今日は、世の中の仕組みについてのお話です。
なぜYahoo!ニュースのコメントは、原理無視で強引なものが多いのか、心理メカニズムから解説してみることにしましょう。
「Yahoo!ニュースのコメントは荒れやすい」という現象
とあるところで、こういう記事があったんですよ。
それは、「Yahoo!ニュースのコメントは、筋や論理が通っていないものが多いし、その上強引に押しつけたり、恫喝(どうかつ)するようなものが多い」ということでした。
「Yahoo!ニュースのコメント欄は、荒れやすい」というのは、聞いたことがあるかもしれません。
まぁYahoo!ニュースだけでなく、SNSの政治系トレンドも荒れやすいんですが、まぁどこでもそういう「荒れやすい場所」というのはあるものです。
そういう場所では、確かに筋や論理が通っていないものが多いし、強引なものが多いですよね。
論理が通っていない例
特に、「ごく小さな問題を元に、拡大解釈して全体を否定する」みたいな論理破綻が多いようにも思います。
例えば「こういう痛ましい事件が起きた」となると、すぐに「首相がこういう政策をしているからだ」、「この政党がこうしているのが原因だからだ」とか言う人がいますよね。
それは、本当はごく一部の問題でしかないのに、しかも関連性があるかどうかも疑わしいのに、強引に因果関係に結びつけて政党批判しているわけです。
で、「因果関係がおかしい。関連性は薄い」と指摘されても、そういう人は不確定性を元に正当化します。
これは、「そういう要因もありうるじゃないか!」とか、「表面化していないだけで、未来にもっと増えるかもしれないじゃないか!」と、「不確定なのに、確定している」とあたかも見せつけて、ごまかしていることになります。
本来なら、不確定なら強引にはできないはずなのに、あたかも確定しているかのように強引に主張して、結論づけようとしていると。
そして主張している本人たちは、それが「筋が通っていない」、「ごまかしが含まれている」とは気づけないわけです。
こうして、意味不明な論拠で強い主張をして、荒れやすくなる、という現象ですね。
人間の性格分け
じゃあなぜこういうことが起きるのか、ということです。
それを説明するために、いつもの性格分類を使うことにしましょう。
↑ このブログでは毎度恒例の、「外向型と3つの内向型」というタイプ分けです。
「政治の論理」で動くか、「自然科学の論理」で動くか
で、今回は主に、左右の軸を使います。
図の左側(外向型、高共感タイプ)は、社会で生きることを前提としているので、政治の論理で動きます。
一方で図の右側(境地開拓タイプ、HSPタイプ)は、新境地を開拓することを前提としているので、自然や科学の原理で動きます。
そして今回の結論を言うと、この「政治の論理で動く」か「自然科学の論理で動くか」という違いが、「Yahoo!ニュースのコメントは、筋や論理が通っていないものが多い」という感覚を作っているわけですね。
社会維持型は、政治の論理を重視する
Yahoo!ニュースのコメント欄や、SNSの政治系トレンドでは、図の左側、外向型や高共感タイプが多くいます。
この外向型と高共感タイプの2つをまとめて、私は「社会維持型」と呼んでいるんですが。
この社会維持型の人たちは、社会で生きているので、自然科学の論理よりも、政治の論理を重視します。
政治とは、その環境に住む人たちが集まって、主張し合うことで調整して、うまくやっていくことです。
高共感な人や、推論できる人を除き、基本的に人は相手の気持ちを理解できないので、主張し合うことで調整するわけです。
声を大きく主張し続ける人ほど、配慮される
その場合、基本的に「声を大きく、根気強く主張し続ける人ほど、配慮される」という現象が起きます。
というのも、数が多かったり、声が大きいことで、「彼らがそこまで強く言うなら」と、周囲が共存するため折れて、配慮してくれるからですね。
だから政治の論理というのは、「声が大きく、根気強く主張し続ければ、自分たちの利益になる」ということです。
その場合、「自然科学の原理」なんて根拠は必要ありません。
というのも、そもそも政治の場で主張し合うのは、「私はこうして欲しい」という人々の願望ばかりです。
そんな「人々の願望」には、自然科学による論理付けなんて必要ありません。
なので、社会維持型のように社会で生きるタイプほど、「自然科学で筋が通っているか」なんて関係なくなり、「強く主張すれば、配慮される」という成功法則が常識になります。
