今日はクリエイティブな生き方のお話です。
「好きなものを組み合わせて、何かを作る」という発想もいいですよね、というお話です。
J・B・ストラウベルの考え方が面白かった
ちょっとした記事があったので、ご紹介。
10年で株価160倍!「頭がおかしい」アイデアにイーロンは賭けた(+αオンライン)
記事の内容はというと、イーロン・マスクが電気自動車を作るまでの内容を、一部紹介したものです。
この記事にある、J・B・ストラウベルという人の考え方が面白かったので、ご紹介してみましょう。
彼は、子供時代から、「物を分解して、組み立て直す」というのが好きだったと。
例えばゴミ捨て場でゴルフカートを見つけて、持って帰って電気モーターを修理して、再び動くようにしたりだとか。
こういう、「何かを作ったり、組み立てたりするのが楽しい!」っていう人、いますよね。
絵を描くのが好きだったり、物語を作るのが好きだったり、小物を作るのが好きだったり、いろいろあると思います。
「勝手に、好きな独自ジャンルを作る」という発想
で、彼は物理学を目指して大学進学をするんですが、彼は「物理学は自分には合わない」と分かります。
それは、彼は理論よりも、手を動かす方が好きだったからで。
なので、彼は勝手に「エネルギーシステム工学」という分野を作ってしまうわけです。
すなわち、勝手に独自ジャンルを作っちゃったと(笑
そして彼の言葉が面白かったので、紹介してみましょう。
「ソフトと電気を生かして、エネルギーを制御したかった。コンピューティングとパワーエレクトロニクス(大電力エネルギーの高度な制御技術)の融合を目指しました。要するに自分の好きなことを組み合わせたんです」
「自分の好きなことを組み合わせて、何かを作る」という発想
こういう「自分の好きなことを組み合わせて、何かを作る」という発想が、素晴らしいですよね。
彼は、電気部品の修理とか、分解、組み立てが好きでした。
で、当時は1990年代の終わりぐらいだったので、彼はコンピュータも好きで、プログラミングも好きだったわけです。
「なら、それを組み合わせて、何かしようよ」、という発想です。
そしていろんな「好きなもの」を持つ人ほど、彼のような「好きなものを組み合わせて、何か作れないかな?」という発想が合うことも多いんじゃないかと思います。
というのも、こういう発想ができれば、独自なものができるからですね。
そしてその独自なものを突き詰めていくことで、いち早くその分野で第一人者になって、売れてゆく、という流れです。
「役に立たないものを極める」という発想
で、彼の素晴らしいところは、「役に立たないものを極める」っていう発想ですね。
例えば彼は、ゴミ同然のポルシェを20万円程度で手に入れて、電気自動車に作り替えます。
電気モーターとか、モーターの制御装置とか、充電器、それらを制御するプログラミング、すべて自分で作ります。
そして彼は自分なりの電気自動車を仕上げて、400メートルの世界最速記録を作るわけです。
実はこれは、当時では「全く役にたたないもの」でしかありませんでした。
というのも、当時は大企業ですら、太陽光発電とか、電気自動車に実験的に手を出すぐらいで、個人でやろうとしている人なんてまるでいない状態です。
だから、「車はガソリンで動くものだろう。なんでわざわざコストの高い電気で動かすんだ?」という常識があるものです。
それに、当時の電気自動車は、「排ガスがない」というエコ的なメリットしかありませんでした。
なので、「電気で長距離航行を目指すなら分かるのに、なんで無駄にスピードを重視するんだ!」とツッコミを入れたくなると(笑
だから、おそらく周囲からは、「なんでそんな意味不明で役に立たないものを作っているんだ?」と思われたんじゃないかと思います。
「作りたいから」とか「面白いから」で作る
でも、彼にとっては、ただ単純に「作りたいから」とか「面白いから」なんですよね。
そして「エコを目指すはずの電気自動車なのに、スピードを目指す」みたいなイカれた発想をする人なんて、なかなかいないと(笑
だから競争にもならないし、すぐに成果を出すこともできるわけです。
そうやって、突破口を切り開いてゆく、ということです。
こういうイカれた発想が、彼とイーロン・マスクを引き合わせることになります。
彼は、それまではリチウムイオン電池を使って電気自動車を動かしていたんですが、ノートPCなどに使われる「18650リチウムイオン電池」は使ったことがなかったと。
そして、彼は「その電池を1万本連結したら、どうなるんだろう? 単純計算なら、電気自動車で1万メートル走行できるようになるぞ」とか考えます。
イカれた発想にも、価値が生まれうる
もうこういう「1万本連結してみよう」というぶっ飛んだ発想が面白いですよね。
