今日は、精神的なお話です。
「自分が将軍だったら、どう振る舞うか」で考えてみると、冷静になれる、というお話をしてみましょう。
混乱すると、こういう言動をするようになる
Twitterで、思わず笑ってしまう、ちょっとした人を見つけたんですよ。
一言で言うと、「周囲から見ると恵まれている状況にいるのに、すっごい自分の不幸を騒ぎ立てて、わめき散らしているような人」ですね。
「私はこんなに不幸なの今日はこんなに苦しいことがあって5年前からずっとこうでそれでお金もこんなに使わされてこんなに痛くて苦しくて理解者もいなくてさみしくて何もできなくて人生詰んだもうやだしんじゃうちんじゃうちんでちまうー!!!」みたいな(笑
そして都会の高級高層マンションに住んでいて、毎週のように旅行に行っているわけです。
で、「今日はこんなおいしいものを食べました。わーい」、「今日はこんな場所にお出かけしました、しあわせー」、「新しい服、買いました。○万円もしたんですよー」と、その豪華な写真をインスタで公開していたりするんですが。
支離滅裂とはいえ、これだけ混乱している姿を見せられると、見ているこちらが冷静になれますよね。
「そうか、人は混乱すると、こういう言動をするようになってしまうのか」みたいな。
これは、「戦略がない」とも言えるかもしれません。
もし周囲からの哀れみや施(ほどこ)しが欲しい場合、不幸さや不平等さを重点的に訴える方がいいですよね。
なのに、周囲からの尊敬とか、自尊心が欲しいばかりに、周囲に「私はこんなにすごい」、「私はこういう幸せを味わっている」と、わざわざきらびやかに演出して主張するわけで。
すると、他者から見ると、「すっごい恵まれているのに、不幸をわめいてばかりで、恵まれている点が見えていない残念な人だな」と感じてしまいます。
結果として、周囲から嫉妬とか怒りを買って、施しも自尊心も、どちらも得られなくなってしまっていると。
混乱をどう取り除けばいいのか
人は混乱していると、こういう風に支離滅裂な戦略をとるようになってしまいます。
周囲から嫉妬や怒りを買う場合、たいていがそういう矛盾した行動を取ってしまっているからですね。
ちなみに欲求そのものは、悪いものではありません。
「自尊心が欲しい」、「哀れみや施しが欲しい」、「お金が欲しい」、「もっと豊かになりたい」、「愚痴や不平不満を言いたい」というものは、誰もが持つ欲求で、自然なことです。
ただ、それらの欲求を実現するには、戦略が必要になります。
その戦略の善し悪しがある、ということですね。
そしていい戦略をとるには、混乱を取り除く必要があります。
言うなれば、夜に疲れて帰ってきて、「私はおなかもすいている、お風呂にも入りたい、でもトイレにも行きたい」という状況と同じです。
で、最初に何をするのかを決められないから、何もできずに「おなかも満たされない、お風呂にも入れない、おもらししちゃった、なんてひどい世の中だ」と嘆いているようなものです(笑
じゃあどうすれば、そんな混乱を取り除けるのか。
そこで、「自分が将軍だったら、どう振る舞うか」で考えてみるといいでしょう。
すると、冷静になって、着実に欲求を実現できるように思います。
これから戦争をする場合、どういう感覚で戦うか
まずは、今は戦国時代だとして、これから戦争をするとしましょう。
で、自分はその全軍を指揮する将軍です。
戦争をして勝利できれば、より新たな豊かさが手に入ります。
ただ、もちろん戦争をするからにはある程度の犠牲が必要なので、ある程度の豊かさを失うことになります。
そういう場合、将軍が「私はこんなに不幸なの苦しいのもうやだちんじゃうー!」とか言っても、何もなりませんよね。
それどころか、部下から「こいつはダメだ」と、謀反を起こされそうなぐらいで(笑
そういう「私はこんなのやだー!」というのは、末端の兵士感覚だと分かります。
言うなれば、指揮をする立場になると、できるだけ冷静さが必要になると分かります。
特に劣勢なときほど、目の前の現実に悲観することなく、冷静さを取り戻すことが必要になります。
「予測」を持てると、行動できる
