今日は、お金のお話です。
「私が長期制作していたときに、収入をどう確保していたか」というお話をしてみましょう。
「私が長期制作していたときに、収入をどう確保していたか」
少し前に、こんな質問をいただいたんですよ。
そしていつか自主制作でアニメやゲーム、実写作品を作りたいのですが、長編だと制作に数ヶ月~1年以上かかると思います。
あやえもさんがアニメを長期間制作していたときは、収入をどうやって確保されていたのでしょうか?
こういうのを知りたい人って、結構多いかもしれません。
お金をどう管理していくか、ということですね。
質問の回答をダイレクトに言うと、「それまで稼いだ収益で生きていました」です。
これは単純に、収入をどういう期間で管理するか、ということですね。
小学生低学年とかでは、「一週間のお小遣い」という風に、一週間ごとに入るでしょう。
普通のサラリーマンの人だと、「月収」っていうくくりで、一ヶ月ごとにお金が入りますよね。
で、投資家は、四半期とか半年、もしくは1年ごとにお金が入るかもしれません。
ビジネスオーナーでビジネスの立ち上げ時にもなると、「投資しても2~3年はお金が入ってこない」ということもあります。
ゲーム制作みたいに、長期プロジェクトでやるのも同じです。
制作に1年半かかるのであれば、1年半ごとの収入として管理してゆくと。
私が思うに、収入間隔が長期的になればなるほど、そして収益が確定しない(リスクを背負う)ほど、自然とお金の管理をしっかりとできるようになると思います。
同時に、収入額も高くなる傾向にあると。
まあそれは当然で、お金に対してリスクを背負う場合、使う額とリターンに対しては慎重になりますからね。
逆に、「どうせ来月の何日になったら、またお金が入るし」とかいう状況に慣れてくると、あんまり考えなくなりますよね。
「生涯収入を早めに稼ぎきる」という発想
私の場合、「嫌なことを一切せずに、自由に生きられること」を最も大切にしています。
だから、独立する前から、「人生のできるだけ早い段階で、人生を遊んで暮らせるほどのお金を稼ぐか、資産を作ろう」と決意していました。
すなわち、「生涯収入を、早い段階で稼ぎきっておこう」ということですね。
私は夏休みの宿題を最初の一週間で終わらせて、後は後顧の憂いなく遊びほうけていた人ですが、その「夏休みの宿題を、早めに終わらせておこう」というノリと同じです(笑
その場合、「会社で雇われて、給料をちびちび預金する」だけでは、ほぼ間違いなく実現できないんですよ。
なら、「何にお金を使って、その資産を用いて、どんなリターンを得るか」、ということを考える必要があるわけです。
すると、私の場合は「自分の能力に投資する」というのが一番最初に設定しました。
お金や資産は奪われても、能力は奪われませんからね。
そして経営やビジネスを学んで、お金を稼ぐこと、お金の使い方を長期的に計画して管理すること、お金を運用することを学びました。
で、この発想で考えていくと、生涯収入を早めに稼ぎきるには、「大好きなこと」とか「得意なこと」を武器にしなければできないんですよ。
我慢をしてサラリーマンをしたり、弱い点を克服しようとするアプローチでは、ほぼ不可能ですから。
だから、「生涯収入を早めに稼ぎきる」という発想をしたら、ほぼ確実に「大好きなことをしなければならない」という考え方になっちゃうわけです(笑
それが独立する前の段階です。
10年単位で、お金を管理する
そして私の場合、独立するときに10年間は遊んで暮らせるほどの額を稼いでから、独立しました。
10年あれば、無収入になっても立ち直ることができるだろうと。
普通のサラリーマンが一ヶ月単位で「今月はやばいな」、「今月は余裕があるな」とか考えるところを、私は10年で「この10年はやばいな」、「この10年は余裕があるな」と考えている、ということですね。
で、今でも10年区切りで考えています。
本当は生涯収入を稼ぎきる方がいいんですが、これからの時代は日本でも、実質的な国家破綻とかお金の価値がなくなるだとか、そういうのが普通に起きてくる時代になります。
