2013年明治安田生命名前ランキング:男の子編女の子編

女の子は「子」がつくのは完全になくなりましたよね。
でも、だいたいが花の名前だったり、優しい、愛しい、美しい、そして時に芯の強い……そういうのはどの時代でも不変ですよね。

でも一方で、男の子はだいぶ変わってきた感じですよね。
実は、名前の付け方っていうのは、特に日本人の場合は「時代ごとのマインド」を反映するものになっているんですよ。

ってことで、今日はちょっと、時代別に見る「名前の付け方」についてお話してみましょうか。

 

「子どもの名前」にその時代の欲求が現れる

子どもにつける名前ってのは、「親が子にどのように育って欲しいか」という欲求が現れているものです。
これを少し掘り下げてみると、「親が『自分自身に欲しい』と思っている欲求」とも言えるでしょう。

そして、時代と共に、その「欲しいと思う欲求」は変わっているんですよ。

例えばその昔、平安時代から江戸時代前半ぐらいまでは、「血のつながり」を大切にする時代でした。
というのも、世の中は戦いに明け暮れていて、社会そのものが不安定だったんですよ。

そんなとき、信頼できるのは家族とか、血のつながりですよね。
まぁ時に家族間で戦うこともありましたが、基本的に「血のつながり」は「信頼の証」だったわけです。

なので、例えば平氏であれば、平清盛とか、平重盛とか平宗盛、平基盛とか、もう似たような名前でごっちゃになるほどで(笑
他にも、織田家も「信長」、「信忠」、「信雄」とか、徳川家も「家康」とか「家光」とか、似たようなものですよね。

 

マズローの欲求階層説で、心理的な成長段階を測る

これは、社会心理学者のマズローが言う「欲求階層説」で見ると分かりやすいと思います。
マズローは、「人間の欲求には階層があって、一つの階層が満たされると、より上の欲求を求めるようになる」と言っているんですよ。

で、その階層は5つあって、下から順に「生理的な欲求」、「安全の欲求」、「所属と愛情の欲求」、「自尊心の欲求」、「自己実現の欲求」とあります。

平氏から徳川までの時代は、そういう風に「どこに所属するか」という第三層の「所属と愛情の欲求」が大切にされていたと思うんですよ。
「お家のために」という価値観で生きていたわけですね。

 

明治時代からの心理的欲求

でも、明治から少しずつ変わってきます。
鎖国が終わって文明開化が起こって、西洋の考え方が国内にもたらされるようになって、西欧諸国との競争社会に飲み込まれることになるわけですね。

世の中は血のつながりよりも能力そのものが重要になる時代になって、「他の人よりも、より秀でることが大切」という価値観に変わりました。

すると、マズローの欲求階層が一つ上がって、第四層の「自尊心の欲求」に入ってきます。
これは一言で表現すると、「他の人よりも秀でていることが重要」という欲求ですね。

なので、明治時代から戦後の高度成長期ぐらいまでは、「剛」とか「隆」とか、「秀」、「智」みたいに「力」とか「智恵」をメインにするような名前がもてはやされます。

 

現代での心理的欲求

そして高度成長が終わって、現代では国内では餓死することがなくなり、世界トップクラスの経済国になり、豊かさを得たわけです。
すると、「他の人よりも秀でる」という欲求から、さらに上位の「自己実現の欲求」に移ってきたと言えるでしょう。

そのキーワードが、「自然との調和」、「強さよりも優しさ・大きさ」ですかね。
(実は、自己実現を突き詰めて考えると、「自己実現=自然との調和」になるんですよ)

男性の場合、「悠」とか「翔」とか「陽」とか、自然や雄大さを感じさせるイメージの漢字が多いですよね。
つまり、純粋な強さというよりも、包み込むような心の器を欲求していると。

そして、人気の韻ではヤ行、ハ行、サ行が多いですよね。
中でも特に、「ゆ」の音が多いですよね。
第一音がその人のメインの韻になりますので、そこから判断します。

これは、ヤ行やハ行は、「暖かい音」じゃないですか。
癒しにつながる響きですよね。
そして、サ行は軽やかな音で。

つまり、暖かく軽やかな、そういう生き方が求められていると。

少し前までは、「タカシ」とか「ツヨシ」みたいな、カ行とかタ行の「強い音」が求められていたんですよ。
でも今は、強さよりも女性を包み込めるような、優しさの方が大切なんだと。

実際、最近の漫画でも、理想的な男性像って、中性的なキャラじゃないですか。
前髪を下ろしていて、長髪で、女性っぽくて、でも女性を包み込める強さを持っている……みたいな。

女性が男性に求めるものが、以前は単純に「稼いでこい!」だったのが、最近は「一緒にいて楽しくさせて」という風に変わってきたわけですね(笑

 

まとめ

まぁそんな風に、人気の名前で、人々の欲求が分かる……ということですね。

でもこれは日本で特徴的なことかなと思います。
西洋では、いろんな尺度の名前がありますしね。

キリスト教圏でよくある「マイケル」とか、大天使ミカエルから取ってるんですよね。
イギリスでよく見かける「リチャード」とかは、「獅子心王」のリチャード王から取ってるんでしょうし。

日本で言うと、「イザナギ」とか「信長」とか名前をつけてるのと同じで、結構感性が違ってますよね(笑

名前もいろんな観点から見てみると、面白いですよね。

そんな感じで、名前について語ってみました。
今日のお話はここまで!

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