夢を叶えたい。
でも、自分には到底できそうに思えない。
そういう場合、「自分が認識しているもの」を変えると、可能性が見えてくることがある。
実は私たちは、世の中のことを分かっているようで、全く分かっていない。
例えば、朝、学校や会社に向かう途中で、何台の車とすれ違ったのかを言える人など、まずいないものだ。
それは、脳が「それらの情報は必要ない」と、勝手に切り捨てているために起こる。
もしそれらの情報まで意識に上げていたら、脳は処理しなければならないことだらけで、パンクしてしまうからだ。
私たちは、1秒間におよそ11,000もの情報が脳に伝わるが、それを「自覚」するのは、その中からたった9つ程度にすぎない。
およそ、1/1000しか、世の中のことを把握できていないわけだ。
つまり、私たちは世の中を見ているようで、世の中にある情報の大半を見ずに、「自分が見たいもの」だけにチューニングして認識しているのだ。
この「認識する9つ」は、人によって変わる。
ある女性は、男性と一緒に歩いていて、「あの角のビルの二階に、新しいカフェができていたね。今度行こう」と言う。
しかし男性は、「え? そうなの? 知らなかった。そういやさっき、ベンツの最高級車が走ってたな」と言う。
もちろん、女性はそんなことに気づきもしない。
知覚されなかった情報とは、私たちにとって「世の中に存在しないもの」でしかない。
これは、ラジオの周波数で考えると分かりやすいだろう。
ある周波数にチューニングを合わせると、その周波数の放送が頭に流れる。
しかし別の周波数にすると、別の放送が流れる。
私たちは、11,000という情報の中から、9つという限られた周波数域を、どこに合わせるかで、何の放送(どんな人生)を得るのかが変わる。
豊かな人は、豊かな周波数に合わせて、世の中からその情報を取得している。
貧しい人は、貧しい周波数に合わせて、その情報を取得している。
「人によって、全く住んでいる世界が違う」というのは、普通に起こることであり、当たり前のことなんだ。
例えば、遅刻魔がいたとしよう。
彼は「時間に間に合うことは重要ではない」と思っている世界に住んでいる。
普通の人は、「間に合うのは重要だ」と思っている。
遅刻魔に「遅刻はダメだ」と言っても、大抵は直らないものだ。
それは、「合わせている周波数が違う」から。
まさに、同じ物理世界に住んでいるにもかかわらず、全く「住む世界が違う」のだ。
同じように、豊かな人と、普通の人が思っている「重要なこと」と「そうでないこと」も違っている。
私たちが遅刻魔に対して、「そうじゃないんだけどな」と言いたくなるのと同じように、豊かな億万長者も普通の人に対して「そうじゃないんだけどな」と思っている、ということだ。
現状を変えたい場合、「周波数を変えよう」と思おう。
最も危険なのは、「『私は正しい』という証拠を得よう」とすること。
劣等感がある人は、「私は間違いたくない」、「過ちを認めたくない」と願う。
しかしそう思っている限り、現状を変えることはできない。
周波数が変われば、早ければ5~10分で、チャンスや可能性が見えるようになる。
本当に周波数が変わっていれば、「昨日までの自分はありえない」と、愕然とするほどだろう。
その周波数を変えるコツは、「なりたい姿になっている人の波長」に、できるだけ長く触れること。
音叉(おんさ)と同じで、波長は伝染する。
例えば一流ホテルのラウンジにいるだけで、次第にその周波数に合うようになるんだ。
現状を変えたい場合、自分の中にある「周波数」を変えることに目を向けてみよう。
すると、今まで全く「別世界」でしかなかった可能性が、ふいに見えてくることもあるんだ。