夫や制作は、お金がない人のすることで、ネガティブ」という人もいます。
なら、上昇も下落も、何がいいことで、何が悪いことなのか分からなくなります。
その「働かなくてもよくなる」という転落人生は、本当に「転落」だけなの? ということです。
そして「仕事をたくさん引き受けた」という上昇人生は、本当に「上昇」だけなのか、と。
で、どちらもその反対側が引き起こる原因になりうるわけで。
サーフィンとスキーの関係
これは感覚的には、サーフィンとスキーの関係に似ているでしょう。
サーフィンは上昇の波に乗ることを楽しんで、スキーは下落の波(というか斜面)を滑り降りることを楽しみます。
で、「どっちも面白いですよね」というのが私の感覚です。
特にスキーなんて、わざわざリフトで上まで登ってまで落ちるんですから、よほどの下落好きだと言えます(笑
そして苦しくなるのは、どちらも「背負える以上の荷物を背負ってしまうこと」のように思います。
「楽しみ」とは「うまくできる程度の負担」だと言えますが、それを越えると、上昇だろうが下落だろうが、苦しくなるものです。
つまり問題なのは、「上昇か、下落か」ではなく、「自分にできる以上のものを背負っているかどうか」じゃないかなと。
波の乗り方を知らないと、波を恐れる
なら実のところ、多くの人が「(下落を含めた)波の乗り方」を知らないから、下落の波を恐れているんじゃないかな、と思ったりもします。
波の乗り方を知らずに、「多くのものを背負える方がいい」と思っているわけです。
だから、どちらの波にも乗れないんじゃないかと。
ってことで前置きが長くなりましたが、今日はそんな風に、「うまく波に乗れない」という人のための、「波の乗り方」を語ってみようかと思います。
これが分かると、「上昇とか下落とか関係ない」と分かって、自分なりの生き方ができるし、人生のどの局面も楽しめるんじゃないかと思います。
最初は下落の波に乗る
私の中では、最初は「下落の波に乗る」という方が、波に乗りやすいし、波乗りのバランス感覚を楽しめるように感じます。
それは、今まで「上昇したい」とばかり思っているので、上昇の限界まで来ていることが多いからですね。
そして私の中では、「できるだけ深く落としましょう」というのがいいように思います。
これも、今までずーっとポジティブ側だったので、いろんな抑圧とかコンプレックスを抱えていて、内面がごちゃごちゃに混乱していることが多いからです。
そして下落の波だと、無駄に背負ったものを手放せます。
それに、できるだけ深く落とす方が、無駄なものを手放せて整理できるし、少しずつ混乱も減っていくので、次第に「こっちに進めばいい」と分かってきます。
だから、最初は落とす方がいいかなと。
大きく落とさない
で、多くの場合、それは「休む」とか「くつろぐ」になると思うんですが、これにもコツが必要です。
一番のコツは、「どーんと大きく落とさない」ということですね。
というのも、どーんと落とすと、どーんと上がっちゃうんですよ(笑
例えば「リラックスしよう!」と、休暇を取って、その日のうちに温泉宿に行って、ちょっとした山登りをしていい景色を眺めて、温泉とかサウナを堪能して、おいしい料理を食べて、ぐっすり寝たとしましょうか。
すると、翌日にはどーんと元気になっちゃって、すっごいポジティブで活動的になってしまうわけです(笑
「落としたいのに、なんで元気になって上昇してるんだよ!」とかツッコミを入れたくなるんですが(笑
でも、波の性質とはそういうものです。
急に落とすと、急に上がってしまうわけです。
私がよく言う、「落とせば上がる」という原理と同じです。
まぁ多くの人が、その反対側の「できるだけ短期間に急に上げようとするから、反動で落ちてしまう」という現象を抱えているんですが。
「波に乗る」と「頑張る」は相容れない
言い換えると、「落とすことを頑張らない」ということです。
「波に乗る」は「頑張る」とは相容れません。
「波に乗る」は「限界が来たら切り替える。限界になるまで楽しむ」です。
そして、限界になる前までは、余裕があるので「頑張る」という感覚にはならずに、「楽しむ」という感覚になります。
一方で、「頑張る」は「限界を超えても続ける」を意味します。
だから「波に乗るには、頑張ってはいけない」となります。
意思の力で頑張るのではなく、自分の中にある「生命エネルギー」という巨大な波に乗る、という感覚です。
