今どこかの会社に勤めていて、でもこれから自分でクリエイティブなことをして収入を得てゆきたいという人も多いと思うんですよ。
実際、そういうのが簡単にできるようになった時代ですしね。

でもそういう場合、最初のステップでつまずく人も多いと思うんですよ。

というのも、クリエイティブなことをするには、サラリーマン的思考とは違った考え方がいくつか必要になるんですよね。

その一つが、「時間をお金にする」よりも「時間を未来の可能性のために使う」という考え方かなと思います。

それはつまり、「ただ働きは割に合わない」みたいな時給的発想を捨てることですね。

例えば、1ヶ月かけて一冊の本を書き上げたとしましょうか。
それでAmazonで電子書籍として売りに出して、500円の売り上げができた。

サラリーマン的思考なら、「1ヶ月も労力をかけて収入が500円なんて、アホらしいを通り越してただの馬鹿」になりますよね。

でも、クリエイティブな人の考え方であれば、これはとんでもない可能性を秘めた、未来への投資でもあるんですよ。

 

例えばその人は今までクリエイティブなことを全然しておらず、好きなことでお金を得たことも、不労所得(自分が時間をかけなくても得られる収入)を得たこともなかったとしましょう。

それが、行動を起こして好きなことを本にまとめてリリースした。
そして、見ず知らずの赤の他人が、お金を出して自分の作品を買ってくれた

いわば、世の中から「貴方の作ったものは、お金を出して買いたくなる価値のあるものだ」と言われたと同じなんですよ。

これ、最高の可能性でしょ!

私が生まれて初めて同人イベントに出たとき、CG集を出したんですが、実は2枚しか売れなかったんですよ。
1枚は先輩が買ってくれたもので、これはもう身内が温情で買ってくれたようなもので。

でも、もう1枚は、全く知らない人が、お金を出して買ってくれたんですよ。
今でも忘れません。若い年上の男性でした。
200円ほど払ってくれて、買ってくれて。

もうね、これは何か作って売ったことがある人なら分かると思いますが、初めて誰かが自分の作品を買ってくれた瞬間、世界が変わるんですよ。

「作ったものが、世の中に受け入れられた」みたいな、もう何というか、表現しにくいんですが、喜びというか、可能性が一気に開けた感じで。
それがたった1枚だったとしても、私に対して強烈な未来への可能性を与えてくれたわけです。

CG集を作るのには相当時間をかけたと思いますが、その200円が、今の私を作ったわけですね。

その後、勢いに任せてゲームを作ったら、これがそれなりにヒットしたんですよ。
店にも置いてもらえて、多くの人に手にしてもらえて。
当時私は大学生でしたが、十分にバイト代わり以上になるぐらいのお小遣いになって。

大好きなことをして、楽しんで、そしてプレイしてくれた人にも楽しんでもらえて、さらに大きなお金になって返ってきたわけです。

それは数年単位ですが、10年単位で見ると、その後のヒット作があったおかげでさらに大化けしたわけです。

 

クリエイティブなことをするのをためらう大きな要因の一つに、「うまくいかなかったらどうしよう」という思いがあると思います。

実際、うまくいかないことは山ほどあります。

私も何度も大コケしたことありますし(笑

ただ、それを時給換算したり、「割に合う、合わない」で考えるのではないということですね。
クリエイティブなことは、全て将来の投資になるんだと思うことですかね。

だめだったらすぐに手を引いて、次の対策を練る。
なんか手応えがあれば、もう少しやってみる、みたいに。

 

私が初めてシナリオ理論を書いたのは、シナリオ担当のスタッフさんに教えるためでした。
メール一通だったので、原稿用紙で10枚もなかったと思います。

それで、私の中にある理論の全てを出し尽くしたんですよ。

見方を変えると、「たった10枚しか文章を書けなかった」わけです。

でも、一度出し切ると、数ヶ月すると今度は20枚ぐらい書けるようになったんですよ。

さらに数ヶ月すると、今度は原稿用紙100枚分ぐらいにはできるなと思うようになって。

さらに時間が経つと、初めてシナリオ理論の本「シナリオの設計図」を書いたわけです。
これは新書一冊分ぐらいかなと思います。

その数年後、もう何冊と本を書けるようになって、今ではそれ以上の勢いで書けそうな勢いで(笑

 

そんな風に、最初の200円とか、最初の原稿用紙10枚とかいうのは、いわば大きな木になる種のようなものかなと思います。

サラリーマンだと、どんなに頑張っても、1年間に数千円とかしか給料が上がらないものですよね。

でも、クリエイティブなことは、そんな傾き曲線ではないんですよ。
もう、二次曲線ぐらいの勢いで上がっていくことも多いわけです。

ただ、最初の数値が、サラリーマンと違って低いだけで。

サラリーマンは最初の数値は高いけど、傾きがほぼない。
クリエイティブなことであれば、最初の数値はほぼゼロに近いわずかな数値ですが、工夫次第で傾きをどんどん大きくできる。

売れていくということは、多くの人に喜んでもらえた、受け入れてもらえたということなんですから。

そりゃもう、クリエイティブなことを始めたら、楽しくて楽しくてしょうがないでしょ!(笑

 

なので、その辺の発想を切り替えると。

「時間をお金にする」よりも「時間を未来の可能性のために使う」わけですね。

こういう思考方法だと、最初のステップをうまく進められるんじゃないかなと思います。

参考にしてくださいませ。

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