少し前に、面白い話を知ったんですよ。
これは、「クリエイティビティーがあるな!」と思わずうなる内容なので、是非紹介してみようかと思います。
「傷物の貯金箱」のお話
経営コンサルタントの小阪祐司さんが、どこかの本で紹介していた内容で、こんな事例があったんですよ。
それは、街の雑貨屋さんで、いろんな雑貨を置いている店でした。
で、商品の一つに、陶器でできた、猫の貯金箱があったんですよ。
でも、その一つが、陶器なので割れてしまって、耳がかけていたんですよ。
普通、こういう商品は「傷物」とされて、敬遠されるものじゃないですか。
そりゃそうですよね、誰だって、新品で傷がないものの方が欲しいものですから。
もし売るなら、大幅な安売りをしたり、おまけをつけたりする必要があるわけで。
だけど、その店の店主が少し考えて、一枚のPOPにちょっとしたことを書いて、その傷物商品を陳列したら、その商品がすぐに売れたって言うんですよ。
しかも、正価(割引なしの値段)で、ですよ。
店の主人が、「これ、傷物ですよ? それでもいいんですか?」と何度も確認しても、そのお客さんは「これがいいんです!」と言って、他の完璧な商品よりも、その傷物の方を欲したというほどに。
じゃあ、店主はそのPOPにどういう内容を書いたのでしょうか、というお話です。
店主が書いた、1枚のメッセージ
お客さんが、あえて傷物、いわゆる不良品の方を欲しい!という、そういうメッセージなんて、あるんでしょうか。
もったいぶらずに答えにしましょうか(笑
店主はそのPOPに、何を書いたのか。
店主は、耳のかけた猫の貯金箱に、次のようなメッセージを添えて陳列しました。(うろ覚えですが)
「僕は、猫の貯金箱です。
3月3日のひな祭りの日、ここに運ばれて来る途中に、交通事故にあって片耳がなくなりました。
でも、おかげさまで元気になりました。
こんな僕ですが、可愛がってくれる飼い主さんを募集しています。
おっちょこちょいですが、冗談の分かる猫です。誰か、僕の友達になってください」
すごいでしょ!
もう、胸にずきゅーん!って来るでしょ!(笑
そりゃもう、「この子がいいの!」って言うお客さんの顔が目に浮かぶでしょ。
この店主は、片耳が欠けた傷物を、独自の価値へと転換したんですから。
そして、このPOPを展示した瞬間、この商品が安売りもなしに、すぐに売れたって言うんですから。
もっと他の耳も壊したくなるぐらいでしょ(笑
ちょっとした工夫で、傷物が魅力へと変わる
普通、「正常でない」っていうのは、「劣っているもの」とみなされますよね。
でも、ちょっとした工夫で、「これがいいの!」と、魅力へと転化することができるわけです。
それは、商品だけではないんですよね。
私たちの性格やら、作品、特徴やらも同じです。
一見、他から見ると、それは何か欠けた傷物のように見えるかもしれない。
でも、ちょっとした工夫で、それは一気に魅力へと変わるわけです。
そこには、努力も頑張りも、安売りも必要ないわけです。
「僕は、耳がかけている。他の人よりも劣っている。だから、頑張らなきゃ」、なーんてことは必要ないんですよ。
欠けている、それを傷物ととらえるか、魅力ととらえるかの違いですよね。
ほんのちょっとの工夫で、人は、一気に輝き始めるものなんですよ。
それがクリエイティビティーなんですよね。
まとめ
だから、「頑張る」よりも、「クリエイティブに」ですね。
「頑張る」っていうのは、ほとんどの場合、他人軸なんですよね。
自分の魅力っていうのは、自分軸なんですよ。
自分の魅力を、どう見せるのか。
欠点のように見えるものは、実は少し裏返せば、最高の魅力なんですよ、ということです。
そういういい事例かなと思うので、紹介してみました。
ってことで、今日はクリエイティビティーのお話をしてみました。