今日はしょーもない日記です。
思わず衝撃を受けた、本のタイトル
なんか最近、Amazonの無料配布本を、ちょくちょく見ているんですよ。
それで、全くの守備範囲外だったにもかかわらず、思わずタイトルだけでクリックしてしまったという、衝撃的な本(女性向けライトノベル)のタイトルがあったんですよ。
もう、久しぶりに「こんなタイトルをつけるとは、やるな!」と思ったというか。
そのタイトルが、これなんですよ。
「マジメな魔王様を誘惑したらドSな絶倫になりました。」(実際の商品はこちら)
もうね、ド直球(笑
いや、これはある意味、「すっごい変化球」なんでしょうか?(笑
年齢制限があるようなエロメインな物語では、よくこういうタイトルはあるものですよね。
ただ、このタイトルには、その辺のタイトルとは違う、物語的な面白さが凝縮されていると思うんですよ。
面白さが端的に説明されたタイトル
というのも、これは女性向けのラノベなんですが、まずは「真面目な魔王様」っていう時点で、恋愛相手のキャラクターが端的に説明されてますよね。
もうこれ以上ない、キャラ紹介でしょ。
そして、「真面目な魔王様」っていう風に、キャラのギャップというか、魅力が織り込まれている分けじゃないですか。
普通、「魔王」って言うと、わがままだったり、傲慢だったり、独善的だったりしますよね。
でもそうではないキャラクターなので、そこから物語が生まれうるわけです。
物語とは、「問題を解決する過程」ですからね。
真面目に魔王をしようとすると、そこにいろんな問題とか、トラブル、困ったことが生まれそうじゃないですか。
「世界征服をしようとしているのに、ろくでもない部下たちに頭を抱えている」とかいう魔王がいたら、面白いですよね。
それに、「なぜ真面目になったのか」とか考えると、過去にもいろいろありそうですよね。
そういうキャラの魅力が端的に表されていると。
で、「誘惑したら」っていう言葉で、主人公の性格が出てるじゃないですか。
相手が真面目なので、おもしろ半分に誘惑しちゃいました、みたいな。
すると、それだけで主人公と相手との立場、関係が理解できて、なおかつ感情移入できますよね。
極めつけが、ラストの「ドSな絶倫になりました」ですよね(笑
これは、「真面目」との対極になっている上に、物語の内容を端的に表現しているわけで。
さらには、女性向けのターゲットもしっかりと絞り込めていると。
「必須技術を手放して、圧倒的なクオリティを出す」というアプローチ
言うなれば、本一冊分の魅力を、まさに「言葉で説明した」って感じですよね。
本のタイトルって、だいたい象徴的な言葉(暗喩:メタファー)を使いますよね。
類似本のタイトルで言うと、「かりそめの花嫁」とか「暴君伯爵の甘い手ほどき」とかあるわけです。
こういうのは、「かりそめの花嫁」という象徴から、「主人公は一時的な花嫁にさせられて、別れが来ることが決まってるんだろうな。でも愛し合って、相手は主人公を選ぶようになるんだろうな」とか連想すると。
「甘い手ほどき」なら、「甘いエロなのかな。相手は主人公よりも格上の関係なんだろうな」とか連想するわけで。
暗喩(メタファー)という技法を使って、分かりやすく、短く表現していると。
でも、「真面目な魔王様~」は、そんな象徴ワードは一切なくて、いわば「要約」ですよね(笑
「あえてこざかしいテクニックは使わないぜ」、「俺はストレートしか投げないぜ」みたいな、そんな堂々とした態度を感じるわけで(笑
これはこれで、すがすがしいですよね(笑
こういう、「人とは違ったことで、圧倒的なクオリティを出す」という人って、私は大好きなんですよ(笑
普通、メタファーという技術使わないのは、「劣っていること」ですよね。
メタファーなんて、誰もが使う、必須中の必須技術だとも言えるでしょう。
でも、その技術をあえて手放した上で、最高のタイトルクオリティを出すわけです。
野球で言うなら、変化球を一切使わずに、ストレートだけでばっしばっしと打ち取るような、そんなピッチャーですね。
これこそ格好いい姿、見事な割り切り方でしょ!
まとめ
そんな風に、「私はこれが苦手だなぁ」というのがあったら、それが一般的には「必須」だと言われていたとしても、「あえてそれを手放す」という選択肢があるものなんですよね。
そして、その上で圧倒的なクオリティを出したとき、その人は英雄になる、ということです。
そういう割り切り方も、いいんじゃないかなと思います。
いや、女性向けのエロ系ラノベのタイトルから、壮大に生き方を語ってしまいましたが(笑
この割り切り方が、あまりにもすがすがしくて、クオリティも高かったので、つい(笑
ってことで、今日は久しぶりに衝撃を受けたタイトルってことで、お話ししてみました。
今日はここまで~。