「与えよ、さすれば与えられん」
——新約聖書
今までもブログに何度か寄付について書いてきましたが、今回は寄付の仕方とか寄付のコツについて書いてみましょうか。
ところで、私たちはいろんな欲求を持っていますよね。
「こういうのが欲しい」とか「あれも欲しい」とかありますよね。
それとか、「もっと満たされたい」とか「愛情が欲しい」とか。
基本は「欲しい」ですよね。
何かを手に入れることで、満たされようというアプローチを取っているわけで。
私もずっとそういうスタイルだったんですよ。
でも最近思うようになったのが、「欲しい、欲しい」と行動するよりも、実は「与えよう」として行動した時の方が、充足感が得られる……と感じるようになりました。
実際、「今日は何となく寂しいな~」と思った日があったとしましょうか。
すると、ちょろっと大きめなスーパーのフロントとかに立ち寄って、寄付をしてみるんですよ。
そういう場所には大抵、募金用の箱が置いてますから。
(コンビニやファストフード店、書店などにも置いてますが、その辺は何か別のものを買わないと居心地が悪いので、スーパーとか大型商業施設がオススメです)
「フィリピン台風の寄付募集」とか「東北大震災の義援金募集」、「盲導犬の~~」とか、多く置いているので、「これがいいな」と思うところに寄付してみましょう。
すると、「世の中にはそういう場所で苦しんでいる人がいるんだな」と感じられて、「これもある、あれもある、私は十分に豊かで幸せじゃないか」と、あるものを数えられるようになるんですよ。
そして100円でも寄付してみると、「あぁ、このお金が何か温かいご飯の一部になって、被災者の人を暖めるのかな」とか想像すると、もう一瞬で心が温かくなりますから。
たった100円でこの充足感を得られるんですよ。
費用対効果で考えると、精神的にはもう抜群の効果だったりします。
今時、100円とかそこらでそれだけの豊かさや幸福感を味わうことができる商品とかサービスなんて、ないですからね。
つまり私の場合、寄付は他人のためにするのではなくて、自分のためにするわけです。
自分の心の豊かさのために、自分の幸せのためにすると。
これ、実際に試してみるといいかと思います。
結構な効果ありますよ~。
おそらく多くの寄付している人が、こんな風に「自分のため」にしていると思います。
そしておそらく多くの寄付しない人は、「他人のためにしなきゃいけない」からしないんだろうと思います。
実際に私は、これまで他人のためには寄付はしませんでしたしね。
自分のために寄付をするようになって、初めて「寄付ってすごい効果があるな!」と感じたわけです。
ということもあって、「自分に対して効果的な」寄付の仕方や、それに伴うコツを3つほど説明してみようかと思います。
1.寄付の額は少なくていい。頻度を高くする。
カナダの大学教授が実験をして発表した内容があるんですが、次のような傾向にあるようです。
- 収入の額に関係なく、他の人のためにお金を使う方が、幸福感が高くなる。
- 大きい額よりも、小さな額の方が効果があった。
そして他の研究では、こういう結果が出ていました。
「少額でも頻度を高くした方が、合計額が少なくても幸福感が得られる」と。
なので、10万円を1年に1回寄付するよりも、100円を毎週もしくは毎月寄付する方が、幸せ感を味わえるわけですね。
これは私の実感でもそうですね~。
それに、脳の幸福を感じる海馬とか扁桃体とかいう部分は、いわゆる「古い脳」で、「額の大小」という複雑な概念は理解できないんですよ。
そういう額の大小は、比較的新しい脳である前頭葉とかでするものですので。
なので、額の大小よりも、「したか、しないか」という行動そのものと、その頻度が幸福感に影響を与えるわけです。
額は10円でも100円でも大丈夫です。
大きな額をどかんとするよりも、細かいものを高頻度ですると、幸福感は多く味わえるでしょう。
2.人の見ていない場所でする。
