今日は、制作関係のお話です。

ネタを得るのに情報量は関係ない、というお話をしてみましょう。

 

どうやって情報収集をしているのか

こういう質問をいただいたので、ご紹介。

ニュースや情報などはどのようなもので得ていますか?

あやえもん様のブログや電子書籍を拝見しているのですが、様々な情報が書かれていて「すごいな」と感じることがあります。

私は時代感覚を養ったり、前向きになれるような情報を得たいと思って、テレビや新聞(週刊誌も含む)を得ています。

しかしテレビや新聞では暗くなるような情報ばかりで、(中略)暗い情報を深く考えてしまいます。

 

質問の内容は、「どういう風に情報収集をしているのか?」ということですね。

このブログでも、いろいろ心理ネタとか書いているので、「どれぐらい情報源を持っているんだろう?」と感じる人もいるかもしれません。

 

制作のネタを得るのに、情報量は関係ない

実は私が持っている情報源なんて、とてもわずかなものしかありません。

例えばTwitterのフォロー数も、過去にお世話になった方だけだったり、ブラウザのブックマーク数も少数だけです。

 

実のところ、ブログや漫画などで制作のネタを得るのに、情報量は関係ないように思います。

情報量ではなく、以降で説明する、1つの「キーとなる問いかけ」を持つのもいいでしょう。

これが分かると、ごく少数の情報源から多くのネタを作れるかもしれません。

 

情報量を多くしても、ネタは作れない

普通は、「得る情報量が多いほど、ネタを見つけられる」と思いますよね。

でも実際は、情報量なんてほとんど関係ないように思います。

 

これは、TwitterとかSNSのフォロー数で、1億ぐらいフォローしてみた時をイメージしてみると分かるでしょう。

それほどの情報源を持つと、たった数秒間でも、きっと何十、何百という情報が目の前を流れてゆくでしょう。

目で追うだけでも大変ですし、それが24時間続くとなると、もう地獄でしょ(笑

それに、内容はどうでもいいような細かいものばかりなんですから。

 

1つの「キーとなる問いかけ」を持つ

それよりも、1つの「キーとなる問いかけ」を持つのがいいかと思います。

これは、自分が作りたいものにつなげるための、きっかけとなる「問いかけ」をするようなキーワードですね。

 

例えば漫画を描きたい人の場合、「これをシチュエーションにしたらどうかな?」という「キーとなる問いかけ」を持つこともできるでしょう。

すると、例えば1つのニュース画面からでも、多くのネタを手に入れられます。

 

ニュース画面では、いろんなニュースがありますよね。

「猛暑」とか「水不足」、「山火事」、「有名人の訪問」、「密輸」、「現行犯逮捕」、「新規オープン」、「予定取りやめ」とか。

私が最近見た地元ニュースでは、「小学校の生徒が、春に植えた野菜を収穫」みたいなほほえましいニュースもあったり。

なら、そこで「これをシチュエーションにしたらどうかな?」と言ってみるわけです。

 

いろんな状況を作れそう

すると、自分の持つキャラで、そういう状況を設定してやりとりが作れそうだと分かります。

例えば「猛暑」なら、「このキャラなら、暑い中でも格好良く、クールに過ごして欲しい」、「このキャラなら、こう強がるけど、こう自分の弱みを見せるだろうな」みたいな願望やイメージがあるかもしれません。

その2人が出会ったらどうなるのかとか、それをイメージするだけで、なんだかネタができそうですよね。

 

その上、さらに細かくシチュエーションを割り当てることもできるでしょう。

「水不足」とか「野菜収穫」みたいなキーワードをさらに加えると、「猛暑の中で、(家庭内の)水不足まで起きた」とか、「猛暑の中で、なぜか地元の小学生と一緒に、野菜収穫をすることになった」とか。

すると、複層的に状況を設定できて、どんどんネタを作れるかと思います。

 

私が使う「キーとなる問いかけ」

他の例で言うと、例えば私の場合、「なぜこう思うんだろう?」とか、「なんでこんな差が生まれるんだろう?」みたいな「キーとなる問いかけ」を持ってます。

すると、SNSでも、何気ない人のつぶやきが、ネタになるわけです。

 

