今日は、未来のお話をしてみましょう。
「近い未来、絵の着色は自動でできるようになりそうだな」、というお話です。
画像認識は、ここまで進化した
最近は「ニューラルネットワーク」という分野で、「ディープラーニング」という技術がすっごい流行っているんですよ。
まあ意味不明な単語でしょうが、実際に使っている部分を見ると、その威力が分かるかと思います。
それが分かる記事を、二つほどご紹介してみましょう。
ディープラーニングを小学生でも使えるようにしてみる(WirelessWire News)
記事が長いので、記事の真ん中から少し後半辺りにあるマグカップと、コンピュータ画像の認識をする画像を見てみるといいでしょう。
マグカップとノートPCを、見事に判別しているんですよ。
コンピュータが、ですよ。
グーグルの人工ニューラルネットワークが描く奇抜な世界(CNET Japan)
こちらも記事下の画像で、ムンクの絵やら湖の写真やらを、コンピュータがどういう風に「思い描いているか」をビジュアルで仕上げてます。
結構不気味にイメージしているんですが、それでもだいたいは合っていますよね。
コンピュータに絵の着色をさせる時代
この技術のすごいところは、「この部分はこういうものです」と予測できることです。
となると、例えばこの人工知能に様々な原画と完成CGを見せて、学ばせるわけです。
すると、その人工知能に原画を見せた場合、極めて高精度で、「ここは目、ここは口、ここは肌、ここはリボン、ここは服のひらひら部分」みたいに領域検出ができるようになるわけです。
だったら、人工知能に絵の着色をさせることができるんですよ。
いわゆる、原画ができれば、後は自動で着色できるシステムを作れるわけですね。
他にも、着色方法も学ばせることもできるでしょう。
「ここはこういう陰にする」というサンプルを学習させると、アニメ塗りだろうが厚塗りだろうがノベルゲーム塗りだろうが、陰までそのタッチで塗ることができると。
ついでに、「この人物と同じ色使い」という風に色見本を見せて学ばせると、同じキャラと認識して、配色や陰も同じようにして描いてくれるでしょう。
「朝、昼、夕方、夜」という違いも学ばせれば、シチュエーションを指定して色使いを変えることもできると。
なんかすっごいでしょ。
ついに、そろそろ絵の着色も自動でやってくれる時代が訪れようとしているんですから。
こういう新境地を見ると、私はつい「作りたい!」とか思ってしまうんですが(笑
ゲームもアニメも、作りやすくなる
ひょっとすると10年後ぐらいには、ノベルゲームでも「着色担当」というスタッフはほぼいなくなるかもしれません。
着色コストがどーんと減ったら、ゲームは作りやすくなるでしょうね~。
また、アニメでも、「ノベルゲーム並みの塗りクオリティでの、長編アニメ」が実現されるでしょう。
そしてアニメ制作コストが減るので、ますますアニメ本数は増えてゆくことでしょう。
まあ今のところは画像認識がメインっぽいので、原画は人間が描く必要があるでしょう。
原画を効率化しようとなると、やっぱり3Dからアプローチした方が早いかな、という気もします。
ただ、塗りにかけていたコストを原画に回すことができるので、より原画量を増やせることになるわけです。
また、ひょっとすると、「中割り」みたいな途中のアニメ原画も、この技術で自動生成しやすくなるかもしれません。
昔は「ゲームはゲーム会社が作るもの」という常識がありましたよね。
でも今は、同人でもゲームを作るのが当たり前になりました。
すると同じように、今は「長編アニメは制作会社が作るもの。一部の根性ある同人が、短編を作るもの」という常識がありますよね。
それが近い未来には、「アニメは同人でも長編を作って当たり前」という時代になるかもしれません。
そもそも、もはや最近のノベルゲームってのは、「アニメのCGを削減したバージョン」みたいなものですからね。
ノベルゲームの「地の文」だって、絵で表現できないから文字で説明しているようなものですし。
もし着色が自動でできるようになれば、「ノベルゲーム」という業界自体が衰退していって、その多くが動画やアニメに収斂していきそうな気もします。
まとめ
それにしても、2Dの着色が自動でできそうだというのは、すごいことですよね。
そんな未来を実感できた、今日この頃だったりします。
ということで、今日は「近い未来、絵の着色は自動でできるようになりそう」、というお話でした。
今日はここまで~。