寄付をするときに重要になるのが、できるだけ人の見ていない場所でするか、「ありがとうございました」と直接言われないように寄付することですね。
というのも、何のために寄付をするのかというと、豊かさや充実感を味わうためにするんですよね。
それに一番大敵なのは、虚栄心なんですよ。
虚栄心は、欠乏意識からやってきます。
なので、「ほら、俺、寄付してるよ、すごいでしょ!」とか「見て見て! 私、寄付してるんですよ」とかいう感情は、豊かさを促すどころか、さらに「自分は満たされていない」という思いを強化することになります。
精神科医のジョージ・ウェインバーグが言ったように、「人はその行動の背後にある動機を強化する」と言えます。
つまり、「豊かさを味わいたいから寄付をする」のであれば、より豊かさを味わってゆきます。
ですが、「誰かに認められたいから寄付をする」のであれば、その寄付でより欠乏意識を増やしてゆくことになり、結果的にますます満たされない思いが強まります。
私は基本的に、街頭で「○○募金にお願いしまーす」とか言いながら、募金箱を手にして並んでいる人たちは素通りします。
それどころか、もし家に「~~に寄付してください」みたいな人が訪問してきたら、無視どころか追い払うでしょう。
というのも、そういう「人が見ている場所」では虚栄心が出やすいからですね。
もし街頭募金に入れたくなったら、相手に「ありがとうございました」と言われる前に、お金を入れるときにこちらから「ありがとうございます」と言いましょう。
すると、相手は「関係者かな」とか思ったりとかして、虚栄心が出るのを防げます。
いわば、陰徳にする、ということですね。
もちろん、「その程度では虚栄心なんか出ないよ」という人であれば、そういうのもいいでしょう。
ただ、これは「絶対に寄付した相手に気づかれてはいけない」ということでもありません。
例えば寄付は税金からの控除が受けられるので、ちゃんとした額を渡す場合は銀行振込とかを使用して、きちんと領収書をもらっておくといいでしょう。
3.寄付したことを誰にも言わない。
これも引き続き、虚栄心につながります。
寄付したことは、誰にも言わないことですね。
自分の中だけで味わっておくと。
他の人に言ってしまうと、次に寄付するときに虚栄心が出てきますからね。
東北の大震災の時に、「うちの会社はこれだけ寄付しました」という会社が多くありましたよね。
上場企業は財務を公開する必要があるから公開しなきゃいけないんですが、中小や個人でそういうのを公開するのは「うちの会社は虚栄心が強くて、普段は寄付とかしない会社です!」と言っているようなものなんですよ。
そういうのは、外から見ても、あまりよろしくないですよね。
じゃあそういう災害時などでお金を寄付したいときに、普段から寄付をしている人は何をするかというと、私の感覚ではチャリティーをやることが多いと思います。
チャリティーというのは、「タダ働き」ですね。
自分の能力を使ってお客さんを喜ばせる。
そしてその収益を、全額寄付する。
そうすることで、虚栄心を捨てることができますし、お客さんも「貢献した」と感じることができるんですよ。
実際はお客さんは、チャリティーであろうとなかろうと、製品やサービスを受け取っているからほとんど貢献度は変わらないんですよ。
でも、お客さんにも「与えた」と豊かさを味わってもらえる、そう思わせる力もあるわけで。
だから、チャリティーはただ単純に自分が同額を寄付をするよりも、自分の能力を最大限使って、寄付先だけでなくお客さんにも喜んでもらえることができるわけです。
さらには「寄付」という点で、自分だけでなくお客さんにも豊かさ意識を味わってもらえる点で、より豊かさを広げる手段になるわけですね。
まぁそんな風に、寄付をする効果と、そのコツについて語ってみました。
実際にやってみるといいかと思います。
安い額で、とてもいい効果が得られますから。
何かムシャクシャして無駄なことに散財するよりも、こっちの方がきっといい効果を生むかなと思います。
是非参考にしてくださいませ。