今日は精神的なお話です。
技巧ではなく、「いいものはいい」という感覚もいいですよね、というお話をしてみましょう。
ビリー・シーンのメッセージ
ちょっといいメッセージ動画付きツイートを見つけたのでご紹介。
ビリー・シーンから迷えるベーシストへのメッセージ#ベースの日 #ベースの日2020 https://t.co/ZqKfJPi3zx pic.twitter.com/jxc8ZEiTg5
— Gear_Otaku (@gear_otaku) November 11, 2020
ロックミュージシャンのビリー・シーンが、演奏とか上達のコツについて語っている動画です。
で、その一番のメッセージが、こんな感じです。
「技巧面で一喜一憂しないことだ。『いい音楽』を演奏できれば、それでいい。いいテクニックがいいんじゃなくて、いい音楽がいいんだ。技巧に惑わされるな」
「技巧」よりも、「何を作りたいのか」
これ、音楽に限らず、よくあると思うんですよ。
「プロがやるような、目立って、素人が簡単にはできないような超絶技巧がすごい」という誤解ですね。
これは、より正確に言うと、「自分にとって最も重要なのは何かを理解する」ってことかなと思います。
「超絶技巧」が重要なのか、「いい音楽を作って届けたいこと」が重要なのか。
で、本当は「いい音楽を作りたい」なのに、そこで技巧ばかりを求めてしまうと、「表面的なものばかりで、いいものが何も作れない人」になりそうに思います。
いい音楽って何?
もちろん、芸術家とか演奏家になりたいのであれば、まぁそれでいいんでしょう。
でも、「自分が奏でたい音楽で、自分も他人をも楽しませたいミュージシャン」になりたい場合、そういうのは必要ないんですよね。
実際に、「いい音楽って何?」、「いい小説や物語って何?」、「いい漫画って何?」と考えてみるといいでしょう。
すると、私の予想では、「すごいテクニックを使っていること」を第一に持ってくる人は、あまりいないんじゃないかなと思います。
そうではなくて、「感動できること」とか、「魂を揺さぶられること」、「心がいい方向に動かされること」、「元気が出ること」みたいな内容になるんじゃないかな、と思ったりします。
なら、テクニックがなくても、いい音楽はいいし、心を打つものは心を打つ、と分かるかと思います。
「自分が下手なことにすら気づかない」状態
そして実際に、「下手なのに、心を打つ作品」とか、「下手なのに魂がこもっている作品」、「下手でも売れる人」ってのは、よくありますよね。
特に同人誌即売会とか歩いてみると、そういうのがよくあるように思うんですが。
そういう人は、下手でもためらわずに出せるんですよ。
そもそも、「自分が下手だ」とも感じていないわけです。
だって、「魂から出したいものを出しているから」ですね。
他の表現で言うと、「自分にとって、意味があるから」とも言えるかもしれません。
そんな「自分にとって、やる意味がある作業」には、「うまいか下手か」なんてことは関係ありません。
意味があるからやる、それだけですよね。
なぜ「他の人と比べない」のか
そしてそういう人は、「魂が震える部分」に全神経を集中しているから、他の人と技巧を比べることもありません。
それは、「他のすごいテクニックを持つ人の作品」に触れたとしても、「魂でしか見ていない」ので、技巧面が目に入らないからですね。
ある意味、「すごい技巧だ」というのは頭では理解できても、何も魂に触れなければ、それは「残らない」わけです。
だからこそ、「魂を振るわせる部分」に関連する技術を、ピンポイントで射貫いて得るわけです。
だから最も本質の部分から学べるし、人の心を揺さぶるし、下手でも関係なく出せるし、ファンができるんだと。
で、そういう魂の動きが先にあって、技巧はその後をついてくるもの、だということです。
私はこういう「魂」部分が大好きなんですよ。
実際にこのブログでも、私は自分の理論に技巧があるのかどうかすら、分かっていない状態です。
だから、どんどんいろんな理論や論理を書けるし、出せるんじゃないかな、と思います。
そして私も過去にそういう経験があるんですが、やはり技巧を気にし始めると、急にその活動がつまらなくなったように思います。
技巧を気にするようになると、他の人と比べるようになって、急に自分の作品が恥ずかしくなるんですよね。
そして、結局そういう「技巧を気にし始めたもの」は、やめていったように思います。
まとめ
そんな風に、技巧に惑わされないことですよね。
楽しくできることほど、そういう「自分に技巧があるのかすら分からない状態」になるんじゃないかと思います。
「私は音楽を奏でたいんだ」、「私は物語を紡ぎたいんだ」、「私は目からウロコなことを見つけて、語りたいんだ」と分かると、技巧はさして重要ではなくなるかなと。
すると最も重要な部分に集中できて、楽しく作れるし、それが「必要な技巧」をもたらしてくれるかなと思います。
ということで今日は、技巧ではなく、「いいものはいい」という感覚もいいですよね、というお話でした。
今日はここまで~。