最近はクリエイティブな話題が熱いので、今日もクリエイティビティーを発揮するようなお話をしてみましょうか。
今日は、「ありのままの自分で、自分をブランド化する」という考え方についてのお話です。
「ありのままの自分」で売れる方法って、あるの?
よく、「ありのままの自分だと、売れない」、「他の人が望む形にしないと売れない」って思いますよね。
これは大量生産大量消費時代の名残なんですが、その正反対のアプローチとして「ブランド化」というものがあります。
シャネルでもソニー、アップル、フェラーリでもそうですが、彼らは圧倒的な「自分」を持ってますよね。
これは、「自分の独特なスタイルを他の人に与えていこう」というアプローチです。
だから、世の中には二つのアプローチがあることになります。
一つが、「他人(できるだけ多くの人)がウケるものを調査して与えてゆく」という大量生産大量消費的な考え方。
もう一つが、「自分のスタイルを確立して、周囲に与えていく」という個別スタイル的な考え方、すなわち「ブランド化する」という考え方です。
だからありのままの自分で売れたければ、自分をブランド化できればいいわけです。
簡単な話でしょ(笑
そんな自分をブランド化して、他の人に「そのスタイルっていいね!」と思わせれば、売れると。
じゃあ「自分をブランド化するって、どういうことをすればいいの?」というお話です。
何をすれば、シャネルやソニー、アップルのように、他の人に「それっていいね」、「私もそれが欲しい!」と思わせることができるのか。
結論から言うと、「自分のスタイルを作りましょう」ということです。
シャネルもソニーも、アップルも、商品と一緒に、必ず「ライフスタイル」を提案しているんですよ。
彼らは商品だけを売っているわけではない、ということです。
というのも、ライフスタイルを提案しないと、使えないものだからですね。
これを、最近話したクリエイティビティーに関連づけて、2つほど例を挙げてお話ししてみましょう。
例1: 「一本の爪楊枝」をブランド化する
一つ目の例として、先日、高校生の子が爪楊枝をお箸代わりにしたというクリエイティビティーのお話をしましたよね。
その子は弁当を持って行ったのに、お箸を忘れてしまったと。
するとその子は、「お弁当のご飯は固まっていて、しかもおかずは汁気がないから、爪楊枝一本で食べられる」ということで、見事爪楊枝一本で難を乗り切った、というお話でした。
ここで、「一本の爪楊枝」をどうとらえるかなんですよ。
クリエイティビティーを発揮して、「一本の爪楊枝でも食べられる」って発見したわけです。
でも「箸」と比べると、使い勝手が悪いですよね。
そこで、その「一本の爪楊枝」を「劣化した箸」と見るか、「爪楊枝という独自スタイル」と見るかの違いです。
「劣化した箸」と見るのが大量生産大量消費的な考え方で、「爪楊枝という独自スタイル」と見るのがブランド化という考え方です。
で、ブランド化する場合、「一本の爪楊枝」は変えないんですよ。
その周囲を変えると。
言うなれば爪楊枝はそのままで、「お弁当や食べ方」という周囲を変えるわけです。
すると、例えば夏祭りの屋台でも、焼きそばは箸を使わないと食べられませんが、たこ焼きならば、爪楊枝で食べられます。
これをよく見てみると、焼きそばみたく箸を使う場合は立ち止まらないと食べられませんが、たこ焼きみたく爪楊枝ならば、歩きながら食べられると。
だったら、「歩きながら食べられるお弁当」という新スタイルを確立したらどうでしょう。
片手にお弁当、片手に爪楊枝。
今までは、爪楊枝で食べられるものは「たこ焼き」とか「ようかん」みたいに一品ものでしたよね。
でも、あえてお弁当側を「全部刺して食べられる食材」で工夫して、それとセットで爪楊枝を使うことで、いろんな具材を味わえて、なおかつ歩きながら食べられると。
なら、そういう「時間がない人で、外回りで歩かなきゃいけない。でも一品ものは嫌で、弁当でいろんな味を味わいたい」という人には、最高の解決策ですよね。
この裏を返すと、「爪楊枝で食べられる弁当」というスタイルを使えば、昼に何らかの活動しながら、しかも単品ではなく、それなりにしっかりした昼食を楽しめるわけです。
現代人のように、そんなちょっと贅沢を求めて、なおかつ時間を求める人にとっては、こういうスタイルを望む人も多いと思うんですよ。
すなわち、「一本の爪楊枝」を変えずに、周囲を変えて、爪楊枝に合わせる絶妙のポイントを作ると。
「自分を変えずに、周囲を変える」、これがブランド化です。
例2: 「大豆ケーキ」をブランド化する
もう一つの例として、私が昨日話した「大豆ケーキ」で見てみましょう。
内容はと言うと、私は糖質制限をしているので、砂糖たっぷりのものとか糖質たっぷりのものは食べられないわけです。
でも、無性に「どら焼きを食べたい!」ということで、小豆でなくて「大豆のあん+おからの衣」で大豆ケーキを作ったと。