なので、今は生涯収入は無視して、少し狭めて「10年間生きられればいいや」という額や資産を保持しています。
で、余った分を、見栄とか贅沢品に回してゆくわけですね。
もし足りなければ、「今月はやばいぞ」というノリと同じで、節約したり、対処していくと。
「お金があればあるだけ使ってしまう」という人もいるかもしれませんが、私はあんまり見栄にはお金は使いませんし、無駄遣いはしないんですよ。
だって、私にとっては自由が一番ですからね。
都会でブランドものを見せびらかして自尊心を得るぐらいなら、田舎でくつろぎながら、大好きな制作ばかりをして生きたいわけです。
だったら、「ちょっと高級にして見栄を張るか、それとも一年間遊べる時間を買うか」とか思うと、時間を買いたくなるんですよ。
もしくは、「この見栄を張るか、それとも楽しい制作や運用に回してリターンを得るか」とか思うと、やっぱり楽しいリターンがある方を選びたくなると。
なので、私はお金があっても質素に生きられるんじゃないかと思います。
お金を管理することも、楽しいことになる
だから、普通の人が持っている基準から見ると、私は少しより高い(より厳しい)ハードルを設定しているように感じるかもしれません。
例えば私の場合、「生活費を別収入から得る」ことはあっても、「制作資金を得るために、別収入を確保する」という考え方はしません。
制作資金は、全て「前作の売り上げから出す」ことになります。
つまり、最初はほぼ資金ゼロの段階から始めて、少しずつ収益を増やしていくわけですね。
私も最初のゲームは、フリーソフトばっかりで、しかもほぼ一人で作りました。
そうやってできるだけお金を使わずに始めて、収益を上げつつ、どんどん再投資していく流れになります。
だから「別収入から得たお金を、自分のビジネスにつぎ込む」ということは、基本はしません。
で、「一度でも赤字が出たら、その活動は即やめる」という判断基準です。
それぐらい、収益を生まないものには手をつけない、ということです。
私は「大好きなことをして生きていけるなら、大金を稼げなくてもいい」という発想は持ちますが、「収益がなくてもいい」とか「赤字になってもいい」という発想はしません。
ここで多くの人が、条件反射的に「ああ、ならあやえもさんは、そういう厳しい中にいるんだなあ」とか思うかもしれません。
ですが、繰り返しますが、「生涯年収や遊んで暮らせるほどのお金を稼ぐには、好きなことや強みに集中しなければならない」ということです。
普通は「お金の管理」イコール「しんどいこと」とか思いますよね。
でもそうじゃなくて、「大好きなことをして、結果としてお金の管理も大好きになる」という発想です。
例えば旅行に行くのでも、「ここをまず行って、ここでお昼を食べて……」とか、限られた時間や予算の中で計画するじゃないですか。
そういう計画そのものも、楽しいですよね。
それと同じで、「大好きなこと」をしていると、「お金の管理」も大好きなことに含まれる形になる、というイメージです。
だから、お金の管理そのものも、質素に生きることも、工夫をして豊かさを味わうことも、基本的に楽しいことです。
それは、念願だった旅行を精一杯楽しむのと、同じことなんですから。
まとめ
なので、「大好きなことをする」と決意して、長期的に考えれば、自然とお金の管理ができるようになると思います。
そして本気で生涯収入を早めに稼ぎきることを考えれば、長所を武器にしないとできないので、「大好きなことをしなければならない」になると。
それぐらい、「大好き」パワーを極める必要がある、ということです。
私たちは、念願だった「自分の人生」という旅行を楽しもうとしているようなものです。
なら、旅行をしっかりと最後まで楽しむためには、しっかりとしたお金の管理と配分が大切ですよね。
で、本当に自分が欲する人生を歩き始めたら、そういう計画も自然と楽しいことになる、ということです。
すると、自然と後の道は見えてくるんじゃないかと思います。
ってことで、今日は「私が長期制作していたときに、収入をどう確保していたか」というお話をしてみました。
今日はここまで~。