じゃあどうすれば冷静さを保てるのかというと、「こうすればこうできる」という予測をどれだけ持てるか、じゃないかと思います。
うまく予測ができるほど、行動できますからね。
で、多くの人は「勝つ予測」ばかり欲するんですが、それだけでは必ず動けなくなります。
というのも、動くには、必ず「負ける戦略」が必要になるからですね。
状況を立て直したい場合、必ず戦力の再配分が必要になります。
その場合、必ずどこから「負け」を認めて、撤退して、勝てる場所に戦力を向ける必要があるわけです。
それができないと、現状から何も動けなくなるんですよね。
言うなれば、「うまく負けなさい」と。
それは完全な敗北や永遠の撤退ではなくて、後回しにすればいいだけです。
これができないと、戦力を現状維持のためだけに使うようになってしまいます。
だから、「こっちに戦力を立てれば、あっちが立たなくなる」という風に、行き詰まりを感じるようになります。
本当に必要なのは、戦力を割いて「維持する」のではなく、戦力を割いて「新たな豊かさを作る」ことです。
そのためにも、うまく負ける部分を作る必要があるわけです。
優勢時と劣勢時に気をつける
武道では、「優勢時におごらず、劣勢時に冷静でいる」みたいなことを重視するじゃないですか。
まさにそれで、人の器は、特に優勢時と劣勢時に出るように思います。
それは、優勢時も劣勢時も、共に「予測に反した場合」だからなんですよね。
思いの外優勢になった場合、自分にとってはそれは有利ではありますが、根底には「予測を外している」という問題があります。
そういう「予測を外している」というのに「自分の実力だ」と思うと、将来的におかしなことになりそうだと分かります。
だから、優勢時におごらないことが必要なんだと。
劣勢になったときも同じで、予測を外しているのに、最初に立てた前提に固執して戦いを続けるのは、愚かなことです。
そして、結果として「劣勢時の戦力の逐次投入」という、最も愚かなことをしてしまうと。
結果は、「だれか私を助けて」と、英雄待望論が出てくるだけです。
それだけ「予測を外した状況で、予測していた戦い方を続けること」は怖いわけですね。
実際、「撤退を考えていない将軍」ほど、部下にとって恐ろしいものはないでしょ(笑
そういう人は、どんなに頑張って、どんなに勇ましく戦ったとしても、一度の敗北で簡単に滅亡します。
逆に生き残る人は、上手く撤退をして、勝ちやすい場所で勝つわけです。
だからどんどん余裕が出て、冷静さを保てるんだと。
まとめ
そんな風に、混乱を取り除くためにも、自分が将軍になったイメージで振る舞ってみるのもいいでしょう。
自分が軍の指揮官だったら、何をどう攻略していくのか、戦略を考えますよね。
すると、支離滅裂なことをすることもなく、地に足がついた戦略を実行してゆけるんじゃないかと思います。
豊かになるには、全ての戦いに同時に勝つ必要はありません。
むしろ、勝ちやすい場所を先に見つけるぐらいのノリの方が、上手くいきやすいことも多いものです。
「おなかもすいている、お風呂にも入りたい、でもトイレにも行きたい」という場合、とりあえず空腹は我慢して、トイレに行けばいいと(笑
ただ単純に、その規模を大きくしただけです。
すると、「なら、トイレの間に料理ができる方法はないかな?」、「ご飯を食べている間に、お風呂ができる方法はないかな?」と、考えることができます。
すなわち、「負ける部分」を決めるから、その部分を利用するように、いろんなクリエイティビティーを発揮できるようになるわけですね。
混乱を取り除けば、これが見えるようになります。
そういう身軽なノリで、予想とフィードバックを重ねつつ、欲求を満たしていくわけですね。
撤退戦略とは、その予想をフィードバックに変換するためのシステムです。
この原理が分かると、冷静さを保ちながら、戦略を考えて、着実に自分を満たせてゆけるんじゃないかと思います。
ということで今日は、「自分が将軍だったら、どう振る舞うか」で考えてみると、冷静になれる、というお話をしてみました。
今日はここまで~。