ここで作られた「大豆ケーキ」を、「劣化どら焼き」ととらえるか、「大豆ケーキというスタイル」ととらえるか、という違いです。
「劣化どらやき」ととらえると、味はそれほど濃厚でもないし、甘さも劣るわけです。
でも、「女性向けの朝食・おやつ用ヘルシーケーキ」ととらえると、ブランド化できる、ということです。
糖質がないので太らなくて、さらりと食べられるので軽食に向いてるんですよ。
甘さも控えめなので他の食べ物と合わせることもできますし、何より原料が豆腐+卵なので、すっごいヘルシーだと。
すなわち、「大豆ケーキ」を変えるのではなくて、それに合わせて周囲の食べ方や味わい方を変える、ということです。
「自分」をブランド化する方法
「自分」というものをブランド化したい場合、これと全く同じです。
私たちは、言うなれば「一本の爪楊枝」です。
周囲には、「箸」みたいに、多く賞賛される人がいます。
そこで、「私は劣化した箸だ」ととらえるか、「私は一本の爪楊枝で昼食を食べるスタイルを持てる」ととらえるか、という違いです。
大豆ケーキの例で言うと、「私は劣化したどら焼きだ」ととらえるか、「私はヘルシーケーキだ」ととらえるか、という違いです。
周囲では、既に「箸」という価値観で最適化されています。
「お弁当なら箸で食べるでしょ」と、みんなが当然のように思って、それを評価しているから「箸は素晴らしい」とみんなが思っているわけです。
だから、多くの人が「私も箸のように価値があるようなものになりたい」と、思っています。
でも、私たちは「一本の爪楊枝」なんですよ。
努力に努力を重ねて、箸になろうと競争して、そしてなれなくて、「私はダメな奴だ」と落ち込んでいる、一本の爪楊枝です。
そして周囲から「お前はダメな奴だ」と烙印を押されて、自信を失っているだけです。
ブランド化とは、そうじゃない、ということです。
自分を変えない、ありのままで行くわけです。
「私はありのままの一本の爪楊枝だ。そして爪楊枝でお弁当を食べられるようにすると、お昼が最高に楽しめるようになるよ!」
そのライフスタイルを作り、提案すればいいだけです。
だから、ウケを狙う(他人軸に沿う)ことをすればするほど、自分を失っていくわけです。
「箸になろうと自分を変えて努力する」ことと、「一本の爪楊枝で楽しく生きる方法を作り出す」ことは、全く努力の方向性が違いますよね。
「自分を変えようとする」か、「ありのままの自分で、周囲を変えるか」という違いです。
まとめ
だから、ブランド化とは、「自分のスタイルを作ること」だということです。
自分を変えるのではなくて、周囲やライフスタイルを変えるんだと。
ココ・シャネルも盛田昭夫もスティーブ・ジョブスも、エンツォ・フェラーリも、まずは自分の軸があって、それに合うライフスタイルを提案した、ということです。
シャネルはファッションを売ったのではなくて、「女性は窮屈なコルセットを外して、もっと身軽に生きようよ!」というライフスタイルを提案したわけです。
盛田はウォークマンを売ったのではなくて、「屋外でも音楽を楽しもう」というライフスタイルを提案したと。
ジョブスはiPhoneを売ったのではなくて、「インターネットを携帯しよう」というライフスタイルを。
エンツォは「移動するための車じゃなくて、車で躍動感や興奮を楽しもう」というライフスタイルを提案したと。
周囲では、既に確立している価値観があります。
「女性はコルセットをつけて、肌を露出しない方が優れている」、「音楽は室内で楽しむもの」、「弁当は箸で食べるもの」、「イケメンの方がいい」、「人脈が多い方がいい」、「小説は表現力がある方がいい」、「文章力がある方がいい」みたいな、「みんなが評価するもの」があります。
でも、私たちのありのままは、そうではないと。
だから周囲と比較して、「自分はダメだ」と思ってしまっているだけです。
それを覆すのは、「自分を最高に楽しめる、自分なりのライフスタイル」、すなわち「ブランド化すること」だということです。
そして、そんな楽しみ方を作り上げたとき、他の人は「貴方のようになりたい!」、「どうすれば、貴方のように生きられますか」、「貴方が使っているものやノウハウを売ってください!」と言ってきます。
こうして「ブランド」ができると。
だから、ブランド化したい場合、商品を売るのではなく、ライフスタイルを売ることが大切になるわけですね。
こうすることで、ありのままの自分で、十分に売れるようになります。
私の場合、「お金持ちがいい」、「地位や名誉がある方がいい」という中で、「クリエイティブに生きるのが楽しいよ!」という独自ライフスタイルを提案していると言えるでしょう。
ということで、今日は久しぶりに長くなりましたが、「ありのままの自分で、自分をブランド化する」という考え方についてお話ししてみました。
今日はここまで~。