で、設計した車は、全体の8割がバッテリーという、もうイカれた車になって。
そういうイカれた車を、いろんな会社に「これ、作ってみない?」と持ちかけるんですが、当然どこの会社もそんな常識外れなものは無視します。
そんな中、イーロン・マスクだけはその話を聞いて、一発で気に入ったと。
おそらくイーロン・マスクもやっぱり、そういう「面白い発想」を欲していたんじゃないかと思います。
「常識」=「面白くない」ですからね。
だから、イカれた発想にも、十分に価値が生まれうるわけです。
そして、イーロン・マスクから電気自動車を研究する会社を紹介されて、そこで圧倒的にスピード重視な車を仕上げます。
で、さらにイーロン・マスクはそれにほれ込んで、二人は未来へと進んでゆくことになります。
常識で作るか、非常識で作るか
私たちには、二つの突破口があると思うんですよ。
一つは「多くの人が求めている、妥当な基準で優れたものを作ろう」という道で、もう一つは「自分の好きなことを組み合わせて、今までにない、圧倒的なものを作ろう」という道です。
前者の「多くの人が求めているものを作る」という発想は、常識の塊で作ります。
「車はこういうもの。こういう形で動かすのが当たり前。そしてこうすれば、改良できると分かっている。だから私も頑張ってそういう改良をしていって、より優れたものを作ろう」という発想です。
当然、常識的なので、競争にもなるし、我慢比べになります。
そして基本的に、大資本で大量生産できる大企業が強くなります。
一方で後者の「自分が好きなことを組み合わせて、今までにない、圧倒的なものを作る」という発想は、非常識の塊です。
だって、「これとこれが同時にできればいいな」なんてものは、たいていが世の中にはないものだからですね。
もしあるなら、悩むこともありませんし、そういう会社なり組織なりに入ることを目指しますから。
そんな「自分が嫌なことをできるだけせずに、好きなことがいろいろできればいいな」という場がないから、私たちは苦しむわけです。
ないなら作ればいい
ならば、「ないなら自分で作ればええやん」という簡単なお話です。
それは、何の役に立つのかも分かりません。
まぁ、自分自身にとっては、それを望んでいるので大いに役立つでしょう。
ですがそもそも常識から外れているので、実用性とか量産できるかどうか、大勢に売れるかどうかなんて、完全に無視です。
でも、そこには「面白さ」があるんですよね。
新たな世界の、新たなスタイルには、今までにない可能性とか面白さがあるんですから。
実用性なんて、後からついてくる
ある意味で、「実用性なんて、後からついてくる」と言えるでしょう。
例えば車のフェラーリなんて、当時は「車は移動するもの」というのが常識でした。
でも、そこに「力強い馬を走らせるかのように、力強い車を運転することを楽しもうよ」というスタイルを組み込みました。
だから、そこには「力強さへの魅力」とか「レースをする興奮」、「パワーのある道具を制御する心地よさ」みたいな面白さが生まれたと。
当時の感覚からすると、「力強い躍動感が欲しいなら、馬に乗ればええやん」というものだっただろうな、と思います。
だいたい、馬は身近にあるし、手軽だし、圧倒的に低コストなのに、なんでわざわざ車でそれを味わおうとするのか、意味がありませんよね。
でも、フェラーリはそれをエンジン車ですることに意味を持たせたわけです。
その「馬でなくて、エンジン車」を、「ガソリン車でなくて、電気自動車」にしたのと同じです。
フェラーリだけでなく、シャネルのブランド品とか、スイスの腕時計みたいに、高級商品なんてだいたいがそういう「面白さへの魅力」ですよね。
当時の常識からすると、そういうものは、実用性なんて皆無です。
でも、そこでこだわりを持って仕上げることで、「こだわりのある面白さを味わいつつ、毎日を楽しく生きる」というスタイルも生まれるわけです。
まとめ
なので、そういう「自分の好きなことを組み合わせて、今までにない、圧倒的なものを作ろう」という発想ができると、新たな可能性が見えるかもしれません。
特に個性の強い人ほど、そういう発想ができると、「面白い」への感性が磨かれるかなと思います。
そういうのは、変に常識的にならなくていいんですよ。
むしろ、思いっきりイカれた発想をして、もっとイカれた方向に突き進む方が、うまくいくことが多くて。
それは、それだけとがるほど、「圧倒的な面白さ」を作れるからですね。
「飛び抜ける方が、面白い」ということです。
すると、常識ではなくて、非常識を武器にして戦うこともできるかな、と思ったりもします。
ということで今日は、「好きなものを組み合わせて、何かを作る」という発想もいいですよね、というお話でした。
今日はここまで~。