今日はビジネス的な考え方のお話です。

「世代間の感覚の差」が分かると、なぜブラック企業があるのかが分かる、というお話です。

 

なぜ昔には「ブラック企業」という概念がなかったのか

「ブラック企業」ってありますよね。

おそらく10年ぐらい前から多く使われるようになったと思うんですが、今でもブラックな環境はよくあるかと思います。

そして、私たちはそんなブラックな企業って、嫌ですよね。

 

ただ、苛烈な環境とか、部下をひどく扱う会社や組織は、20年前も50年前も多くあったと思うんですよ。

でも、「ブラック企業」みたいな概念って、ここ10年ぐらいから出てきたもののように感じます。

もちろんそれ以前もそれに相当する用語はあるのかもしれませんが、過去の漫画とか物語に触れても、あまりそういう用語は出てこなくて。

だから、「ブラック企業」という現象は、ここ10年ぐらいから問題になってきたんじゃないかと思ってます。

 

ならなぜ今になってそれが気になるようになったのかというと、それが「世代間の感覚の差」かなと私は予想していたりします。

 

人は、若い時代に大きく影響を受ける

人は、若い時代のライフスタイルに大きく影響を受けるものです。

で、今の日本の経営者層って、若い時期にバブルで舞い踊っていた世代なんですよね。

日本の経営者層はだいたい50~70歳ぐらいだろうと思うんですが、若い時代はもろにバブリーで、経済成長の恩恵を受けて楽しみまくった世代です。

 

そして、「頑張れば成果が出る。不景気でも、少し待てば好景気はやってくる」というのが常識でした。

高度経済成長期でも、何度か不景気はありましたが、すべてしばらく待てば景気は回復していました。

で、当時の日本は「世界に追いつけ、追い越せ」ということで、世界がやっていることをまねして、ただ我慢して働けばいいだけでした。

そこには独自性とか創造性なんて必要なくて、長時間頑張れば、それだけ成果が出る世界でした。

 

若い頃にそういう時代を過ごしていたので、「そういう世界が普通だ」と感じていて、大きくなっても「ただ頑張れ。我慢しろ。待て」一辺倒なことが多いと。

若者向け物語でも、鳥山明とか、ちばてつやとか、それ以前の漫画や物語ほど、「努力して練習して、決められた大会やルールの上で勝つ」が王道でした。

 

今は頑張っても成果がでない時代

一方で、今の若者になるほど、そういう「頑張れば成果が出る」とか「待てば好景気がやってくる」というのは非常識です

今の時代は頑張るだけでは成果が出ないことを知っているし、待てば好景気が来るわけでもないと分かっています。

 

で、周囲を見ると、能力をうまく使っている人とか、自分に与えられた個性や才能を発揮している人が、飛躍していると。

逆に、「我慢ばかりしているサラリーマンほど、報われない」という状況を、親の世代を見て分かっているんですよね。

だから若者向け物語でも、異世界ものみたいに、特殊な個性や能力をうまく使うことを重視しているように感じます。

 

いやまぁ、もちろん昔もゴルゴとかルパンとかアトムとか、能力持ちの主人公は山ほどいるんですけどね(笑

でも、全体的な比率を見ると、「努力や我慢」よりも「個性や才能」の重要性が増えているように感じます。

実際、成功している企業は、ソフトバンクとかユニクロにしても、「独創性」で切り開いた部分が大きいですよね。

以前の東芝とか三菱、パナソニックみたいに、「努力や我慢で勝ち取った」とか「年功序列」ではないわけです。

 

今は「世代間での感覚の差」が大きい時代

だから、ここ10年ぐらいから「ブラック企業」という概念が出てきたんじゃないかと思ってます。

経営者層は「人よりも頑張れば、後は待っていればうまくいく」という感覚が常識で、部下にもそれを押しつけると。

だけど部下の世代は、「頑張るのは不毛だ。個性や能力をうまく生かさなきゃ」という感覚が常識で、無意味な我慢ができないと。

すなわち、今の日本は近代史の中でも、一番「世代間での感覚の差」が大きい時代なんだと。

 

そしてそう考えると、「もう10年もすれば、ブラック企業的な問題は減ってゆきそうだ」と分かります。

それは、経営者層からそういうバブルが常識な人たちが消えてゆくからですね。

すると、そういう面では、未来は少しずつ調和して、よくなっていきそうだと分かります。

 

まぁもちろん、今後もいろんな「世代間での感覚の差」は生まれるかと思います。

例えば「若い頃にPCを使っていた世代」と、「若い頃にスマホを使っていた世代」とでは、だいぶ変わるでしょう。

すると、より若い世代は「スマホで処理できればいいのに、なんでPCなんだ」とぼやくかもしれません(笑

それとか、未来には「若い頃にコロナウイルスがなかった世代」と、「若い頃からコロナウイルスがあった世代」という差も生まれるかもしれません。

すると、「5年前以上昔の漫画って、なんかべたべたしてるよね」、「5年前以上前のドラマって、すっごい距離感近いよね」とか違和感を感じるかもしれません(笑

 

まとめ

そんな風に、「世代間での感覚の差」があると分かると、ブラック企業の本質も見えやすくなるかもしれません。

それは、常識の差が違うからなんですよね。

 

自分を変えられるタイプの人なら、そういう常識をどんどん変えることができるんですけどね。

このブログを見ているような人は、自分を変えられるタイプが多いと思います。

でも、多くの人は、「自分を変えられないタイプ」です。

だから、そういう世代間の問題が生まれるんじゃないかなと思います。

 

で、こういう流れが分かると、「これからは個性を生かせばいいんだ」と分かって、より動きやすくなるかもしれません。

 

ということで今日は、「世代間の感覚の差」が分かると、なぜブラック企業があるのかが分かる、というお話でした。

今日はここまで~。

この記事をシェア:
Share