例えば先日の未練の話でも、ぼそっと「もし自分がピアノを続けていたら、今頃どうなっていたのかな」というツイートがあったとしましょうか。

なら、そこで「なぜこう思ったんだろう?」と自分に問いかけてみるわけです。

 

すると、いろんな疑問が出てくるものです。

「なぜこの人は、わざわざそんな発言をしたんだろう? 何のメリットがあるんだろう?」

「どういう心理的な欲求を満たしたくて、こういう発言をしたんだろう? どういうメカニズムなんだろう?」

そこから自分なりに予想して、心理メカニズムを解説してゆくと。

 

「自分内工場」を作ろう

で、欲を言うと、その「キーとなる問いかけ」からネタを作り出すまでの、自分なりの1つのパターンを作れるといいでしょう。

 

言うなれば、「自分内工場」を作るイメージです。

例えば製パン会社は、小麦粉みたいな材料を入れると、その後は機械がこねたり焼いたりして、自動的にパンができますよね。

で、製パン会社はそのパンを売って利益にします。

 

同じように、私たちは「キーとなる問いかけ」で得たものを原材料にして、その「加工パターン」という機械に放り込むわけです。

すると、同じパターンで、ほぼ自動的に1つの短編漫画なり、ブログ記事ができるでしょう。

漫画で言うと、例えばニュースから「猛暑」みたいな情報を得て、それをシチュエーションに割り当てて、キャラ展開、オチの付け方まで、そういう一連の「加工パターン」を作ることです。

そして私たちは、その仕上がったものを漫画だったりブログ記事として公開して、喜んでもらって利益にすると。

 

材料よりも、自分内工場を作ろう

なら、そこには「膨大な情報」なんて必要ないと分かります。

重要なのは、ネタを導き出す「キーとなる問いかけ」と、(欲を言えば)そこからの「加工パターン」です。

 

すると、少しの「ネタを提供してくれる情報源」があれば、そこからネタを拾い上げられます。

最初は情報源の質や量よりも、このたった1つの「自分内工場」を作ることに集中する方がいいように思います。

 

で、最初は1パターンで大丈夫です。

うまくできる1パターンがあれば、パンでも漫画でも、短期では十分に通用します。

 

そしてそこから少しずつ、その「自分内工場」をしっかりと安定稼働させたり、そのパターンを増やしてゆくわけですね。

1つの加工パターンの完成度を高めることで、安定的に1つのパターンを仕上げられるでしょう。

別パターンを作ると、バリエーションを広げられるでしょう。

ニッチな専門店ほどバリエーションは少なくてすむし、メジャー向けでも3~4パターンぐらいあれば、十分にいろんなバリエーションを作れるかと思います。

 

まとめ

そんな風に、「ネタを作るには、情報量は関係ない」と思うのもいいかと思います。

多くの情報量ではなく、1つの「自分内工場」を作ることですね。

 

そのために、自分なりの「キーとなる問いかけ」を設定してみるのもいいでしょう。

キャラを固定して、シチュエーションを変える漫画を作りたい場合、「こういうシチュエーションはどうかな?」と言ってみたり。

逆にシチュエーションを固定して、キャラを変える場合、「こういう性格や特徴の人はどうかな?」と言ってみたり。

メカニズムを解説したい場合、「なぜこうなったんだろう?」とか、「どういう思考展開なんだろう?」、「どう発想したんだろう?」みたいなものもあるかもしれません。

 

最初はしょぼいパターンでもかまいません。

でも、少しずつ「これも同じパターンで作れる」と分かっていくと、1パターンからでもかなりのバリエーションを作れます。

パンでも、フレーバーを変えるだけで、いろんなバリエーションを作れるのと同じです。

 

なら、情報は「暗い、明るい」なんて関係ないと分かります。

だって、どれも「おいしさを作る素材」になるんですから。

重曹のような苦いだけの原材料でも、パン工場でうまく加工されると、ふっくらおいしいパンになるのと同じです。

苦い出来事や情報も、私たちがそれを元に加工して仕上げることで、おいしい作品にできる、ということですね。

 

すると「ここに集中すればよかったんだ」と分かって、動きやすくなるかもしれません。

 

ということで今日は、ネタを得るのに情報量は関係ない、というお話でした。

今日はここまで~。

この記事をシェア:
Share