境地開拓型は、自然科学の論理を重視する
一方で上図の右側、私は「境地開拓型」と呼んでいるタイプは、社会から距離をとって新境地を開拓するのが好きな人たちです。
そういう境地開拓型の人たちは、自然科学の論理を重視します。
だって、広大な自然を前に「自然よ、私にこうすべきだ!」なんて主張しても、自然は配慮してくれませんからね(笑
自然の中で開拓をする場合、自然や科学のルールを知り、それに従う必要があるわけです。
だから境地開拓型ほど、自然科学的や論理的な整合性を重視します。
論理や原理に筋が通っているほど、安心して「この方法でうまくいきそうだ」と判断して行動できると。
「行動原理の違い」を理解すると、相手を理解できる
だから、境地開拓型が社会維持型の人たちを見ると、「アホな原理で恫喝している」みたいに感じてしまうわけです。
この「行動原理の違い」を理解することですよね。
そもそも社会維持型の人たちには、自然科学の論理なんて必要ないし、考えることすらしません。
あるのは「何かにつけて強く主張するほど、利益になる」ということだけです。
そして、こういう「論理破綻した内容でも、お構いなしに主張して、利益を得ようとすること」は、世の中を見ると、よくあるように思います。
例えばアメリカでは、大統領が「インフレはロシアが戦争を起こしたからだ!」みたいな主張をしているんですよ。
ちなみに現実は、インフレは戦争を起こす前から起きていたので、そんなの完全に破綻した論理でしかありません。
確かに「助長させた」とは言えますが、根本は「アメリカがお金を作りすぎたこと」で起きているんですから。
それなのに、その「インフレはロシアのせいだ!」というのが、一定数の人々や社会層に支持されているものです。
これは、やはり「自然科学の論理は関係ないから」だろうと思います。
彼らは政治の論理で動いているから、「インフレとロシアの因果関係が正しいか」なんて関係ないと。
ある意味、「一番政治的に団結できて、声を大きくできるから」という口実作りのために、ロシアを利用しているだけです。
「政治の論理」に気づくこと
他にもこういうのは、多くあるんですよ。
「ビットコインは高額な値段がつきすぎている」と言う人には、「ありえない、お前たちはビットコインを何も知らないクズどもだ!」と攻撃的に反論したり。
「S&P500を買い続ければお金持ちになれるというのも、おかしい」と疑問を呈すると、「株を知らない無知が!」と見下したり。
「MMT(現代貨幣理論)でお金を作りすぎると、短期ではごまかせても、長期ではインフレで破滅的になる」と言うと、「経済を知らない奴は引っ込んでろ!」と怒鳴ったり。
それだけでなく、例えば日本のバブルの頃でも、「これはバブルだ。これ以上、株や不動産を買ってはいけない」と言う人には、「日本の成長を妨げる、非国民が!」と脅迫状まで送っていたぐらいです。
だから、そういうバブルやブームの時期に、自然科学の論理を語る人が少なくなるんですが。
結末はいつも一緒、クラッシュが起きるだけ
でも、結末はいつも一緒です。
自然科学の論理に反することは、続かないものですし、強引に続けるとクラッシュが訪れるものです。
そしてそのクラッシュで、流れが分かっていない人が大損をして、貧しくなります。
今まで「俺は正しい! お前が間違っている!」と攻撃していた人たちが、一瞬にして落ちぶれて、資産を失うと。
まぁ当然とも言える、因果応報ですよね。
一方で、流れを理解していて準備している人が、クラッシュでも助かるし、むしろ相対的には豊かになります。
「自然科学の論理に反して、政治の論理を優先し続ける」というのは、そういう現象を引き起こすものです。
世の中は「自然の支配下で、部分的に政治がある」であって、「政治の支配下で、部分的に自然がある」わけではないんですから。
まとめ
なので、この「政治の論理」と「自然科学の論理」の違いを理解できると、世の中の不思議がより理解できるかと思います。
「Yahoo!ニュースのコメントとか、SNSの政治系トレンドが、論理無視で荒れやすい」というのも、彼らが政治の論理で動いているからですね。
そして、歴史は直近で最も痛かったものを除いて、繰り返すものです。
だから私の中では、今はインフレへの準備をしておくといいかな、と予測して対策しています。
そういうのも一つの観点かな、と思ったりもします。
ということで今日は、なぜYahoo!ニュースのコメントは、原理無視で強引なものが多いのか、ということでお話ししてみました。
今日はここまで~。