ゆっくり落としてゆく
だから、長期で落として整えたいならば、いきなり大きく休まないことです。
じわり、じわりと落としてゆくわけですね。
最初は少し、自然に触れてみたり。
少しだけ、くつろげる場に身を置いてみたり。
例えば、みんながせわしなく歩いている都会の中で、自分だけが「花の咲く噴水の横で、静かに座る」なんて、ちょっと罪悪感を持つじゃないですか。
それは、周囲と違うことをするからで。
だけど、ちょっとだけそこに座ってみると。
すると、少しだけ肩の力が抜けて、ほっとします。
そして居心地の悪さを感じたら、すぐに立って離れます。
無理をしないことですね。
翌日になると、そこで花を眺められる余裕ができているかもしれません。
そして居心地の悪さを感じない程度で、花を見て少し楽しむわけです。
その次は、噴水の水の流れを楽しめるかもしれません。
そうやって、少し、少しと「落としてゆく」わけですね。
完全にポジティブ側を手放さない
で、どんなに大きく落としたかったとしても、完全にポジティブ側を手放すこともしません。
日々の中で、心地よくポジティブでいられる時間を作っておくのもいいでしょう。
そういう上昇側があることで、「落とす」ことができるんですから。
例えば森田療法でも同じで、内面を癒やそうとして社会から隔離しても、多くの場合で適度な軽作業をしますよね。
それはやはり、完全にネガティブ側になるよりも、少しポジティブ側を含める方が、落としやすいからだろうと思います。
すると、「下り側も、上り側と大差ない」と実感で分かってきます。
言うなればそれは、風邪や病から治るときと同じです。
風邪や病から治るときって、毎日寝ているけれども、毎日必死だし、希望が持てますよね。
「毎日寝ている」という状態は、楽をしているように見えて、実は集中できるし、整ってゆくのが分かるわけです。
それは、上昇側で「毎日作業する」と集中していたり、形を作ってゆくのと同じです。
希望を持ってじっと待つことで、再び自分の中から、エネルギーというわき水があふれてくること感じることです。
たとえて言うなら、大いにお腹が減ったときって、必死で集中して食べるものです。
そういう「食べること」はネガティブなことですが、ネガティブなことでも、そういう必死さを持てるわけです。
そんな風に、休むこと、食べること、整えること、そういうネガティブ側に必死になって、今まで欠けた側を満たすと。
そして反転する時が来る
そうやってネガティブ側を作っていると、「ああ、私にはこれが必要だったんだ」と分かるかと思います。
だって、すっごい心地よいし、エネルギーが出てくるんですから。
で、落としきったとき、「反転するときが来た」と分かります。
そういうのは、「これ以上はエネルギーを充填できない」と、エネルギー蓄積量に限界が来ているのが分かるかと思います。
なので、その時は「そろそろ活動方向に向かおう」と、状態を反転させます。
ただ、その時にはあまりにも心地よいので「もっと落としたい」、「もっと自分の中で、エネルギーを満たしたい」と感じるものなんですが(笑
ある意味、「休むというポジティブ側を、もっとやりたい」という感覚になっているかもしれません。
いつの間にか自分の中で、ポジティブとネガティブがひっくり返っている感覚です。
でもそれをすると、今までの「上昇ばかりがいい」と同じになりますからね。
だから、どんなに今までが心地よくても、限界が来たら「昔はポジティブだと思っていたけど、今はネガティブ側に感じる、活動する方向」へといさぎよく反転させると。
そしてこれも、急に変化させるのではなく、ゆっくりと移行してゆきます。
まとめ
すると、上昇と下落、どちらの波もうまく乗れているかと思います。
そうやって、自分の中にある価値観を、サイクルのように回してゆくわけですね。
ある意味、「反対側の価値観を持つ自分でもいい」とすることです。
「私はこういう人だ」と固定する必要はなくて、「どちらも持っていて、それで自然だ」と知ることです。
私たちは、矛盾する存在でいい、矛盾していていい、ということです。
すると「上下の波なんて関係ない。波に乗りながら、自分なりの道を進めばいい」と分かって、波に乗る生き方ができるかもしれません。
ということで今日は、波に心地よく乗るコツを語ってみました。
今日はここまで~。